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インターネット字書きマンの落書き帳

   
三下悪魔の風間と巻き込まれてる坂上くん
鳴七で、悪魔な風間さんという概念はなかなかにSR風間さんなんですけどね。
ぼかぁ、その悪魔な風間さんが結構好きなので、書きました!

悪魔の風間さんに契約を迫られて困っている、そんな日常を送っている坂上くんが、他の悪魔にちょっかいかけられそうになり、風間さんが颯爽と現れて、ボコボコにされるような話です。

風間のこと面倒くさいけど嫌いじゃない坂上くんと、坂上のこと利用してやろうと思っているけど絆され気味の風間さんセットですよ。



『それでも貴方が心配だから』

「待たせたね、坂上くん。大丈夫だったかい? 僕が来るまでよく頑張ったね」

 旧校舎の廊下に突如として現れ、子供の背丈ほどあるコウモリのような異形の怪物に追われていた坂上はようやく現れた風間を前にしてすっかり腰を抜かしていた 。
 異形の怪物は間違いなく悪魔と呼ばれる存在だろう。
 普段は人間に化けて暮らしているのか、それとも旧校舎に潜んでいたのかはわからないが、ともかく今は大人ほどある大きさに巨大な蝙蝠の翼をもつ異形の怪物として坂上を追い詰めようとしていた。
 その日、坂上は普段より新聞部を出るのが遅くなり、そこに現れたのが異形の怪物だった。  怪物は走って逃げ回る坂上を、ついに旧校舎まで追い詰める。
 どうして僕なんだ、悪魔に追いかけられるなんて風間さんだけで充分なのに……。
 そんな風に思い、必死になって旧校舎に転がり混んだものの逃げ道を失い、いよいよ化け物が近づいてきたと思った時に、ようやく風間は現れた。
 これでもう大丈夫だ、風間は悪魔なんだから、きっと不思議な力で悪魔を退治してくれるだろう。
 現に風間は自信満々といった様子で手を広げると、化け物を前に立ちはだかった。

「悪いけど、坂上くんはボクと契約する約束があるんだ。他の奴らが勝手に入ってこないでくれるかな」

 そんな約束してないが、背に腹は代えられない。
 全く人語を理解せず追いかけてくる悪魔より、自己中でマイペースで口が悪いけど顔だけは格好いい風間のほうが追いかけられるのなら幾ばくかマシだろう。
 坂上はすっかり腰を抜かしていたから這いずるように風間のそばへ近づくと。

「た、助けてください風間さん……」

 辛うじてそう口にする。
 すると風間はそれを待っていたかのようにウィンクすると。

「任せなさいよ、可愛い坂上くんのためだからね」

 そう告げ、異形の前に立つ。

「さぁさぁ、三下悪魔、かかってきな。この風間様がちょいちょいっとお前をねじってやるからね」

 意気揚々と現れた風間は…………。
 …………期待とは裏腹に、信じられないくらい弱かった。
 相手悪魔の派手な魔法を何度もぶち込まれ、腕は曲がらない方向へ曲がっている。
 高い所から身体を強かにうちつけ、綺麗な顔が血に濡れているのは風間が人間の姿をとっているだけあり痛々しい。
 何とか悪魔は撃退したが、風間の身体は傍目からすると満身創痍であった。
 それだというのに。

「無事かい、坂上くん。格好いいとこ見せられたかな?」

 風間は笑うのだ。まるで自分の身体など痛いところなど無いとでも言うように。それより坂上を守れた方がよっぽど嬉しいとでも言うように。
 坂上はたまらなくなって、風間の身体に抱きついた。

「何言ってるんですか風間さん、そんなボロボロになって、腕とか、足も折れてるし!」
「あー、いや、心配ないよ。悪魔だからね、人間の肉体なんて仮初めだから痛みとかはないんだよ。全くない、ってワケじゃないけど、人間が思っている程は……」
「でも、こんな無茶な戦い方やめてください……僕のせいで、僕の大事な風間さんが傷つくのは嫌です!」

 坂上の真っ直ぐな目と言葉とが、風間の胸を貫く 。
 まったく、悪魔だからこんなに信頼を寄せられた言葉というのはかえってこたえる。これでは弱みにかこつけて契約を迫る自分が小さい男みたいじゃないか。

「しかたないなぁ、これからはもっと気をつけて戦うから泣かないでおくれよ。ね?」

 風間は泣き出す坂上を胸に抱くと、その髪に口づけをする。
 まったく、おっちょこちょいで人を信じやすいからチョロいだろうと思って目をつけたのに、こんなに純粋で頑固だとは、契約を求める人間を間違ったと思う。とんだ災難だとも。
 だが風間はその災難を、けっこう楽しんでいた。

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東吾
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インターネット駄文書き
自己紹介:
ネットの中に浮ぶ脳髄。
紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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