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インターネット字書きマンの落書き帳

   
元のご主人様は友人と元奴隷が幸せなのが嬉しいようです
新堂さんと日野さんが出て会話する話しです。(挨拶を兼ねた幻覚の説明)

現在荒井くんと恋人として付き合いながら荒井くんのSご主人様をやっている新堂さんが、荒井くんの元ご主人様だった日野さんと話をします。
荒井くんというM奴隷を巡っての会話ながらもう日野さんにとって過去の話だから終始なごやかなSトークです。
(作者の欲求が一切かくれなかった証明)

M奴隷の現在のご主人様と過去のご主人様が会話するのは楽しいので健康になってください。
実は昨日にupした話と対になっているので両方並べて見るとお得かもしれません。
やった~! 増量お得パックだ~!



『聞きたい事と言われても』

 どうした、新堂じゃないか。
 いきなり何だ? お前からツラを貸せなんて言われるとどうにもな……まさか体育館裏に呼び出して……とかじゃなかろうな。

 はは、冗談だよ冗談。
 いくらお前でも誰彼かまわずケンカを売るような性分じゃないことくらいわかってるさ。

 それより何の話だ?
 ここじゃ話せない内容か?

 そうだな……二人だけで話したいというのなら今から新聞部の部室にでも行くか。
 俺が鍵を預かっているし、今の時間なら誰もいない。
 この学校で誰の目にも届かないような場所を探したらそれでこそ旧校舎にでも行くしかないが、そっちよりは幾分か安全だろうしな。

 ところでさっきから要件を言わないが何の用なんだ。
 せめて要件くらい教えてくれ……それとも、本当に言えないような話なのか。

 おい、人でも殺したんじゃないだろうな。
 いや、人殺しなんて危ない話を俺にもってくるとは思えないからそうだな。

 ……荒井のこととか?

 ははッ、わかりやすいなお前は。
 だから荒井のヤツがお前を気に入ったのかもしれないが……。
 確かにこの話しを廊下でするのはまずいか。
 部室に入ってからゆっくり話すとしよう。

 さてと……やはり窓を開けても暑いな。
 冷たい飲み物でも買ってくるか……新堂、何がいい?
 おっと、財布を投げるな……それに気を遣わなくてもいいんだが、ここはお前の好意に甘えておごらせてもらうとするか。
 だけどお前は本当にに水でいいんだな?
 いやはや、ボクシングの事になると急にストイックになる姿勢は頭が下がるよ。

 ……ほら、買ってきたぞ。 それじゃぁ飲みながらでも話しをするか。
 で、話は何だ?

 ……おいおい、お前から呼び出したのにアレとかソレじゃ何が言いたいのか全然わからないだろう?
 聞いたんじゃないのか、荒井から。
 俺があいつの前の主人だった……てことをな。

 あぁ、それは本当だ。
 俺はあいつとプレイ関係の主従だったことがあるが……何だ、荒井がそう言ってた訳ではないのか。
 聞けば言うだろうが聞かれない限りは言わないタイプだもんな、荒井は。
 でも荒井の態度で何となくそういう気がしたと思ったのならアイツでも多少はボロを出す事があるということか。そんな下手を打つヤツじゃないと思っていたんだがな。
 それともボクサーの観察力ってやつか?
 お前はヤバいと思ったらすぐに距離をとっていち早く逃げてたりするから動物的な勘みたいなものが優れてるのかもな。

 それで、だ……。
 お前はそんな事を聞いてどうしようっていうんだ?

 確かに俺はあいつと主従で過ごしていた時期があるが、もう過去の話だ。
 今は新聞部のネタを提供してもらう友人の一人にすぎないし、俺から誘う事もない。当然、荒井から誘ってくることもな。
 俺と荒井がよりを戻さないかを心配してるなら取り越し苦労ってやつだぞ。
 自分から去って行った奴隷を取り戻そうなんて俺のポリシーにもハンするからな。

 おいおい、だからそんな取り上げたら殺すって顔はするな。
 俺は荒井に関わる気はないしお前から奪おうとも思わないさ、寝取り趣味はないからな。
 まったく、本気で喉笛をかみちぎられるかと思ったぞ……お前の殺意は心臓に悪すぎる。

 だいたい荒井の性格を見ればわかるだろう?
 あいつはマゾヒストのくせに芯が強いか。しかもこだわりが強くて好奇心旺盛だ。
 無理矢理自分のもとへ戻そうとしたって無駄さ。
 肉体を手元に置く事ができても心を開く事は絶対にない……。

 心を開いてもらえない奴隷を従えさせるのが好きだっていうサディストもいるだろうがな。
 SMをプレイとして楽しむ上で相互理解ってのは必要不可欠だ。
 お互い身を任せ心を任せられる相手とするのが一番いいに決まっている……。

 そういう点で荒井はこだわりが強いだろう?
 自分が従えたい主人にしか心も体も許さない、そういうヤツだ。
 お前はその理想が高い荒井に選ばれたんだぜ。もっと自信をもったらどうだ。
 俺が言うのも何だが、あいつはよく出来た奴隷だぞ。お前を主に決めたなら何をされても尽くすだろうし、そうしているうちはお前を一番大切にしてくれるだろうさ。

 とはいえ……新堂はもともとSM趣味はないよな?
 いや、正直に言うとな、お前はそっちの才能があるってのはわかってたんだ。
 イラついた時にやけに攻撃的になるのも、焦燥に駆られ暴力に走るのもお前の内にある加虐欲求が満たされない反動だってのは前から気付いていたしな。
 だが俺はサディストを調教した事はないし、流石に友人のお前をこの趣味に引き込むのも悪い気がして声をかけなかったんだが……。

 なるほど、荒井から誘われたのか……。
 まぁ、そうだな。
 あいつの顔と身体ならノンケのお前でもたらし込めるだろうしあいつは退路を断つような言い回しで外堀を埋めるのも得意だ。
 お前は単純だから仕掛けた罠に飛び込んでいったんだろうな。
 ははッ、仕方ないが運命ってやつだろうな。

 そうだな……少し、昔の話しをするか。
 荒井と会ったのは偶然がいくつか重なった結果だがもしそんな偶然がなくともいつかは出会ってただろうと思うよ。
 俺たちのような性分は、どうしても引き合う……自然とそういう相手を群衆から探し出し同じ臭いのやつを嗅ぎ分けて見つける、そういう癖があるからな。

 俺が見た時の荒井は、自分の中にあるどうしようもなく屈折した衝動に気付いてない状態で……言うなれば、今よりずっと初心だった。
 誰かに押さえつけられて虐げられ自分の意思がない状態で散々と弄ばれる。
 そういう事を極端に嫌悪するところが荒井にはあるんだが、あれは他でもない。そういう状況に何よりも心地よさを覚える反動だ。

 だから俺が教えてやったのさ。
 荒井自身にちょっと認めさせただけ……あいつ自身がひどいマゾヒストで被虐行為という倒錯した性でしか満たされないという嗜好の持ち主だと、頭と心。それに身体にちょっと教えてやっただけだがな。

 だが覚えは良かったぞ。何せ好奇心の塊みたいな男だからな。
 お前は荒井と会うまで、自分がサディストだと思っていなかったんじゃないのか?
 あるいはサディストの気質があったとしても、実際にSMプレイをするような人間だとまでは思っていなかったろう。

 大概はそうさ、そこまではやらない。
 普通のセックスでも充分満足できるだろうからな……。

 お前はサディストの才能はあるがまだ目覚めている訳ではない。
 たぶん、荒井はお前のそういう所を気に入ったんだろうな。

 過去の自分を見ているような気にでもなったか。
 いや、そうか……過去の自分を客観視するためにお前を利用している……というのは確かにあるかもな。
 荒井はいつでも世界を一歩引いて見るような癖がある……あの時の自分がどんな風だったのか観測してみたいと思ったのかもしれないな。

 だがもしそれだけが目的なら、お前がサディスト落ちした時点で用済みになってると思うがどうだ?

 まだ荒井がお前の傍にいるのなら、あいつにも多少は情ってのがあるのか。
 あるいは、そうだな……俺はもう自分がサディストとしての方針がある程度決まってるが、お前はそうでもないだろう?
 お前を自分の理想通りのご主人様に育ててみたい……そういったのがあるのかもな。
 完成してる俺よりも、未完成のお前の方がまだ育て甲斐がある……ってのはわかるからな。

 で、荒井の身体はどうだ?
 あいつは小柄だからシマリがいいだろ、なぁ……。

 ……ははッ、冗談だおい、そんな食い殺しそうな顔をするな。
 だがなァ……俺の事を「そのケがあるヤツ」扱いして笑ってたお前の方が男の荒井にこんなにも完璧に墜ちてくれるとは……いや、世の中わからんもんだな。

 おい、そんなに怒るな。
 いいだろう別に、お前は好きでやっているんなら俺も嬉しいよ。
 俺はお前が誰を抱こうが別にかまわないし……荒井ならまぁ、仕方ないとも思うしな。

 案外綺麗な顔をしている上、身体も細くて華奢だろう。
 あの顔で本気に迫られたらノンケだって狂うさ……俺だって冷静を保てるかどうかだ。
 お前はそうだったろう?
 あいつは人の人生を狂わせる才能があるからな。

 だが、まさかお前とこんな話しができるとはな。
 話して気が楽になるってのはわかる。
 人に言えない趣味である事は間違いない事だ……何せ最悪の場合は相手を殺す事すらある趣味だ。そんなこと、おいそれと口にするのは憚られて当然だろう。
 もしそれを自慢げに語るヤツがいるとしたら、正気だとは思えないしな。

 もしお前が吐き出したい時は俺に言ってくれ。
 新堂が今の状態で満足してるならそれにこした事はないし、何かあったら相談くらいには乗ってやるさ。
 同好の士と語り合えるのはやはり嬉しいものな。

 それとも先輩「ご主人様」として少しお前に攻め方を教えてやろうか?
 俺は厳しいが教えるのには自信がある……お前みたいな強気のSを躾けてみるのも面白そうだしな。

 ははっ、冗談だ。
 ま、せっかく縁があったんだからせいぜい幸せにな。
 お前も荒井も俺にとっては大事な友人だ。
 二人とも幸せになれるなら、それが一番だからな。

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インターネット駄文書き
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ネットの中に浮ぶ脳髄。
紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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