インターネット字書きマンの落書き帳
知らん男に嫉妬する松田概念(松ガス・BL)
平和な世界線で普通にいちゃいちゃしている松田×山ガスの話をするよ~。
みんなー!
あつまれー!
よし、よく来たな。
今日は、山ガスが知らん男の前で楽しそうにする姿を見て、年甲斐もなくイラっちゃう松田の話をする!
いーっぱい楽しんでいってくれよな!
でははじめるぞー!
みんなー!
あつまれー!
よし、よく来たな。
今日は、山ガスが知らん男の前で楽しそうにする姿を見て、年甲斐もなくイラっちゃう松田の話をする!
いーっぱい楽しんでいってくれよな!
でははじめるぞー!
『嫉妬テレフォン・ショッキング』
松田が仕事から戻った時、山田はリビングで誰かと電話をしているところだった。
仕事もプライベートもほとんどメールかチャットで済ませる山田が、電話なんて珍しい。
松田はそっと部屋に入ると、音をたてぬように着替える。
「えぇ? それホント? どうだろうなぁー。海野サンが言うと全然、冗談に聞こえないから」
すると、山田の明るい笑い声が聞こえてきた。
普段の仏頂面が嘘のような上機嫌だ。
電話の相手とも随分親しげのようで、普段よりリラックスして話しているように見える。
一応、普段は松田に気を遣っているのだろうか。
「なんて、そりゃ無いな。気を遣ってあの口の利き方だったら、教育しなおさなアカンわ」
松田は髪を掻き上げると、苦笑しながらリビングに戻る。
山田はまだ電話を続けていた。よほど気の合う相手なのか、声を弾み方も普段と違う。
「んー、そうだなぁ……難しいっちゃ難しいけど、あんまり仕事選んでられない立場だし。何より、海野さんの頼みなら仕方ないよね。僕、海野さんのことけっこー好きだしさ」
コーヒーでも煎れようかとキッチンに向かおうとした松田の動きが、ピタリととまる。
「好き」と言ったのか?
普段はドライで理性的な山田が、他人にそんな感情を告げる事があるなんて。
ましてや仕事関係の相手を「好き」というのは珍しい。
相手は男か、それとも女か。いったいどんな見た目なのだろう。年上か、年下か。
考えずにはいられなかった。
「はいはーい、了解でーす。それじゃ、またねー」
電話を終えると、山田はようやく松田に気付いたように顔を上げる。
「あ、松田さん帰ってたんだ。ごめんごめん、電話してたからまだ何も料理してないや。今からコンビニでもいく?」
「元々おまえ料理なんかせぇへんやろ。それより、今の電話……」
「ん? あー、あれね、仕事の電話。海野さんっていう、僕がWebライター時代から色々仕事を回してくれた人だよ。松田さんと同じくらいの歳かな。背はそんなに高くないけど、細身で若々しくて、立ち振る舞いもスマート。めちゃくちゃカッコイイんだよ。尊敬しちゃうなー、あぁいう大人って」
山田はうっとりと顔をほころばせる。
何やねん、お前もえぇ加減、いいオッサンのくせに乙女みたいになりおって。
そんなにいい男なんか?
「ねー、聞いてる松田さん?」
心配そうに覗き込む山田に、松田はぎこちなく笑う。
「あ? あぁ……何やねん」
「だから、ご飯作ってないから何か食べに行く? デリバリーでも……あ、今日は僕がオゴるよ。久しぶりにちゃんと仕事が入りそうだからね」
「そうか……なら……好きなもん頼みぃ」
「オッケー。あ、ピザでいい? 久しぶりにピザとコーラで乾杯したいんだよねー。よし、ピザ、ピザピザ~」
嬉しそうに電話をかける山田を、頬杖をついて見つめる。
一体、海野って誰や?
憧れてる相手なんか? それとも……。
電話を終えた山田は、無言のままでいる松田を前に首を傾げた。
「あれ? 松田さん、なんかヘンだけど。調子悪い?」
「いや、別にそないなことないで。普通や」
「普通って感じじゃないけどー……あ! まさか、僕が珍しく仕事の人と話なんかしてたから、嫉妬してる?」
山田は頬を抑え、くくっと笑う。
「いやー、そうだよね。うんうん。普段僕って他の人と話するところを見せないから、驚いたよねー。でも、海野さんとは10年来の付き合いだし。それに、海野さんは松田さんと違ってカッコイイから。嫉妬してもみっともなくないよー。だって海野さん相手じゃ、松田さんに勝ち目ないもんね」
山田は煽るように笑い、ちょっかいをかける。
松田は苛立たしげに山田の腕を掴むと、強引に自分の方へと引き寄せた。
「いたっ! ちょ、何するのさ松田サン。ゴリラなんだから手加減してって!」
「……そうや」
「え? 何が?」
「……知らん男にメロついて、知らん男を褒めて、俺よりずっといい男だなんて言われて……そんなん、嫉妬せんわけないやろ」
「あ! ごめんごめん! 冗談だって! お、怒った?」
「……怒っとるんとちゃう。嫉妬しとんねん。お前のこと好きにさせる男が、俺の他におるんか?」
真っ直ぐな視線に、山田はすっかり狼狽える。
「まって! 急にそんな本気で……え? 本気で嫉妬してた? その……僕と、海野さんに?」
「あたりまえや。そもそもそいつ誰や! 全然知らん男の名前出たら焦るわ」
「えー……え、まって。ほんとまって。ちょと気持ちが追いついてない。松田さんが、嫉妬? 僕に?」
山田は抱き寄せられた勢いのまま、松田の膝にちょこんと座り、両手で顔を押さえる。
「……嬉しい」
「何喜んでんねん! こっちは本気で……」
「なはは……僕さ、今まで捨てられてばっかりだったから、嫉妬されるほど愛された事ってないんだよね。だから……ちょっと、どういう顔すればいいかわかんないかも」
泣き笑いのような顔を見せる山田に、松田はそっと唇を寄せる。
荒い息使いが肌に触れ、重ねた指先は微かに震えているのがわかる。
そんなに心配しなくとも、悪いようにはしないのだが。
今日はあえて会いの言葉を伝えず、唇を重ねる。
「もぅ……こんな優しくされたら、ますます好きになっちゃうよね。松田サン、ずるい……」
僅かに唇を離すと、頬を赤くし山田が呟く。
嫉妬を込めた口づけは普段よりじりじりと熱を帯び、彼の心を溶かしていった。
松田が仕事から戻った時、山田はリビングで誰かと電話をしているところだった。
仕事もプライベートもほとんどメールかチャットで済ませる山田が、電話なんて珍しい。
松田はそっと部屋に入ると、音をたてぬように着替える。
「えぇ? それホント? どうだろうなぁー。海野サンが言うと全然、冗談に聞こえないから」
すると、山田の明るい笑い声が聞こえてきた。
普段の仏頂面が嘘のような上機嫌だ。
電話の相手とも随分親しげのようで、普段よりリラックスして話しているように見える。
一応、普段は松田に気を遣っているのだろうか。
「なんて、そりゃ無いな。気を遣ってあの口の利き方だったら、教育しなおさなアカンわ」
松田は髪を掻き上げると、苦笑しながらリビングに戻る。
山田はまだ電話を続けていた。よほど気の合う相手なのか、声を弾み方も普段と違う。
「んー、そうだなぁ……難しいっちゃ難しいけど、あんまり仕事選んでられない立場だし。何より、海野さんの頼みなら仕方ないよね。僕、海野さんのことけっこー好きだしさ」
コーヒーでも煎れようかとキッチンに向かおうとした松田の動きが、ピタリととまる。
「好き」と言ったのか?
普段はドライで理性的な山田が、他人にそんな感情を告げる事があるなんて。
ましてや仕事関係の相手を「好き」というのは珍しい。
相手は男か、それとも女か。いったいどんな見た目なのだろう。年上か、年下か。
考えずにはいられなかった。
「はいはーい、了解でーす。それじゃ、またねー」
電話を終えると、山田はようやく松田に気付いたように顔を上げる。
「あ、松田さん帰ってたんだ。ごめんごめん、電話してたからまだ何も料理してないや。今からコンビニでもいく?」
「元々おまえ料理なんかせぇへんやろ。それより、今の電話……」
「ん? あー、あれね、仕事の電話。海野さんっていう、僕がWebライター時代から色々仕事を回してくれた人だよ。松田さんと同じくらいの歳かな。背はそんなに高くないけど、細身で若々しくて、立ち振る舞いもスマート。めちゃくちゃカッコイイんだよ。尊敬しちゃうなー、あぁいう大人って」
山田はうっとりと顔をほころばせる。
何やねん、お前もえぇ加減、いいオッサンのくせに乙女みたいになりおって。
そんなにいい男なんか?
「ねー、聞いてる松田さん?」
心配そうに覗き込む山田に、松田はぎこちなく笑う。
「あ? あぁ……何やねん」
「だから、ご飯作ってないから何か食べに行く? デリバリーでも……あ、今日は僕がオゴるよ。久しぶりにちゃんと仕事が入りそうだからね」
「そうか……なら……好きなもん頼みぃ」
「オッケー。あ、ピザでいい? 久しぶりにピザとコーラで乾杯したいんだよねー。よし、ピザ、ピザピザ~」
嬉しそうに電話をかける山田を、頬杖をついて見つめる。
一体、海野って誰や?
憧れてる相手なんか? それとも……。
電話を終えた山田は、無言のままでいる松田を前に首を傾げた。
「あれ? 松田さん、なんかヘンだけど。調子悪い?」
「いや、別にそないなことないで。普通や」
「普通って感じじゃないけどー……あ! まさか、僕が珍しく仕事の人と話なんかしてたから、嫉妬してる?」
山田は頬を抑え、くくっと笑う。
「いやー、そうだよね。うんうん。普段僕って他の人と話するところを見せないから、驚いたよねー。でも、海野さんとは10年来の付き合いだし。それに、海野さんは松田さんと違ってカッコイイから。嫉妬してもみっともなくないよー。だって海野さん相手じゃ、松田さんに勝ち目ないもんね」
山田は煽るように笑い、ちょっかいをかける。
松田は苛立たしげに山田の腕を掴むと、強引に自分の方へと引き寄せた。
「いたっ! ちょ、何するのさ松田サン。ゴリラなんだから手加減してって!」
「……そうや」
「え? 何が?」
「……知らん男にメロついて、知らん男を褒めて、俺よりずっといい男だなんて言われて……そんなん、嫉妬せんわけないやろ」
「あ! ごめんごめん! 冗談だって! お、怒った?」
「……怒っとるんとちゃう。嫉妬しとんねん。お前のこと好きにさせる男が、俺の他におるんか?」
真っ直ぐな視線に、山田はすっかり狼狽える。
「まって! 急にそんな本気で……え? 本気で嫉妬してた? その……僕と、海野さんに?」
「あたりまえや。そもそもそいつ誰や! 全然知らん男の名前出たら焦るわ」
「えー……え、まって。ほんとまって。ちょと気持ちが追いついてない。松田さんが、嫉妬? 僕に?」
山田は抱き寄せられた勢いのまま、松田の膝にちょこんと座り、両手で顔を押さえる。
「……嬉しい」
「何喜んでんねん! こっちは本気で……」
「なはは……僕さ、今まで捨てられてばっかりだったから、嫉妬されるほど愛された事ってないんだよね。だから……ちょっと、どういう顔すればいいかわかんないかも」
泣き笑いのような顔を見せる山田に、松田はそっと唇を寄せる。
荒い息使いが肌に触れ、重ねた指先は微かに震えているのがわかる。
そんなに心配しなくとも、悪いようにはしないのだが。
今日はあえて会いの言葉を伝えず、唇を重ねる。
「もぅ……こんな優しくされたら、ますます好きになっちゃうよね。松田サン、ずるい……」
僅かに唇を離すと、頬を赤くし山田が呟く。
嫉妬を込めた口づけは普段よりじりじりと熱を帯び、彼の心を溶かしていった。
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