インターネット字書きマンの落書き帳
お風呂でイチャイチャするだけの話(黒ガス/BL)
しばらく過酷な黒ガスを書いていたので、イチャイチャした黒ガスを書きました。
ただし、終わり方はと~~~~っても不穏です♥
恋人としてイチャイチャすごす黒ガスだよ。
そう言ったので、二人でお風呂に入ってイチャイチャするだけの話ですよ。
安心安全。
たっぷりイチャイチャを楽しんでいってね♥
話としては これ の続きです。
直前山ガスを殺しかけている話だね、そうだね♥
この後、事件をきっかけに急激に壊れていく関係なんだ。
楽しみだね。
あんな!
絶頂があるっちゅうことは、転落することもあんねん。
ただし、終わり方はと~~~~っても不穏です♥
恋人としてイチャイチャすごす黒ガスだよ。
そう言ったので、二人でお風呂に入ってイチャイチャするだけの話ですよ。
安心安全。
たっぷりイチャイチャを楽しんでいってね♥
話としては これ の続きです。
直前山ガスを殺しかけている話だね、そうだね♥
この後、事件をきっかけに急激に壊れていく関係なんだ。
楽しみだね。
あんな!
絶頂があるっちゅうことは、転落することもあんねん。
『前夜祭』
温かな湯に浸かれば、山田の身体に残っていた心地よい疲労感と甘ったるい倦怠感とが同時に身体を包み込み、自然と微睡んでいく。
少しウトウトしたかと思うとそのまま湯に引き込まれるよう眠り落ち、バスタブの水面がぶくぶく泡立てているのに気付いた黒沢は慌てて山田を抱き寄せた。
「おい、起きろ。こんな所で寝ると溺れるぞ」
抱き寄せられてば、互いの吐息が肌に触れるほど近くなる。
「んー……ありがと、優弥サン」
少しの恥ずかしさとそれを上回る愛しさから黒沢の身体にすがるよう抱きついて胸元に頬ずりをする。
「優弥サンの家、お風呂広いから二人で入れるの、本当にいいよね」
黒沢を背もたれにするように身体を預けて笑えば、黒沢はちょうど良い置き場所を見つけたとでもいうように山田の頭に顎を乗せた。
「そう言うが、やっぱり二人は狭いよな。膝を曲げないと入れないのは窮屈だ……いや、元々男が二人入るのを想定してるバスタブなんてそれほど無いんだろうな。引っ越したら少し大きめのバスタブがある物件を探すか」
「え? 優弥サンこの家引っ越すんだ?」
「あぁ……俺もそろそろ卒業だ。5Sの活動を続けるにしても就職するにしても、ここは引き上げる事になるだろうな」
「そっか……」
5Sはかつてないほど順調で、そこで出る利益は大きかった。黒沢だったらこのまま活動を続けて動画配信系のサービスを基盤に起業し、5Sの活動を続けながら後進の配信者を育成するような仕事も考えているのだろう。
あるいは、父親の伝手で就職先もある程度は決まっているのかもしれない。もしそうなら、5Sの活動は引退する事になるだろう。
黒沢の父親は堅い仕事だから、動画配信者なんてイマドキの仕事に対して理解はない。
ましてや私人逮捕と警察ごっこをするような配信を続けているのだ。口さがない連中は迷惑系配信者やら、ヤラセやらあることないこと言うジャンルに居続けることはできないのだろう。
黒沢が起業したとしても就職したにしても、5Sのメンバーとして活動する機会はぐっと減るのは明白だ。
そうしたら、いつも当然のように一緒にいた時間も減ってしまうのだろう。
山田はまた水面の上に、ぶくぶく泡を立てる。
寂しい、行ってほしくない、ずっとそばにいてほしい。そう思うが直接告げるのは迷惑だと思っていたから、その言葉は泡にして消してしまった。
「おい、また寝てるのか? それとものぼせてるのか?」
黒沢は声をかけながら、山田の身体を抱き寄せる。
「んー、どうだろう? のぼせているといえばそうかもしれないけど、よくわかんないや」
首を傾げて曖昧に笑うと、黒沢は心配そうに山田の頬や額を撫でた。
「少し熱いか? そろそろ出るか? ……やっぱり二人入るには少し狭いな。次に引っ越すマンションは、もっと広いバスタブがある所にしよう。お前も、それでいいだろ?」
「え? 何で僕に聞くのさ」
「そりゃ……お前と住むつもりだからな」
「えっ? えっ? 何それ、全然聞いてないんですけど?」
驚いて振り返る山田に、黒沢もまた目を丸くする。
「……あぁ、まだ言ってなかったか。お前なら断らないと思っていたんだが……今度引っ越す部屋には、お前も一緒に住んでもらえないか?」
「まって、待って待って……それって……」
「その前に、親父にお前を紹介しないとな。ははッ、カタブツの親父がお前を見たら何ていうかな……」
悪戯っぽく笑う黒沢を前に、幸せが胸にこみ上げてくる。
黒沢が自分を見つけてくれた。そして、自分を選んでくれた。
漫然と、死ぬことばかり考えていて誰かに殺されたいと願っている。その思いは今でも変わらず、黒沢に殺してもらえるのならそれが至上の喜びである願いも、何ら代わっていない。
「あー……僕は、お風呂このくらいで充分だよ。一緒に入って優弥サンとぴったりくっついていられるの……すっごく幸せだから」
山田は甘えるように黒沢の身体に身を委ねれば、黒沢は瞼や頬にキスの雨を降らせるよう、幾度も口づけをし彼の全てを慈しむ。
いつか、この人に殺されたい。
そう思っていた相手のはずだが、今は一緒に生きていくのも悪くはないと思えている。
山田もやっと、人並みで陳腐だと笑われるような小さな幸せを望むようになっていた。
後に天誅事件と呼ばれる出来事がおこるのは、そのすぐ後のことである。
温かな湯に浸かれば、山田の身体に残っていた心地よい疲労感と甘ったるい倦怠感とが同時に身体を包み込み、自然と微睡んでいく。
少しウトウトしたかと思うとそのまま湯に引き込まれるよう眠り落ち、バスタブの水面がぶくぶく泡立てているのに気付いた黒沢は慌てて山田を抱き寄せた。
「おい、起きろ。こんな所で寝ると溺れるぞ」
抱き寄せられてば、互いの吐息が肌に触れるほど近くなる。
「んー……ありがと、優弥サン」
少しの恥ずかしさとそれを上回る愛しさから黒沢の身体にすがるよう抱きついて胸元に頬ずりをする。
「優弥サンの家、お風呂広いから二人で入れるの、本当にいいよね」
黒沢を背もたれにするように身体を預けて笑えば、黒沢はちょうど良い置き場所を見つけたとでもいうように山田の頭に顎を乗せた。
「そう言うが、やっぱり二人は狭いよな。膝を曲げないと入れないのは窮屈だ……いや、元々男が二人入るのを想定してるバスタブなんてそれほど無いんだろうな。引っ越したら少し大きめのバスタブがある物件を探すか」
「え? 優弥サンこの家引っ越すんだ?」
「あぁ……俺もそろそろ卒業だ。5Sの活動を続けるにしても就職するにしても、ここは引き上げる事になるだろうな」
「そっか……」
5Sはかつてないほど順調で、そこで出る利益は大きかった。黒沢だったらこのまま活動を続けて動画配信系のサービスを基盤に起業し、5Sの活動を続けながら後進の配信者を育成するような仕事も考えているのだろう。
あるいは、父親の伝手で就職先もある程度は決まっているのかもしれない。もしそうなら、5Sの活動は引退する事になるだろう。
黒沢の父親は堅い仕事だから、動画配信者なんてイマドキの仕事に対して理解はない。
ましてや私人逮捕と警察ごっこをするような配信を続けているのだ。口さがない連中は迷惑系配信者やら、ヤラセやらあることないこと言うジャンルに居続けることはできないのだろう。
黒沢が起業したとしても就職したにしても、5Sのメンバーとして活動する機会はぐっと減るのは明白だ。
そうしたら、いつも当然のように一緒にいた時間も減ってしまうのだろう。
山田はまた水面の上に、ぶくぶく泡を立てる。
寂しい、行ってほしくない、ずっとそばにいてほしい。そう思うが直接告げるのは迷惑だと思っていたから、その言葉は泡にして消してしまった。
「おい、また寝てるのか? それとものぼせてるのか?」
黒沢は声をかけながら、山田の身体を抱き寄せる。
「んー、どうだろう? のぼせているといえばそうかもしれないけど、よくわかんないや」
首を傾げて曖昧に笑うと、黒沢は心配そうに山田の頬や額を撫でた。
「少し熱いか? そろそろ出るか? ……やっぱり二人入るには少し狭いな。次に引っ越すマンションは、もっと広いバスタブがある所にしよう。お前も、それでいいだろ?」
「え? 何で僕に聞くのさ」
「そりゃ……お前と住むつもりだからな」
「えっ? えっ? 何それ、全然聞いてないんですけど?」
驚いて振り返る山田に、黒沢もまた目を丸くする。
「……あぁ、まだ言ってなかったか。お前なら断らないと思っていたんだが……今度引っ越す部屋には、お前も一緒に住んでもらえないか?」
「まって、待って待って……それって……」
「その前に、親父にお前を紹介しないとな。ははッ、カタブツの親父がお前を見たら何ていうかな……」
悪戯っぽく笑う黒沢を前に、幸せが胸にこみ上げてくる。
黒沢が自分を見つけてくれた。そして、自分を選んでくれた。
漫然と、死ぬことばかり考えていて誰かに殺されたいと願っている。その思いは今でも変わらず、黒沢に殺してもらえるのならそれが至上の喜びである願いも、何ら代わっていない。
「あー……僕は、お風呂このくらいで充分だよ。一緒に入って優弥サンとぴったりくっついていられるの……すっごく幸せだから」
山田は甘えるように黒沢の身体に身を委ねれば、黒沢は瞼や頬にキスの雨を降らせるよう、幾度も口づけをし彼の全てを慈しむ。
いつか、この人に殺されたい。
そう思っていた相手のはずだが、今は一緒に生きていくのも悪くはないと思えている。
山田もやっと、人並みで陳腐だと笑われるような小さな幸せを望むようになっていた。
後に天誅事件と呼ばれる出来事がおこるのは、そのすぐ後のことである。
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