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インターネット字書きマンの落書き帳

   
えりおを抱っこするつつみおじさん
襟尾純をお姫様抱っこする津詰徹生おじさんの話をします。
俺はお姫様抱っこする、されるオトコがだいだいだ~~~~~~~い好きなんですよね。

刑事組の場合、津詰のほうが襟尾を軽々持ち上げたら格好いいよなァ。
そんな事を思いながら津詰が襟尾を横抱きにしてみました。
ボス、もう中年にさしかかっていても体力は充分だと嬉しい気持ちがある! あります!

おまけに、Twitterでフォロワーさんから「後で津詰さん腰痛めてそう~」と言われたので痛めちゃった津詰もかいておきました。
いつでも楽しく犯罪検挙している二人をお楽しみください。



『不注意による怪我というもの』

 襟尾純は若手として充分すぎるくらい優秀な刑事ではあるのだが、若さ故か少しばかり不注意すぎるきらいがある。
 その日、階段を踏み外して転げ落ちるなんてヘマを仕出かしたのもまた意気込みすぎて前のめりの気持ちになり急ぎ階段を降りようとした結果だった。

「いたたー、失敗したぁ。ちょっと足をひねっちゃったかなこれ」

 結構な高さから落ちと思ったが、痛みを感じたのは足首だけだったのは幸いだろう。警察官という職業柄日々の鍛錬をし受け身をとるのも慣れていたのもまた大きな怪我を防げた理由に違いない。だが体勢を崩した身体に妙な形で体重をかけたため左足は疼くように痛んでいた。
 それでも歩けない程ではない。少し熱をもっているようだが激しく腫れた訳でもないし、薬局で買った湿布でも貼ればすぐにでも動けるだろう。その程度に思い軽く考えていた襟尾とは対照的に、津詰徹生はひどく驚いたように

「エリオ、おい大丈夫か」

 と声を張ると大慌てで階段を降りてきた。
 津詰からしてみれば目の前を歩いていた人間が急に消えたと思ったら派手に宙を舞い階段を転げ落ちていったのだから驚くのも当然だろう。

「あぁ、ボス。心配しなくても大丈夫ですよ、別に血も出てないですし、骨が折れた訳でもないですから仕事には支障ありませんって」

 死ななければ動ける、くらいの勢いで仕事に挑む襟尾にとっては何の支障もない傷だ。そもそもこの程度の痛みは怪我や傷の中にも入っていない。そう思い襟尾は心配そうに寄り添う津詰へと笑顔を向けすぐに立ち上がろうとする。そんな襟尾を津詰はあわてて制止した。

「おい、あんまり無理に動くんじゃ無ェ。頭でも打ってたら一大事だからな。今から病院連れて行ってやるからな」
「大げさだなぁボスは。本当に頭も打ってませんし、ちょっと足をひねっただけですからすぐにでも動けますよ」
「そんな風に軽くみてると危ねぇんだ、一見ピンピンしてても妙な所を打っていて翌日コロッと死んじまう奴だっているんだからな。いいかエリオ、これは上司命令だと思え。万全を期して挑まねぇといざって時にとんでもねぇ失敗をする。そして、俺たちの仕事はそれが許されねェ仕事だからな」

 津詰は襟尾の隣で片膝つくと痛めた足へと触れながら襟尾を諭すように語る。
 ひねった足は腫れてはいないが先ほどと比べて幾分か熱をもっている気がした。折れてはいないが捻挫くらいにはなっているのだろう。

「歩けるか?」
「えぇ、全然大丈夫ですよ」

 元気であることをアピールするため襟尾は急いで立ち上がるが、急いでしまったがばかりに強い痛みが走りよろけて壁へ手をついてしまう。その姿を見て、津詰は呆れたように大きく息を吐いた。

「全然大丈夫じゃ無ェだろうが、まったく、仕方ねぇな……」

 そして、そう言うが早いか襟尾の身体へ手を回し一気に身体を抱き寄せる。

「えぇ、ちょっ、ちょっとまってくださいよボス!?」

 急に津詰が自分の身体に触れしかも間近に抱き寄せるものだから一気に頭が沸騰し半ばパニックに陥る。一方の津詰は襟尾がすっかり動揺していることなど一切気付く様子もないまま少しばかり気合いを入れて彼の身体を横抱にするとそのまま歩き出していた。
 まるで赤ん坊か花嫁のように津詰に抱えられた襟尾の頭は恥ずかしさで顔を真っ赤に染める。

「ちょっ、まってください、ボス……お、オレ結構重いですよ!?」

 恥ずかしさからまるでラブコメで主人公に抱えられすっかり動揺したヒロインの如き台詞を口走るが、津詰はさして気にする様子もないまま襟尾を抱えて歩きつづけた。

「足が痛ェんだろ、だったら歩くと悪くなるかもしれねぇ。このまま俺の車で病院までつれてくから逃げるんじゃ無ぇぞ」
「まってくださいボス、自分で歩けますから。肩だけ貸してれば充分ですって」
「何だ、俺がオマエを落としそうに見えんのか? 心配しなくても落としたりしねぇよ、そんなにヤワじゃ無ぇからな」

 そう言いながら津詰は笑う。
 きっと津詰からすれば襟尾は大型犬のようなものなのだろう。前のめりでいつも津詰のまわりを元気にかけていて、それで時々怪我をする。そんな襟尾を忠犬のように思っているのかもしれない。
 だが襟尾にとっての津詰はずっと憧れていた存在だ。自分のミスでした怪我で憧れの刑事から抱き上げるというのはかっこ悪いし恥ずかしい。しかし津詰もよかれと思いやってくれているのだから、断るのは失礼だろう。

「ありがとうございます、ボス」

 それに、恥ずかしいよりも嬉し方がずっと大きい。
 襟尾は横抱きにされたまま津詰の頭を抱きしめていた。

「おい、バカ! 落とすだろうが、じっとしてろ!」

 そのままフラフラと駐車場へと向かう津詰と襟尾の背中を、同僚たちは笑って眺める。
 相変わらずあの二人は随分と楽しそうにしているな。
 誰かが呟く言葉に皆が笑いながら頷く中、襟尾を乗せた車は病院の方へと向かっていくのだった。


<おまけ>

 病院で診察を受けた襟尾は幸い骨折もしていなければヒビも入っておらず、軽い捻挫だろうという事で痛み止めと湿布を随分ともらってきた。
 その湿布を足首に貼りしっかりとテープでとめればすっかり痛みもおさまって、普段通りの襟尾に戻ったような気さえする。

「ありがとうございます、ボス。もう今日はいくらでも聞き込み出来そうですよ」

 足に厚手の湿布をしたので靴をはくと違和感があるが痛みと比べれば些細なものだろう。すっかり本調子になる襟尾の隣で津詰は手を組み俯いていた。

「そ、そうか。悪いエリオ……こっちは痛みがおさまるまで、もう少し待ってくれねぇか……」

 津詰の腰には襟尾の倍、湿布が貼られている。
 勇んで襟尾を持ち上げたが、その後腰を痛めたようですぐさま動くのが難しくなっていた。

「もう、ボス年甲斐も無くハシャぐからですよ」

 襟尾に言われ、津詰は悔しそうに唇を噛む。はしゃぎすぎと言われてぐうの音も出なかったからだ。

「くそっ……もう大丈夫だ、痛みは無くなった。いくぞ」
「本当ですか、休んでてもいいんですよ」
「本当だ、行くぞ」

 よろよろと立ち上がる津詰の腰を襟尾は軽く叩いてみせる。すると津詰は「ぎゃぁ」と鈍い叫びをあげ、またその場に座ってしまった。

「な、何しやがるエリオ……」
「もう、ボス。無理しないでくださいって、そんなんで凶悪犯と出くわしたらどうするんですか」
「大丈夫だって言ってんだろ、行くぞ!」

 ふたたびよろよろ立ち上がる津詰にあわせ、襟尾は普段よりもゆっくりと歩く。
 二人の姿を眺める同僚たちは、やはり仲が良いコンビだ。相変わらず楽しそうだと思いながら見送るのだった。

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インターネット駄文書き
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