インターネット字書きマンの落書き帳
この良き日に祝福を(ヤマアル)
ずぅっと書きたいアルフレートくんの話があったものの、冬のナマズみたいにジィッとしていたら気付いたら春になってました。(挨拶)
というワケでヤマアルを書きます。
今回は俺が書く中ではかなり アル→→→←ヤマ みたいな話かな……と思いつつ「そこが問題じゃねぇだろ」と思いました。
内容は、処刑隊の輝きを抱き宿願であるアンナリーゼを倒したアルフレートくんが歓喜と幸福のなかで、持ち歩いていたヤマムラさんの生首と幸せなキスをする話です。
生首と幸せなキスをする話です。(大事だと思って二度言いました)
久しぶりの正常運転です。
どうぞ。
というワケでヤマアルを書きます。
今回は俺が書く中ではかなり アル→→→←ヤマ みたいな話かな……と思いつつ「そこが問題じゃねぇだろ」と思いました。
内容は、処刑隊の輝きを抱き宿願であるアンナリーゼを倒したアルフレートくんが歓喜と幸福のなかで、持ち歩いていたヤマムラさんの生首と幸せなキスをする話です。
生首と幸せなキスをする話です。(大事だと思って二度言いました)
久しぶりの正常運転です。
どうぞ。
『最良の日』
人生に絶頂というものがあるのなら、アルフレートは今まさにその最中にいた。
目の前に飛び散る血と肉片はかつて女王アンナリーゼと呼ばれていたものだ。
血族を統べ、忌まわしい儀式に傾倒し、穢れた血をヤーナム中にまき散らした諸悪の根源たる存在だ。
アルフレートはそれを切り裂き、貫き、ずたずたに引き裂いてすり潰した。
堂々たる立ち振る舞いで嘲るような視線を向ける忌々しい女はもういない。 あるのは絨毯のように広がった血と肉塊だけだ。
ある者は言う。アンナリーゼは不老にて不死であると。だから決して滅ぼす事は不可能なのだと。
だがそれが何だというのだ、不老であろうが不死であろうが血肉をぶちまけ細切れにすればいいだけの話ではないか。手足を失い脳を奪えばいかなる英智をもっていても地にはう芋虫と変わりあるまい。
もしそれで復活をしても、それはもうかつての威光をもつアンナリーゼとは言えないだろう。
その血に泥と砂利が混じり肉や骨に石礫が挟まったような身体となればさぞ惨めに違いないだろう。 土埃や錆の混ざった血肉を抱えて生きるのならさぞ滑稽なことだ。
最も、もう二度と蘇る事のないようすり身にしてやったのだからそんな事を考える必要もないだろう。
血と汚物の臭いに包まれた室内でアルフレートは歓喜の声をあげる。
ついに私はやったのだ、やりとげたのだ。
褒めてください師よ、誇ってください輝きの彼方へと向かった同胞よ。
あなた達の意志を継ぎ私はついにやり遂げました、醜く穢れた歪な女王を、女王を騙る愚かで穢らわしい女を、肉塊へと帰したのです。
あなた達の尊き意志と誇りを胸に私はなし遂げたのです。
昂ぶる思いは抑えきれず踊り出したい程に心地よい。
今日は良き日だ、きっと人生最良の日となるだろう。それを共に喜ぶ者もなければ偉業を称えるものは誰もいなかったが、それでもアルフレートは幸福だった。
もしこのまま誰かに殺されてもきっと笑って死ねるだろう。
だがこの偉業を誰も知らない。
ヤーナムでは処刑隊など過去のものになっていたし血族は身を隠し僅かにその血を残す末裔が身売りなどをし細々と生計をたてる程度になっていたからだ。
今のヤーナムにおいて血族は怖れるほどの存在ではなかった。 あるいは血族に関わっているほど余力の無い状態だったと言う方が正しいのかもしれない。
だからアルフレートが血族を根絶やしにするため一人奔走している姿を見る街の目は冷ややかなものだった。
処刑隊の亡霊などと揶揄するものも多く協力するどころか彼を理解しようとする者すらいなかったのだ。
そう、ただ一人を除いては。
「あぁ、そうだ。ヤマムラさん、ヤマムラさん……貴方だったらわかってくれますよね。私の事を笑いもしなかった、私の思いに寄り添ってくれた貴方なら……」
アルフレートは芝居がかったように大仰な身振り手振りをすると鞄から何かを取り出す。
それは壮年男の首だった。
死んでしまったから首だけをもってきたのか、それとも首を得るために殺してしまったのかはわからないが男は静かに目を閉じている。
「ヤマムラさん、私はやりました。やり遂げたのです。あなたなら……褒めて、くれますよね」
ヤマムラと呼んだ生首を両手でしっかり抱きしめると夢見心地のまま唇を重ねた。
冷たい口づけの後もヤマムラは何も語らず静かに目を閉じたままであり微笑みすら浮かべない。触れた唇も冷たく死のにおいが漂っていただろう。
それだというのにアルフレートは幸福そうな笑みを浮かべ男の黒髪を撫でるのだ。
「あぁ、ヤマムラさん。ヤマムラさん……あなたとともにいられて幸せです。あなたと、ともにこの日を迎えられて……」
アルフレートはその首を抱き満面の笑みを浮かべる。
今日はアルフレートの人生にとって最良であった。
人生に絶頂というものがあるのなら、アルフレートは今まさにその最中にいた。
目の前に飛び散る血と肉片はかつて女王アンナリーゼと呼ばれていたものだ。
血族を統べ、忌まわしい儀式に傾倒し、穢れた血をヤーナム中にまき散らした諸悪の根源たる存在だ。
アルフレートはそれを切り裂き、貫き、ずたずたに引き裂いてすり潰した。
堂々たる立ち振る舞いで嘲るような視線を向ける忌々しい女はもういない。 あるのは絨毯のように広がった血と肉塊だけだ。
ある者は言う。アンナリーゼは不老にて不死であると。だから決して滅ぼす事は不可能なのだと。
だがそれが何だというのだ、不老であろうが不死であろうが血肉をぶちまけ細切れにすればいいだけの話ではないか。手足を失い脳を奪えばいかなる英智をもっていても地にはう芋虫と変わりあるまい。
もしそれで復活をしても、それはもうかつての威光をもつアンナリーゼとは言えないだろう。
その血に泥と砂利が混じり肉や骨に石礫が挟まったような身体となればさぞ惨めに違いないだろう。 土埃や錆の混ざった血肉を抱えて生きるのならさぞ滑稽なことだ。
最も、もう二度と蘇る事のないようすり身にしてやったのだからそんな事を考える必要もないだろう。
血と汚物の臭いに包まれた室内でアルフレートは歓喜の声をあげる。
ついに私はやったのだ、やりとげたのだ。
褒めてください師よ、誇ってください輝きの彼方へと向かった同胞よ。
あなた達の意志を継ぎ私はついにやり遂げました、醜く穢れた歪な女王を、女王を騙る愚かで穢らわしい女を、肉塊へと帰したのです。
あなた達の尊き意志と誇りを胸に私はなし遂げたのです。
昂ぶる思いは抑えきれず踊り出したい程に心地よい。
今日は良き日だ、きっと人生最良の日となるだろう。それを共に喜ぶ者もなければ偉業を称えるものは誰もいなかったが、それでもアルフレートは幸福だった。
もしこのまま誰かに殺されてもきっと笑って死ねるだろう。
だがこの偉業を誰も知らない。
ヤーナムでは処刑隊など過去のものになっていたし血族は身を隠し僅かにその血を残す末裔が身売りなどをし細々と生計をたてる程度になっていたからだ。
今のヤーナムにおいて血族は怖れるほどの存在ではなかった。 あるいは血族に関わっているほど余力の無い状態だったと言う方が正しいのかもしれない。
だからアルフレートが血族を根絶やしにするため一人奔走している姿を見る街の目は冷ややかなものだった。
処刑隊の亡霊などと揶揄するものも多く協力するどころか彼を理解しようとする者すらいなかったのだ。
そう、ただ一人を除いては。
「あぁ、そうだ。ヤマムラさん、ヤマムラさん……貴方だったらわかってくれますよね。私の事を笑いもしなかった、私の思いに寄り添ってくれた貴方なら……」
アルフレートは芝居がかったように大仰な身振り手振りをすると鞄から何かを取り出す。
それは壮年男の首だった。
死んでしまったから首だけをもってきたのか、それとも首を得るために殺してしまったのかはわからないが男は静かに目を閉じている。
「ヤマムラさん、私はやりました。やり遂げたのです。あなたなら……褒めて、くれますよね」
ヤマムラと呼んだ生首を両手でしっかり抱きしめると夢見心地のまま唇を重ねた。
冷たい口づけの後もヤマムラは何も語らず静かに目を閉じたままであり微笑みすら浮かべない。触れた唇も冷たく死のにおいが漂っていただろう。
それだというのにアルフレートは幸福そうな笑みを浮かべ男の黒髪を撫でるのだ。
「あぁ、ヤマムラさん。ヤマムラさん……あなたとともにいられて幸せです。あなたと、ともにこの日を迎えられて……」
アルフレートはその首を抱き満面の笑みを浮かべる。
今日はアルフレートの人生にとって最良であった。
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