インターネット字書きマンの落書き帳
ムラムラする山ガスを誘いたい眉(眉ガス/BL)
眉崎×山ガスというアプローチで、これは絶対見たいな!
を考えた結果、「自分から誘ってこない山ガスに苛立つ眉崎」は絶対喰いたいと思って書きました。
お客さん……よく来たね。
ほら、うちの味だよ、いっぱい食べてくれ……。
眉ガスアンソロにお呼ばれするのを楽しみにしています♥
を考えた結果、「自分から誘ってこない山ガスに苛立つ眉崎」は絶対喰いたいと思って書きました。
お客さん……よく来たね。
ほら、うちの味だよ、いっぱい食べてくれ……。
眉ガスアンソロにお呼ばれするのを楽しみにしています♥
『溺れるように囁いて』
ベッドで横になりうとうとし始めた眉崎に、山田が囁くように問いかける。
「ねぇ、眉崎サン。今日は一緒に寝ていい?」
眉崎の部屋にベッドは一つしかない。だから山田が泊まるようになってからは、二人で一緒に寝るか、山田がソファーで寝ていた。
そして、一緒に寝るときは眉崎から「お前もベッドで寝ろ」と言うときか、山田がベッドで寝てもいいか聞くのが暗黙の了解になっている。
「勝手にしろ」
眉崎の言葉を待っていたように、山田はベッドに潜り込む。互いの背中が重なり、シャツごしに肌の温もりと、すっかり熱くなり反り立つ身体の躍動を感じる。
何でこいつ、こんなにビンビンになってるっていうのに「抱いてほしい」って言わないんだ。
もう限界ってくらい勃ってるじゃないか。
内心そう思うが、眉崎は何も気付かなかったふりをして目を閉じた。
もう一週間、山田を抱いていない。
それというのも眉崎が、山田を抱く時はいつも自分から誘っているのに気付いたからだ。
山田は眉崎からの誘いに断ったことは一度もない。
「今日は、もう準備してあるよ」なんて顔を紅くして告げる事すらある。
しかしこれまで一度だって、山田から「抱いてほしい」とせがまれた事は無かった。
ひょっとして、山田は思ったより性欲がないのだろうか。
眉崎に言われたからしぶしぶ抱かれているだけで、本当は相手をするのが億劫なのではないか。
そう思った眉崎は、自分から誘うのを止めてみた。
それから、今日で一週間だ。山田は今日のように自分からベッドに入ってくる事はあるが、未だ一度だって「抱いてほしい」とせがんだ事はない。
しかも今日は、明らかに身体を持て余している。それなのに、一切求めてこない。
一体どういうつもりなんだ?
やはり眉崎の相手をするのは億劫なのか。言われたからしぶしぶ付き合っているだけで、別に眉崎とセックスする気にはなれないのか。
悶々と疑問を抱いたまま、眉崎は眠りに落ちていった。
そして翌朝、少し遅く起きた眉崎の隣に、すでに山田の姿はない。
寝ぼけたままリビングに向かえば、「ちょっと家に戻ってる。夕方までには帰るよ。冷蔵庫にプリン入ってるから食べていよ」とメモ書きが残してあった。
プリンなんて甘ったるい食べ物なんて誰が喰うかと思いつつ、綺麗に平らげてしまった。
空になったプリンの器を捨てると、眉崎口元を擦る。
そういえば、この一週間はキスさえしてない。
山田から抱いてほしいとせがんでくるまで待つつもりだったが、すでに眉崎の身体は限界に近かった。
以前の眉崎なら、ワンナイトでも上等という女性客を引っかけてさっさと処理していただろう。だが今の眉崎は、山田の身体以外考えられない程、彼にのめり込んでいる。
それは山田と身体の相性が良かったのもあるが、普段生意気な悪態ばかりついてくる山田が「恥ずかしい」だの「こんな僕を見ないで」など、やけに殊勝な言葉を吐くという喜びも大きかった。
「眉崎サンは僕より年上なのに、どうして僕よりずっと赤ちゃんみたいなこと言うのさ」
「はいはい、よかったですねー。バブちゃん?」
なんて、散々からかってくるあの男を組み伏せて嘲笑しながら楔を貫くことで得る快感も、それにより泣きながら許しを乞う山田の姿も眉崎の歪な支配欲を満たしていく。
そしてこれは、普段から女性に対し紳士的に振る舞う眉崎にとって、山田にしかできないアプローチだった。
それなのに、山田は今日まで誘ってこない。
一週間も抱いてなかったから、昨日隣で寝ていた山田の身体ももう爆発寸前だった。近いうちに必ず発散するはずだ。実際に、眉崎は山田に内緒でもう二度は抜いている。この一週間、山田はほとんど眉崎の家にいた。眉崎が意図的に山田を帰さないよう囲い込んでいたのだからそろそろ誘われてもいいはずなのだが。
「まてよ……あいつ、まさか」
眉崎はすぐさま立ち上がると、財布だけもって山田の家に向かう。
電車で二駅ほど先にある山田の家は、眉崎の住んでいる場所と比べて治安はいいが利便は悪く近所のコンビニですら10分以上歩かなければたどり着かないような、おおよそ都会とは思えない辺鄙な場所にあった。
「おい、山田! いるんだろ! 出てこい!」
眉崎はわざと乱暴にドアを叩き、大声をあげる。するとすぐに山田が困ったような顔でドアを開けた。
「何すんのさ眉崎サン。やめてよそういうの……近所迷惑だし。それに……」
と、何か言いかける山田の腕を握ると、そのまま強引に部屋へ立ち入りドアを閉める。
そして
「まって、やめてよ眉崎サン」
と苛立ちを見せる山田を黙らせるよう、強引に唇を重ねた。
薄い唇ごしに、山田の熱と吐息を強く感じる。それは普段眉崎を冷笑する吐息と違い、とても甘くとても艶やかだった。
「……テメェ、家で抜いてただろ?」
唇を離してすぐ、眉崎は攻めるように言う。
山田は一瞬だけ驚いた顔をして、それからどう誤魔化すか考えたようだが、認めた方がいいと観念したのだろう。
「うん、そうだよ。流石に眉崎さんの部屋でそういうことするのまずいと思ったし。眉崎サンって変に潔癖でしょ? 風呂でもトイレでも、汚したらすっごい怒るからね」
さも当然といった様子で、あっさりと告げた風に見える。
だがよく見れば視線は泳ぎ、普段より狼狽えているのは明白だった。
「おまえなぁ……何でそんなに溜まってんなら、俺に素直に抱いてほしいって言わねーんだよ! バカか? 昨日だって俺のベッドに入ってきた時、もうギンギンだっただろ? 一言でも抱いてほしいって言っときゃ、俺だって鬼じゃねぇ。別に断りはしねーってのに、何で我慢なんかすんだよ!」
両肩を掴み、揺さぶりながら話せば山田はすっかり困った顔になると、露骨に眉崎から視線を背けて
「だ、だって……眉崎さん、ノンケでしょ? ノンケの眉崎さんが寝てるのに、無理して僕からお願いして抱いてもらうのは……流石に、図々しいかな……って」
そう告げる。
みるみるうちに耳まで紅くする山田は、握った腕も声も何かを恐れるように血作震えていた。
しかし、図々しいなんて、この男がこっちを気遣っていたのか?
とても信じられない。
いつも眉崎の家でゴロゴロしながら、「顔のわりに服のセンスがメッチャクチャ」なんて平気で言うこの男が?
「ご飯つくるなら僕の分もつくっておいてー。どうせ火をつかうなら一回の方がいいでしょ? 僕なら眉崎さんの入れた変な香草料理でも、文句言わず食べてあげるから」
なんてことを当然のように言うこの男が?
疲れて寝ている眉崎を一切気にすることもなく、長々とスマホゲームで遊ぶようなこの男が、どうしてそんな大事なことを遠慮するんだ。
「ばっっっっかじゃねぇの!? おまえ、今さらそんなところで遠慮したって、おまえが図々しくて生意気で性格もクソなクズ野郎だってのはとっくにわかってんだよ! こんなお前に散々馬鹿にされ引っかき回されてるのに付き合う俺だって大概だけどな!」
「ひっど! 何いってんの? 図々しくて性格もクソなクズ野郎に言われるの、流石に傷つくんですけど」
「そういうとこだぞ! おまえなぁ……気を遣うところがおかしいっての」
「で、でも……やっぱり、えっちしたいと思った時……それ、断られるの、けっこーショックだから……」
山田は明らかにしょぼくれており、がっくりとうなだれている。
この男に、萎れるほどの感情が残っていたのかという驚きと、妙にしおらしい姿に愛おしさがこみ上げてきた。
「だからって、いつも俺から言わんのはズルだろ。俺だって、お前に抱かせろっていうの、けっこー恥ずかしいんだぜ」
「んー、でも僕、眉崎さんのお願いは絶対にきくつもりでいるから。断らないようにしてるからさ……別にいいでしょ?」
「お前が断るか断らないかなんて、こっちはわかってねーの。それに……俺だってたまにはテメーみたいなクソ生意気なガキが、可愛くおねだりするところ見てぇだろうが。もうちょっと、俺の喜ぶこともしろ」
眉崎は苛立ちから、山田の額を軽く指で弾く。
いたっ、と小さく声を漏らし額を抑えた後、山田は顔を真っ赤にしたまま上目遣いで彼を見た。
「そ、それならさ……眉崎さん。今から僕のこと、その……だ、抱いてくれ……る? 僕、まだ抜いてないから……ずっと身体が疼いちゃって、自分ではどうしようもできないんだよね」
あの生意気な男が、ただ自分だけを求めてすがるようにこちらを見る。
そうだ、それでいいんだ。ずっとそうしてほしかった。
だがここまで長い間、山田からそれを求めなかったのは少しくらい罰を与えてもいいだろう。
「ダメだ」
「えっ! そんな、いま断らないとかいったのに、ずるくないそれ!?」
「気が変わったか。ここじゃ抱いてやんねー……ってか、抱けるワケねーだろお前の、壁が薄いぼろアパートだぞここ? おまえ、普段どれだけデカい声出してるのか忘れたのか?」
「う、僕そんなすごい声出してる……?」
「ほら、準備してこい。ホテルに行くぞ、俺様がオゴってやるから……今日はゆっくり、時間をかけてお前が溺れるほど抱き潰してやるからな」
山田はしばらく、眼を丸くする。
そして。
「ふふっ、眉崎さんでもそんな格好いいこと言うんだ。いいよ……僕を溺れさせて」
山田は嬉しそうに笑うと、眉崎の腕に絡みつく。
「おいおいお、本当にそんなコト言う奴いるのかよ。ははっ、まーいいぜ。俺でしかイけないくらいにしてやるよ」
眉崎はニヤリと笑うと、山田の耳にそっと囁くのだった。
ベッドで横になりうとうとし始めた眉崎に、山田が囁くように問いかける。
「ねぇ、眉崎サン。今日は一緒に寝ていい?」
眉崎の部屋にベッドは一つしかない。だから山田が泊まるようになってからは、二人で一緒に寝るか、山田がソファーで寝ていた。
そして、一緒に寝るときは眉崎から「お前もベッドで寝ろ」と言うときか、山田がベッドで寝てもいいか聞くのが暗黙の了解になっている。
「勝手にしろ」
眉崎の言葉を待っていたように、山田はベッドに潜り込む。互いの背中が重なり、シャツごしに肌の温もりと、すっかり熱くなり反り立つ身体の躍動を感じる。
何でこいつ、こんなにビンビンになってるっていうのに「抱いてほしい」って言わないんだ。
もう限界ってくらい勃ってるじゃないか。
内心そう思うが、眉崎は何も気付かなかったふりをして目を閉じた。
もう一週間、山田を抱いていない。
それというのも眉崎が、山田を抱く時はいつも自分から誘っているのに気付いたからだ。
山田は眉崎からの誘いに断ったことは一度もない。
「今日は、もう準備してあるよ」なんて顔を紅くして告げる事すらある。
しかしこれまで一度だって、山田から「抱いてほしい」とせがまれた事は無かった。
ひょっとして、山田は思ったより性欲がないのだろうか。
眉崎に言われたからしぶしぶ抱かれているだけで、本当は相手をするのが億劫なのではないか。
そう思った眉崎は、自分から誘うのを止めてみた。
それから、今日で一週間だ。山田は今日のように自分からベッドに入ってくる事はあるが、未だ一度だって「抱いてほしい」とせがんだ事はない。
しかも今日は、明らかに身体を持て余している。それなのに、一切求めてこない。
一体どういうつもりなんだ?
やはり眉崎の相手をするのは億劫なのか。言われたからしぶしぶ付き合っているだけで、別に眉崎とセックスする気にはなれないのか。
悶々と疑問を抱いたまま、眉崎は眠りに落ちていった。
そして翌朝、少し遅く起きた眉崎の隣に、すでに山田の姿はない。
寝ぼけたままリビングに向かえば、「ちょっと家に戻ってる。夕方までには帰るよ。冷蔵庫にプリン入ってるから食べていよ」とメモ書きが残してあった。
プリンなんて甘ったるい食べ物なんて誰が喰うかと思いつつ、綺麗に平らげてしまった。
空になったプリンの器を捨てると、眉崎口元を擦る。
そういえば、この一週間はキスさえしてない。
山田から抱いてほしいとせがんでくるまで待つつもりだったが、すでに眉崎の身体は限界に近かった。
以前の眉崎なら、ワンナイトでも上等という女性客を引っかけてさっさと処理していただろう。だが今の眉崎は、山田の身体以外考えられない程、彼にのめり込んでいる。
それは山田と身体の相性が良かったのもあるが、普段生意気な悪態ばかりついてくる山田が「恥ずかしい」だの「こんな僕を見ないで」など、やけに殊勝な言葉を吐くという喜びも大きかった。
「眉崎サンは僕より年上なのに、どうして僕よりずっと赤ちゃんみたいなこと言うのさ」
「はいはい、よかったですねー。バブちゃん?」
なんて、散々からかってくるあの男を組み伏せて嘲笑しながら楔を貫くことで得る快感も、それにより泣きながら許しを乞う山田の姿も眉崎の歪な支配欲を満たしていく。
そしてこれは、普段から女性に対し紳士的に振る舞う眉崎にとって、山田にしかできないアプローチだった。
それなのに、山田は今日まで誘ってこない。
一週間も抱いてなかったから、昨日隣で寝ていた山田の身体ももう爆発寸前だった。近いうちに必ず発散するはずだ。実際に、眉崎は山田に内緒でもう二度は抜いている。この一週間、山田はほとんど眉崎の家にいた。眉崎が意図的に山田を帰さないよう囲い込んでいたのだからそろそろ誘われてもいいはずなのだが。
「まてよ……あいつ、まさか」
眉崎はすぐさま立ち上がると、財布だけもって山田の家に向かう。
電車で二駅ほど先にある山田の家は、眉崎の住んでいる場所と比べて治安はいいが利便は悪く近所のコンビニですら10分以上歩かなければたどり着かないような、おおよそ都会とは思えない辺鄙な場所にあった。
「おい、山田! いるんだろ! 出てこい!」
眉崎はわざと乱暴にドアを叩き、大声をあげる。するとすぐに山田が困ったような顔でドアを開けた。
「何すんのさ眉崎サン。やめてよそういうの……近所迷惑だし。それに……」
と、何か言いかける山田の腕を握ると、そのまま強引に部屋へ立ち入りドアを閉める。
そして
「まって、やめてよ眉崎サン」
と苛立ちを見せる山田を黙らせるよう、強引に唇を重ねた。
薄い唇ごしに、山田の熱と吐息を強く感じる。それは普段眉崎を冷笑する吐息と違い、とても甘くとても艶やかだった。
「……テメェ、家で抜いてただろ?」
唇を離してすぐ、眉崎は攻めるように言う。
山田は一瞬だけ驚いた顔をして、それからどう誤魔化すか考えたようだが、認めた方がいいと観念したのだろう。
「うん、そうだよ。流石に眉崎さんの部屋でそういうことするのまずいと思ったし。眉崎サンって変に潔癖でしょ? 風呂でもトイレでも、汚したらすっごい怒るからね」
さも当然といった様子で、あっさりと告げた風に見える。
だがよく見れば視線は泳ぎ、普段より狼狽えているのは明白だった。
「おまえなぁ……何でそんなに溜まってんなら、俺に素直に抱いてほしいって言わねーんだよ! バカか? 昨日だって俺のベッドに入ってきた時、もうギンギンだっただろ? 一言でも抱いてほしいって言っときゃ、俺だって鬼じゃねぇ。別に断りはしねーってのに、何で我慢なんかすんだよ!」
両肩を掴み、揺さぶりながら話せば山田はすっかり困った顔になると、露骨に眉崎から視線を背けて
「だ、だって……眉崎さん、ノンケでしょ? ノンケの眉崎さんが寝てるのに、無理して僕からお願いして抱いてもらうのは……流石に、図々しいかな……って」
そう告げる。
みるみるうちに耳まで紅くする山田は、握った腕も声も何かを恐れるように血作震えていた。
しかし、図々しいなんて、この男がこっちを気遣っていたのか?
とても信じられない。
いつも眉崎の家でゴロゴロしながら、「顔のわりに服のセンスがメッチャクチャ」なんて平気で言うこの男が?
「ご飯つくるなら僕の分もつくっておいてー。どうせ火をつかうなら一回の方がいいでしょ? 僕なら眉崎さんの入れた変な香草料理でも、文句言わず食べてあげるから」
なんてことを当然のように言うこの男が?
疲れて寝ている眉崎を一切気にすることもなく、長々とスマホゲームで遊ぶようなこの男が、どうしてそんな大事なことを遠慮するんだ。
「ばっっっっかじゃねぇの!? おまえ、今さらそんなところで遠慮したって、おまえが図々しくて生意気で性格もクソなクズ野郎だってのはとっくにわかってんだよ! こんなお前に散々馬鹿にされ引っかき回されてるのに付き合う俺だって大概だけどな!」
「ひっど! 何いってんの? 図々しくて性格もクソなクズ野郎に言われるの、流石に傷つくんですけど」
「そういうとこだぞ! おまえなぁ……気を遣うところがおかしいっての」
「で、でも……やっぱり、えっちしたいと思った時……それ、断られるの、けっこーショックだから……」
山田は明らかにしょぼくれており、がっくりとうなだれている。
この男に、萎れるほどの感情が残っていたのかという驚きと、妙にしおらしい姿に愛おしさがこみ上げてきた。
「だからって、いつも俺から言わんのはズルだろ。俺だって、お前に抱かせろっていうの、けっこー恥ずかしいんだぜ」
「んー、でも僕、眉崎さんのお願いは絶対にきくつもりでいるから。断らないようにしてるからさ……別にいいでしょ?」
「お前が断るか断らないかなんて、こっちはわかってねーの。それに……俺だってたまにはテメーみたいなクソ生意気なガキが、可愛くおねだりするところ見てぇだろうが。もうちょっと、俺の喜ぶこともしろ」
眉崎は苛立ちから、山田の額を軽く指で弾く。
いたっ、と小さく声を漏らし額を抑えた後、山田は顔を真っ赤にしたまま上目遣いで彼を見た。
「そ、それならさ……眉崎さん。今から僕のこと、その……だ、抱いてくれ……る? 僕、まだ抜いてないから……ずっと身体が疼いちゃって、自分ではどうしようもできないんだよね」
あの生意気な男が、ただ自分だけを求めてすがるようにこちらを見る。
そうだ、それでいいんだ。ずっとそうしてほしかった。
だがここまで長い間、山田からそれを求めなかったのは少しくらい罰を与えてもいいだろう。
「ダメだ」
「えっ! そんな、いま断らないとかいったのに、ずるくないそれ!?」
「気が変わったか。ここじゃ抱いてやんねー……ってか、抱けるワケねーだろお前の、壁が薄いぼろアパートだぞここ? おまえ、普段どれだけデカい声出してるのか忘れたのか?」
「う、僕そんなすごい声出してる……?」
「ほら、準備してこい。ホテルに行くぞ、俺様がオゴってやるから……今日はゆっくり、時間をかけてお前が溺れるほど抱き潰してやるからな」
山田はしばらく、眼を丸くする。
そして。
「ふふっ、眉崎さんでもそんな格好いいこと言うんだ。いいよ……僕を溺れさせて」
山田は嬉しそうに笑うと、眉崎の腕に絡みつく。
「おいおいお、本当にそんなコト言う奴いるのかよ。ははっ、まーいいぜ。俺でしかイけないくらいにしてやるよ」
眉崎はニヤリと笑うと、山田の耳にそっと囁くのだった。
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