インターネット字書きマンの落書き帳
あなたの傷で完成する(シンドー×アライ/BL)
求められている気がするッ……。
新堂×荒井がッ……!
そう思ったので久しぶりに書きました。
幾度も荒井の身体を抱いているけど、荒井を傷つけるのに拒否感のある新堂パイセンと、何としても新堂パイセンに傷痕を残してほしい荒井の概念です。
えっちなことを! している気がする!
大丈夫だ、小説はごまかしがきく!(暴論)
俺は! 綺麗な身体に傷痕をつける話がッ……だいすき!
何度も書いている気がするけど「うちの味です」って思ってください♥
新堂×荒井がッ……!
そう思ったので久しぶりに書きました。
幾度も荒井の身体を抱いているけど、荒井を傷つけるのに拒否感のある新堂パイセンと、何としても新堂パイセンに傷痕を残してほしい荒井の概念です。
えっちなことを! している気がする!
大丈夫だ、小説はごまかしがきく!(暴論)
俺は! 綺麗な身体に傷痕をつける話がッ……だいすき!
何度も書いている気がするけど「うちの味です」って思ってください♥
『未完成』
ピンと反った睫毛が微かに震え、蒼白の肌が紅く染まっているのがわかる。
ベッドの上で新堂に押し倒され、何も言わぬまま視線を逸らす荒井は表情こそ普段と変わらなかったが、ぬるい吐息と僅かな仕草から緊張しているのが見てとれた。
もうこの身体を幾度抱いたかも覚えていない。荒井に愛を乞われてからその身体を抱くまでそれほど時間はかからず、一度抱いてしまったら理性で本能が抑えられるほど新堂は大人ではなかった。 溺れるように荒井の身体を抱き、慰め、快楽を吐き出す。幾度も繰り返しているにも関わらず、それを始める前は気恥ずかしさが消えないのは幾度抱いても肌を重ねるのに慣れないからか、背徳や羞恥心が大きすぎるからなのか、それとも荒井の美しさに気圧されしているのか、新堂にもよくわかっていない。
「荒井……その、アレだ。今日は……ヤるからな?」
半ば自分に言い聞かせるよう言葉にすれば、荒井はそれまで逸らしていた目を新堂へと向けるとどこか安心したように笑っていた。
「わかってますよ。僕だってそのつもりですから。今日も……あなたの好きにしてください。僕は貴方になら、何をされたっていい。どうされたっていいですから……」
その言葉に嘘はなく、荒井は新堂が何をしても拒むことはなかった。それには新堂が特別に無茶な要求をしたり、わざと羞恥を煽るような真似はしないというのもあったとは思うが、それでも圧倒的に体力のある新堂が自分の全てを吐き出すまでには随分と時間がかかり、荒井が最後まで意識を保っている事などほとんど無かったのだ。
きっと今日も、荒井の事を抱き潰してしまうのだろうと思うし、荒井もその覚悟をして抱かれようとしている。
これからよっぽど酷い事をするのだから何か優しい言葉の一つでも告げた方がいいのだろうかと思うが、こんな時にふさわしい言葉など何ももたない新堂はただ唇を重ね、それを合図に肌を撫でた。指先や唇を白い肌に滑らせ甘く慰めるだけで、荒井の口から甘い声が漏れる。
華奢な身体も憂いのある表情もどこか幻想的で、時に腕の中にあるこの少年が本当に実在するのか不安な気持ちが頭をもたげてきた。
肌が触れ、その体温を感じている時でも荒井は常にこの世のものとは違う雰囲気をまとっていたからだ。
自分とはあまりに違う美しすぎる少年を新堂は何より愛しいと思っていたし、美しいからこそ決して壊してはいけないと思っていた。
普通より力の強い自分が、うっかり強く抱きすぎて骨を折ってしまうのではないか。伸ばした爪で肌を傷つけてしまうのではないか。衝動的に噛みついて痕を残してしまうのではないか。本能に飲まれ貪るように求めている時でも、彼の美しい肌まで傷つけたりしないよう常に最新の注意をはらっていたのは、ただ身体を抱くだけでも負担になっているはずなのだからそれ以上痛い思いをしてほしくないという気持ちが大きく、またそれと同じくらいこの綺麗な少年の身体に傷痕などを残したくはないと思っていた。
存在しているだけで美術品のように美しい彼を、自分の所作でぶち壊したくはなかったのだ。
そう、思っていたのだが……。
「新堂さ……んっ……」
波打つような快楽に半ば朦朧としながら、荒井は新堂の名を呼ぶ。シーツを握る手は汗が滲んでおり、今腕の中にいる少年が人形でも幻想でもない一人の人間だというのを認め僅かな安心感を抱いていた。
「どうした、荒井? ……辛いか。少し休むか?」
同年代の少年と比べればやや小柄な荒井からすれば、新堂の身体を受け入れるだけで充分な負担だろう。そう思い不安げに問いかければ、その問いに答えるかわりに荒井からキスをすると、恍惚の表情を浮かべ新堂の頬を撫でた。
「大丈夫です、新堂さん……それより、どうか……どうか、僕の身体に傷を残してくれませんか。首でも、背中でも、胸でもいい……あなたの痕跡を……」
こんなに美しい身体に、傷をつけろというのか。
新堂は躊躇いながら荒井の身体を眺める。僅かに桜色に明るんだ唇に、絹のようになめらかな蒼白の肌。どこに傷を付けるにせよ、荒井の身体はあまりに透き通りすぎていたし整いすぎていて、自分の傷痕など残したら歪んで壊れてしまいそうに思えた。
「ばっか……出来るかよ、そんなこと……お前みたいに、綺麗な……」
躊躇いがちに口を開く新堂の唇に、白い指先が触れる。
「僕が、残して欲しいんです。あなたの爪でも、その噛み跡でもいい……あなたの残した傷痕が消えるまでは、僕はずっとあなたをそばに感じられるから……」
荒井は冗談などでこんな事を言わない。きっと本気で、傷痕を残してほしいのだろう。荒井の性格なら、その傷痕をも愛し焦がれて自分を思うというのも決して嘘ではない。それでも、こんな美しい作品に自分のような無粋な男が手を加えていいものか。新堂の躊躇いを見抜いたかのように、荒井は微かに笑って見せた。
「いいんです、新堂さん。僕は、まだ未完成なんです。新堂さんの傷痕が残ることで、ようやく完成するんですよ。ほら……試してみてください。あなたに傷つけられた僕はきっと、今よりもっと綺麗になる」
蠱惑的な声と仕草が、新堂の理性を溶かしていく。
そうだ、荒井の身体は美しい。だから今まで傷つけようとしなかった。彼の美しさを愛していたから。だけど、もしその美しさに自分の傷が残せるのなら、本当はそのほうがずっといい。荒井の中に自分の痕が残っている事実が一瞬でもあるのなら、お互いの思いが溶け合って混ざり合う証のように思えるからだ。
それから先はひどく曖昧で覚えていない。
ただ、気付いた時には目の前にある荒井の肌は紅く爛れ、ひどい有り様になっていた。
やりすぎだ。
傷を残せと望まれたが、これはただの暴力だ。蛮行だ。やはり自分のような粗雑な人間は、このような芸術に手をいれてはいけなかったのだ。
押し寄せる後悔を払拭するよう、荒井は笑ってみせた。
「ほら、見てください……今の僕のほうがずっと、綺麗でしょう?」
荒井の言葉には一片の迷いもなく、ボロボロの肌を愛おしげに撫でる。その仕草も姿もあまりに歪で、だからこそ美しくて……。
「あぁ、そうだな。お前は……とても、綺麗だよ」
愛おしさが胸にこみ上げ、耐えきれなくなって唇を重ねる。
血の濡れたぬるい感覚を肌で確かめながら、唇を、身体を貪りますます深く溺れていくのを自覚しながらも、新堂は彼の身体を求め続ける。
底のない欲望は、どこまでも心地よい安寧に満ちていた。
ピンと反った睫毛が微かに震え、蒼白の肌が紅く染まっているのがわかる。
ベッドの上で新堂に押し倒され、何も言わぬまま視線を逸らす荒井は表情こそ普段と変わらなかったが、ぬるい吐息と僅かな仕草から緊張しているのが見てとれた。
もうこの身体を幾度抱いたかも覚えていない。荒井に愛を乞われてからその身体を抱くまでそれほど時間はかからず、一度抱いてしまったら理性で本能が抑えられるほど新堂は大人ではなかった。 溺れるように荒井の身体を抱き、慰め、快楽を吐き出す。幾度も繰り返しているにも関わらず、それを始める前は気恥ずかしさが消えないのは幾度抱いても肌を重ねるのに慣れないからか、背徳や羞恥心が大きすぎるからなのか、それとも荒井の美しさに気圧されしているのか、新堂にもよくわかっていない。
「荒井……その、アレだ。今日は……ヤるからな?」
半ば自分に言い聞かせるよう言葉にすれば、荒井はそれまで逸らしていた目を新堂へと向けるとどこか安心したように笑っていた。
「わかってますよ。僕だってそのつもりですから。今日も……あなたの好きにしてください。僕は貴方になら、何をされたっていい。どうされたっていいですから……」
その言葉に嘘はなく、荒井は新堂が何をしても拒むことはなかった。それには新堂が特別に無茶な要求をしたり、わざと羞恥を煽るような真似はしないというのもあったとは思うが、それでも圧倒的に体力のある新堂が自分の全てを吐き出すまでには随分と時間がかかり、荒井が最後まで意識を保っている事などほとんど無かったのだ。
きっと今日も、荒井の事を抱き潰してしまうのだろうと思うし、荒井もその覚悟をして抱かれようとしている。
これからよっぽど酷い事をするのだから何か優しい言葉の一つでも告げた方がいいのだろうかと思うが、こんな時にふさわしい言葉など何ももたない新堂はただ唇を重ね、それを合図に肌を撫でた。指先や唇を白い肌に滑らせ甘く慰めるだけで、荒井の口から甘い声が漏れる。
華奢な身体も憂いのある表情もどこか幻想的で、時に腕の中にあるこの少年が本当に実在するのか不安な気持ちが頭をもたげてきた。
肌が触れ、その体温を感じている時でも荒井は常にこの世のものとは違う雰囲気をまとっていたからだ。
自分とはあまりに違う美しすぎる少年を新堂は何より愛しいと思っていたし、美しいからこそ決して壊してはいけないと思っていた。
普通より力の強い自分が、うっかり強く抱きすぎて骨を折ってしまうのではないか。伸ばした爪で肌を傷つけてしまうのではないか。衝動的に噛みついて痕を残してしまうのではないか。本能に飲まれ貪るように求めている時でも、彼の美しい肌まで傷つけたりしないよう常に最新の注意をはらっていたのは、ただ身体を抱くだけでも負担になっているはずなのだからそれ以上痛い思いをしてほしくないという気持ちが大きく、またそれと同じくらいこの綺麗な少年の身体に傷痕などを残したくはないと思っていた。
存在しているだけで美術品のように美しい彼を、自分の所作でぶち壊したくはなかったのだ。
そう、思っていたのだが……。
「新堂さ……んっ……」
波打つような快楽に半ば朦朧としながら、荒井は新堂の名を呼ぶ。シーツを握る手は汗が滲んでおり、今腕の中にいる少年が人形でも幻想でもない一人の人間だというのを認め僅かな安心感を抱いていた。
「どうした、荒井? ……辛いか。少し休むか?」
同年代の少年と比べればやや小柄な荒井からすれば、新堂の身体を受け入れるだけで充分な負担だろう。そう思い不安げに問いかければ、その問いに答えるかわりに荒井からキスをすると、恍惚の表情を浮かべ新堂の頬を撫でた。
「大丈夫です、新堂さん……それより、どうか……どうか、僕の身体に傷を残してくれませんか。首でも、背中でも、胸でもいい……あなたの痕跡を……」
こんなに美しい身体に、傷をつけろというのか。
新堂は躊躇いながら荒井の身体を眺める。僅かに桜色に明るんだ唇に、絹のようになめらかな蒼白の肌。どこに傷を付けるにせよ、荒井の身体はあまりに透き通りすぎていたし整いすぎていて、自分の傷痕など残したら歪んで壊れてしまいそうに思えた。
「ばっか……出来るかよ、そんなこと……お前みたいに、綺麗な……」
躊躇いがちに口を開く新堂の唇に、白い指先が触れる。
「僕が、残して欲しいんです。あなたの爪でも、その噛み跡でもいい……あなたの残した傷痕が消えるまでは、僕はずっとあなたをそばに感じられるから……」
荒井は冗談などでこんな事を言わない。きっと本気で、傷痕を残してほしいのだろう。荒井の性格なら、その傷痕をも愛し焦がれて自分を思うというのも決して嘘ではない。それでも、こんな美しい作品に自分のような無粋な男が手を加えていいものか。新堂の躊躇いを見抜いたかのように、荒井は微かに笑って見せた。
「いいんです、新堂さん。僕は、まだ未完成なんです。新堂さんの傷痕が残ることで、ようやく完成するんですよ。ほら……試してみてください。あなたに傷つけられた僕はきっと、今よりもっと綺麗になる」
蠱惑的な声と仕草が、新堂の理性を溶かしていく。
そうだ、荒井の身体は美しい。だから今まで傷つけようとしなかった。彼の美しさを愛していたから。だけど、もしその美しさに自分の傷が残せるのなら、本当はそのほうがずっといい。荒井の中に自分の痕が残っている事実が一瞬でもあるのなら、お互いの思いが溶け合って混ざり合う証のように思えるからだ。
それから先はひどく曖昧で覚えていない。
ただ、気付いた時には目の前にある荒井の肌は紅く爛れ、ひどい有り様になっていた。
やりすぎだ。
傷を残せと望まれたが、これはただの暴力だ。蛮行だ。やはり自分のような粗雑な人間は、このような芸術に手をいれてはいけなかったのだ。
押し寄せる後悔を払拭するよう、荒井は笑ってみせた。
「ほら、見てください……今の僕のほうがずっと、綺麗でしょう?」
荒井の言葉には一片の迷いもなく、ボロボロの肌を愛おしげに撫でる。その仕草も姿もあまりに歪で、だからこそ美しくて……。
「あぁ、そうだな。お前は……とても、綺麗だよ」
愛おしさが胸にこみ上げ、耐えきれなくなって唇を重ねる。
血の濡れたぬるい感覚を肌で確かめながら、唇を、身体を貪りますます深く溺れていくのを自覚しながらも、新堂は彼の身体を求め続ける。
底のない欲望は、どこまでも心地よい安寧に満ちていた。
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