インターネット字書きマンの落書き帳
テスト前に勉強詰め込む新堂さんと教えにくる風間さん
新堂誠の学力が心配です。(挨拶)
いや、あれだけ話ができる人間だから地頭決して悪くないように思えるんだけど実際の学力は……本当に心配だよちゃんと卒業できるよね!?
という気持ちになる程度にリアルに勉強が苦手な人っぽさがあるの可愛いがすぎるので、テスト前に頑張って勉強している新堂の話を書きました。
今回は、新堂のところにお金を払ってくれれば勉強教えるよ~って遊びにくる風間の話です。
風間もわりと「大丈夫か、頭とか」と思ってしまうタイプの人間ですが、学力はそこまで問題がないのではないか……宇宙人だからちょっと知らない事があるだけではないか……。
なんて思ったので風間の学力はギリギリ保たれている感じです。
平穏な世界でのんびりまったり話をする新堂と風間、という概念を出力したかったので書いてますよ。
特にBL要素はないですが、生産ラインがBL工場と同じなので多少入っていてもかわいいオレがすることなので許してください。
いや、あれだけ話ができる人間だから地頭決して悪くないように思えるんだけど実際の学力は……本当に心配だよちゃんと卒業できるよね!?
という気持ちになる程度にリアルに勉強が苦手な人っぽさがあるの可愛いがすぎるので、テスト前に頑張って勉強している新堂の話を書きました。
今回は、新堂のところにお金を払ってくれれば勉強教えるよ~って遊びにくる風間の話です。
風間もわりと「大丈夫か、頭とか」と思ってしまうタイプの人間ですが、学力はそこまで問題がないのではないか……宇宙人だからちょっと知らない事があるだけではないか……。
なんて思ったので風間の学力はギリギリ保たれている感じです。
平穏な世界でのんびりまったり話をする新堂と風間、という概念を出力したかったので書いてますよ。
特にBL要素はないですが、生産ラインがBL工場と同じなので多少入っていてもかわいいオレがすることなので許してください。
『風間さんが教えてくれる』
テスト範囲まで付箋を貼った教科書を積み上げると新堂誠はため息をついた。
いよいよテストまで三日と迫っており運動部も活動は原則禁止となり、赤点をとれば補習決定で例え大会が控えている身であっても補習優先、まともな練習ができなくなるのだから危機感は募るがそれに反して勉強が捗っているとは言い難い。
そもそも鳴神学園のテスト範囲はなかなかにえげつないのだ。毎日少しでも勉強していれば充分カバーできるのだがテスト前に慌てての一夜漬けでは何とかなる量では無いのだ。
「やべ、知恵熱出てきそうだ……」
放課後に居残って教科書を開くが目が滑り何も入ってこない。 時間ばかりが過ぎる中、教室の扉が開いた。
「やぁ新堂、テスト勉強は捗っているかい」
風間望である。彼は鞄を脇にかかえると新堂の前にある机へと腰掛けた。
「何だよ風間、見ての通り今は忙しいんだ。お前と遊んでる暇はないんだよ」
「ボクだって忙しいんだよ。何せこの鳴神学園のプリンスは行かないでと泣いて縋るオニャノコたちを振り切ってやっとここまで来たんだから」
苛立たしげに語る新堂をよそに風間は普段のペースそのままで優雅に両手を広げて見せる。
風間は何故かいつも自分が女子にモテているという絶大な自信をもっていた。実際に顔は悪くないし背も高いからルックスはかなり良い方だろうと思う。だが性格に問題がありすぎるのだ。いつだって誰にでも小銭をたかろうとするし、弱い相手には徹底的に強気で強い相手には及び腰。会話は常に一方通行で自分の要求ばかりを訴えるのだから自分を大事にしてほしいと考える女子は当然彼の事を嫌っていた。
とはいえやはりルックスの良さはかなりのアドバンテージなのだろう。おごってほしいと甘える風間を可愛いと思う女性も一定数はいて何かと気に掛け世話をやく相手も少なからずいるのだから王子様のように振る舞うにはそれなりの実績があるからだ。
新堂からするととんだ軟弱男だとは思うが、軟弱だからこそ母性本能がくすぐられると好く相手がいるのだから人の好みはわからないものだ。
「で、そのプリンス様が俺に何の用だ? 貸した金返してくれるんならココ、ココにおいてとっとと出ていってくれよな」
新堂は風間を睨みながら机の隅を指でたたく。「一大事だから500円貸してくれないか」なんて唐突に迫ってきて昼食代の500円を渡したのは4月の頭頃だったが、それから風間は500円の「ご」の字も触れないまま現在に至っていた。
風間は誰にでも初めて見た相手になら「500円を貸してくれ」と挨拶代わりのように言うと知ったのは貸してから二週間ほど後だったが新堂は何としても風間に貸した500円を取り立てるつもりでいた。
「うーん、何のことかな。覚えてないなぁ。だいたい、ボクがキミからいつ500円を借りたっていうんだい。何時何分何曜日? 地球が何回回った時だい?」
だが風間は意に介さずといった様子で小学生のような詭弁をふるい積まれた教科書を開いて笑う。
「それより新堂、テスト勉強に苦戦してるんだろう。赤点をとったら三年最後の大会だってのに練習すらできなくなるそうじゃないか、大変だねぇ勉強ができない知性をもつ人間は」
「何だ? 嫌味いいに来たのかぶっ飛ばすぞ」
「おっと、暴力反対だよ平和的に行こうじゃないか平和的に。それよりボクが特別に500円で勉強を見てあげるけどどうだい?」
そして笑顔のまま悠然と告げた。
どうやら家庭教師をしてやるから金を払えということらしい。
風間をちらりと見た後、新堂はすぐさま教科書を開く。 風間に構っている暇があったら一言でも多く英単語を覚えた方がいいという事に気付いたからだ。
「おいおーい、聞こえてるかい新堂。このボクが500円で勉強を見てあげようっていうんだよ。格安じゃないか、どうだい。それで赤点が回避できるなら安いものだろう」
風間は何かを言っているが相手をしている暇はない。
英語は苦手ではあるが英単語を覚えていれば何とかなるだろう、教科書にある新しい単語に線を引き単語帳を作ればいい。電車での移動時間でそれを見ているだけでも違うはずだ。
現代文は選択問題や適当なアタリをつけても結構わかるから後回しだ。暗記ができる世界史や生物は教科書の太字になっている単語を書いていこう。
「新堂、ボクを無視しないでくれたまえよ。わかった、100円でいい。いや、50円でもいいよ」
数字は苦手だが鳴神学園は生徒の学力幅が広いのもあり意図的に点数がとれるような問題もいくつかある。 それを落とさないために公式を覚えるのは最優先だ。教科書にある問題は一通り解いた方がいいだろう。数学の教師は教科書にある問題に近い問題を出す傾向があるから、ひとまず教科書にある問題を解こう。
「わかった、タダでいいから無視しないでくれよ新堂! 寂しいだろ、いい加減にしないとボクも拗ねるし泣くよ。何なら子供みたいに大の字になって手足バタバタしながら泣いてやるからね」
「本当にウザいなテメェは。勉強してるんだから静かにしろ、邪魔するなら首根っこ捕まえて追い出すからな」
少し強めに声をあげれば風間は潤んだ目を向け小さくなって静かになる。新堂に絡むのは諦めたのだろう。それからノートと筆記用具を取り出して自分も勉強しはじめた。
べつに風間と一緒に勉強するつもりはなかったが、邪魔しなくなるのなら文句を言う筋合いもないだろう。それに、目の前で誰かが勉強していれば一人でやるより効率がいい。
さっきまで一人でやっていたがどうにも集中できなかったのだ。誰かの目があると思えばもう少しやる気にもなる。
新堂は教科書にある問題をノートに書くとそれをどうやって解くのか考えはじめた。
とはいえ、授業をあまりキチンと聞いているタイプではない。数式を書いてはみたがどうやったらそれが解けるのか。そもそもその数式が何を意味しているのかさえ分からないという有様だった。
ついでに言うと授業のノートもとっていないので授業内容を思い出すという事すらできない状態でもある。
教科書を読めば何かわかるだろうか。そう思って前のページをめくろうとする前に、風間はシャープペンの先をノートへと向けた。
「この問題、公式は……こうだよ、うん、これで計算してみたまえよ」
「本当かよ……」
半信半疑で言われた通りの公式に当てはめれば、数字に苦戦するものの一応は答えらしいモノにたどり着く。 書き終わったのに気付いたのか、風間はノートをのぞき込むと
「あぁ、あってるよ。うん、計算は遅いけどできないって訳じゃないんだねぇ」
なんて感心したように腕組みをしているものだから、新堂は口を尖らせた。
「知った風に言ってんじゃ無ェよ、ったく……風間、おまえ結構頭いいんだな」
「当たり前だろう? ボクは頭脳明晰、スポーツ万能の文武両道な王子様だらかね。さて、ボクに500円で教えを乞う気にはなったかい」
「おまえが500円返したら、それで払ってやるよ」
「だからいつ借りたっていうんだい? 何時何分何曜日、地球が何回回った日だい?」
風間の抗議を聞き流し、新堂はまた別の問題に取りかかる。
「ま、わからなかったら聞いてくれよ。せっかく三年も健全にスポーツマンをやっていたんだから、最後の大会くらい万全に出たいだろう?」
「まぁ……そうだな」
「ちゃんと正解していたらボクが特別に頭を撫でてやってもいいよ。どうだい? 普段はオニャノコたちが並んで待ちわびるボクの黄金の右腕を……」
「そいつは遠慮しておく」
「遠慮しなくてもいいんだよ、ほらその根元がすっかり黒くなってしまった頭を出したまえ、よしよしよしよし……」
「てめっ、やめろ、つまみ出すぞっ……クソ、次の問題やるからな……」
教科書にある問題を書きそれに取りかかる新堂を前に風間もまたノートを開く。
勉強とは無縁そうな二人がそろって頭を悩ます姿をクラスメイトたちはさも珍しそうに眺めていた。
テスト範囲まで付箋を貼った教科書を積み上げると新堂誠はため息をついた。
いよいよテストまで三日と迫っており運動部も活動は原則禁止となり、赤点をとれば補習決定で例え大会が控えている身であっても補習優先、まともな練習ができなくなるのだから危機感は募るがそれに反して勉強が捗っているとは言い難い。
そもそも鳴神学園のテスト範囲はなかなかにえげつないのだ。毎日少しでも勉強していれば充分カバーできるのだがテスト前に慌てての一夜漬けでは何とかなる量では無いのだ。
「やべ、知恵熱出てきそうだ……」
放課後に居残って教科書を開くが目が滑り何も入ってこない。 時間ばかりが過ぎる中、教室の扉が開いた。
「やぁ新堂、テスト勉強は捗っているかい」
風間望である。彼は鞄を脇にかかえると新堂の前にある机へと腰掛けた。
「何だよ風間、見ての通り今は忙しいんだ。お前と遊んでる暇はないんだよ」
「ボクだって忙しいんだよ。何せこの鳴神学園のプリンスは行かないでと泣いて縋るオニャノコたちを振り切ってやっとここまで来たんだから」
苛立たしげに語る新堂をよそに風間は普段のペースそのままで優雅に両手を広げて見せる。
風間は何故かいつも自分が女子にモテているという絶大な自信をもっていた。実際に顔は悪くないし背も高いからルックスはかなり良い方だろうと思う。だが性格に問題がありすぎるのだ。いつだって誰にでも小銭をたかろうとするし、弱い相手には徹底的に強気で強い相手には及び腰。会話は常に一方通行で自分の要求ばかりを訴えるのだから自分を大事にしてほしいと考える女子は当然彼の事を嫌っていた。
とはいえやはりルックスの良さはかなりのアドバンテージなのだろう。おごってほしいと甘える風間を可愛いと思う女性も一定数はいて何かと気に掛け世話をやく相手も少なからずいるのだから王子様のように振る舞うにはそれなりの実績があるからだ。
新堂からするととんだ軟弱男だとは思うが、軟弱だからこそ母性本能がくすぐられると好く相手がいるのだから人の好みはわからないものだ。
「で、そのプリンス様が俺に何の用だ? 貸した金返してくれるんならココ、ココにおいてとっとと出ていってくれよな」
新堂は風間を睨みながら机の隅を指でたたく。「一大事だから500円貸してくれないか」なんて唐突に迫ってきて昼食代の500円を渡したのは4月の頭頃だったが、それから風間は500円の「ご」の字も触れないまま現在に至っていた。
風間は誰にでも初めて見た相手になら「500円を貸してくれ」と挨拶代わりのように言うと知ったのは貸してから二週間ほど後だったが新堂は何としても風間に貸した500円を取り立てるつもりでいた。
「うーん、何のことかな。覚えてないなぁ。だいたい、ボクがキミからいつ500円を借りたっていうんだい。何時何分何曜日? 地球が何回回った時だい?」
だが風間は意に介さずといった様子で小学生のような詭弁をふるい積まれた教科書を開いて笑う。
「それより新堂、テスト勉強に苦戦してるんだろう。赤点をとったら三年最後の大会だってのに練習すらできなくなるそうじゃないか、大変だねぇ勉強ができない知性をもつ人間は」
「何だ? 嫌味いいに来たのかぶっ飛ばすぞ」
「おっと、暴力反対だよ平和的に行こうじゃないか平和的に。それよりボクが特別に500円で勉強を見てあげるけどどうだい?」
そして笑顔のまま悠然と告げた。
どうやら家庭教師をしてやるから金を払えということらしい。
風間をちらりと見た後、新堂はすぐさま教科書を開く。 風間に構っている暇があったら一言でも多く英単語を覚えた方がいいという事に気付いたからだ。
「おいおーい、聞こえてるかい新堂。このボクが500円で勉強を見てあげようっていうんだよ。格安じゃないか、どうだい。それで赤点が回避できるなら安いものだろう」
風間は何かを言っているが相手をしている暇はない。
英語は苦手ではあるが英単語を覚えていれば何とかなるだろう、教科書にある新しい単語に線を引き単語帳を作ればいい。電車での移動時間でそれを見ているだけでも違うはずだ。
現代文は選択問題や適当なアタリをつけても結構わかるから後回しだ。暗記ができる世界史や生物は教科書の太字になっている単語を書いていこう。
「新堂、ボクを無視しないでくれたまえよ。わかった、100円でいい。いや、50円でもいいよ」
数字は苦手だが鳴神学園は生徒の学力幅が広いのもあり意図的に点数がとれるような問題もいくつかある。 それを落とさないために公式を覚えるのは最優先だ。教科書にある問題は一通り解いた方がいいだろう。数学の教師は教科書にある問題に近い問題を出す傾向があるから、ひとまず教科書にある問題を解こう。
「わかった、タダでいいから無視しないでくれよ新堂! 寂しいだろ、いい加減にしないとボクも拗ねるし泣くよ。何なら子供みたいに大の字になって手足バタバタしながら泣いてやるからね」
「本当にウザいなテメェは。勉強してるんだから静かにしろ、邪魔するなら首根っこ捕まえて追い出すからな」
少し強めに声をあげれば風間は潤んだ目を向け小さくなって静かになる。新堂に絡むのは諦めたのだろう。それからノートと筆記用具を取り出して自分も勉強しはじめた。
べつに風間と一緒に勉強するつもりはなかったが、邪魔しなくなるのなら文句を言う筋合いもないだろう。それに、目の前で誰かが勉強していれば一人でやるより効率がいい。
さっきまで一人でやっていたがどうにも集中できなかったのだ。誰かの目があると思えばもう少しやる気にもなる。
新堂は教科書にある問題をノートに書くとそれをどうやって解くのか考えはじめた。
とはいえ、授業をあまりキチンと聞いているタイプではない。数式を書いてはみたがどうやったらそれが解けるのか。そもそもその数式が何を意味しているのかさえ分からないという有様だった。
ついでに言うと授業のノートもとっていないので授業内容を思い出すという事すらできない状態でもある。
教科書を読めば何かわかるだろうか。そう思って前のページをめくろうとする前に、風間はシャープペンの先をノートへと向けた。
「この問題、公式は……こうだよ、うん、これで計算してみたまえよ」
「本当かよ……」
半信半疑で言われた通りの公式に当てはめれば、数字に苦戦するものの一応は答えらしいモノにたどり着く。 書き終わったのに気付いたのか、風間はノートをのぞき込むと
「あぁ、あってるよ。うん、計算は遅いけどできないって訳じゃないんだねぇ」
なんて感心したように腕組みをしているものだから、新堂は口を尖らせた。
「知った風に言ってんじゃ無ェよ、ったく……風間、おまえ結構頭いいんだな」
「当たり前だろう? ボクは頭脳明晰、スポーツ万能の文武両道な王子様だらかね。さて、ボクに500円で教えを乞う気にはなったかい」
「おまえが500円返したら、それで払ってやるよ」
「だからいつ借りたっていうんだい? 何時何分何曜日、地球が何回回った日だい?」
風間の抗議を聞き流し、新堂はまた別の問題に取りかかる。
「ま、わからなかったら聞いてくれよ。せっかく三年も健全にスポーツマンをやっていたんだから、最後の大会くらい万全に出たいだろう?」
「まぁ……そうだな」
「ちゃんと正解していたらボクが特別に頭を撫でてやってもいいよ。どうだい? 普段はオニャノコたちが並んで待ちわびるボクの黄金の右腕を……」
「そいつは遠慮しておく」
「遠慮しなくてもいいんだよ、ほらその根元がすっかり黒くなってしまった頭を出したまえ、よしよしよしよし……」
「てめっ、やめろ、つまみ出すぞっ……クソ、次の問題やるからな……」
教科書にある問題を書きそれに取りかかる新堂を前に風間もまたノートを開く。
勉強とは無縁そうな二人がそろって頭を悩ます姿をクラスメイトたちはさも珍しそうに眺めていた。
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