インターネット字書きマンの落書き帳
「白い■■と人魚」の裏口
春Cityで出したモブ×山ガス本、「白い■■と人魚」を、俺がどういう意図で書いたのかという設計図を、お出しします。
創作論とか読むの好きな方。
本をすでにお買い求めいただいて、「何食ったらこんなもの出てきたんだ?」と思った方など向けコンテンツです。
楽しんでいってくださいね♥
サンプルはpixivにあります → こちらからどうぞ
BOOTHで販売してます → BOOTHはこちらからどうぞ
んだば、あんじょうたのんますよ!
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んだば、あんじょうたのんますよ!
【白い■■と人魚の舞台裏】
誰が興味を持つのかといわれたら甚だ疑問だが、誰かは興味を持つかもしれない。
そんな気持ちで、先日出した同人誌「白い■■と人魚」の設計図をお見せしたいと思います。
すでに本を手に取った方も!
まだ手に取っていないが、「こういう設計で作られた内容が気になる」って方も!
気軽に読んでくれたら幸いです。
【前提】
この話は、都市伝説解体センターの二次創作同人誌を作る時の着想の話をしています。
一応、原作がわからなくても説明できるようにはしてありますが、知らないと不明点も出てくると思います。
ちょっと前提でも解説しますが、それでも存在する不明点は、是非原作を買って補完してください。
説明
山田ガスマスク:原作でビジュが最高の男。
山ガス:山田ガスマスクの略称。山田ガスでも山マスクでもなく山ガスです。
【テーマ】
僕は最初に、「何を書きたいか」をわりと明確においておくことが多いほうです。
以前の同人誌だったら「罪悪感は傲慢である」という言葉を基本に設計してますし、他の同人誌では「生き残った人間の巡礼」をテーマにして、そこから発想をいくつかつなげていく、って形で構築するタイプ、ってわけですね。
で、その中でも僕には「好きになったキャラは絶対に一度は監禁ネタを書く」という悪食ともいえる悪癖があるので!
今回は!
監禁ネタを書く!
と、強い決意で監禁された山田ガスマスクの話を書く事にしました。
悪食で悪癖であるからこそ、地獄の業火に焼かれながら、それでも同人誌を渇望する、ってこと!
【コンセプト】
テーマを決める時、僕は大体、この話の長さで必要なタスクみたいなのを考えます。
5万字くらいの小説だと、「メインのテーマは1つ、だけど、それに平行して存在する、解決すべき問題(タスク)は2~3つ」みたいな設計で書き始める感じですね。
この時に出てくる「タスク」がコンセプトとして現れる傾向があったりします。
今回は、総文字数が1万文字程度と、本にする小説としてはかなり文字数が少ない方だったので……監禁という骨子をパッケージするコンセプトは3つくらいにしました。
・人魚姫というテーマ → メインになる物語の骨子。
・蒼白い世界 → 象徴としての色。終始、一貫して世界の色を青白さだけで固定。
・儀式的同人誌 → 短編なので、全体の余白を増やし、一文の強度を上げることで、荘厳な儀式を体感しているようなアプローチを目指す
下に行くほど何やってんだおめー?
になりますね、ぽつぽつ説明していきまっしょう。
【構成】
この作品は、もともと自分のブログで書いた掌編でした。
同人誌では4章構成になってますが、ブログで1話目を書いたあと、「こうなったほうが面白いかも」と思い2話目を書き、さらに「この続きも思いついた!」という形で3話目を書いて ……と繰り返した結果として、全体の構成が、奇跡的に「起承転結」としてまとまった形になります。
奇跡ってあるんだね。
とはいえ、奇跡も完全に偶然の産物ではなく、1話目を書いた時、その後を書きたくなった(承部分になる)→このままの関係性が続く訳ないよね、と思った(転部分になる)→この関係性をちゃんと終わらせておいたほうがいいよね(結部分になる)という段階を踏んでいたものなので、起承転結の道筋と、僕の発想が一緒だったのは完全に奇跡ではなく、裏付けはあるタイプの奇跡ですね。
裏付けのある奇跡は奇跡といわないのでは?
うん、きっとそう!
【人魚姫のテーマとモブキャラクター誕生の背景】
双方が愛し合っていて、同意があるタイプの温和な監禁。
片方が全く気付いてないうちに、外堀が埋められていて逃げられなくなっている精神・物理的な監禁。
誘拐からの強引な監禁と、一口に監禁といっても種類はいろいろあるんですよね。
こいつ、いきなり監禁知識をねじ込もうと一切の前振りもなく監禁知識の話はじめた!
油断している無辜の市民に監禁知識を!
覚えろよ、監禁を……今日からみんなで書けるようになれよォ……。
で、監禁に関しては「相手を外に出したくない」「自分だけの空間で管理したい」みたいな支配欲を一定数もっているキャラクターのほうが説得力が出るんですが……。(※読者が、監禁の前提を知っているような言い分)
僕は今回「狂気的な監禁」を書きたいと渇望しているのに対し、原作(トシカイ)でそこまで狂気、あるいは猟奇の監禁をするキャラクターはいないな、と判断したんですね。
トシカイのキャラクターは僕からみればみんな真人間判定!
よかったねー。
だから、今回は「山ガスを狂気的に監禁するための、モブキャラクターを作ろう!
と思い至ったわけです。
原作が正気だから、僕が狂気になろう!
清々しい発想のコペルニクス的転回ですね。
みなさんも「やべぇ、不都合だ!」と思った時、「この世界ではこうなんだよ!」の心持ちで生きていきましょう。
さて、モブキャラクターを作るぞ! という時に、狂気にそれなりの説得力は持たせたい。
かといって、監禁するキャラクターが読者側から見て「いい奴」になってもしょうがねーだろ、とも思ったので、読者からうっすら嫌われるタイプのキャラを作っていきましょう。
「理論的には理解できる」
「正論っぽいことも言える」
「だが根底がズレてる」
こういう人間は、だいたい「うっすら気持ち悪い」ってキャラクターになる特性があるので、これを下地として生地を練っていきましょうね、コネコネ。(ちょっと料理感)
この下地ですが、どうせ書くなら自分の知識範囲で書ける方が楽だと思い、僕自身の経験を生かすことにしました。
実は僕……幼少期、アンデルセンの童話が執拗に足を攻撃するものばかりで変にフェティッシュを感じていたんですよね……ふふ……。
ってな訳で、今回は下味として「アンデルセン童話」+「狂気」を入れる事にしました。
アンデルセン作品は数多ありますが、その中でもメジャーな作品である「人魚姫」をチョイス。
人魚姫をチョイスしたのは、アンデルセンの作品でもとても有名であること。
そして、児童用に解釈を削ったバージョンが日本では多く一般的に認知されていることから、人魚姫が「自己犠牲をした悲劇の少女」という認知が多いながら、実際確実にアンデルセンは「魂のない化け物が、信仰によって救われた。神は魂のない存在でも、真実かつ無償の愛があれば、救いたもうものなのだ」というアンデルセンなりのハッピーエンドがある……この、世間的なイメージと原作の乖離があるのが好きだからです。
好きなものに好きなものを重ねた方が強いんだよ! って、死んだ婆さんも言ってましたしね。
かくして、「アンデルセンの人魚姫という作品に心酔し求める、自分のこと王子だと思っている異常成人男性」を爆誕させるにいたったわけです。
好きなものを全部盛ったばかりにこんな大変なことになっちゃいましたね。
いくらばあさんの知恵袋でも、過ぎたるは及ばざるがごとしも知らないといけません。
【同人誌への再構築と蒼白い部屋のモチーフ】
こちらの作品、ちょろっと書いたように、もともと「ブログで完結まで書いている作品」なんですね。
ブログ版は全部で1万文字を少し越えるくらいだったかな?
せっかく完結しているし、同人誌にしてもいいんじゃないかな!
本として顕在化させた時に上がるバイブスを味わいたいし!
そう思って、作品の再構築に手を出すにいたりました。
正直なところ、一度書いた文章なんだからそこまで難しくないだろ。俺は未来の俺なんだから、過去の俺より文章も上手くなっているはずだし! という思い上がりもありましたね。
後にこれが「マジでとんでもなく甘い見積もりだった」「片腹痛いわ」だった事を痛感するんですが、それはまた後ほどのお楽しみってことで。
イヤッ!
さて、ブログから本に再構築するにあたり、せっかくなら「普段、自分のやらない技術をつかってやろう」という、色気を出してしまいました。
ここ、ちょっと構造的な話になっちゃうんですが……。
小説を書く人もいろいろなスタイルがあって、「全て文章として世界を構築するタイプ」「感情で書きたい所をバンバン書くタイプ」「押韻、レトリックを重視するタイプ」といろいろいらっしゃるんですよね。
僕はそのなかで、自分のなかにある、映像・カットをそのまま文章に落とし込むタイプ。
見ている情景を説明する文章+その時の登場人物の心境を文章で説明する傾向が強いです。
通常の映像作品だと、演者の演技や表情で困惑な内心の考えなどを表現するんですが、僕の場合はシーン描写と演者の内心を同時に描写することが多い、といえばイメージできますかね? なんかそんな感じ~。
別段、この書き方で不便を感じてはいないんですが……。
もっと、一文の密度を増やしたいな!
説明ではなく、体感を揺さぶってみたいな!
……という思いが出たので、今回の同人誌では、普段より体感重視の作品にすることを目指して、元々の文章を全体的に手直しすることにしました。
↓意識した変更点はこんな感じです。↓
・普段はカメラを映画のように頻繁にカットをかえて、それを書くスタイルだが、今回は山ガスの視点でほぼ固定カメラにして書くように意識的に変更。
・視覚のイメージを固定するため、室内を徹底的に「蒼白い部屋」として表現する。
・監禁している室内は、洋画にある子供用の屋根裏部屋をイメージ。
・五感を重視するため、長らく封鎖されている黴臭さや、衣装の肌触りなどを重視。
・山ガス固定カメラ方式のため、異常成人男性(モブ)の心情は描写しない。
テーマとして「青白さ」を選んだのは、僕自身の好きな童話の傾向が「アンデルセン」と「宮沢賢治」であったため、宮沢賢治の文章に立ち上る蒼白い色合いを取り入れる事にしたってわけですね。
好きなものに好きなものを重ねたら最高だって、死んだ爺さんも言ってたので。
結果としては……慣れないことを全部でやっているので、ひどい目にあいましたね!
もともと、状況説明や心情説明が多かった描写をとにかく、心情をイメージできる痛みや、もの悲しさを抱く視覚に置き換えていく……イメージを、投影し、文章に落とし込むという、普段しない脳の使い方をしたので脳が「もうやだー」とキッズにもどってジタバタし続けるのを何とか制御してやるのは……軽い苦行でした!
現世で功徳を積んだから来世ではミジンコとかになれるかも!
死者の呼び声を参考にしすぎるのも良くないってことですね。
【儀式的体験を目指して】
体感を主に、というイメージで書くことになったので……実際、体感としてどういう雰囲気を味わってほしいかな?
これを考えた上で、想定として「儀式的な荘厳さ」を選びました。
狂気と信仰の話でもあるので、作中の雰囲気すべてが「男が人魚姫である山ガスを迎える儀式であり、また山ガスが人魚姫になる儀式である、それらの儀式をすべて、読者に与える」というのがコンセプトになった、ってわけですね。
なんや~かんやで!
試行錯誤を繰り返し、元々1万字くらいだった作品の1万字であるという分量は一切変えず、内容を説明からより情景と体感に寄せることに……成功しました!
と、言いたいんですけどね。
自分としても初めての試みではありましたので、成否は君の目で……たしかみてみろ!(意図的な誤字)
サンプルはこちらにあります、pixivからですがお気軽にたしかみてみろ! → こちら
【個人的な後書き】
実験的、あるいは習作と言われればまさしくその通りなんですが、同人誌として顕在化させる以上は、一定数、読める内容になっているのを目指してはいます。
1万字程度の比較的に短編作品ですが、感覚と感情に一定の硬度と重さがあるよう磨いて仕上げたつもりなので、読んでいただいて、そのような体験をしていただけたのなら……嬉しいなぁ。
もし、興味が沸いた方は、サンプルがおいてありますので、冒頭だけでも読んでみてください。
さらに興味を抱いていただけたら、本も買ってくれたら……嬉しい!
んだば、したっけ!
誰が興味を持つのかといわれたら甚だ疑問だが、誰かは興味を持つかもしれない。
そんな気持ちで、先日出した同人誌「白い■■と人魚」の設計図をお見せしたいと思います。
すでに本を手に取った方も!
まだ手に取っていないが、「こういう設計で作られた内容が気になる」って方も!
気軽に読んでくれたら幸いです。
【前提】
この話は、都市伝説解体センターの二次創作同人誌を作る時の着想の話をしています。
一応、原作がわからなくても説明できるようにはしてありますが、知らないと不明点も出てくると思います。
ちょっと前提でも解説しますが、それでも存在する不明点は、是非原作を買って補完してください。
説明
山田ガスマスク:原作でビジュが最高の男。
山ガス:山田ガスマスクの略称。山田ガスでも山マスクでもなく山ガスです。
【テーマ】
僕は最初に、「何を書きたいか」をわりと明確においておくことが多いほうです。
以前の同人誌だったら「罪悪感は傲慢である」という言葉を基本に設計してますし、他の同人誌では「生き残った人間の巡礼」をテーマにして、そこから発想をいくつかつなげていく、って形で構築するタイプ、ってわけですね。
で、その中でも僕には「好きになったキャラは絶対に一度は監禁ネタを書く」という悪食ともいえる悪癖があるので!
今回は!
監禁ネタを書く!
と、強い決意で監禁された山田ガスマスクの話を書く事にしました。
悪食で悪癖であるからこそ、地獄の業火に焼かれながら、それでも同人誌を渇望する、ってこと!
【コンセプト】
テーマを決める時、僕は大体、この話の長さで必要なタスクみたいなのを考えます。
5万字くらいの小説だと、「メインのテーマは1つ、だけど、それに平行して存在する、解決すべき問題(タスク)は2~3つ」みたいな設計で書き始める感じですね。
この時に出てくる「タスク」がコンセプトとして現れる傾向があったりします。
今回は、総文字数が1万文字程度と、本にする小説としてはかなり文字数が少ない方だったので……監禁という骨子をパッケージするコンセプトは3つくらいにしました。
・人魚姫というテーマ → メインになる物語の骨子。
・蒼白い世界 → 象徴としての色。終始、一貫して世界の色を青白さだけで固定。
・儀式的同人誌 → 短編なので、全体の余白を増やし、一文の強度を上げることで、荘厳な儀式を体感しているようなアプローチを目指す
下に行くほど何やってんだおめー?
になりますね、ぽつぽつ説明していきまっしょう。
【構成】
この作品は、もともと自分のブログで書いた掌編でした。
同人誌では4章構成になってますが、ブログで1話目を書いたあと、「こうなったほうが面白いかも」と思い2話目を書き、さらに「この続きも思いついた!」という形で3話目を書いて ……と繰り返した結果として、全体の構成が、奇跡的に「起承転結」としてまとまった形になります。
奇跡ってあるんだね。
とはいえ、奇跡も完全に偶然の産物ではなく、1話目を書いた時、その後を書きたくなった(承部分になる)→このままの関係性が続く訳ないよね、と思った(転部分になる)→この関係性をちゃんと終わらせておいたほうがいいよね(結部分になる)という段階を踏んでいたものなので、起承転結の道筋と、僕の発想が一緒だったのは完全に奇跡ではなく、裏付けはあるタイプの奇跡ですね。
裏付けのある奇跡は奇跡といわないのでは?
うん、きっとそう!
【人魚姫のテーマとモブキャラクター誕生の背景】
双方が愛し合っていて、同意があるタイプの温和な監禁。
片方が全く気付いてないうちに、外堀が埋められていて逃げられなくなっている精神・物理的な監禁。
誘拐からの強引な監禁と、一口に監禁といっても種類はいろいろあるんですよね。
こいつ、いきなり監禁知識をねじ込もうと一切の前振りもなく監禁知識の話はじめた!
油断している無辜の市民に監禁知識を!
覚えろよ、監禁を……今日からみんなで書けるようになれよォ……。
で、監禁に関しては「相手を外に出したくない」「自分だけの空間で管理したい」みたいな支配欲を一定数もっているキャラクターのほうが説得力が出るんですが……。(※読者が、監禁の前提を知っているような言い分)
僕は今回「狂気的な監禁」を書きたいと渇望しているのに対し、原作(トシカイ)でそこまで狂気、あるいは猟奇の監禁をするキャラクターはいないな、と判断したんですね。
トシカイのキャラクターは僕からみればみんな真人間判定!
よかったねー。
だから、今回は「山ガスを狂気的に監禁するための、モブキャラクターを作ろう!
と思い至ったわけです。
原作が正気だから、僕が狂気になろう!
清々しい発想のコペルニクス的転回ですね。
みなさんも「やべぇ、不都合だ!」と思った時、「この世界ではこうなんだよ!」の心持ちで生きていきましょう。
さて、モブキャラクターを作るぞ! という時に、狂気にそれなりの説得力は持たせたい。
かといって、監禁するキャラクターが読者側から見て「いい奴」になってもしょうがねーだろ、とも思ったので、読者からうっすら嫌われるタイプのキャラを作っていきましょう。
「理論的には理解できる」
「正論っぽいことも言える」
「だが根底がズレてる」
こういう人間は、だいたい「うっすら気持ち悪い」ってキャラクターになる特性があるので、これを下地として生地を練っていきましょうね、コネコネ。(ちょっと料理感)
この下地ですが、どうせ書くなら自分の知識範囲で書ける方が楽だと思い、僕自身の経験を生かすことにしました。
実は僕……幼少期、アンデルセンの童話が執拗に足を攻撃するものばかりで変にフェティッシュを感じていたんですよね……ふふ……。
ってな訳で、今回は下味として「アンデルセン童話」+「狂気」を入れる事にしました。
アンデルセン作品は数多ありますが、その中でもメジャーな作品である「人魚姫」をチョイス。
人魚姫をチョイスしたのは、アンデルセンの作品でもとても有名であること。
そして、児童用に解釈を削ったバージョンが日本では多く一般的に認知されていることから、人魚姫が「自己犠牲をした悲劇の少女」という認知が多いながら、実際確実にアンデルセンは「魂のない化け物が、信仰によって救われた。神は魂のない存在でも、真実かつ無償の愛があれば、救いたもうものなのだ」というアンデルセンなりのハッピーエンドがある……この、世間的なイメージと原作の乖離があるのが好きだからです。
好きなものに好きなものを重ねた方が強いんだよ! って、死んだ婆さんも言ってましたしね。
かくして、「アンデルセンの人魚姫という作品に心酔し求める、自分のこと王子だと思っている異常成人男性」を爆誕させるにいたったわけです。
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【同人誌への再構築と蒼白い部屋のモチーフ】
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ブログ版は全部で1万文字を少し越えるくらいだったかな?
せっかく完結しているし、同人誌にしてもいいんじゃないかな!
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正直なところ、一度書いた文章なんだからそこまで難しくないだろ。俺は未来の俺なんだから、過去の俺より文章も上手くなっているはずだし! という思い上がりもありましたね。
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小説を書く人もいろいろなスタイルがあって、「全て文章として世界を構築するタイプ」「感情で書きたい所をバンバン書くタイプ」「押韻、レトリックを重視するタイプ」といろいろいらっしゃるんですよね。
僕はそのなかで、自分のなかにある、映像・カットをそのまま文章に落とし込むタイプ。
見ている情景を説明する文章+その時の登場人物の心境を文章で説明する傾向が強いです。
通常の映像作品だと、演者の演技や表情で困惑な内心の考えなどを表現するんですが、僕の場合はシーン描写と演者の内心を同時に描写することが多い、といえばイメージできますかね? なんかそんな感じ~。
別段、この書き方で不便を感じてはいないんですが……。
もっと、一文の密度を増やしたいな!
説明ではなく、体感を揺さぶってみたいな!
……という思いが出たので、今回の同人誌では、普段より体感重視の作品にすることを目指して、元々の文章を全体的に手直しすることにしました。
↓意識した変更点はこんな感じです。↓
・普段はカメラを映画のように頻繁にカットをかえて、それを書くスタイルだが、今回は山ガスの視点でほぼ固定カメラにして書くように意識的に変更。
・視覚のイメージを固定するため、室内を徹底的に「蒼白い部屋」として表現する。
・監禁している室内は、洋画にある子供用の屋根裏部屋をイメージ。
・五感を重視するため、長らく封鎖されている黴臭さや、衣装の肌触りなどを重視。
・山ガス固定カメラ方式のため、異常成人男性(モブ)の心情は描写しない。
テーマとして「青白さ」を選んだのは、僕自身の好きな童話の傾向が「アンデルセン」と「宮沢賢治」であったため、宮沢賢治の文章に立ち上る蒼白い色合いを取り入れる事にしたってわけですね。
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結果としては……慣れないことを全部でやっているので、ひどい目にあいましたね!
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死者の呼び声を参考にしすぎるのも良くないってことですね。
【儀式的体験を目指して】
体感を主に、というイメージで書くことになったので……実際、体感としてどういう雰囲気を味わってほしいかな?
これを考えた上で、想定として「儀式的な荘厳さ」を選びました。
狂気と信仰の話でもあるので、作中の雰囲気すべてが「男が人魚姫である山ガスを迎える儀式であり、また山ガスが人魚姫になる儀式である、それらの儀式をすべて、読者に与える」というのがコンセプトになった、ってわけですね。
なんや~かんやで!
試行錯誤を繰り返し、元々1万字くらいだった作品の1万字であるという分量は一切変えず、内容を説明からより情景と体感に寄せることに……成功しました!
と、言いたいんですけどね。
自分としても初めての試みではありましたので、成否は君の目で……たしかみてみろ!(意図的な誤字)
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実験的、あるいは習作と言われればまさしくその通りなんですが、同人誌として顕在化させる以上は、一定数、読める内容になっているのを目指してはいます。
1万字程度の比較的に短編作品ですが、感覚と感情に一定の硬度と重さがあるよう磨いて仕上げたつもりなので、読んでいただいて、そのような体験をしていただけたのなら……嬉しいなぁ。
もし、興味が沸いた方は、サンプルがおいてありますので、冒頭だけでも読んでみてください。
さらに興味を抱いていただけたら、本も買ってくれたら……嬉しい!
んだば、したっけ!
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