インターネット字書きマンの落書き帳
山ガスを監禁して調教するタイプの夢男子です(BL)
俺は、変態を書くために生まれてきたのかもしれねぇ。(挨拶)
という訳で、前回 山田ガスマスクを監禁する夢男子 を書いたら楽しかったので、その続きを書きます。
山田ガスマスクに悪いお薬を飲ませ、身動きをとれなくしたまま、監禁して飼っている夢男子と山田ガスマスクのいちゃいちゃシーンですよ。
……いちゃいちゃシーンです。(視線を逸らしている)
はいはい、わかりましたー。
監禁して飼う発想の夢男子はいませんね、はいはい、異常成人男性を書きました~!
では、僕の生み出した犯罪者が山田ガスマスクに無体を強いつつガッツリと洗脳教育をする姿を見てください♥
という訳で、前回 山田ガスマスクを監禁する夢男子 を書いたら楽しかったので、その続きを書きます。
山田ガスマスクに悪いお薬を飲ませ、身動きをとれなくしたまま、監禁して飼っている夢男子と山田ガスマスクのいちゃいちゃシーンですよ。
……いちゃいちゃシーンです。(視線を逸らしている)
はいはい、わかりましたー。
監禁して飼う発想の夢男子はいませんね、はいはい、異常成人男性を書きました~!
では、僕の生み出した犯罪者が山田ガスマスクに無体を強いつつガッツリと洗脳教育をする姿を見てください♥
『もしも人魚になれるなら』
ヤグルマソウの花びらの……。
今日も涼しい声が、祝詞のように規則正しく言葉を紡ぐ。
山田はバスタブに浮ばせられ、ぼんやりとその言葉を聞いていた。
バスタブには赤い花びらがいくつも浮かび、とてもいい匂いがする。
この後、湯から上がったら、上等なクリームを体全体に塗られて、綺麗に髪を整えられ、唇に少し紅を入れられるのが一連のルーティンになっていた。
「ふふ……湯加減はどうかな、山田くん」
男は柔らかに笑うと、乳白色に濁る湯を片手でかき混ぜる。
少し温いくらいの湯だが、いつもたっぷり1時間は入れられるのでこれくらいが丁度いい。
山田は目を細くして、男の顔を見た。
「そう、悪くないみたいだね。だったら、湯は足さないでおこう。あと少し入ったら、身体中にクリームを塗って、真っ白な真珠のようにピカピカにしてあげるからね」
男は愛おしそうに、山田の唇へ触れる。
愛されている。
その事実が、ただひたすらに気味が悪かった。
はだは、薔薇の花びらのように……。
男は再度、いつもの言葉を諳んじる。
アンデルセンの「人魚姫」だ。
この男は山田と会う時、いつもこの物語をまるで歌のようにリズミカルに読み上げるのだ。
山田がこの男の世話を受けるようになって、今日で3日目になるが、山田はこの男のことをまだ何も知らなかった。
話ぶりから山田がまだ5Sとして配信していた頃からの熱心なファンだというのはわかる。
だが他の事は、「人魚姫」という物語を暗記するほど読み込んでいるという事以外は何も知らない。
名前も、年齢も、職業も、何もかも教えようとしないし、それを聞く事もできないのだ。
何故なら……。
「山田くん」
男は不意に山田を覗き込むと、突然頭を乱暴に湯船へと押し付ける。
乳白色の甘ったるい液体が口から、鼻から容赦なく入り込み、ゴボゴボと音を立てる最中も、山田は何の抵抗もできずにいた。
手も、足も――体は一切、動かないからだ。
呼吸がつまり、ジワジワと死の恐怖が迫る。
腹にも肺にも水が流れ、脳の奥底から警鐘がやかましく鳴り響く。
だがどれだけ焦っても、体は全く動かない。
山田の脳裏に、幼い頃父の怒りを買い、裸にされベランダへ放り出された記憶が蘇った。
いくら体を震わせて、泣き叫び許しを乞うても、父の気まぐれが収まるまで決して中に入れてもらえなかった無力感――。
あの時と同じだ。
これは気まぐれという災厄であり、自分は子供のころ、それに抵抗できず震えて待つことしかできなかった。
何か、変わりたいと思った。
父のようになりたくない。母のような迎合も嫌だ。人並みに扱われたい。 そう渇望し、5Sの一人として正義を追従したというのに、結局――。
「ぁ、がはっ!」
ほどなくして、男は山田をバスタブから引き上げる。
喉に詰まっていた湯が吐き出され、喉から空気が通るだけの音がした。
声ではない。ただの音だ。だがそれを、男は満足そうに笑って見つめていた。
「ふふ……美しくも愛らしい人魚姫は、声を泡にしたかわりに、足を手に入れたんだ。だから私も、それをあげる。私は決してキミを責めないし、キミを何も否定しない……ここで、キミは全てに許され祝福される。自由なんだよ」
山田を引き上げるその手は、飴細工を扱うかのように優しい。
とても、今しがた山田の頭を沈め溺れさせようとした男とは思えない程だ。
「さぁ、身体中にクリームを塗ってあげる。その白い肌をピカピカに磨き上げて、肌にうっすら浮かび上がる青い血管が躍動するところを見せておくれ」
男はバスタブから湯を抜くと、山田の体をタオルで包みひょいと抱き上げる。
目覚めた時、山田はこの男の家にいた。
男が誰だかも、ここがどこだかもわからない。
ただ、手足も動かず声も出せない今の山田は、男の着せ替え人形でしかなかった。
濡れた体を丁重に拭いた後、たっぷりとクリームを塗り込む。
南国の果実を思わすあまったるい匂いは本来、心地よいはずなのだが、得体の知れない男に体を好きに触られているという事実は恐怖と嫌悪となり、心地よさなど微塵も感じない。
ぬるぬると首筋や胸を、自由に這い回る指先に蛞蝓が這い回る幻覚が重なる。薄気味悪く、そして穢らわしい指先だというのに……。
「ぁ……ぁっ! ぁ……」
意図せず、喘ぎが漏れる。
喜びではない。男の指先が快楽を運び、その上で出たただの生理的な反応だ。
愛する先にある営みで喜びに満ちた上で出た喘ぎ声では決してない。
「……いい声で、鳴いてくれるんだね。声が出なくとも、キミの視線が。喉を震わす音が。肌が。私を受け入れてくれるのがよくわかるよ」
それでも男は嬉しそうに笑うと、そっと山田の髪を撫でた。
――何を言ってるんだ、身勝手な妄想だ。僕は、お前なんか受け入れてはいない。
こんなことされて、嬉しいわけないじゃないか。
気付いたら知らない場所にいて、手足も動かないまま裸にされて、それからずっとお前の好きなように扱われてきた。
そんなの、ただの傀儡だ。道具だ。
僕は、お前の玩具じゃない。
表情さえろくに動かないから睨み付けることすらできないかわりに、大きく見開いた目で男を見据える。
すると男は、山田の前にそっと手をかざして笑った。
「そんな顔をしないでおくれ。キミは……ずっと玩具だったじゃないか」
男の言葉が、山田の喉笛を噛みちぎる。
「ね、気付いてるんだろう。キミはとても聡い……キミはずっと玩具だったろう?」
「5Sという名の商品として、皆の前で玩具として振る舞ってきた。そうだろう?」
「キミには、大衆の玩具なんて重すぎるんだよ。鎖なんだ。足かせなんだ。私はね、キミをずっと……多くの理想から解放させてあげたかったんだ」
陶酔したように男は語る。舞台俳優のように大仰な動きは滑稽なはずなのに、その言葉は山田の首をじわじわと締め付けた。
――そうだ、僕はずっと玩具だ。傀儡だ。
小さい頃は両親の。それからは黒沢さんと5Sの。そして視聴者の――。
決して考えなくとった行動ではない。
だが結果として、自分の人生は全て見世物だった。
この一生で自分がしてきたのは、人生の量り売りだ。
しかもその切り刻まれた人生でさえ、たいした価値などない。
人の命を奪った重みからすれば、綿より軽い娯楽だ。
許される存在ではない――。
「もう、キミは誰の理想で踊らずともいい。ただ、私のためにいてくれれば……私は全てを許し、受け入れるからね。山田くん。キミさえ受け入れてくれたら、私はキミの体を自由にしてやってもいいんだ。この足を自由にして、動くようにしてあげても……」
男はそう告げ、山田のつま先へ口づけをする。
冷たいつま先に唇の熱を微かに感じながら、山田はぼんやりと思うのだ。
――ひれから足を手に入れた人魚姫は、優雅な仕草と引き換えに剃刀の上を歩くような激しい痛みを与えられた。
たとえ僕が自由になっても、きっと、同じ痛みがつきまとうのだろう。
ヤグルマソウの花びらの……。
今日も涼しい声が、祝詞のように規則正しく言葉を紡ぐ。
山田はバスタブに浮ばせられ、ぼんやりとその言葉を聞いていた。
バスタブには赤い花びらがいくつも浮かび、とてもいい匂いがする。
この後、湯から上がったら、上等なクリームを体全体に塗られて、綺麗に髪を整えられ、唇に少し紅を入れられるのが一連のルーティンになっていた。
「ふふ……湯加減はどうかな、山田くん」
男は柔らかに笑うと、乳白色に濁る湯を片手でかき混ぜる。
少し温いくらいの湯だが、いつもたっぷり1時間は入れられるのでこれくらいが丁度いい。
山田は目を細くして、男の顔を見た。
「そう、悪くないみたいだね。だったら、湯は足さないでおこう。あと少し入ったら、身体中にクリームを塗って、真っ白な真珠のようにピカピカにしてあげるからね」
男は愛おしそうに、山田の唇へ触れる。
愛されている。
その事実が、ただひたすらに気味が悪かった。
はだは、薔薇の花びらのように……。
男は再度、いつもの言葉を諳んじる。
アンデルセンの「人魚姫」だ。
この男は山田と会う時、いつもこの物語をまるで歌のようにリズミカルに読み上げるのだ。
山田がこの男の世話を受けるようになって、今日で3日目になるが、山田はこの男のことをまだ何も知らなかった。
話ぶりから山田がまだ5Sとして配信していた頃からの熱心なファンだというのはわかる。
だが他の事は、「人魚姫」という物語を暗記するほど読み込んでいるという事以外は何も知らない。
名前も、年齢も、職業も、何もかも教えようとしないし、それを聞く事もできないのだ。
何故なら……。
「山田くん」
男は不意に山田を覗き込むと、突然頭を乱暴に湯船へと押し付ける。
乳白色の甘ったるい液体が口から、鼻から容赦なく入り込み、ゴボゴボと音を立てる最中も、山田は何の抵抗もできずにいた。
手も、足も――体は一切、動かないからだ。
呼吸がつまり、ジワジワと死の恐怖が迫る。
腹にも肺にも水が流れ、脳の奥底から警鐘がやかましく鳴り響く。
だがどれだけ焦っても、体は全く動かない。
山田の脳裏に、幼い頃父の怒りを買い、裸にされベランダへ放り出された記憶が蘇った。
いくら体を震わせて、泣き叫び許しを乞うても、父の気まぐれが収まるまで決して中に入れてもらえなかった無力感――。
あの時と同じだ。
これは気まぐれという災厄であり、自分は子供のころ、それに抵抗できず震えて待つことしかできなかった。
何か、変わりたいと思った。
父のようになりたくない。母のような迎合も嫌だ。人並みに扱われたい。 そう渇望し、5Sの一人として正義を追従したというのに、結局――。
「ぁ、がはっ!」
ほどなくして、男は山田をバスタブから引き上げる。
喉に詰まっていた湯が吐き出され、喉から空気が通るだけの音がした。
声ではない。ただの音だ。だがそれを、男は満足そうに笑って見つめていた。
「ふふ……美しくも愛らしい人魚姫は、声を泡にしたかわりに、足を手に入れたんだ。だから私も、それをあげる。私は決してキミを責めないし、キミを何も否定しない……ここで、キミは全てに許され祝福される。自由なんだよ」
山田を引き上げるその手は、飴細工を扱うかのように優しい。
とても、今しがた山田の頭を沈め溺れさせようとした男とは思えない程だ。
「さぁ、身体中にクリームを塗ってあげる。その白い肌をピカピカに磨き上げて、肌にうっすら浮かび上がる青い血管が躍動するところを見せておくれ」
男はバスタブから湯を抜くと、山田の体をタオルで包みひょいと抱き上げる。
目覚めた時、山田はこの男の家にいた。
男が誰だかも、ここがどこだかもわからない。
ただ、手足も動かず声も出せない今の山田は、男の着せ替え人形でしかなかった。
濡れた体を丁重に拭いた後、たっぷりとクリームを塗り込む。
南国の果実を思わすあまったるい匂いは本来、心地よいはずなのだが、得体の知れない男に体を好きに触られているという事実は恐怖と嫌悪となり、心地よさなど微塵も感じない。
ぬるぬると首筋や胸を、自由に這い回る指先に蛞蝓が這い回る幻覚が重なる。薄気味悪く、そして穢らわしい指先だというのに……。
「ぁ……ぁっ! ぁ……」
意図せず、喘ぎが漏れる。
喜びではない。男の指先が快楽を運び、その上で出たただの生理的な反応だ。
愛する先にある営みで喜びに満ちた上で出た喘ぎ声では決してない。
「……いい声で、鳴いてくれるんだね。声が出なくとも、キミの視線が。喉を震わす音が。肌が。私を受け入れてくれるのがよくわかるよ」
それでも男は嬉しそうに笑うと、そっと山田の髪を撫でた。
――何を言ってるんだ、身勝手な妄想だ。僕は、お前なんか受け入れてはいない。
こんなことされて、嬉しいわけないじゃないか。
気付いたら知らない場所にいて、手足も動かないまま裸にされて、それからずっとお前の好きなように扱われてきた。
そんなの、ただの傀儡だ。道具だ。
僕は、お前の玩具じゃない。
表情さえろくに動かないから睨み付けることすらできないかわりに、大きく見開いた目で男を見据える。
すると男は、山田の前にそっと手をかざして笑った。
「そんな顔をしないでおくれ。キミは……ずっと玩具だったじゃないか」
男の言葉が、山田の喉笛を噛みちぎる。
「ね、気付いてるんだろう。キミはとても聡い……キミはずっと玩具だったろう?」
「5Sという名の商品として、皆の前で玩具として振る舞ってきた。そうだろう?」
「キミには、大衆の玩具なんて重すぎるんだよ。鎖なんだ。足かせなんだ。私はね、キミをずっと……多くの理想から解放させてあげたかったんだ」
陶酔したように男は語る。舞台俳優のように大仰な動きは滑稽なはずなのに、その言葉は山田の首をじわじわと締め付けた。
――そうだ、僕はずっと玩具だ。傀儡だ。
小さい頃は両親の。それからは黒沢さんと5Sの。そして視聴者の――。
決して考えなくとった行動ではない。
だが結果として、自分の人生は全て見世物だった。
この一生で自分がしてきたのは、人生の量り売りだ。
しかもその切り刻まれた人生でさえ、たいした価値などない。
人の命を奪った重みからすれば、綿より軽い娯楽だ。
許される存在ではない――。
「もう、キミは誰の理想で踊らずともいい。ただ、私のためにいてくれれば……私は全てを許し、受け入れるからね。山田くん。キミさえ受け入れてくれたら、私はキミの体を自由にしてやってもいいんだ。この足を自由にして、動くようにしてあげても……」
男はそう告げ、山田のつま先へ口づけをする。
冷たいつま先に唇の熱を微かに感じながら、山田はぼんやりと思うのだ。
――ひれから足を手に入れた人魚姫は、優雅な仕草と引き換えに剃刀の上を歩くような激しい痛みを与えられた。
たとえ僕が自由になっても、きっと、同じ痛みがつきまとうのだろう。
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