インターネット字書きマンの落書き帳
愛されようとは思いません(松ガス/BL)
罪悪感共鳴二次創作!(※リンバスカンパニーではない)
たまには「ラブラブ」とか「いちゃいちゃ」ラインの話を書きたいな。
そう思って、日常生活を送る松田と山田ガスマスクの話を書きました。
本当に日常イチャラブで終わっているのかって?
たしかめてみろ!(※フラグ)
因業~。
因業~~~~。
こちら、因業でございます~~~~~。
当店では良い因業を売っておりますれば~。
たまには「ラブラブ」とか「いちゃいちゃ」ラインの話を書きたいな。
そう思って、日常生活を送る松田と山田ガスマスクの話を書きました。
本当に日常イチャラブで終わっているのかって?
たしかめてみろ!(※フラグ)
因業~。
因業~~~~。
こちら、因業でございます~~~~~。
当店では良い因業を売っておりますれば~。
『愛されようとは思いません』
ベッドの中、まだウトウトしている僕をよそにパタパタと動く松田さんの気配がする。
いつもより早い。そういえば、今日は少し早めに出て、ちょっと遠くまで行くっていってたか。
「おい、山田ぁ」
寝ている僕に何度か話し掛けてきたけど、曖昧で覚えていない。
朝はこれを喰え、昼飯はこれだからな。
何となくそんな事を言っていた気がするが、よく覚えていない。
目を覚ましたのは昼頃だ、
僕は一つ欠伸をして、それから自分の前髪に触る。
「ほな、いってくるわ」
出かける前、そういいながら僕の前髪を撫でてくれる松田さんの手は大きくて温かかった。
頭を撫でられるなんて、僕のこと子供だと思っているんだろうな。
それを喜ぶ僕も僕だけど。
のろのろと起き上がりリビングに行けば、テーブルには冷めたパンに目玉焼きとサラダというシンプルな朝食にラップがかけられている。
『朝飯はトースト。昼は冷凍食品があるからちゃんと食べてな』
隣には、簡素なメモ。
普段は関西弁だけど、メモはちゃんと標準語なのが当たり前だが何だかおかしい。
それにメモも、妙に達筆だ。
僕はトーストにインスタントコーヒーをいれると、ずっとメモを眺めていた。
松田さん、早く帰ってこないかな。
博物館の仕事って思ったより大変みたいで、松田さんの帰りはいつも遅い。
通常業務の後も、大きな展示がある時は展示物ブースを動かしたりする必要があるし、古代史の研究論文みたいなのを読む事も多いそうだ。
いかにもカタギじゃないって見た目なのに、話してみるとすごいインテリだからいつも驚く。
この前なんて、邪馬台国の場所についてだけで一時間くらい話したあと、思いの外遅くなっていて
「すまん、話しすぎたわ」
って、照れたように笑ったのは、僕よりずっと年上なのになんだかすごく可愛く思えた。
……そうだ、ご飯ちゃんと食べてるって写真で伝えないと。
半分くらい食べたトーストを写真にとって、松田さんにメッセージを送る。
「ちゃんとご飯食べてるよ」
すぐに気付いたのか、松田さんからすぐに返事がきた。
「あほか、もう昼やで」
松田さん、どうやら今は昼休みみたいだ。
いつもは仕事中だったら返事はこない。
「今日は遅くなるの? 出張、結構遠いんだよね?」
「そうやな……でも、直帰できるから思ったより早う帰れると思う」
さらに続けてメッセージを送る。
これ以上送ったら、松田さんは面倒がる。面倒な奴とか、重い男って思われるのは嫌だからこれくらいにしておこう。
……そっか、早く帰れるかもしれないんだ。
僕はトーストをかじり、何度も返事を見た。
早く帰ってくるなら、何か夕飯作っておこうかな。
そう思うけど、僕は一人暮らしも長かったし、食事は滅多に作らない。
ほとんどコンビニか宅配で済ましていたし、自炊する時もパスタやラーメンみたいな麺類が多い。
ソロキャンプを楽しむ時は少しワイルドなご飯も作るけど、あれはキャンプ場だからできる方法で、自宅でやったら後片付けが大変だ。
何を作ろうかな。何なら作れるかな。
仕事の間にいくつかレシピを見て、僕にもできそうな料理のメモを取る。
松田さん、あれで結構自炊するから材料は冷蔵庫にいっぱいある。レシピ通りなら僕でも料理くらい作れるはずだ。作れると思う。作れる……よね?
「あ、そうだ……お米炊いておかなくちゃ」
レシピをいくつかメモした後、僕はのろのろ立ち上がる。
二人分のお米を炊飯器にセット。一人暮らしの頃はパックご飯を使う事が多かったけど、今は二人だからちゃんとご飯を炊いている。
これは、僕の仕事。
忘れちゃうこともあるけど……。
「すぐに炊いちゃいけないっていうけど、忘れちゃうよりマシだよね」
炊飯のボタンを押したら、あとは待つだけ。
ご飯炊けたら、松田さん帰ってこないかな……。
パソコンに向かってぽつぽつ仕事をしながら、何度も時計を確認する。
まだ早いかな。もう少しかな。そろそろかな……。
「おう、今帰ったで」
いつもよりずっと早い時間にドアが開いたから、僕は思わず立ち上がる。
「松田さん……!」
あぁ、だめだ。こんなウキウキして、子供みたい。
でも、実際に嬉しいから仕方ない。
だけど、嬉しいのが露骨にわかると、松田さんに茶化される。冷静に振る舞わないと。
「なんや、えらい嬉しそうに出迎えてくれるやないか。お前はほんま、子犬みたいでカワイイ奴ちゃなぁ」
……駄目だ、もうバレてる。
松田さんは僕を見ると、ニヤニヤ笑って頭を撫でた。
「別に、嬉しくなんかないし……」
そういって強がって見せるけど、僕の思いなんてもう見え見えなんだろう。
仕方ないよ。ちゃんと、人を好きになったことなんてないんだから。
「ごめんね、夕食……作ってない。ご飯は炊いてあるけど」
「飯があれば十分やて。偉いなぁ、飯炊けるようになったんか。出先で土産に鉄砲漬け買うてきたから、コレと残りモンでも出すか」
松田さんは僕のすること、何でも褒めてくれる。
「鉄砲漬け?」
「せや。この前買うてきた時、おまえ偉い美味そうに喰ってたからなぁ」
僕のこと、色々覚えていてくれる。
それが、嬉しい。すごく嬉しい。
今まで僕と向き合ってくれる人なんて、誰もいなかったから。
「どないした? そんなにこっち見て。何か言いたい事あるんか?」
言いたい事はあるよ。
好き、大好き。
だけど、わかってる。松田さんはただ、優しいだけ。この優しさが普通に「ある」だけの人だ。
僕の事が好きだから親しくしてくれてるわけではない。
だって僕は――野村さんの命を奪い、松田さんの人生をメチャクチャにした張本人なのだから。
この上、松田さんに幸せにしてもらおうなんて――。
「べつに。松田さん、相変わらず態度と声がデカいな、って思っただけ」
僕は、曖昧に笑う。
茶化して、誤魔化して、目を背けて道化を演じる。
愛されようとは思わない。
だから松田さん。
どうか、そばにいることだけは、許していてほしい。
僕はずっと罪を抱いて、あなたの邪魔にならないよう、精一杯に生きるから。
ベッドの中、まだウトウトしている僕をよそにパタパタと動く松田さんの気配がする。
いつもより早い。そういえば、今日は少し早めに出て、ちょっと遠くまで行くっていってたか。
「おい、山田ぁ」
寝ている僕に何度か話し掛けてきたけど、曖昧で覚えていない。
朝はこれを喰え、昼飯はこれだからな。
何となくそんな事を言っていた気がするが、よく覚えていない。
目を覚ましたのは昼頃だ、
僕は一つ欠伸をして、それから自分の前髪に触る。
「ほな、いってくるわ」
出かける前、そういいながら僕の前髪を撫でてくれる松田さんの手は大きくて温かかった。
頭を撫でられるなんて、僕のこと子供だと思っているんだろうな。
それを喜ぶ僕も僕だけど。
のろのろと起き上がりリビングに行けば、テーブルには冷めたパンに目玉焼きとサラダというシンプルな朝食にラップがかけられている。
『朝飯はトースト。昼は冷凍食品があるからちゃんと食べてな』
隣には、簡素なメモ。
普段は関西弁だけど、メモはちゃんと標準語なのが当たり前だが何だかおかしい。
それにメモも、妙に達筆だ。
僕はトーストにインスタントコーヒーをいれると、ずっとメモを眺めていた。
松田さん、早く帰ってこないかな。
博物館の仕事って思ったより大変みたいで、松田さんの帰りはいつも遅い。
通常業務の後も、大きな展示がある時は展示物ブースを動かしたりする必要があるし、古代史の研究論文みたいなのを読む事も多いそうだ。
いかにもカタギじゃないって見た目なのに、話してみるとすごいインテリだからいつも驚く。
この前なんて、邪馬台国の場所についてだけで一時間くらい話したあと、思いの外遅くなっていて
「すまん、話しすぎたわ」
って、照れたように笑ったのは、僕よりずっと年上なのになんだかすごく可愛く思えた。
……そうだ、ご飯ちゃんと食べてるって写真で伝えないと。
半分くらい食べたトーストを写真にとって、松田さんにメッセージを送る。
「ちゃんとご飯食べてるよ」
すぐに気付いたのか、松田さんからすぐに返事がきた。
「あほか、もう昼やで」
松田さん、どうやら今は昼休みみたいだ。
いつもは仕事中だったら返事はこない。
「今日は遅くなるの? 出張、結構遠いんだよね?」
「そうやな……でも、直帰できるから思ったより早う帰れると思う」
さらに続けてメッセージを送る。
これ以上送ったら、松田さんは面倒がる。面倒な奴とか、重い男って思われるのは嫌だからこれくらいにしておこう。
……そっか、早く帰れるかもしれないんだ。
僕はトーストをかじり、何度も返事を見た。
早く帰ってくるなら、何か夕飯作っておこうかな。
そう思うけど、僕は一人暮らしも長かったし、食事は滅多に作らない。
ほとんどコンビニか宅配で済ましていたし、自炊する時もパスタやラーメンみたいな麺類が多い。
ソロキャンプを楽しむ時は少しワイルドなご飯も作るけど、あれはキャンプ場だからできる方法で、自宅でやったら後片付けが大変だ。
何を作ろうかな。何なら作れるかな。
仕事の間にいくつかレシピを見て、僕にもできそうな料理のメモを取る。
松田さん、あれで結構自炊するから材料は冷蔵庫にいっぱいある。レシピ通りなら僕でも料理くらい作れるはずだ。作れると思う。作れる……よね?
「あ、そうだ……お米炊いておかなくちゃ」
レシピをいくつかメモした後、僕はのろのろ立ち上がる。
二人分のお米を炊飯器にセット。一人暮らしの頃はパックご飯を使う事が多かったけど、今は二人だからちゃんとご飯を炊いている。
これは、僕の仕事。
忘れちゃうこともあるけど……。
「すぐに炊いちゃいけないっていうけど、忘れちゃうよりマシだよね」
炊飯のボタンを押したら、あとは待つだけ。
ご飯炊けたら、松田さん帰ってこないかな……。
パソコンに向かってぽつぽつ仕事をしながら、何度も時計を確認する。
まだ早いかな。もう少しかな。そろそろかな……。
「おう、今帰ったで」
いつもよりずっと早い時間にドアが開いたから、僕は思わず立ち上がる。
「松田さん……!」
あぁ、だめだ。こんなウキウキして、子供みたい。
でも、実際に嬉しいから仕方ない。
だけど、嬉しいのが露骨にわかると、松田さんに茶化される。冷静に振る舞わないと。
「なんや、えらい嬉しそうに出迎えてくれるやないか。お前はほんま、子犬みたいでカワイイ奴ちゃなぁ」
……駄目だ、もうバレてる。
松田さんは僕を見ると、ニヤニヤ笑って頭を撫でた。
「別に、嬉しくなんかないし……」
そういって強がって見せるけど、僕の思いなんてもう見え見えなんだろう。
仕方ないよ。ちゃんと、人を好きになったことなんてないんだから。
「ごめんね、夕食……作ってない。ご飯は炊いてあるけど」
「飯があれば十分やて。偉いなぁ、飯炊けるようになったんか。出先で土産に鉄砲漬け買うてきたから、コレと残りモンでも出すか」
松田さんは僕のすること、何でも褒めてくれる。
「鉄砲漬け?」
「せや。この前買うてきた時、おまえ偉い美味そうに喰ってたからなぁ」
僕のこと、色々覚えていてくれる。
それが、嬉しい。すごく嬉しい。
今まで僕と向き合ってくれる人なんて、誰もいなかったから。
「どないした? そんなにこっち見て。何か言いたい事あるんか?」
言いたい事はあるよ。
好き、大好き。
だけど、わかってる。松田さんはただ、優しいだけ。この優しさが普通に「ある」だけの人だ。
僕の事が好きだから親しくしてくれてるわけではない。
だって僕は――野村さんの命を奪い、松田さんの人生をメチャクチャにした張本人なのだから。
この上、松田さんに幸せにしてもらおうなんて――。
「べつに。松田さん、相変わらず態度と声がデカいな、って思っただけ」
僕は、曖昧に笑う。
茶化して、誤魔化して、目を背けて道化を演じる。
愛されようとは思わない。
だから松田さん。
どうか、そばにいることだけは、許していてほしい。
僕はずっと罪を抱いて、あなたの邪魔にならないよう、精一杯に生きるから。
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