インターネット字書きマンの落書き帳
カテゴリー「趣味と日常」の記事一覧
- 2022.08.01 ドグラ・マグラの歩き方という名の怪文書
- 2021.05.24 オブラディン号がメチャクチャ面白かった話。
やぁみんな、今日も元気にドグラ・マグラしてる?(挨拶)
……しててたまるかよ!(挨拶、からの逆ギレ)
という訳で、今日はドグラ・マグラの話をします。
この作品、日本三大奇書という謎カテゴリに入れられた作品であり「奇書」という文面に違わずヘンテコな作品ではあるんですが、三大奇書の中では比較的読みやすいし娯楽性も高い方だと。
少なくとも「己から奇書である」という自覚をもって書かれた作品ではないと思うんですよね。
「黒死館殺人事件」がヤバすぎるというのは当然あるんですが。
「黒死館殺人事件」がヤバすぎるというのは当然あるんですが。(サビなので繰り返した)
ただ、ドグラ・マグラは「読むと必ず気が狂う」というキャッチーなコピーなどもあり内容よりもチャカポコとタイトルが先行した結果、小説をあまり読み慣れていない人が手を出して「なるほど! わからん!」となる作品でもあるんですね。
小説を読み慣れた人でも「なるほど! わからん!」にならないか?
それはそう!
と、比較的難解と呼ばれる部類の作品である「ドグラ・マグラ」ですが、先ほども申し上げました通り娯楽を放棄している訳ではない!
……。(「黒死館殺人事件」を一瞥する)
娯楽を放棄している訳ではない!
ので……。
作品のポインヨになりそうな部分、とっかかりになりそうな部分に触れて語ってみたいと思います。
これを機会に「何だあれ!? 何だよあれ!? 日本語で書いてあるのにチャカポコしか覚えてねぇぞ!?」と思った人も……たぶん「何だあれ、チャカポコしか覚えてねぇぞ!?」になるとは思いますが、あの奇っ怪な文章のコアとなる部分を紐解くきっかけになればいいな、等と思う次第にございまする。
とかいいましたが、実際書いたのは何かよくわからん怪文書です。
何かデスクトップにある書きかけの文章を見ていたら、この怪文書が混ざっていていつ書いたのかもわからなくて「何これこっわ……こわ~~~~~」と思ったので放流しておきます。
ここまで読んでも心が折れなかった人でも多分心が折れる怪文書をどうぞ。
なお、ドグラ・マグラ事態は途中で読むのを止めてしまったとしても特に責められる事はない程度に「なんだこれ!?」であると思っております。
……しててたまるかよ!(挨拶、からの逆ギレ)
という訳で、今日はドグラ・マグラの話をします。
この作品、日本三大奇書という謎カテゴリに入れられた作品であり「奇書」という文面に違わずヘンテコな作品ではあるんですが、三大奇書の中では比較的読みやすいし娯楽性も高い方だと。
少なくとも「己から奇書である」という自覚をもって書かれた作品ではないと思うんですよね。
「黒死館殺人事件」がヤバすぎるというのは当然あるんですが。
「黒死館殺人事件」がヤバすぎるというのは当然あるんですが。(サビなので繰り返した)
ただ、ドグラ・マグラは「読むと必ず気が狂う」というキャッチーなコピーなどもあり内容よりもチャカポコとタイトルが先行した結果、小説をあまり読み慣れていない人が手を出して「なるほど! わからん!」となる作品でもあるんですね。
小説を読み慣れた人でも「なるほど! わからん!」にならないか?
それはそう!
と、比較的難解と呼ばれる部類の作品である「ドグラ・マグラ」ですが、先ほども申し上げました通り娯楽を放棄している訳ではない!
……。(「黒死館殺人事件」を一瞥する)
娯楽を放棄している訳ではない!
ので……。
作品のポインヨになりそうな部分、とっかかりになりそうな部分に触れて語ってみたいと思います。
これを機会に「何だあれ!? 何だよあれ!? 日本語で書いてあるのにチャカポコしか覚えてねぇぞ!?」と思った人も……たぶん「何だあれ、チャカポコしか覚えてねぇぞ!?」になるとは思いますが、あの奇っ怪な文章のコアとなる部分を紐解くきっかけになればいいな、等と思う次第にございまする。
とかいいましたが、実際書いたのは何かよくわからん怪文書です。
何かデスクトップにある書きかけの文章を見ていたら、この怪文書が混ざっていていつ書いたのかもわからなくて「何これこっわ……こわ~~~~~」と思ったので放流しておきます。
ここまで読んでも心が折れなかった人でも多分心が折れる怪文書をどうぞ。
なお、ドグラ・マグラ事態は途中で読むのを止めてしまったとしても特に責められる事はない程度に「なんだこれ!?」であると思っております。
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オブラディン号の帰還をクリアしました!
このゲーム、Twitterのフォロワッサンから「面白いですよッ!」と強く推され事前情報なしでplayしたんですが……。
いやー、良かった!
ただただ良かった、ひたすらに良かったですね!
ぼくの場合、事前情報がまったくないの状態で……。
ただ「面白いッスよ!」というフォロワッサンの感性だけを信じて購入したので、まさに白紙の脳髄。
なーんもわからん!
なーんもわからん!
といった状態で始めたので、演出面でも操作面も謎解き方面も全てが新鮮さマックス!
ただし出てくる人物は新鮮さナッシングなオッサン的サムシング!
気持ちはフレッシュ!
画面はアン・フレッシュでございますことよ!
このゲーム、おおむね4日くらいプレイしてたんですが、とにかく出るは出るわオッサンの群れ!
次ぎから次ぎへと現れる新たなオッサンの刺客により、令和3年のオッサン成分を一気に注入された気分ですよ!
いや、だがこれはとても面白い!
是非とも皆さんに体験してほしい……強くオススメしたい!
だけどあまりネタバレはしたくないというのも本音なので、出来ればこのまま黙って購入して欲しい気持ちが正直大きいんですが……。
いかんせん公式サイトのスクリーンショットだけだとどんなゲームだかまったく分らないというのもまた事実なんですよね。
実際のところぼく自身も「これはバリッバリに硬派なゲームでは……!?」とスクリーンショットを見て少し臆してしまったクチですし。
そんなワケで、ぱっと見どんなゲーム?
というか何のゲーム?
オッサン補給ゲーなの……?
と、謎めいたゲームでもありますんで、ネタバレしない程度にだけザックリと「ここメッチャ面白かったよ」という部分だけお伝えしておこうと! 思い! ます!
・モノトーンで繰り出される独特の世界観がイイ
ゲーム紹介のスクリーンショット、「いにしえのゲームボーイの画面かな?」と思うくらいシンプルなんですが、実際に操作する画面も殆どあのスクリーンショットと同じです。
陰影とシンプルな線やドット風に描かれている画面はレトロ感すらありますが、物語の舞台が1800年の大航海時代なので多くの大型船が海を駆け巡る時代に思いを馳せる雰囲気作りに一役買っております。
そう、あえてモノトーンの古めの映像作りをし、これは古く遠い記憶の物語であるという世界観を作っているというワケですね。
もちろん、モノトーンだからといっても時は令和。
意図的に古い画面作りをしているものの、マジで8bitだけで作ったような無茶はしておらず画面には遺物かな? と思うほどの粗さはありません。
モノトーンでシックな画面でもヌルヌル動くから探索も快適!
一見ゲームボーイ風味の画面でも、実はグラフィックの質がグンバツに良いというのはオッサンの線の濃さが違ってよりどりみどりのオッサンを判別する事ができるのを見ても明らかでしょう。
このオッサンが凄い!
ところで「1800年代の大航海時代」と説明しましたが、別に1800年代は大航海時代ではないですので悪しからず。(なんで言ったの!?)(なんとなくカッコイイかと思って)
・快適すぎるくらい快適な操作性
さて、硬派で雰囲気バツグンの世界観! ……というのは今し方説明しましたが世の中「雰囲気が良い」=「良いゲーム」とは限らないのもまた事実。
とくに「雰囲気の良さ」を重視するあまりに操作性がシッチャカメッチャカになってしまい「真っ直ぐ歩くのがこんなに難しいなんてッ……」と膝をついてしまうゲームも世の中には少なからず存在します。
オブラディン号は見た目がかなり硬派なゲーム。
かつ元々は洋ゲーなのでその点は敷居の高さを感じる事でしょう。
ですがそこは心配ご無用!
このゲーム、ビックリするほど操作性が快適なのです。
元より目的が比較的シンプルというのもありますが、長いチュートリアルなどは一切なし。
操作するごとに「プレイヤーが欲しい情報」をきちんと与えてくれるタイプのチュートリアルで、動かしながら覚えていくタイプの親切設計。
画面の移動が極端に遅いとか、同じメッセージをゆっくりのテンポで何度も見なければいけない……といった事はほとんどなく、プレイ中のストレスは最低限に抑えられてます。
探索画面がシンプルでヌルヌルっと動くし、自分がどこにいるのか地図がいつでも見られる上、詳しく見たい部分のズームも楽々。
このゲームで必用なシステムは全部あるのでとにかく探索にストレスがないのです。
強いてテンポが削がれる事があるなら、プレイヤーが誤操作しちゃう事くらいかな!
人為的ミスは防げないから仕方ないねッ!
しかし極限まで「探索」に極ふりした機能は近年、演出過多でテンポを損なっているADVに辟易していたタイプの人は嬉しい所でもありますね。
説明もなく世界に放り込まれ、操作は必用な時に教えてもらえる。
そう、こういうのでいいんだよゲームってやつはな……!
というワケで、とにかくゲームで遊べる!
すぐにゲームが遊べるという点でも、オブラディン号はとってもストレスフリーなゲームだと思うワケです、はい。
・メタである、だが決して狡くはない難易度の謎解き
ホラー、ミステリー、SFと設定は色々あるもののADVのメインはおおむね謎解きであり、オブラディン号も探索の理由は「ナゾ解き」です。
通常のADVだと謎解きに必用な「ヒント」はおおむねその作品(ゲーム)の中だけに存在するもの……。
現実の知識は「プレイヤーが知っていてもキャラクターは知らない」ものであり「プレイヤーにとって既知の事実を教えるためにキャラクターを誘導する」という事もままあったりします。
しかしこのオブラディン号は「ある知識はゲーム内外問わずに使えばいい」といったスタンス。
つまり「プレイヤーのもつリアル知識」も謎解きの役に立つってワケですね。
これは知識的な面もそうですが、観察力面でも大いに優位に働きます。
リアルな自分の知識が役立つADV。
それがオブラディン号なのです!
プレイヤーの現代知識をも謎解きに使ってオッケー!
……というの、謎解きADVとしてはわりと珍しいんですよね。
もちろん、オブラディン号はプレイヤーのリアル知識があれば若干有利な面があるものの、プレイヤーが義務教育に敗北していても大丈夫。
きちんとオブラディン号というゲーム内にあるヒントを組み合わせていけば答えが出せるようになっているので、なんもわからん! 世の中の事なんもわからん! という人でもよくよく観察すればクリア出来るようにきちんとなってます。
その点は従来のADVと同じ、発想力や観察力、洞察力の勝負。
知識はあると有利だけど、なくても問題なし。きちんとゲームで得られる情報だけで答えにはたどり着ける、というワケですね。
Oh、ユーザーフレンドリー!
洋ゲーの謎解きは難易度が高めであり、オブラディン号もメチャクチャに親切な謎解きの部類では正直なところありません。
しっかり考えてガッチリ観察しないとこたえに行き着くのは難しい方でしょう。
ですが、しっかり考えてキッチリ観察していればちゃんと解けるようにはなっているので、理不尽な難易度ではないのです。
きちんと考えて観察し気付きがあれば解けるADV!
素晴らしいですねッ。
しかも最悪の場合ある種の「力技」も使えるので俺のようなあんぽんたんでも最終的にはゴリ押しでかつるのも優しいと思います。
攻略見なくても大丈夫!
そう、力技ならね!
・翻訳が秀逸
翻訳が不自由で何をいってるかわからない洋ゲーと出会った数をキミは覚えているか?
俺は覚えてない。
……というワケで、洋ゲーで翻訳の善し悪しはかなり大事なんですよ。
義務教育に敗北している俺は特にね!
オブラディン号の英語はかなり聞き取りやすい部類ではあるのですが……。
このゲーム、出てくる言語が英語だけではないので一層ローカライズの翻訳が重要になってくるんですよね。
その重要な翻役が……ちゃんと、している!
ちゃんと、しているのですッ!
そう、日本語ですといいながら突然、隣国の言語が挟まってくるような事態はありません。 他国の言語には他国の言語が出て、きちんとその意味も日本語で示されている親切設計なので、義務教育に敗北していても大丈夫。
綺麗な日本語字幕で最後まで物語りをお楽しみ下さい。
・
・
・
と、本当に良い作品だとは思いますがもちろん、短所……ADVとしての弱点がないワケでもありません。
ADVはストーリーやキャラクタ-、謎解きにも好みが分かれる所もありますからね。
というワケで個人的に気になった部分もおいておきます。
・登場人物はほとんどオッサン
萌え要素とかはないです。
元より洋ゲーに萌えを求めるのは間違っているのかもしれませんが、ないです。
あまり萌え萌えキュンキュン! に期待はしないほうがいいと思います。
最も「萌えた! 俺はこの本のエロを出す!」という気になっても……私は一向に構わん!
とも思いますので強く生きて下さいね!
・顔面の識別が苦手な人は絶対的に不向き
実は結構いるんですよね、顔の認識が出来ないという人。
この傾向がある人は残念ながらオブラディン号向きではないです。
誰のせいでもないのですが、このゲームと「顔の認識がしづらい」という性質は致命的に相性が悪いので……。
人間の顔はみんな同じに見えてみんな愚かだから、仕方ないね!
・モノトーン画面のせいでどうしても見づらいシーンがある
モノトーンの演出はこのゲームの世界観的に最高なんですが、それが故にどうしても「見えづらい」「分りづらい」所が出てしまってるんですよね。
このゲームに関しては、この見えづらさ、分りづらさが結構もどかしく推理のジャミングになりがちです。
理解出来ない程ではないながら、見た印象が分りづらいというのはちょっと惜しいな……と思ってしまうのが正直ちょっと残念な所と言えるでしょう。
・初回のシーンスキップはなし/強制的に探索終了
初めて見るシーンは時間制限とでもいいますか、強制的に時間で終了してしまいます。
後で何度もゆっくり見る事が出来るんですけどね。
最初からじっくり見てゆっくり観察したい……と思っていると強制退去!
このへんはまぁ好みもあると思うんですが(ぼくは気にならなかったので)、後半になって謎解き慣れてくるともどかしく感じる&じっくり1シーンごと見たい人なんかはなんでじゃ!? と思うかもしれません。
・事のあらましは説明されるけど、細かい部分の説明はないストーリー
オブラディン号はどちらかというと「ナゾが残るタイプ」のストーリーです。
あの行動の意味は?
どうしてあんな事がおこったの?
あれは一体……あの正体は……?
なんて感じで、いくつかの謎はスルーされたまま話が終ります。
特にプレイヤーの最も身近にあるアイテムの正体がまったく不明、かつ開かす気など1ミリもないストーリー展開なのはいっそ清々しいくらいですね。
一番のナゾが手元にあるのでは?
とはいえ漠然とした考察などは可能です。
ただ事実がある、正解はない。想像の余地を残す作品なので「全てのナゾはとけて真実はいつも一つ! スッキリ」なストーリーが好きな人はモヤっとするやもしれません。
逆に考察したい勢や、ちょっとナゾがあるのもまた面白いという民には向いてるって事ですな。
このゲームは「ストーリー重視」というより「謎解きに、それぞれのストーリーがついてくる」といったタイプのゲームなので謎解き部分に重きがあります。
それ故に、グワッと盛り上がるような事はなく全体的に淡々とした印象があるのも否めません。
重厚なストーリーを派手な演出で感動的なラスト……的なものを求めると違うにゃーと思う事でしょう。
どちらかというと大作娯楽より、ミニシアターのシネマ的な作品なんでその感覚でよろしゅうに。
・
・
・
短所があるのは事実ながら、自分としてはそれを補ってあまりある没入感。
調べて面白い、考えて面白い、触って面白いゲームだったので大満足の作品でした。
総プレイ時間は10時間以上かな?
ただ淡々とストーリーを追いかけて開いていくRTAをしても演出などで2時間程度はかかるようです。
ぼくは14時間かかりましたが!
だってオッサンが!
オッサンがいっぱいいるんだものッ!
さぁ、皆さんもオブラディン号にのって!
オッサンを1年分補充してください!
オブラディン号のオッサンたちは、いつでも皆さんの来訪をまっていると思いますよッ!
このゲーム、Twitterのフォロワッサンから「面白いですよッ!」と強く推され事前情報なしでplayしたんですが……。
いやー、良かった!
ただただ良かった、ひたすらに良かったですね!
ぼくの場合、事前情報がまったくないの状態で……。
ただ「面白いッスよ!」というフォロワッサンの感性だけを信じて購入したので、まさに白紙の脳髄。
なーんもわからん!
なーんもわからん!
といった状態で始めたので、演出面でも操作面も謎解き方面も全てが新鮮さマックス!
ただし出てくる人物は新鮮さナッシングなオッサン的サムシング!
気持ちはフレッシュ!
画面はアン・フレッシュでございますことよ!
このゲーム、おおむね4日くらいプレイしてたんですが、とにかく出るは出るわオッサンの群れ!
次ぎから次ぎへと現れる新たなオッサンの刺客により、令和3年のオッサン成分を一気に注入された気分ですよ!
いや、だがこれはとても面白い!
是非とも皆さんに体験してほしい……強くオススメしたい!
だけどあまりネタバレはしたくないというのも本音なので、出来ればこのまま黙って購入して欲しい気持ちが正直大きいんですが……。
いかんせん公式サイトのスクリーンショットだけだとどんなゲームだかまったく分らないというのもまた事実なんですよね。
実際のところぼく自身も「これはバリッバリに硬派なゲームでは……!?」とスクリーンショットを見て少し臆してしまったクチですし。
そんなワケで、ぱっと見どんなゲーム?
というか何のゲーム?
オッサン補給ゲーなの……?
と、謎めいたゲームでもありますんで、ネタバレしない程度にだけザックリと「ここメッチャ面白かったよ」という部分だけお伝えしておこうと! 思い! ます!
・モノトーンで繰り出される独特の世界観がイイ
ゲーム紹介のスクリーンショット、「いにしえのゲームボーイの画面かな?」と思うくらいシンプルなんですが、実際に操作する画面も殆どあのスクリーンショットと同じです。
陰影とシンプルな線やドット風に描かれている画面はレトロ感すらありますが、物語の舞台が1800年の大航海時代なので多くの大型船が海を駆け巡る時代に思いを馳せる雰囲気作りに一役買っております。
そう、あえてモノトーンの古めの映像作りをし、これは古く遠い記憶の物語であるという世界観を作っているというワケですね。
もちろん、モノトーンだからといっても時は令和。
意図的に古い画面作りをしているものの、マジで8bitだけで作ったような無茶はしておらず画面には遺物かな? と思うほどの粗さはありません。
モノトーンでシックな画面でもヌルヌル動くから探索も快適!
一見ゲームボーイ風味の画面でも、実はグラフィックの質がグンバツに良いというのはオッサンの線の濃さが違ってよりどりみどりのオッサンを判別する事ができるのを見ても明らかでしょう。
このオッサンが凄い!
ところで「1800年代の大航海時代」と説明しましたが、別に1800年代は大航海時代ではないですので悪しからず。(なんで言ったの!?)(なんとなくカッコイイかと思って)
・快適すぎるくらい快適な操作性
さて、硬派で雰囲気バツグンの世界観! ……というのは今し方説明しましたが世の中「雰囲気が良い」=「良いゲーム」とは限らないのもまた事実。
とくに「雰囲気の良さ」を重視するあまりに操作性がシッチャカメッチャカになってしまい「真っ直ぐ歩くのがこんなに難しいなんてッ……」と膝をついてしまうゲームも世の中には少なからず存在します。
オブラディン号は見た目がかなり硬派なゲーム。
かつ元々は洋ゲーなのでその点は敷居の高さを感じる事でしょう。
ですがそこは心配ご無用!
このゲーム、ビックリするほど操作性が快適なのです。
元より目的が比較的シンプルというのもありますが、長いチュートリアルなどは一切なし。
操作するごとに「プレイヤーが欲しい情報」をきちんと与えてくれるタイプのチュートリアルで、動かしながら覚えていくタイプの親切設計。
画面の移動が極端に遅いとか、同じメッセージをゆっくりのテンポで何度も見なければいけない……といった事はほとんどなく、プレイ中のストレスは最低限に抑えられてます。
探索画面がシンプルでヌルヌルっと動くし、自分がどこにいるのか地図がいつでも見られる上、詳しく見たい部分のズームも楽々。
このゲームで必用なシステムは全部あるのでとにかく探索にストレスがないのです。
強いてテンポが削がれる事があるなら、プレイヤーが誤操作しちゃう事くらいかな!
人為的ミスは防げないから仕方ないねッ!
しかし極限まで「探索」に極ふりした機能は近年、演出過多でテンポを損なっているADVに辟易していたタイプの人は嬉しい所でもありますね。
説明もなく世界に放り込まれ、操作は必用な時に教えてもらえる。
そう、こういうのでいいんだよゲームってやつはな……!
というワケで、とにかくゲームで遊べる!
すぐにゲームが遊べるという点でも、オブラディン号はとってもストレスフリーなゲームだと思うワケです、はい。
・メタである、だが決して狡くはない難易度の謎解き
ホラー、ミステリー、SFと設定は色々あるもののADVのメインはおおむね謎解きであり、オブラディン号も探索の理由は「ナゾ解き」です。
通常のADVだと謎解きに必用な「ヒント」はおおむねその作品(ゲーム)の中だけに存在するもの……。
現実の知識は「プレイヤーが知っていてもキャラクターは知らない」ものであり「プレイヤーにとって既知の事実を教えるためにキャラクターを誘導する」という事もままあったりします。
しかしこのオブラディン号は「ある知識はゲーム内外問わずに使えばいい」といったスタンス。
つまり「プレイヤーのもつリアル知識」も謎解きの役に立つってワケですね。
これは知識的な面もそうですが、観察力面でも大いに優位に働きます。
リアルな自分の知識が役立つADV。
それがオブラディン号なのです!
プレイヤーの現代知識をも謎解きに使ってオッケー!
……というの、謎解きADVとしてはわりと珍しいんですよね。
もちろん、オブラディン号はプレイヤーのリアル知識があれば若干有利な面があるものの、プレイヤーが義務教育に敗北していても大丈夫。
きちんとオブラディン号というゲーム内にあるヒントを組み合わせていけば答えが出せるようになっているので、なんもわからん! 世の中の事なんもわからん! という人でもよくよく観察すればクリア出来るようにきちんとなってます。
その点は従来のADVと同じ、発想力や観察力、洞察力の勝負。
知識はあると有利だけど、なくても問題なし。きちんとゲームで得られる情報だけで答えにはたどり着ける、というワケですね。
Oh、ユーザーフレンドリー!
洋ゲーの謎解きは難易度が高めであり、オブラディン号もメチャクチャに親切な謎解きの部類では正直なところありません。
しっかり考えてガッチリ観察しないとこたえに行き着くのは難しい方でしょう。
ですが、しっかり考えてキッチリ観察していればちゃんと解けるようにはなっているので、理不尽な難易度ではないのです。
きちんと考えて観察し気付きがあれば解けるADV!
素晴らしいですねッ。
しかも最悪の場合ある種の「力技」も使えるので俺のようなあんぽんたんでも最終的にはゴリ押しでかつるのも優しいと思います。
攻略見なくても大丈夫!
そう、力技ならね!
・翻訳が秀逸
翻訳が不自由で何をいってるかわからない洋ゲーと出会った数をキミは覚えているか?
俺は覚えてない。
……というワケで、洋ゲーで翻訳の善し悪しはかなり大事なんですよ。
義務教育に敗北している俺は特にね!
オブラディン号の英語はかなり聞き取りやすい部類ではあるのですが……。
このゲーム、出てくる言語が英語だけではないので一層ローカライズの翻訳が重要になってくるんですよね。
その重要な翻役が……ちゃんと、している!
ちゃんと、しているのですッ!
そう、日本語ですといいながら突然、隣国の言語が挟まってくるような事態はありません。 他国の言語には他国の言語が出て、きちんとその意味も日本語で示されている親切設計なので、義務教育に敗北していても大丈夫。
綺麗な日本語字幕で最後まで物語りをお楽しみ下さい。
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と、本当に良い作品だとは思いますがもちろん、短所……ADVとしての弱点がないワケでもありません。
ADVはストーリーやキャラクタ-、謎解きにも好みが分かれる所もありますからね。
というワケで個人的に気になった部分もおいておきます。
・登場人物はほとんどオッサン
萌え要素とかはないです。
元より洋ゲーに萌えを求めるのは間違っているのかもしれませんが、ないです。
あまり萌え萌えキュンキュン! に期待はしないほうがいいと思います。
最も「萌えた! 俺はこの本のエロを出す!」という気になっても……私は一向に構わん!
とも思いますので強く生きて下さいね!
・顔面の識別が苦手な人は絶対的に不向き
実は結構いるんですよね、顔の認識が出来ないという人。
この傾向がある人は残念ながらオブラディン号向きではないです。
誰のせいでもないのですが、このゲームと「顔の認識がしづらい」という性質は致命的に相性が悪いので……。
人間の顔はみんな同じに見えてみんな愚かだから、仕方ないね!
・モノトーン画面のせいでどうしても見づらいシーンがある
モノトーンの演出はこのゲームの世界観的に最高なんですが、それが故にどうしても「見えづらい」「分りづらい」所が出てしまってるんですよね。
このゲームに関しては、この見えづらさ、分りづらさが結構もどかしく推理のジャミングになりがちです。
理解出来ない程ではないながら、見た印象が分りづらいというのはちょっと惜しいな……と思ってしまうのが正直ちょっと残念な所と言えるでしょう。
・初回のシーンスキップはなし/強制的に探索終了
初めて見るシーンは時間制限とでもいいますか、強制的に時間で終了してしまいます。
後で何度もゆっくり見る事が出来るんですけどね。
最初からじっくり見てゆっくり観察したい……と思っていると強制退去!
このへんはまぁ好みもあると思うんですが(ぼくは気にならなかったので)、後半になって謎解き慣れてくるともどかしく感じる&じっくり1シーンごと見たい人なんかはなんでじゃ!? と思うかもしれません。
・事のあらましは説明されるけど、細かい部分の説明はないストーリー
オブラディン号はどちらかというと「ナゾが残るタイプ」のストーリーです。
あの行動の意味は?
どうしてあんな事がおこったの?
あれは一体……あの正体は……?
なんて感じで、いくつかの謎はスルーされたまま話が終ります。
特にプレイヤーの最も身近にあるアイテムの正体がまったく不明、かつ開かす気など1ミリもないストーリー展開なのはいっそ清々しいくらいですね。
一番のナゾが手元にあるのでは?
とはいえ漠然とした考察などは可能です。
ただ事実がある、正解はない。想像の余地を残す作品なので「全てのナゾはとけて真実はいつも一つ! スッキリ」なストーリーが好きな人はモヤっとするやもしれません。
逆に考察したい勢や、ちょっとナゾがあるのもまた面白いという民には向いてるって事ですな。
このゲームは「ストーリー重視」というより「謎解きに、それぞれのストーリーがついてくる」といったタイプのゲームなので謎解き部分に重きがあります。
それ故に、グワッと盛り上がるような事はなく全体的に淡々とした印象があるのも否めません。
重厚なストーリーを派手な演出で感動的なラスト……的なものを求めると違うにゃーと思う事でしょう。
どちらかというと大作娯楽より、ミニシアターのシネマ的な作品なんでその感覚でよろしゅうに。
・
・
・
短所があるのは事実ながら、自分としてはそれを補ってあまりある没入感。
調べて面白い、考えて面白い、触って面白いゲームだったので大満足の作品でした。
総プレイ時間は10時間以上かな?
ただ淡々とストーリーを追いかけて開いていくRTAをしても演出などで2時間程度はかかるようです。
ぼくは14時間かかりましたが!
だってオッサンが!
オッサンがいっぱいいるんだものッ!
さぁ、皆さんもオブラディン号にのって!
オッサンを1年分補充してください!
オブラディン号のオッサンたちは、いつでも皆さんの来訪をまっていると思いますよッ!