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インターネット字書きマンの落書き帳

   
ゼノ光の夢小説です。
ゼノスの夢小説です。
と、言い張ってみました。

実際なんだかよくわからないんですけど。
気が付いたらゼノスにハメられて(肉体的な意味で)たヒカセンが、ゼノスに一方的に友達セックスさせるような話です。

概要がまったく要領を得てないな!?
でもそういう話です。

ヒカセンの性別も種族も性格もわりと曖昧にしておいたので、自ヒカセンに脳内でカスタマイズしてください。(雑ゥ)

デフォルトっぽい口調にしたらオスっぽさ出てしまいましたが。
そのへんも頑張ってこう、何とかしてください。





『深淵に潜む獣』

 これは夢か--。
 ーーはたまた現実か。

 記憶さえも曖昧となった身体は突き上げるような鈍い痛みが幾度となく襲っていた。

 無造作に、愛も慈悲もなく。
 ただ処理するだけの。あるいは身体を試しているだけのセックスはおおよそ愛のあるものでもなければ人間同士が慈しみあうようなものでもなかった。

 背後にはまるで人形のように整った顔立ちの男が表情一つ変えぬまま自らの肉体を深く身体に穿つ。
 行為の最中であるというのに快楽一つ感じてないような顔ではあるが、逃がさぬとでも言いたげに身体はしっかり拘束していた。

「ゼノス……おまえ、は。どうして……」

 途切れ途切れに声を漏らす。
 幾度このようなセックスを、ただ種付けだけをするような交尾を続けていただろうか。
 それに至るためこの身体はどれだけ傷つけられ、どれだけの苦痛を与えられただろうか。

 こんなにも酷い行為をし。
 肉体も尊厳も人としてのプライドも全て容易く踏みにじっているというのに、この美しい男は……ゼノスはこちらの事を『友』と呼ぶのを辞めなかった。

「どうして、か。お前はセックスに理由を求めるのか?」

 当たり前じゃないか。
 少なくとも自分は愛しい人に抱かれたいと思うし、こんな粗雑な扱いを受けたいとは思った事などない。
 だが返事をする事は叶わなかった。ゼノスが口の中に指をねじ込み、半ば強引に舌を撫でかき混ぜるからだ。

「そうだな……強いていうのなら、お前が俺の友だからだ。この世界で唯一俺を理解できるお前の身体を俺のものにしたいと思うのは至極当然のことであり、自然な事だとは思わないか?」

 抑揚の無い声でゼノスは告げると、指を口から引き抜いて粘り着く唾液を舐る。

「おまえは、友と呼ぶ相手にこんなにも酷い事をするのか!? 本当に友であれば、無理にこんなマネをしたりするものか。お前は、お前なんかは……友じゃ、ない……」

 友であれば、笑いながら並んで歩いたりするだろう。
 友であれば背中を預け危険に立ち向かう事も出来ただろう。
 友というのは互いに助けあい、尊重するような間柄の事ではないのだろうか。

 こんなにも一方的でこんなにも乱暴な友情など、あってたまるものか。
 ましてや無造作に突き上げただ快楽を得られるか確かめるように試される行為を続けられる関係を強いられ、どうしてこの男を友と呼ぶ事など出来るものだろう。

 だがそれでも、ゼノスは静かに笑っていた。
 目を細め、こちらを見るその視線はゼノスなりの愛情、あるいは慈悲の目だったのだろうか。
 冷たく射貫くような視線と笑いもしない顔からは本心を読み取る事など到底できなかった。

「分っているのだろう、友よ」

 ゼノスは静かに、腹の底から響くような声で囁くとやけに赤い舌で耳を舐める。
 生暖かい感触が吐息とともに絡みついた。

「本当は、そう。お前とて分っているはずだ。お前の内に秘めた怪物を、本当に理解できるのは俺だけだという事を。光の戦士、英雄、解放者、いくつもの名を背負うお前の所行、人の成せるものではない事くらいお前も分っているのだろう?」

 違う、怪物などではない。
 怪物などに、なってたまるものか。

「我が友よ。俺の内に秘めた怪物を理解し、そして俺と同じ怪物を飼うものよ」

 違う、お前などとは。
 自分の力は力を持たぬ誰かの為にあり、皆から受け継いだ意思の先にあるものだ。
 お前などとは。

 お前などとは……。

「……いかなる理由をもってしても、大いなる力をもって正義を執行する事が必ずしも大局で正しき事ではない。それはお前とて分っているのだろう」

 内に秘めた思いが疼く。
 誰かのためにという大義名分も、所詮はエゴだ。

 納得した上で闘いの舞台に立つ自分も。
 全てを飲込んで闘いの場に趣くゼノスも。

 根源にある感情は同じ。
『自分がしたい事を成している』
 ただそれだけに邁進しているといるのだとしたら……。

 あるいはそう、ゼノスの言う通りなのではないか。
 いや……。

「分っているのだろう? 俺も、お前も、自らのためにしか力を振るう事のない身であるという事が」

 ……同じなのだ。
 本当はわかっている。自分の力が特別なものである事も、まるで運命に導かれているかのように自分だけが生き残り、そして抗う力をもっているのだという事も。

 きっと自分は他の人間よりほんの少しだけ上手く立ち回る事ができており、ほんの少しだけ深入りせずに行動し、ほんの少しだけ運が良いだけ。
 それだけの事なのだが、あらゆる事が他人より「ほんの少しだけ」上手であるという事こそが人を越えた何かの正体であり、それは他人からすると『化け物』に他ならないのではないか。

 そして、もし自分の中にあるこの怪物を理解できる誰かがいるのだとしたら……。

「ゼノス、おまえは……」

 あるいは、彼だけが友なのかもしれない。
 己の中にある化け物とも化生とも獣とも呼ぶに相応しい怪物を持て余しどこか空虚でさえある自分の深淵を完全に理解しうる事が出来るのは……。

「あぁ、俺はお前の友だ。今でも、これからも……な」

 ゼノスの指が身体を撫でる。

 これは夢か--。
 ーーそれとも。

 全てが曖昧のまま、意識は闇へと墜ちていく。
 自分とゼノスが持つ獣が密かに眠る闇へと。

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