インターネット字書きマンの落書き帳
誕生日にシンドー×アライを見せつけられる系の坂上くん(BL)
坂上くん、お誕生日おめでとう!
お誕生日をおめでとうしたいのに!
俺の欲望が強すぎるから、「新堂さんのこと好きだけど、新堂さんは荒井さんと付き合っているの知っているから、この思いはしまっておこう」「僕は、荒井さんのことを好きな新堂さんが好きなんだから」と、思いを秘めてしまう坂上くんを書いてしまいます。
罪深い!
ごめんね!
坂上くんは、新パイセンに対しても荒井パイセンに対しても好意的なナイスガイです。
お誕生日をおめでとうしたいのに!
俺の欲望が強すぎるから、「新堂さんのこと好きだけど、新堂さんは荒井さんと付き合っているの知っているから、この思いはしまっておこう」「僕は、荒井さんのことを好きな新堂さんが好きなんだから」と、思いを秘めてしまう坂上くんを書いてしまいます。
罪深い!
ごめんね!
坂上くんは、新パイセンに対しても荒井パイセンに対しても好意的なナイスガイです。
『あなたと、あなたの好きな人』
9月18日が誕生日だということはあまり言っていないと思っていた。
だがその日、誕生日を迎えた坂上修一の元には思いの外たくさんのプレゼントが届いていた。
新聞部の先輩である日野は万年筆をくれた。
同じく新聞部の倉田からは、自作の小説をもらった。モデルが坂上で、しかも明らかにBL作品なのは本当にどうかと思うのだが、自分のために小説を書いてくれたという部分は素直に喜んでおこう。
ガールフレンドの元木は、わざわざマフラーを編んでくれた。まだ秋で残暑も厳しいが、冬にこのマフラーをつけられると思うと嬉しい。
何よりも嬉しかったのは。
「悪い、坂上。誕生日だって聞いて慌ててコンビニで買った奴なんだけどな」
そんなことをいいながら、新堂誠が、プレゼントを届けてくれたことだった。
新堂の言葉通り、プレゼントはコンビニで買ったケーキと柴犬にもコーギーにも見えるかわった犬のシャープペンシルだったが、嬉しいものは嬉しい。
新堂と知り合ったのは三ヶ月ほど前に企画された学校の七不思議でのことだ。
新堂はそこの語り部として怖い話をしてくれて、企画としても大成功だった。
その後も新堂は坂上のことを気にかけてくれ、今では憧れの存在だった。
憧れ。
いや、好意といってもいいだろう。
自分には元木という恋人同然の相手はいるのだが、新堂に対する思いは元木に対しての好意とも少し違う。
憧れに近いとは思うのだが、恋慕の情がないとも言い切れない。
好きだが、それを言葉にするのも気恥ずかしい。もしそれを知られて拒絶されるのも恐ろしい。ただ、憧れの気持ちを抱きながら見ていられる今の距離感が心地よかったから、それを彼に告げる気はなかった。
それに、新堂にはきっと好きな人がいる。
ずっと見ていたから、坂上はそれに気付いていた。
「そうだ。これも、渡しておくな」
新堂はそう言ってから、犬の首輪を取り出す。可愛い肉球のチャームがついたものだ。
まさか、自分にこれを……?
一瞬焦った坂上に気付いたのか、新堂は僅かに笑う。
「ほら、おまえ犬飼ってるだろ? ポヘって言ったよな。もし良かったら、これ、お前の犬につかってくれよ。この前、店で見かけていいな、と思ったけど、うち犬いねぇし。だったら犬を飼っている奴に、って思ってよ」
確かに、ポヘのサイズには丁度いいだろう。
だけど、坂上の誕生日に首輪だけ渡したらそれは、坂上のプレゼントではなくポヘへのプレゼントだ。
新堂もそう思って、首輪とは別のプレゼントを準備したのだろう。
「ありがとうございます! 今日、家にかえったらポヘにつけてみますね」
礼をする坂上を見て、新堂は照れくさそうに笑う。
普段から目つきが鋭く、どちらかといえばコワモテの新堂だったが、どこか恥ずかしそうに笑う笑顔が好きだった。
坂上は鞄にプレゼントを入れる。
その中には、新堂が来るより先に荒井から貰ったリードも入っていた。
新堂が来るより少し早く、荒井が教室にやってきた。
新堂と同様、七不思議の集会で出会い、それから勉強を見てくれたり、記事を書くのに苦戦する坂上の手伝いをしてくれたりと、口数は少ないが何かと面倒を見てくれる先輩だ。
整った顔立ちの上、普段はあまり自分から喋る事がないので、そこにあるだけだと人形と見まごう美しい人だ。
「坂上くんがポヘと散歩している時、気になったので」
荒井は使いやすそうなシックなノートとメモ帳のセットをプレゼントした後、そういいながらポヘ用のリードをプレゼントしてくれた。
確かに、ポヘのリードがずいぶんとくたびれてきたのを気にしていた所だったから、リードをもらえるのは嬉しいのだが、プレゼントの仕方が新堂と同じなのは偶然ではないだろう。
新堂がプレゼントしてくれたシャープペンシルに対して、荒井はノートセットだというのもだ。
新堂が、荒井と付き合っているというのは何とはなしに気付いていた。
ずっと新堂に憧れていて、彼を目で追いかける先にいつも荒井がいたからだ。
荒井は、坂上にとってもいい先輩だ。
だから、二人が違いに思い合い過ごしているのなら、それより嬉しい事はない。
そう思っているのだが。
「よぉ、荒井じゃねぇか。おまえも坂上にプレゼントか?」
「新堂さん。当然じゃないですか。坂上くんは、僕と話の合う大事な友人ですからね」
新堂と荒井が二人で語りあい、笑い合う姿を見るとほんの少しだけ悔しくなる。
きっと新堂は、自分の前であんな風に笑ったりはしないのだろう。
だけど、だからこそ胸に秘めるのだ。
自分の心を少しだけ苦しめるのだから、せめてこの二人が引き裂かれることのないよう、幸せに過ごしてほしい。そんな願いを込めながら。
9月18日が誕生日だということはあまり言っていないと思っていた。
だがその日、誕生日を迎えた坂上修一の元には思いの外たくさんのプレゼントが届いていた。
新聞部の先輩である日野は万年筆をくれた。
同じく新聞部の倉田からは、自作の小説をもらった。モデルが坂上で、しかも明らかにBL作品なのは本当にどうかと思うのだが、自分のために小説を書いてくれたという部分は素直に喜んでおこう。
ガールフレンドの元木は、わざわざマフラーを編んでくれた。まだ秋で残暑も厳しいが、冬にこのマフラーをつけられると思うと嬉しい。
何よりも嬉しかったのは。
「悪い、坂上。誕生日だって聞いて慌ててコンビニで買った奴なんだけどな」
そんなことをいいながら、新堂誠が、プレゼントを届けてくれたことだった。
新堂の言葉通り、プレゼントはコンビニで買ったケーキと柴犬にもコーギーにも見えるかわった犬のシャープペンシルだったが、嬉しいものは嬉しい。
新堂と知り合ったのは三ヶ月ほど前に企画された学校の七不思議でのことだ。
新堂はそこの語り部として怖い話をしてくれて、企画としても大成功だった。
その後も新堂は坂上のことを気にかけてくれ、今では憧れの存在だった。
憧れ。
いや、好意といってもいいだろう。
自分には元木という恋人同然の相手はいるのだが、新堂に対する思いは元木に対しての好意とも少し違う。
憧れに近いとは思うのだが、恋慕の情がないとも言い切れない。
好きだが、それを言葉にするのも気恥ずかしい。もしそれを知られて拒絶されるのも恐ろしい。ただ、憧れの気持ちを抱きながら見ていられる今の距離感が心地よかったから、それを彼に告げる気はなかった。
それに、新堂にはきっと好きな人がいる。
ずっと見ていたから、坂上はそれに気付いていた。
「そうだ。これも、渡しておくな」
新堂はそう言ってから、犬の首輪を取り出す。可愛い肉球のチャームがついたものだ。
まさか、自分にこれを……?
一瞬焦った坂上に気付いたのか、新堂は僅かに笑う。
「ほら、おまえ犬飼ってるだろ? ポヘって言ったよな。もし良かったら、これ、お前の犬につかってくれよ。この前、店で見かけていいな、と思ったけど、うち犬いねぇし。だったら犬を飼っている奴に、って思ってよ」
確かに、ポヘのサイズには丁度いいだろう。
だけど、坂上の誕生日に首輪だけ渡したらそれは、坂上のプレゼントではなくポヘへのプレゼントだ。
新堂もそう思って、首輪とは別のプレゼントを準備したのだろう。
「ありがとうございます! 今日、家にかえったらポヘにつけてみますね」
礼をする坂上を見て、新堂は照れくさそうに笑う。
普段から目つきが鋭く、どちらかといえばコワモテの新堂だったが、どこか恥ずかしそうに笑う笑顔が好きだった。
坂上は鞄にプレゼントを入れる。
その中には、新堂が来るより先に荒井から貰ったリードも入っていた。
新堂が来るより少し早く、荒井が教室にやってきた。
新堂と同様、七不思議の集会で出会い、それから勉強を見てくれたり、記事を書くのに苦戦する坂上の手伝いをしてくれたりと、口数は少ないが何かと面倒を見てくれる先輩だ。
整った顔立ちの上、普段はあまり自分から喋る事がないので、そこにあるだけだと人形と見まごう美しい人だ。
「坂上くんがポヘと散歩している時、気になったので」
荒井は使いやすそうなシックなノートとメモ帳のセットをプレゼントした後、そういいながらポヘ用のリードをプレゼントしてくれた。
確かに、ポヘのリードがずいぶんとくたびれてきたのを気にしていた所だったから、リードをもらえるのは嬉しいのだが、プレゼントの仕方が新堂と同じなのは偶然ではないだろう。
新堂がプレゼントしてくれたシャープペンシルに対して、荒井はノートセットだというのもだ。
新堂が、荒井と付き合っているというのは何とはなしに気付いていた。
ずっと新堂に憧れていて、彼を目で追いかける先にいつも荒井がいたからだ。
荒井は、坂上にとってもいい先輩だ。
だから、二人が違いに思い合い過ごしているのなら、それより嬉しい事はない。
そう思っているのだが。
「よぉ、荒井じゃねぇか。おまえも坂上にプレゼントか?」
「新堂さん。当然じゃないですか。坂上くんは、僕と話の合う大事な友人ですからね」
新堂と荒井が二人で語りあい、笑い合う姿を見るとほんの少しだけ悔しくなる。
きっと新堂は、自分の前であんな風に笑ったりはしないのだろう。
だけど、だからこそ胸に秘めるのだ。
自分の心を少しだけ苦しめるのだから、せめてこの二人が引き裂かれることのないよう、幸せに過ごしてほしい。そんな願いを込めながら。
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