インターネット字書きマンの落書き帳
砂糖入りのコーヒー味(黒ガス/BL)
平和かつ普通に付き合ってる学生時代の黒沢×山ガスみたいな話ですよ。
山ガス視点で、幸せにイチャイチャしています。
全国のイチャイチャ・ハッピーエンド大好き腐女子のお姉様も、
思わずニッコリ
みたいな話をやりたくて書きました。
ハッピーエンド大好きな腐女子のお姉様がニッコリしてくれれば幸いです。
⁽⁽ฅ₍₍⁽⁽ฅ^•ω•^ฅ₎₎⁾⁾ฅ₎₎
あざといねこ!
山ガス視点で、幸せにイチャイチャしています。
全国のイチャイチャ・ハッピーエンド大好き腐女子のお姉様も、
思わずニッコリ
みたいな話をやりたくて書きました。
ハッピーエンド大好きな腐女子のお姉様がニッコリしてくれれば幸いです。
⁽⁽ฅ₍₍⁽⁽ฅ^•ω•^ฅ₎₎⁾⁾ฅ₎₎
あざといねこ!
『ブラック&シュガー』
――ほら、起きろ。そろそろ起きないと、遅れるぞ。
黒沢サンは優しい。
僕が寝坊をすると、いつも優しくゆすってくれる。
だけどその揺すり方があまりにも心地よいから、僕はかえって眠くなる。
――起きろ、ほら。
そうしてベッドでぐずぐずしてると、黒沢サンは仕方ないという風に一呼吸置いたあと、僕に優しくキスをする。
目覚めのキスがもらえると、僕は嬉しいのと恥ずかしいのがまぜこぜになった気持ちで、ようやく目を開けるのだ。
おはよう、って言う僕を黒沢さんはいつも髪がくしゃくしゃになるまで撫でる。
――本当にかわいいな、おまえは。
もう、授業出るのなんてやめてずっとここにいてくれないか?
黒沢サンに言われると、本当に学校へ行くのをやめて、一日中ずっと黒沢さんの膝に乗っていたいと思ってしまう。
黒沢サンなら僕が甘えて、ずっと一緒にいたいと言えばいつも喜んで隣に置いてくれるだろう。
僕は黒沢サンの隣で、少し乾いたニオイを感じ、シャツごしに肌の温もりをに触れる。
えっちな事をしなくても、僕はそれだけで結構幸せなんだ。
――おい、山田。起きろ。ほら。
今日も、黒沢サンの声がする。
大人びていて、張りがあって、ゆっくりと、でもハッキリとした口調で喋るから、いつでも自信に満ちている。
立ち振る舞いも洗練されていて、服だって大人っぽい。
僕の憧れの人で、僕の好きな人。
そして……今は、僕の恋人。
嘘みたいだし、夢みたい。
夢ならこのままずっと覚めず、心地よく眠っていたいと思う。
そう、夢ならどうか覚めないで――。
――おいおい、仕方ないな。山田?
吐息が頬にかかるほど近い。
いつもなら、もうキスをして起こしてくれるのに、今日はなかなかしてくれない。
どうして? 僕のこと、キライになった?
いつも、カワイイって言ってくれるのに――。
待ちきれなった僕は、自分からキスをする。
柔らかな唇が触れた後、僅かなコーヒーの味が僕の舌に絡む。
……あれ? コーヒーに、砂糖の味がする。
黒沢サン、甘いコーヒーは疲れている時くらいしか飲まないはずだ。朝はいつもブラックって決まっているのに、珍しい。
疲れているのかな、それとも……。
「……お、おい山田! わかったからっ……離れろ!」
ピシャッと厳しい言葉で、僕は意識を取り戻す。
どうして、黒沢サン。
いつも黒沢サンからしてくれるのに、今日はひどく素っ気ない。
そう思ったのは一瞬だ。
目を覚まして、周囲を見た僕はようやく自分の仕出かしに気付く。
……ここ、黒沢サンの部屋じゃない。
5Sで使ってる共用のマンションだ。
どうやら僕は作業で疲れて、少し過眠をとるつもりがそのまま寝入っていたらしい。
それを見つけた黒沢サンが、起こそうとしてくれたのだろう。
向かいの席には、眉崎サンが呆れたような。だが絶好のチャンスを見つけた顔で、僕と黒沢サンの顔を見た。
「あー、お前らいっつも同じ時間に抜けるよなーとは思ってたけど、そういうことね」
ファッション誌をぱらぱらめくりながら、ニヤニヤと笑っている。
しまった。周囲には、僕と黒沢サンが付き合っているとはいってない。
栄子サンは薄々感づいてるみたいだけど……。
黒沢サンは口元を押さえ、照れたように視線を逸らす。
「あ、あの。いや、ち、違うよ! 何か、その。僕、変な夢見てたかも……黒沢サン、ごめんね。その、えっと……違うから!」
言い訳しようとするけど、思うように頭が回らない。
黒沢サンに迷惑かけたくないのに。黒沢サンに恥ずかしい思いさせたくないのに。
「いやいや、別に言い訳なんてしなくていいだろ? 黒沢、前から山田のこと可愛いって言ってたもんなァ」
眉崎サンの目は、絶好の玩具を見つけたみたいだ。
……可愛い、なんて言ってくれてたの?
それは嬉しい、けど……駄目だ、僕のせいで、黒沢サンを困らせてしまう。僕の失敗で黒沢サンが、眉崎サンに変な扱いを受けるのは絶対に嫌だ。
「違うから! ほんと……黒沢サンが僕みたいな奴、相手にするわけ……」
その時、黒沢サンはぐっと僕の腕を掴むと、少し強引に体ごと引き寄せる。
痛いかも。何するのさ、黒沢サン。
そう言おうと思って、黒沢サンに顔を向ければ、柔らかな唇が僕のそれと重なった。
……ほんのり香る、コーヒーの苦み。それと、少しの砂糖の味。
たっぷり舌を絡めれば、僕の口にも僅かにコーヒーが注がれ、喉の奥へと落ちていく。
うっとりするほど優しいキスをされ、その場でつい座り込む僕を見て、黒沢サンはにっこり笑ってみせた。
「そうだ、俺の恋人。今まで黙ってて悪かったな」
キスの余韻で完全に頭が真っ白になってるから、黒沢サンの言葉がにわかに信じられない。
恋人、っていってくれた? 今までみんなに、黙ってたのに?
眉崎サンは「はっ」と軽く息を吐くと、呆れたように頬杖をついた。
「何だよ、黒沢。お前がそんな風に堂々としたら、山田のからかい甲斐がなくなるだろーが。俺の楽しみを取るなって」
「そうもいかないだろ? 恋人がからかわれて喜ぶ奴なんかいるか。しかもお前は顔がいい。俺の山田を取られる訳にはいかないからな」
黒沢サン、僕のこととられたくない、って思ってる?
僕は黒沢サンにとって、セフレとか、本命の恋人ができるまでのつなぎくらいに思ってたけど……。
――本当に、愛されてる?
「はいはい、ごちそーさんっと。あーあ、やってらんねーな。俺はもう行くぜ。そろそろ仕事だしな」
眉崎サンは呆れた顔をしたまま、カバンをもって外に出る。
僕はその姿を、床に座ったまま見送った。
――あぁ、どうしよう。
今、僕すごく恥ずかしい。それに、すごくかっこ悪い気がする。
「あ、あ……ぼ、僕もそろそろ帰るね、黒沢サン」
まだ腰が抜けていて思うように力が入らないけど、何とかリュックを手にとると、僕は四つん這いのままずるずる部屋から出ようとする。
そんな僕のズボンを片手でしっかり抑えると、黒沢サンは逃げようとする僕をずるずる引っ張って自分の方へと抱き寄せる。
「こら、逃げるな山田」
「ううううう……まって! だって僕……すごく、恥ずかしい……」
「それを言うのはコッチだ! 起こそうとしたら……おまえ、いきなり……」
「だ、だって……いつも、そうやって起こしてくれるから……」
黒沢サンは僕が逃げられないようしっかり抱きしめると、耳元で優しく囁く。
「……帰るなら、このまま俺の部屋に来い。その方が近いだろう?」
「う、うん……それは、そうだけど……いいの?」
「当然だ。あんな事をされて、そのままお前を帰せる訳ないだろう? それに……粗相するおまえを、もう少しシッカリと躾けておかないとな」
僅かに口角を上げて笑う黒沢サンは、優しさと少しの無邪気さ、残酷さが入り交じる。
あぁ、本当に危うい人だ。
優しいし、真面目だし、真っ直ぐだけど、その正義はすごく無邪気で残酷で、脆い。
だけど……。
「あはっ……だったら上手に、躾けてね。黒沢サン」
そんなこの人が何より愛しいのだから、僕も大概だと思う。
――ほら、起きろ。そろそろ起きないと、遅れるぞ。
黒沢サンは優しい。
僕が寝坊をすると、いつも優しくゆすってくれる。
だけどその揺すり方があまりにも心地よいから、僕はかえって眠くなる。
――起きろ、ほら。
そうしてベッドでぐずぐずしてると、黒沢サンは仕方ないという風に一呼吸置いたあと、僕に優しくキスをする。
目覚めのキスがもらえると、僕は嬉しいのと恥ずかしいのがまぜこぜになった気持ちで、ようやく目を開けるのだ。
おはよう、って言う僕を黒沢さんはいつも髪がくしゃくしゃになるまで撫でる。
――本当にかわいいな、おまえは。
もう、授業出るのなんてやめてずっとここにいてくれないか?
黒沢サンに言われると、本当に学校へ行くのをやめて、一日中ずっと黒沢さんの膝に乗っていたいと思ってしまう。
黒沢サンなら僕が甘えて、ずっと一緒にいたいと言えばいつも喜んで隣に置いてくれるだろう。
僕は黒沢サンの隣で、少し乾いたニオイを感じ、シャツごしに肌の温もりをに触れる。
えっちな事をしなくても、僕はそれだけで結構幸せなんだ。
――おい、山田。起きろ。ほら。
今日も、黒沢サンの声がする。
大人びていて、張りがあって、ゆっくりと、でもハッキリとした口調で喋るから、いつでも自信に満ちている。
立ち振る舞いも洗練されていて、服だって大人っぽい。
僕の憧れの人で、僕の好きな人。
そして……今は、僕の恋人。
嘘みたいだし、夢みたい。
夢ならこのままずっと覚めず、心地よく眠っていたいと思う。
そう、夢ならどうか覚めないで――。
――おいおい、仕方ないな。山田?
吐息が頬にかかるほど近い。
いつもなら、もうキスをして起こしてくれるのに、今日はなかなかしてくれない。
どうして? 僕のこと、キライになった?
いつも、カワイイって言ってくれるのに――。
待ちきれなった僕は、自分からキスをする。
柔らかな唇が触れた後、僅かなコーヒーの味が僕の舌に絡む。
……あれ? コーヒーに、砂糖の味がする。
黒沢サン、甘いコーヒーは疲れている時くらいしか飲まないはずだ。朝はいつもブラックって決まっているのに、珍しい。
疲れているのかな、それとも……。
「……お、おい山田! わかったからっ……離れろ!」
ピシャッと厳しい言葉で、僕は意識を取り戻す。
どうして、黒沢サン。
いつも黒沢サンからしてくれるのに、今日はひどく素っ気ない。
そう思ったのは一瞬だ。
目を覚まして、周囲を見た僕はようやく自分の仕出かしに気付く。
……ここ、黒沢サンの部屋じゃない。
5Sで使ってる共用のマンションだ。
どうやら僕は作業で疲れて、少し過眠をとるつもりがそのまま寝入っていたらしい。
それを見つけた黒沢サンが、起こそうとしてくれたのだろう。
向かいの席には、眉崎サンが呆れたような。だが絶好のチャンスを見つけた顔で、僕と黒沢サンの顔を見た。
「あー、お前らいっつも同じ時間に抜けるよなーとは思ってたけど、そういうことね」
ファッション誌をぱらぱらめくりながら、ニヤニヤと笑っている。
しまった。周囲には、僕と黒沢サンが付き合っているとはいってない。
栄子サンは薄々感づいてるみたいだけど……。
黒沢サンは口元を押さえ、照れたように視線を逸らす。
「あ、あの。いや、ち、違うよ! 何か、その。僕、変な夢見てたかも……黒沢サン、ごめんね。その、えっと……違うから!」
言い訳しようとするけど、思うように頭が回らない。
黒沢サンに迷惑かけたくないのに。黒沢サンに恥ずかしい思いさせたくないのに。
「いやいや、別に言い訳なんてしなくていいだろ? 黒沢、前から山田のこと可愛いって言ってたもんなァ」
眉崎サンの目は、絶好の玩具を見つけたみたいだ。
……可愛い、なんて言ってくれてたの?
それは嬉しい、けど……駄目だ、僕のせいで、黒沢サンを困らせてしまう。僕の失敗で黒沢サンが、眉崎サンに変な扱いを受けるのは絶対に嫌だ。
「違うから! ほんと……黒沢サンが僕みたいな奴、相手にするわけ……」
その時、黒沢サンはぐっと僕の腕を掴むと、少し強引に体ごと引き寄せる。
痛いかも。何するのさ、黒沢サン。
そう言おうと思って、黒沢サンに顔を向ければ、柔らかな唇が僕のそれと重なった。
……ほんのり香る、コーヒーの苦み。それと、少しの砂糖の味。
たっぷり舌を絡めれば、僕の口にも僅かにコーヒーが注がれ、喉の奥へと落ちていく。
うっとりするほど優しいキスをされ、その場でつい座り込む僕を見て、黒沢サンはにっこり笑ってみせた。
「そうだ、俺の恋人。今まで黙ってて悪かったな」
キスの余韻で完全に頭が真っ白になってるから、黒沢サンの言葉がにわかに信じられない。
恋人、っていってくれた? 今までみんなに、黙ってたのに?
眉崎サンは「はっ」と軽く息を吐くと、呆れたように頬杖をついた。
「何だよ、黒沢。お前がそんな風に堂々としたら、山田のからかい甲斐がなくなるだろーが。俺の楽しみを取るなって」
「そうもいかないだろ? 恋人がからかわれて喜ぶ奴なんかいるか。しかもお前は顔がいい。俺の山田を取られる訳にはいかないからな」
黒沢サン、僕のこととられたくない、って思ってる?
僕は黒沢サンにとって、セフレとか、本命の恋人ができるまでのつなぎくらいに思ってたけど……。
――本当に、愛されてる?
「はいはい、ごちそーさんっと。あーあ、やってらんねーな。俺はもう行くぜ。そろそろ仕事だしな」
眉崎サンは呆れた顔をしたまま、カバンをもって外に出る。
僕はその姿を、床に座ったまま見送った。
――あぁ、どうしよう。
今、僕すごく恥ずかしい。それに、すごくかっこ悪い気がする。
「あ、あ……ぼ、僕もそろそろ帰るね、黒沢サン」
まだ腰が抜けていて思うように力が入らないけど、何とかリュックを手にとると、僕は四つん這いのままずるずる部屋から出ようとする。
そんな僕のズボンを片手でしっかり抑えると、黒沢サンは逃げようとする僕をずるずる引っ張って自分の方へと抱き寄せる。
「こら、逃げるな山田」
「ううううう……まって! だって僕……すごく、恥ずかしい……」
「それを言うのはコッチだ! 起こそうとしたら……おまえ、いきなり……」
「だ、だって……いつも、そうやって起こしてくれるから……」
黒沢サンは僕が逃げられないようしっかり抱きしめると、耳元で優しく囁く。
「……帰るなら、このまま俺の部屋に来い。その方が近いだろう?」
「う、うん……それは、そうだけど……いいの?」
「当然だ。あんな事をされて、そのままお前を帰せる訳ないだろう? それに……粗相するおまえを、もう少しシッカリと躾けておかないとな」
僅かに口角を上げて笑う黒沢サンは、優しさと少しの無邪気さ、残酷さが入り交じる。
あぁ、本当に危うい人だ。
優しいし、真面目だし、真っ直ぐだけど、その正義はすごく無邪気で残酷で、脆い。
だけど……。
「あはっ……だったら上手に、躾けてね。黒沢サン」
そんなこの人が何より愛しいのだから、僕も大概だと思う。
PR
COMMENT