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インターネット字書きマンの落書き帳

   
【成り行きでえっちな関係になる赤袖の話(赤川×袖山・BL)】
pixivを巡回していたら可愛い赤川×袖山作品を見たので「俺も赤袖書きてぇなぁ」と思って書きました。

赤川の家に遊びにいった時、流れで袖山にえっちなことしちゃうタイプの赤川が「しでかしたー! どうしようか荒井くん。まぁ僕としては袖山くんと付き合いたいんだけどね」と図々しいことを言い出すような話です。
袖山くんのこと親友だから大好きな荒井が呆れながら二人がCPになるのを見守りますよ。

俺は思想が強いので「どの世界線にいても荒井は新堂のこと大好き」と思い込んで生きているので、袖山くんのこと親友として大好きな荒井だけど恋愛としては見てません。
俺の思想が強いから、しかたないね♥

pixivにも作品乗せてます → コチラ
赤袖のこと知らない? 今日から知っていこうぜ!


『ごめんなさいのその後に』

「実は荒井くん、袖山くんとえっちしちゃったんだよね」

 赤川突然の告白に荒井はつい飲んでいた牛乳を吹き出していた。

「な、に言ってるんですか赤川くんどうしたんですか深淵をのぞき込み狂気に触れたとでもいうんですかよりにもよって何で袖山くんなんですか袖山くんを騙したんですか騙したんですよね万死に値します、情状酌量で死刑でいいでしょうか」

 吹き出した牛乳を拭きながら荒井はつい早口になる。目に見えて狼狽えているといってもいいだろう。
 荒井は袖山と1年の頃から親しく常に他人に対して斜に構えるところがある荒井が唯一年相応の少年らしく振る舞える相手が袖山だった。 彼が意識しているかは知らないが、赤川から見ても荒井にとって袖山は気の置けない友人といっていいだろう。 その友人に手を出したのだと言われたら、流石の荒井でも狼狽えるのは当然だ。
 だが、狼狽えているのは赤川も同じだった。

「まぁ落ち着いて聞いてくれよ荒井くん、僕だって別に袖山くんを無理矢理手込めにしたとか、そんなんじゃ無いんだ。それに僕自身もあんなコトをするとは思ってなくて、心の整理がついてなくて……今日、袖山くん休んでるだろ? それも、僕のせいかな……なんて思っていてさ……」

 確かに袖山は今日、休んでいる。普段から滅多に学校を休んだりしないから珍しいと思っていたのだ。
 袖山は荒井と違い真面目で勤勉だからずる休みをするタイプではないだろうが、本当に赤川とセックスをしたのなら気まずくて学校に行けないというのは考えられる。
 それが昨日の事だとして、赤川が無理矢理にでも袖山の身体を組み伏せてセックスに到ったのなら今日はとても歩いたり動いたり出来ない状態になるのも荒井は経験から知っていた。

「何を聞けっていうんですか? 懺悔をしたら貴方のした罪が軽くなるとでも? あの世で袖山くんに詫び続ける準備をしたほうがいいんじゃないですか?」

 荒井は冷たい目で赤川を見る。その視線に耐えかねたように赤川は両手を胸の前で振ると矢継ぎ早に話し始めた。

「とにかく聞いてくれよ、僕だけが悪いって訳じゃない……とは思うんだ。ほら、袖山くんって家でもゲームとかあまりやらないって言ってただろ。でも、別にゲームに興味がないというより自分が好きなタイプのゲームと出会ったことがないみたいだったから、僕の家に招待したんだよ。家には色々あるから、袖山くん向けのゲームもあると思ってね」

 荒井は1年の頃、袖山と同じ部だったのがきっかけで親しく話すようになったが赤川もまた1年の頃に袖山と行動を共にする機会があってから少しずつ話をするようになったのだと聞いている。それでも袖山とゆっくり話すようになったのは2年になってからで、荒井と共通の友人として赤川と袖山がいたからグループで活動するうち自然と親しくなっていったようだ。
 袖山はお人好しだから誰の話でもゆっくり、じっくり聞くし赤川は自分のゲーム知識を喋りたいタイプだから相性も良いのだろうとは思っていたが、お互いの家を行き来するほど仲が良くなっていたのは知らなかった。

「それで、最初は定番の横スクロールアクションとか謎解き要素のある3Dアクションゲームとか、格闘ゲームの中でも操作が難しくないタイトルとか、ひとしきり面白そうなゲームをプレイしてもらってさ。袖山くんはどちらかというと僕みたいにじっくり考えるタイプのゲームが好きだから、戦略SLGかADVがいいかなぁ、って話をしたとき、ADVはこんなのもあるよーって、えっちなゲームを紹介したんだよ」

 いきなり話が飛躍した。
 荒井はいぶかしげな表情で赤川を見る。視線は自然と冷たくなっていた。

「何やっているんですか赤川くん、えっちなゲームは本来僕たちの年齢だと所持していたら問題になるようなゲームですよ。それを袖山くんになんて……」
「わかってるって、だけどそういうの興味をもつのも僕らの年頃ってやつだろ? キミだって全く知らない訳じゃないじゃないくせに良い子のふりするのは良くないと思うぞ……っと。それで、あんまり過激じゃないえっちゲームを見せたらさ。袖山くん、そういうの全然免疫なくて、こっちが恥ずかしくなるくらい真っ赤になるんだよ」

 それは、何となく想像できる。
 袖山は世間ずれしてない素直な性格で、年相応に性的な興味関心はあるのだろうが同年代の生徒たちと比べてもそういう話にうとい方なのだ。

「あんまり赤くなるし、『いけないよ赤川くん』なんて声を震わせていうもんだからもうちょっとからかってみたくなってね、えっちな本とかゲームのえっちなシーンとか色々見せたら、袖山くんすっかり赤くなって、でも興味津々って感じでさ。調子にのってちょっとハードなやつとか、BLものとかも……」
「BLものまで見せたんですか!? ……べつに貴方の趣味をとやかく言うつもりはないですが、節操なさすぎますよ」
「いいだろ? ゲームシステムが面白いって評判だったんだ、ゲーマーとしてはジャンル嗜好関係なくチェックしたくなるってものさ。最も、僕はBLものもそこまで嫌いじゃないけど……っと、それで恥ずかしがってる袖山くん見てたら、何か僕も妙な気分になっちゃって、袖山くんもほら、けっこう可愛いだろ? 糸目属性萌えは僕にもあるし……それで、流れでそう……なっちゃったんだよなぁ」

 赤川は頭を掻き、深いため息をつく。
 そんな彼に荒井は冷めた視線を向けていた。

「なっちゃったんだよなぁ……じゃないですよ、ならないです。普通は。何でゲームの雰囲気に流されてそんなことをしてるんですか……あと糸目属性なんて萌えのくくりで袖山くんに手を出さないでください、チェーンで顔も身体もズタズタに引き裂いてやりましょうか?」
「殺意が高いよ荒井くん。でも本番までしちゃった訳じゃないから勘弁してくれって、僕だって流石にいきなり男の子相手に……ってのはいくらBLゲームを経験してても無理だったし、だいたいそういうのって準備もいるんだろ? だから手で何度かイかせただけで僕の方は特に何も……」
「充分すぎるほどやりすぎてますよ。嫌がる袖山くんを無理矢理脱がしてそういうコトしたんじゃないですか?」
「いやいやいや、嫌がってはいなかったと思うけどな……」
「嫌がってなくても何度もイかせ……そういう風にするのは流石に度を超してますよ。赤川くんの方が袖山くんより体格がいいんですから、押さえ込まれたら抵抗できないんですよ、袖山くんは。それくらい分かっているでしょう?」
「うぅ、それを言われるとなぁ……反省はしているんだよ、後悔は……ちょっとしかしてないけど……」
「たっぷり反省と後悔してほしいものですが……まぁ、話はわかりましたよ。それで、どうしたいんですか?」

 赤川のしたことを許せるかどうかはともかく、どうしてそうなったのかは理解した。やってしまったコトはしかたないだろうし、それを許すかどうかは袖山の心次第で荒井がどうこうできる話ではない。
 今、赤川ができることと言えば誠心誠意、謝罪することくらいだろう。謝るのだとしたら早い方がいいし、もし家に行きたいのなら荒井は袖山の家がどこにあるのかは知っている。
 だが赤川の言葉は荒井の想像を超えたものだった。

「それでさ、僕……袖山くんと本気で付き合いたいと思ってるんだけど、どうしたらいいと思う」

 まさか、そう来るとは思っていなかった。
 荒井は机に突っ伏すと思いっきり頭を抱えていた。

「何でです? 何があったんです? 何でそうなっちゃったんですか……?」
「いやぁ、理屈じゃないんだよなぁこういうのは、荒井くんだってそれはわかるだろ? 確かに袖山くんを抱きかけたのは好きになるきっかけの一つだったとは思うけど、たぶん僕は前から袖山くんのこと結構好きだったと思う。そうじゃなきゃ、さしてゲームのこと好きでもない相手を部屋に入れたりもしないし、そもそも袖山くんの身体に触ろうとも思わなかったはずだろ」
「それは……どうですかね、雰囲気に飲まれたと言ったのは赤川くんでしょう」
「雰囲気に飲まれたのはそうだけど、その雰囲気を作ったのは僕自身だ。あの後、何となく気まずくなってすぐ袖山くん帰っちゃったけど、あの後もずっと忘れられないんだよ。袖山くんの吐息とか、赤くなる顔とか、まぁ全部可愛いな、って思ったし……あれが他の誰かに向けられると思うと無性に腹立たしいとも思う。嫉妬みたいな気持ち抱いててさ、あぁ、僕も結構本気なんだな、って自覚したらどうしても袖山くんのことが諦められないんだよ、わかるだろそういうの」

 荒井は頭を抱えるが、赤川は一応本気で袖山のことを考えてはいるらしい。
 一過性の熱病のようなものかもしれないが、いまごろ袖山も赤川とどう接したらいいのか悩んでいるはずだ。他人に必要以上に気遣いを見せる袖山だから今日は赤川とどんな会話をしていいかわからず休んでしまったのかもしれない。

「とにかく、袖山くんに連絡してみますよ。袖山くんが会ってくれるようなら赤川くんの気持ちを伝えてみたらどうですか。いくら赤川くんが袖山くんのことを好きだといっても袖山くんが拒めばしかたないですから、その時は潔く諦めてくださいね」
「あぁ、わかってるよ……頼めるかな。僕からだと連絡しても受け取ってくれるかが心配で……」

 確かにそれもそうだろう。荒井は袖山に今日休みだったのを心配していることと、赤川が会って話したい事があるのを伝える。
 するとすぐに「今日は少し気分がすぐれなくて」という返事と「赤川くんには会いたいと思っていたから、もし今日中に話したいなら家に来てほしい」という返事があった。

「よかった、袖山くん怒ってないみたいだ」
「わかりませんよ、会って貴方に直接文句を言いたいのかもしれませんから……とにかく、授業が終わったら袖山くんの家に行きましょう。僕も同席しますので……」

 荒井が同席を買って出たのは袖山が丸め込まれないようにするためだ。
 赤川の事を信頼してない訳ではないが、彼は我が強く譲らない性格を見せる事もある。気弱で穏やかな袖山は彼に強く推されたらなし崩し的に受け入れてしまうのではないか、それを思うと心配だった。

「そうだなぁ、荒井くんがいてくれたほうがいいかな。僕もいきなり袖山くんと二人になっても、何を話したらいいかわからないし、助かるよ」
「当たり前です。袖山くんは僕が守らないと……」
「えぇ、そんな気持ち抱いてくるつもりなのか? 信用ないなぁ……」

 赤川は大きなため息をつく。
 そんな彼の様子を、荒井はどこか呆れた気持ちで眺めていた。

 ※※※

 ホームルームを終えてすぐ荷物をまとめると荒井は赤川と連れ立って袖山の家へ向かった。
 鳴神学園まで徒歩通学をしている袖山の家には存外に早く着き、家にあがれば袖山は寝間着のまま部屋にいた。

「こんな格好でごめんね、お母さんには具合が悪いって言って休んだから……」

 部屋に入ると袖山は申し訳なさそうに頭を下げ、二人にクッションを差し出す。
 テーブルには袖山の母がもってきた紅茶が湯気を上げていた。

「具合が悪いなんて誤魔化したってことは、別に体調が悪いって訳じゃないんだね」

 荒井の問いに、袖山は静かに頷く。

「あ、赤川くんが来ているなら、もう荒井くんは聞いてるってことでいいのかな……」
「うん、聞いてるよ。赤川くんがキミに謝りたいって言うから、僕もここに来たんだ。二人にするとまたキミに変な事をするといけないからね」
「へんなことって、失礼だなぁ荒井くんは。僕が理性の欠片もない野蛮人みたいな言い方……」
「理性の欠如で袖山くんにひどい事をした人は黙っていてください」
「……はい」

 荒井に強くたしなめられ、赤川はクッションの上で小さくなる。
 そんな二人を袖山は狼狽えた様子で見つめていた。

「べ、べつに赤川くんだけが悪かった訳じゃないんだよ、荒井くん。僕も悪かったんだし……」
「本当かい? それでも、今日は休んだだろう?」
「うん、でもそれは、赤川くんと顔をあわせて話すのがちょっと恥ずかしかったからで明日は普通に行くつもりだったよ。僕も赤川くんと、ちゃんと話さないといけないって思っていたから……」
「それならいいんだけど……」

 と、そこで荒井は逃げるよう隅に座る赤川の首根っこを捕まえると袖山の前へと引きずり出した。

「赤川くんはキミに謝りたいっていってたからここに来たんだ。ほら、赤川くん、ちゃんと謝って……」
「うう……袖山くん……」

 赤川は袖山の前に出るとその場で深々頭を下げた。

「ごめん、袖山くん! ちょっと調子乗ってキミに変なことして、本当に悪かったと思ってるし気持ち悪いと思ったらもう僕に話しかけてくれなくてもいいから、クラスでもいないものとして扱ってくれ! 僕からキミに話しかけることもないし、キミと同じグループに入ろうとも思わないから……」
「あ、赤川くん顔をあげてよ……そこまでしなくても大丈夫だよ。普通に、一緒に話をしよう。赤川くんがいなくなるのは寂しいよ……」
「許してくれなくてもいいんだ、これはケジメだし。それに、許してもらうと……正直、次は本当にえっちしちゃうと思んだ。だから優しくしないでほしい! 優しくするならいっそ、僕と本気で付き合ってそういうつもりで接して欲しい……というか、改めて言うけど袖山くん、僕と付き合ってくれ。いや、付き合ってください。お願いしますッ!」

 気付いた時、謝罪が告白になっていた。
 荒井は軽い目眩を覚えながら、赤川を留める。

「赤川くん、ブレイク、ブレイク。謝罪が途中から開き直りになってますよ、そんなことを言ったら袖山くんが怖がってしまうでしょう、ほら……」

 見れば袖山はすっかり顔を赤くしている。先日、赤川にされたことを思い出しているのかもしれない。
 かと思うと袖山もまた赤川に向き合い深々と頭を下げると

「ぼっ……僕で良ければよろしくおねがいしますッ!」

 なんて、普段張らない大きな声で言い出すので荒井は目を丸くして袖山を見た。

「えっ? 袖山くん……いいの? コイツ、ゲーム意外の話を面白くすること不可能だしゲームやりたさにキミのこと蔑ろにするような性格だよ!?」
「荒井くん、人の事を指さしてコイツ呼ばわりするのやめてくれないかな。冷静さが剥がれてうっかりのキミが出てきてるよ。いや、でも本当にいいのか袖山くん? 自分で言うのも何だけど、僕は本当に楽しみにしていた新作ゲームの発売日にはキミだって置いて出かけると思うよ?」

 驚く二人を前に、袖山は顔を赤くして前を見た。

「う、うん。実は僕もあれからずっと赤川くんのことしか考えられなくて……また、赤川くんが、そういうことしてくれたら嬉しいな、とか……そういうことするなら、赤川くんだったらいいかな、なんて思えてきちゃってさ。こういう風に思われるのは迷惑だろうって、そう思ったら学校に行きづらくて……」

 話しているうちに、元々赤かった顔がますます赤くなる。

「だから、もし赤川くんさえ良ければ僕を……ちゃんと、恋人にしてください……お願い、します……」

 最後は消え入りそうになり、赤川へ向かって頭を下げる。その姿を見て、赤川はたまらなくなった様子で袖山の手を握りしめる。

「そんな、僕のほうこそよろしく、袖山くん。だいじょうぶ優しくしてやるから!」

 そういう時は「幸せにするから」とかじゃないのか、と荒井は思ったのだがもうつっこむ気も失せていた。
 だが二人見つめ合い顔を赤らめる姿は初々しい。
 赤川はゲームマニアで知識先行なところがあるがそこまで積極的ではないし、袖山はもともと受け身の人間だから何だかんだいって上手くいくのだろう。

「……仲直りできたみたいですし、お邪魔そうですから僕はお先に失礼しますね」
「えっ、荒井くん……もう帰っちゃうの?」
「気にしないで、袖山くん。袖山くんがそうしたいと思ってしたのなら僕は応援させてもらうよ。袖山くんが僕の立場だって、きっと同じ事をしただろ? だから……明日はちゃんと学校に来て、いつも通り話をしよう。赤川くんも……」
「ありがとう荒井くん、また明日学校で」
「えぇ、学校で……」

 荒井は鞄を提げると部屋から出る前に二人を見る。
 そして、どこか気恥ずかしそうに互いを見つめて笑う赤川と袖山を見ると辛さや苦しみなどなく、ずっと幸せな時間が続くようにと密かに願うのだった。

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プロフィール
HN:
東吾
性別:
男性
職業:
インターネット駄文書き
自己紹介:
ネットの中に浮ぶ脳髄。
紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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