インターネット字書きマンの落書き帳
襟尾をカンキンしてるタイプの葦宮BLです
葦宮×襟尾っぽい話をかきました!(元気だけがいい挨拶)
以前、襟尾を誘拐する葦宮を書いたんですが……気持ちとしてはその一幕。
押し入れに監禁され気まぐれにえっちなことをされている襟尾がぼんやりと一日を過ごす話ですよ。
最低な話をほのぼのトークみたいに説明している!
実際ほのぼの監禁だからセーフ♥ ということで♥
以前、襟尾を誘拐する葦宮を書いたんですが……気持ちとしてはその一幕。
押し入れに監禁され気まぐれにえっちなことをされている襟尾がぼんやりと一日を過ごす話ですよ。
最低な話をほのぼのトークみたいに説明している!
実際ほのぼの監禁だからセーフ♥ ということで♥
『誰かに似た人』
薄闇の中でも襟尾の神経は研ぎ澄まされていた。
時刻は正午を過ぎたばかりだろうが、仄暗い室内では朝も夕暮れも区別できぬほど暗く冷たかった。わずかに差し込む光はホコリが筋になって舞い上がり、息が詰まるほどかび臭い。
何とか自由を取り戻そうと必死に身動きをするが、動かそうとすればするほど締め上げられた荒縄の音が軋みますます自由が失われる気がした。
「くっ……ぁ……あ……」
きつく噛まされた猿轡から、微かな吐息が漏れる。一体どうしてこのような事になってしまったのだろうか。
葦宮誠という名の用務員と接触して、彼は津詰の古い友人だと名乗っていた。それを真に受けたのがいけなかったのだろう。彼の部屋で話しながらお茶を飲んでからとたんに記憶が曖昧になっていくが、あのお茶に薬でも仕込んであったに違いない。
だとすると、最初から襟尾を捉えるために準備をしていたのだろうか。それとも葦宮という男は生まれながらの犯罪者だとでもいうのか。
どちらにしても今、襟尾が囚われているのは変わりない。津詰の名を出されて油断しすぎたのは自分が悪いのだから。
こんな姿、津詰が見たら何というだろう。「だらしない」「みっともない」と笑い飛ばしてくれるだろうか。 「何て危険なことをしたんだ」と叱責してくれるだろうか。
後ろ手に縛られた両手は自由にならないまま、前のシャツはナイフでやぶられすっかりはだけている。そして首筋に、胸元にと遠慮なく葦宮の痕跡が残っていた。
せめて、もっと見えない所につければ良いのに無粋なやつだ。
葦宮は襟尾をもてあそぶことで津詰に精神的な揺さぶりをかけようとしているのは明白だったが、抵抗しようにも行為の最中は今よりずっと多くの薬を盛られほとんど曖昧のまま無理矢理に抱かれている。
これでは簡単に逃げ出すことも出来ないだろう。
苛立ちばかりが募る中、かすかに漏れる光の向こうからは小鳥たちの囁きが聞こえてくる。壁一枚隔てた先にはきっと、いつもと変わらぬ平穏な日常があるのだろう。
いつもと変わらぬ日常で、津詰と並んで張り込みをしあんパンを分け合った夜の事などが思い出される。今頃自分を探しているのだろうか。それとも現場から逃げた情けない刑事だと思われているのだろうか。
帰りたかった。だがどうしようもない。狭くかび臭いこの部屋で葦宮は襟尾を何度も玩具としてもてあそび、室内には饐えた匂いが漂っていた。
その身体からは濁った液体が滴り、すでに彼が充分な辱めを受けていた事は容易に想像出来るだろう。今助けられたら何をされたかなんて津詰にだって察する事が出来る。
せめて抱いてくれたのが津詰だったら……。
脳裏に浮かぶのは憧れた男の背だ。屈託ない笑顔を向け襟尾の軽口をいつだって許してくれる津詰だったら行為も苦痛ではなかっただろうか。
いや、津詰が抱いてくれるはずもない。自分にとっては憧れでも、津詰にとって自分は数多い部下の一人なのだろうから。
「純くーん、そろそろ起きたかなァ?」
やがて扉があり、下卑た笑みを浮かべ葦宮が姿を現す。
ニヤニヤと張り付いたような笑みを浮かべて、いつだって折れた煙草をくわえて身体はどこかヤニ臭い男だ。
(あし、みや……)
頭の中だけで名前を反芻する。
もう充分な辱めを受け、男としての尊厳も奪われた男を前に強い憎しみを抱いているはずなのに、襟尾は何故か葦宮の中に津詰の面影を見ていた。
彼の歳がどちらかといえば津詰に近いだろうか、それとも……。
「……そんな顔すんなよ純くん。ほら、自由にしてあげよう……口だけ、だけどな」
葦宮は言葉通り、長らく閉ざされていた襟尾の口だけを自由にしてやる。しばらく咳き込だ後、葦宮に鋭い視線を向けた。
「おぉ、怖い怖い。そんな顔するなんて、よっぽど嫌われたもんだねェ」
思えば自分がこのような辱めを受ける事になったもの、全て葦宮のせいだ。
この男がいなければ身体を弄ばれ蹂躙されるような目にはあわなかっただろうし、未だ囚われていることもなかっただろう。
「ははっ、可愛い顔してるよなぁお前さんは。特別に今日はやさしーく抱いてやろうか?」
顎を掴まれ笑う葦宮を前に、襟尾は苛立つ。
怒りを覚え屈辱にまみれた心を抱いているにもかかわらず、出た言葉はまったく別のものだった。
「あんた……津詰さんに、似てるよなァ……どうしてだ? どうして、あの人に……」
自分でも思わぬ言葉に対し、葦宮は豹変し襟尾の頬を強かに打ち付けると床へ伏せる彼の髪をねじ上げるよう持ち上げた。
「俺が、誰に似てるだって? フザけたこといってんじゃ無ェぞ若造が。ったく、興が冷めちまった……いつもどおり、手ひどく身体に調教入れてやるか」
床に押しつけられながら、襟尾はぼんやりと抱いた疑問を確信に変える。
やはり葦宮は津詰を知っているし、意図して津詰に似せているのだろう。だが当人はそれに気付いてないか、それを言われると怒り狂うのだ。
何故、どうして。
何もわからないまま、襟尾の意識はどんどん曖昧になっていく。
「テメェを穢してメチャクチャに壊したら、津詰の奴もやっと俺の方を見るかもしれねぇ。そうだろ?」
途切れかけた記憶のなか、襟尾が聞いたのはそんな言葉だけだった。
薄闇の中でも襟尾の神経は研ぎ澄まされていた。
時刻は正午を過ぎたばかりだろうが、仄暗い室内では朝も夕暮れも区別できぬほど暗く冷たかった。わずかに差し込む光はホコリが筋になって舞い上がり、息が詰まるほどかび臭い。
何とか自由を取り戻そうと必死に身動きをするが、動かそうとすればするほど締め上げられた荒縄の音が軋みますます自由が失われる気がした。
「くっ……ぁ……あ……」
きつく噛まされた猿轡から、微かな吐息が漏れる。一体どうしてこのような事になってしまったのだろうか。
葦宮誠という名の用務員と接触して、彼は津詰の古い友人だと名乗っていた。それを真に受けたのがいけなかったのだろう。彼の部屋で話しながらお茶を飲んでからとたんに記憶が曖昧になっていくが、あのお茶に薬でも仕込んであったに違いない。
だとすると、最初から襟尾を捉えるために準備をしていたのだろうか。それとも葦宮という男は生まれながらの犯罪者だとでもいうのか。
どちらにしても今、襟尾が囚われているのは変わりない。津詰の名を出されて油断しすぎたのは自分が悪いのだから。
こんな姿、津詰が見たら何というだろう。「だらしない」「みっともない」と笑い飛ばしてくれるだろうか。 「何て危険なことをしたんだ」と叱責してくれるだろうか。
後ろ手に縛られた両手は自由にならないまま、前のシャツはナイフでやぶられすっかりはだけている。そして首筋に、胸元にと遠慮なく葦宮の痕跡が残っていた。
せめて、もっと見えない所につければ良いのに無粋なやつだ。
葦宮は襟尾をもてあそぶことで津詰に精神的な揺さぶりをかけようとしているのは明白だったが、抵抗しようにも行為の最中は今よりずっと多くの薬を盛られほとんど曖昧のまま無理矢理に抱かれている。
これでは簡単に逃げ出すことも出来ないだろう。
苛立ちばかりが募る中、かすかに漏れる光の向こうからは小鳥たちの囁きが聞こえてくる。壁一枚隔てた先にはきっと、いつもと変わらぬ平穏な日常があるのだろう。
いつもと変わらぬ日常で、津詰と並んで張り込みをしあんパンを分け合った夜の事などが思い出される。今頃自分を探しているのだろうか。それとも現場から逃げた情けない刑事だと思われているのだろうか。
帰りたかった。だがどうしようもない。狭くかび臭いこの部屋で葦宮は襟尾を何度も玩具としてもてあそび、室内には饐えた匂いが漂っていた。
その身体からは濁った液体が滴り、すでに彼が充分な辱めを受けていた事は容易に想像出来るだろう。今助けられたら何をされたかなんて津詰にだって察する事が出来る。
せめて抱いてくれたのが津詰だったら……。
脳裏に浮かぶのは憧れた男の背だ。屈託ない笑顔を向け襟尾の軽口をいつだって許してくれる津詰だったら行為も苦痛ではなかっただろうか。
いや、津詰が抱いてくれるはずもない。自分にとっては憧れでも、津詰にとって自分は数多い部下の一人なのだろうから。
「純くーん、そろそろ起きたかなァ?」
やがて扉があり、下卑た笑みを浮かべ葦宮が姿を現す。
ニヤニヤと張り付いたような笑みを浮かべて、いつだって折れた煙草をくわえて身体はどこかヤニ臭い男だ。
(あし、みや……)
頭の中だけで名前を反芻する。
もう充分な辱めを受け、男としての尊厳も奪われた男を前に強い憎しみを抱いているはずなのに、襟尾は何故か葦宮の中に津詰の面影を見ていた。
彼の歳がどちらかといえば津詰に近いだろうか、それとも……。
「……そんな顔すんなよ純くん。ほら、自由にしてあげよう……口だけ、だけどな」
葦宮は言葉通り、長らく閉ざされていた襟尾の口だけを自由にしてやる。しばらく咳き込だ後、葦宮に鋭い視線を向けた。
「おぉ、怖い怖い。そんな顔するなんて、よっぽど嫌われたもんだねェ」
思えば自分がこのような辱めを受ける事になったもの、全て葦宮のせいだ。
この男がいなければ身体を弄ばれ蹂躙されるような目にはあわなかっただろうし、未だ囚われていることもなかっただろう。
「ははっ、可愛い顔してるよなぁお前さんは。特別に今日はやさしーく抱いてやろうか?」
顎を掴まれ笑う葦宮を前に、襟尾は苛立つ。
怒りを覚え屈辱にまみれた心を抱いているにもかかわらず、出た言葉はまったく別のものだった。
「あんた……津詰さんに、似てるよなァ……どうしてだ? どうして、あの人に……」
自分でも思わぬ言葉に対し、葦宮は豹変し襟尾の頬を強かに打ち付けると床へ伏せる彼の髪をねじ上げるよう持ち上げた。
「俺が、誰に似てるだって? フザけたこといってんじゃ無ェぞ若造が。ったく、興が冷めちまった……いつもどおり、手ひどく身体に調教入れてやるか」
床に押しつけられながら、襟尾はぼんやりと抱いた疑問を確信に変える。
やはり葦宮は津詰を知っているし、意図して津詰に似せているのだろう。だが当人はそれに気付いてないか、それを言われると怒り狂うのだ。
何故、どうして。
何もわからないまま、襟尾の意識はどんどん曖昧になっていく。
「テメェを穢してメチャクチャに壊したら、津詰の奴もやっと俺の方を見るかもしれねぇ。そうだろ?」
途切れかけた記憶のなか、襟尾が聞いたのはそんな言葉だけだった。
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