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インターネット字書きマンの落書き帳

   
翌日になって冷静になるヤマアル
ヤマアルは推しCPなので書くと健康になります。
読む人も健康になるといいですね!

ヤマアルに興味がない人も、興味をもつと健康になると思います!
ヤマアルをまだ知らない人も、今から「ヤマアルはラブラブのCPなんだ」という認識をすり込めば健康になると思います!
そう、今はまだ効果がないけどきっと万病に効きます!

そんな思いを込めてのヤマアルです。
今回は、昨日はお楽しみでしたね! となった翌日、ふと冷静になったらめちゃくちゃ羞恥心が出てしまったアルフレートくんのお話ですよ。




『遅れてきた羞恥』

 まぶしい日光に頬を撫でられ、ヤマムラはようやく目を覚ました。 窓は閉めてあるのだが板張りの安宿は正午頃になると板の隙間から日の光が差し込むようになるのだ。 それでも普段は早く目覚めて出かけるので困る事はないのだが、寝坊した時や休日はこうして差し込む光に起こされることも多い。
 心地よい疲労感を覚えながらヤマムラはようやくといった様子で起き上がった。ベッドにはアルフレートが窮屈そうに身体を丸めて眠っている。二人とも裸のままだ。昨夜は散々楽しんでそのまま泥のように眠ってしまったのだ。
 ヤマムラは首筋に手をあてると、くすぐったいような気持ちを抱きアルフレートに布団をかけてやった。

 連盟の任務が思った以上に長丁場となり、いつもの宿に戻った時には一週間も経っていた。
 肉体も精神もすり減るような狩りにより疲れていたのは確かだ。だがそれ以上に獣を追い立て狩りつくした高揚感は抑えがたく、宿についた時に何よりも求めたのは食事でも酒でもない、アルフレートの身体であったのは狂いそうな程の高揚を全て欲情に変えぶつけなければ瞳が解けてしまいそうだったからだろう。

 アルフレートもまたヤマムラに会えない合間、一人で悶々と過ごしていた。
 唇や指で愛を確かめ合うのが当たり前の毎日を過ごしていた最中で突然一週間もお預けを食らってしまったのだからそれも仕方ないだろう。もちろん、狩人であれば帰れぬ日が続くこともあるしそれが特別に珍しい事でもないのは理解している。だが理屈でわかっているのと感情で納得するのは別のことであり、フラストレーションは日々たまり続けていた。

 そんな二人が久しぶりに触れ合う事ができたのだから、時間も忘れ互いの身体を求め合い貪り合うのも必然のことだったろう。

 ヤマムラは狩りにある熱狂のままアルフレートの身体を貪るように抱き、それから幾分か冷静になった後は慈しむように抱き、身体の内側にある欲望も愛情も全て吐き出したい一心でアルフレートの豊かな身体へと身を埋めた。

 アルフレートは待ちかねたようにヤマムラを受け入れ、激しく求めるヤマムラが抱いた思い全てを受け止めさらには自分からも身体を預け内にある全てを搾り取ろうとするようにただひたすらに与えられる愛を受け続けた。

 最後どうしたのかも曖昧だったが、ヤマムラが眠りに墜ちるより先にアルフレートが気を失っていた気がする。 今、互いに裸なのは服を着る余裕なんてなかったからなのだが素肌もベッドも思いのほか汚れていないのは朦朧としながらもアルフレートの身体を拭いて綺麗にしたからだ。疲れていたが汚したままではいけないと汚れを拭ったのは何となく記憶に残っている。
 だがそれでもアルフレートの身体にはヤマムラの残した夜の痕がはっきりと浮かび上がっていた。

 綺麗な身体に随分と野暮な印を残してしまった。ヤマムラはそんな事を思いながらベッドから抜け出すとのろのろと着替えはじめる。
 ベッドに横たわるアルフレートの肌に光が差し込んでいるがまだ目覚める様子はない。

 少し、やりすぎたかもしれない。
 もうあまり若い方でもないというのに年甲斐もない。いくら獣狩りの熱にあてられたとはいえ恥ずかしいといった感情が遅れて広がってくるのをごまかすようにテーブルにおかれた水差しから水を注ぎそれを一気に飲み干した。
 そうして椅子に座り人心地ついた頃、アルフレートが身じろぎする。

「……あっ、ヤマムラさん!?」

 起きてしばらくは寝ぼけ眼であたりを見回していたアルフレートだったが、ヤマムラの姿を見るとすぐに赤面しまたベッドへと潜ってしまう。 どうしたのだろう。昨日は無理をしたから身体が辛いのか。不思議に思ってベッドに近づく。

「どうした、アル。大丈夫か? その……昨日は俺も少しやりすぎたから……」
「だ、大丈夫です。私、ヤマムラさんが思っているより頑丈ですから、ぜんぜん元気です!」
「だが、布団なんか被って……具合が悪いんじゃないのか?」
「そ、それは。違います。そうじゃなく……」

 アルフレートはベッドにもぐったまま、恥ずかしそうな声で告げた。

「き、昨日。あの、私は……あまりにも、我慢できなくて。貴方のまえで、あ、あんな……あんなにも恥ずかしい事を自分から……」

 そう言われ、ヤマムラは昨夜の熱狂を思い出していた。
 お互いに秘めていた欲望を剥き出しにしたのもあり、求める言葉も普段より激しく淫らだったろう。自分の言葉を思い返しても何処にこんな卑猥な言葉を隠していたのかと恥ずかしくなるほどだ。 アルフレートもその美しい顔からは想像できない程に淫らな言葉を連ね、妖艶な仕草で火のついた欲望をさらに激しく燃え上がらせていた。今恥ずかしがるのも無理がない程に刺激的な姿だったろう。

 だが、それを含めて愛しい。
 ヤマムラの為に激しく求め、痕で思い返せば恥ずかしいと思えるような事すら構わずやってしまうほど自分を愛してくれているのだ。 そんな相手をどうして愛さずにいられるというのだ。

「それは、お互い様だ。俺だって随分と酷い有様だっただろう。全てキミを求めてのこと。年甲斐もなく自制もできんような男なんだよ、俺は」
「そんな事無いです……ヤマムラさんはそれでも私の望みをかなえてくれたじゃないですか。私が何をねだっても……」
「キミが俺を受け入れてくれたからだ……そんなキミを嫌いになったりしないし、はしたない男だなんて思わない」

 ヤマムラは布団をずらしアルフレートの顔を見る。アルフレートは恥ずかしそうに頬を赤く染めながらヤマムラを見つめた。少しくすんだ翠の目がヤマムラを、ヤマムラの姿だけを捉える。
 やはり愛おしい。
 昨夜の熱を求めるよう、ヤマムラは唇を重ねていた。その唇でアルフレートも幾分か羞恥心が薄らいだのか、ヤマムラの身体を慈しむよう抱きしめる。
 いつもより長く唇を重ねるうち、収まっていたはずの熱が徐々に戻ってきた。

「アルフレート……服、着るのをもう少し待ってくれないか? ……今日はもう、何処にも行かないから」
「……は、はい。あの……また、はしたない姿を見せても……嫌いにならないでくださいね」
「当たり前さ……好きだ。誰よりも、何よりも……」

 重ねた手と唇は普段よりもいっそう温かい。
 二人の合間に、午後の光が細く差し込んでいた。

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