インターネット字書きマンの落書き帳
殺しそうな男と、殺されたい男(黒ガス/BL)
隠せない、隠せない~♪
二次創作では本性を隠せない~♪
という訳で。
生来の嗜虐癖が抑えきれず、山ガスのこと殺しそうになる黒沢と、是非! 殺してくれ! って勢いのある山ガスの黒ガスを……書きました!
話としては コレ の続きなんですが別に読まなくても大丈夫です。
愛することは、その人の人生に自分の痕跡を残すこと。
そんな思いを抱いて生きていこうな。
この話、脈々と続けているのでそれなりにまとまったら本にしたいですね。
余談ですが俺には、お姫様抱っこされている男が「見た目より重いよ」「一応男だから」って言わせるのだいだいだ~~~~~~~~~い好きなので言わせてます。
だいだいだ~いすきを一杯詰め込んで!
異形の怪物を作っていこうな。
二次創作では本性を隠せない~♪
という訳で。
生来の嗜虐癖が抑えきれず、山ガスのこと殺しそうになる黒沢と、是非! 殺してくれ! って勢いのある山ガスの黒ガスを……書きました!
話としては コレ の続きなんですが別に読まなくても大丈夫です。
愛することは、その人の人生に自分の痕跡を残すこと。
そんな思いを抱いて生きていこうな。
この話、脈々と続けているのでそれなりにまとまったら本にしたいですね。
余談ですが俺には、お姫様抱っこされている男が「見た目より重いよ」「一応男だから」って言わせるのだいだいだ~~~~~~~~~い好きなので言わせてます。
だいだいだ~いすきを一杯詰め込んで!
異形の怪物を作っていこうな。
『ノクターナルの抱擁』
心地よい闇に包まれ、深く沈んで行く。
古来から人が闇を恐れるのは、先が見通せず何があるかわからない未知への恐怖からだろう。
理解できない存在に蹂躙されるのは理不尽で、そして恐ろしいことだ。
だが、闇に飲まれそれを受け入れたのならば、その暗さも深さも何と心地よいだろう。
自分の全てを暴こうとする光の中にいるより、よっぽどここは暖かい。
酒を飲んだ時だけ何者かになれるような顔をして弱い相手に暴力をふるい、何者にもなれない現実を見ようともせずギャンブルに狂うつまらない父親。
その父親と離れて生活する術を知らず、殴られ罵られてもメソメソ泣きながら「でも、あの人も辛いの」「だって、私ではどうしようもない」と言い訳ばかりをし、何もしようとしなかった母親。
どちらに似たのだとしても、ロクデナシの血でしかない自分の過去を、日の照る世界は容赦なくあぶり出す。
出来ない事があれば、「今までどんな風に育ったんだ」と嘲笑され、相手の意にそぐわない行動をとれば「常識も知らないのか」と馬鹿にされる。
育ちが悪く常識すらまともに教わってこなかった。
日の当たる世界にいれば、当然のように出生のバインド、家庭のバインドは強い劣等感になり、自然と心を蝕むのだ。
日常生活で怒声を浴びせられる事もなく、勉強道具を勝手に捨てられる事もなく、悲鳴と金切り声で眠れない日が続き、殴られ顔を腫らせたまま人前に出たこともない。
おおよそ暴力と劣悪さとは無関係に生きてきた人間たちがマジョリティの世界は呼吸するのも息苦しい。
光の世界では、自分など存在しているだけで影が濃くなるのを感じた。
だから、闇に沈むのならそれでいい。
このまま誰にも引き上げられず、眠ったまま闇に溶け込むことができるのなら、このまま無理矢理息苦しい日々を怠惰に過ごすよりよほど心地よいだろう。
どうか誰も引き上げないで、このまま眠らせて。
そんなささやかな願いすら叶うことなく、山田は現世に帰還した。
オレンジの光を放つ間接照明に照らされたベッドの上で、柔らかな唇が触れる。その唇が黒沢の唇であることに気付くのは、数秒遅れてからだった。
どうして黒沢が自分とキスをしてるのだろう。
それを考えるより先に、自然と咳き込んでいた。身体をのけぞらせ、肺一杯に空気が入る感覚があり、途切れていた意識がつながる。思考を手放していた脳髄がまたゆるゆると本来の役目を思い出そうとしていた。
「……良かった、呼吸が戻ったか」
安堵の表情を浮かべる黒沢の言葉と、首に残る痺れるような痛みが意識を手放す直前の記憶を呼び覚ます。
そうだ、自分は黒沢に首を絞められて、そのまま気を失ったのだ。
黒沢の様子を見ると、ただ意識を失っただけではなく呼吸も止まっていたのだろう。ひょっとしたら心臓も少しは止まったのかもしれない。
山田は自分の首を撫でながら半身を起こせば、すぐに黒沢はペットボトルの水を差し出す。
「ん……ありがと、優弥サン」
蓋を開けようとするが、指先が痺れて思うように力が入らない。
それどころか、たった500mlの水でさえやたらと重く、持つ手が小さく震えている。
黒沢も、水を飲むことさえ出来ない山田の様子に気付いたのか彼の身体を膝にのせるようにして抱くと、ペットボトルの蓋をかわりに開けて水を飲ませる。
冷たい水が喉を潤し、呼吸が落ち着いてくることでやっと人心地ついた気がした。
落ち着いてくると、今の自分を客観的に振り返る余裕も戻ってくる。
ベッドだけではなく、自分の身体もひどく汚れていた。
事の最中に意識が落ちたものだから、身体を拭くヒマも無かったのだろう。
黒沢に抱かれ肌の温もりがそばにあるのは嬉しいが、こんなに汚れた身体のままいるのはどこか据わりが悪い。
きっと髪も乱れているし、顔もひどいことになっているのだろう。
「優弥サン。あのさぁ……僕、ちゃんと優弥サンのことイかせること出来てた? ちゃんと、僕で気持ちよくなってくれたよね?」
こんなに汚れて無様な姿をさらしたというのに、黒沢を満足させることが出来なかったら申し訳ないと思ったのだが、黒沢は少し呆れたような顔をすると山田の髪を撫でるように整える。
「あのなぁ……こんな時まで、俺のことを気にするな。それより……悪かったよ。本当に……今日は、少しだけ自制できなかった。あと少し遅かったら、お前のこと……」
「そんなの別にいいって」
申し訳なさそうな顔をする黒沢に、間髪入れず返事をする。
自分の事で黒沢を一切煩わせたくない。
黒沢はどこか安心したように笑うと、山田の頬や首を撫でた。
温かな愛撫に身を委ねながら、山田は自分の手や身体を眺める。
オレンジ色のライトに照らされた身体のあちこちには、ひどい傷や痣がすでにいくつも残っていた。
全て黒沢が残してくれた、自分のための傷だ。
傷の数は愛してくれた証明であり、黒沢が自分を所有したいと望んでくれた痕跡でもある。
傷が増えれば増えるほど心が満たされる気がしたし、自分がここにいても良いのだと許されるような気がした。
いずれ黒沢に殺されたとしても黒沢が自分の死を、胸の内に傷として残してくれたのならそれでいい。
黒沢優弥という人間の過去に、自分が爪痕を残して死ねるのならそれが一等にいい死に方だ。
「俺が良くないんだよ。お前を失ったら俺は、これからどうやって……」
黒沢は最後まで語る前に、山田と唇を重ねる。
その唇が僅かに震えているような気がした。
「今、何て言おうとしてたの。優弥サン」
「別にいいだろ……それよりお前の身体を綺麗にしてやらないとな」
黒沢は山田の身体をシーツでくるむと、そのまま横抱きにする。
「ちょ、ちょっとまって優弥サン。お風呂場くらいまでなら全然歩けるから、わざわざこんなことしなくても大丈夫だって。それに、僕これでも一応男だから、結構重いよ?」
「そう言って、全然出来てないことがしょっちゅうあるだろうお前は。無理するな、これでも結構力はある方なんだ。落としたりしないさ」
「でも、優弥サンに迷惑かけるわけには……」
「いいだろう? 俺がしてやりたいんだ」
甘い言葉が耳に絡まり、自分の顔が赤くなるのがわかる。
「もう……そんなこと言われたら断れないって……」
恥ずかしさからつい、口元を隠して目をそらす山田の額を愛しそうに唇で撫でる。
そんな黒沢の吐息を肌に感じながら、山田は密かに願うのだった。
どうかいつかこの人が、自分を縊り殺してくれますように、と。
心地よい闇に包まれ、深く沈んで行く。
古来から人が闇を恐れるのは、先が見通せず何があるかわからない未知への恐怖からだろう。
理解できない存在に蹂躙されるのは理不尽で、そして恐ろしいことだ。
だが、闇に飲まれそれを受け入れたのならば、その暗さも深さも何と心地よいだろう。
自分の全てを暴こうとする光の中にいるより、よっぽどここは暖かい。
酒を飲んだ時だけ何者かになれるような顔をして弱い相手に暴力をふるい、何者にもなれない現実を見ようともせずギャンブルに狂うつまらない父親。
その父親と離れて生活する術を知らず、殴られ罵られてもメソメソ泣きながら「でも、あの人も辛いの」「だって、私ではどうしようもない」と言い訳ばかりをし、何もしようとしなかった母親。
どちらに似たのだとしても、ロクデナシの血でしかない自分の過去を、日の照る世界は容赦なくあぶり出す。
出来ない事があれば、「今までどんな風に育ったんだ」と嘲笑され、相手の意にそぐわない行動をとれば「常識も知らないのか」と馬鹿にされる。
育ちが悪く常識すらまともに教わってこなかった。
日の当たる世界にいれば、当然のように出生のバインド、家庭のバインドは強い劣等感になり、自然と心を蝕むのだ。
日常生活で怒声を浴びせられる事もなく、勉強道具を勝手に捨てられる事もなく、悲鳴と金切り声で眠れない日が続き、殴られ顔を腫らせたまま人前に出たこともない。
おおよそ暴力と劣悪さとは無関係に生きてきた人間たちがマジョリティの世界は呼吸するのも息苦しい。
光の世界では、自分など存在しているだけで影が濃くなるのを感じた。
だから、闇に沈むのならそれでいい。
このまま誰にも引き上げられず、眠ったまま闇に溶け込むことができるのなら、このまま無理矢理息苦しい日々を怠惰に過ごすよりよほど心地よいだろう。
どうか誰も引き上げないで、このまま眠らせて。
そんなささやかな願いすら叶うことなく、山田は現世に帰還した。
オレンジの光を放つ間接照明に照らされたベッドの上で、柔らかな唇が触れる。その唇が黒沢の唇であることに気付くのは、数秒遅れてからだった。
どうして黒沢が自分とキスをしてるのだろう。
それを考えるより先に、自然と咳き込んでいた。身体をのけぞらせ、肺一杯に空気が入る感覚があり、途切れていた意識がつながる。思考を手放していた脳髄がまたゆるゆると本来の役目を思い出そうとしていた。
「……良かった、呼吸が戻ったか」
安堵の表情を浮かべる黒沢の言葉と、首に残る痺れるような痛みが意識を手放す直前の記憶を呼び覚ます。
そうだ、自分は黒沢に首を絞められて、そのまま気を失ったのだ。
黒沢の様子を見ると、ただ意識を失っただけではなく呼吸も止まっていたのだろう。ひょっとしたら心臓も少しは止まったのかもしれない。
山田は自分の首を撫でながら半身を起こせば、すぐに黒沢はペットボトルの水を差し出す。
「ん……ありがと、優弥サン」
蓋を開けようとするが、指先が痺れて思うように力が入らない。
それどころか、たった500mlの水でさえやたらと重く、持つ手が小さく震えている。
黒沢も、水を飲むことさえ出来ない山田の様子に気付いたのか彼の身体を膝にのせるようにして抱くと、ペットボトルの蓋をかわりに開けて水を飲ませる。
冷たい水が喉を潤し、呼吸が落ち着いてくることでやっと人心地ついた気がした。
落ち着いてくると、今の自分を客観的に振り返る余裕も戻ってくる。
ベッドだけではなく、自分の身体もひどく汚れていた。
事の最中に意識が落ちたものだから、身体を拭くヒマも無かったのだろう。
黒沢に抱かれ肌の温もりがそばにあるのは嬉しいが、こんなに汚れた身体のままいるのはどこか据わりが悪い。
きっと髪も乱れているし、顔もひどいことになっているのだろう。
「優弥サン。あのさぁ……僕、ちゃんと優弥サンのことイかせること出来てた? ちゃんと、僕で気持ちよくなってくれたよね?」
こんなに汚れて無様な姿をさらしたというのに、黒沢を満足させることが出来なかったら申し訳ないと思ったのだが、黒沢は少し呆れたような顔をすると山田の髪を撫でるように整える。
「あのなぁ……こんな時まで、俺のことを気にするな。それより……悪かったよ。本当に……今日は、少しだけ自制できなかった。あと少し遅かったら、お前のこと……」
「そんなの別にいいって」
申し訳なさそうな顔をする黒沢に、間髪入れず返事をする。
自分の事で黒沢を一切煩わせたくない。
黒沢はどこか安心したように笑うと、山田の頬や首を撫でた。
温かな愛撫に身を委ねながら、山田は自分の手や身体を眺める。
オレンジ色のライトに照らされた身体のあちこちには、ひどい傷や痣がすでにいくつも残っていた。
全て黒沢が残してくれた、自分のための傷だ。
傷の数は愛してくれた証明であり、黒沢が自分を所有したいと望んでくれた痕跡でもある。
傷が増えれば増えるほど心が満たされる気がしたし、自分がここにいても良いのだと許されるような気がした。
いずれ黒沢に殺されたとしても黒沢が自分の死を、胸の内に傷として残してくれたのならそれでいい。
黒沢優弥という人間の過去に、自分が爪痕を残して死ねるのならそれが一等にいい死に方だ。
「俺が良くないんだよ。お前を失ったら俺は、これからどうやって……」
黒沢は最後まで語る前に、山田と唇を重ねる。
その唇が僅かに震えているような気がした。
「今、何て言おうとしてたの。優弥サン」
「別にいいだろ……それよりお前の身体を綺麗にしてやらないとな」
黒沢は山田の身体をシーツでくるむと、そのまま横抱きにする。
「ちょ、ちょっとまって優弥サン。お風呂場くらいまでなら全然歩けるから、わざわざこんなことしなくても大丈夫だって。それに、僕これでも一応男だから、結構重いよ?」
「そう言って、全然出来てないことがしょっちゅうあるだろうお前は。無理するな、これでも結構力はある方なんだ。落としたりしないさ」
「でも、優弥サンに迷惑かけるわけには……」
「いいだろう? 俺がしてやりたいんだ」
甘い言葉が耳に絡まり、自分の顔が赤くなるのがわかる。
「もう……そんなこと言われたら断れないって……」
恥ずかしさからつい、口元を隠して目をそらす山田の額を愛しそうに唇で撫でる。
そんな黒沢の吐息を肌に感じながら、山田は密かに願うのだった。
どうかいつかこの人が、自分を縊り殺してくれますように、と。
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