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インターネット字書きマンの落書き帳

   
ノゾムンからいらんものをもらうタイプの坂上くん
坂上くんはぴば!
ネタが生まれておぎゃぁ……したので誕生日祝えます!
やったー!

話は風坂っぽい。
誕生日にノゾムンにいらんもの押しつけられるタイプの坂上くんの話です。

わきわき!



『期限なしプレゼント』

 駅から学校までの通学路を歩く最中

「やぁ、おはよう坂上くん」

 そう言いながら行く手を遮る風間を見て、坂上は思わず身構えた。
 学校の七不思議を聞く集会で知り合ってから風間は坂上につきまとい、あれこれ厄介ごとを引っさげて現れるからだ。

「な、なんですか風間さん。お金なら貸せませんから」

 訝しげな視線を向け一歩下がる坂上を、風間はどこか落胆したように見つめる。

「何だよ、寂しいこと言うなぁ。せっかく、今日はきみの誕生日だっていうから、わざわざお祝いをするためこうして待っていたんじゃないか」
「誕生日……」

 そういえば、そうだった。
 鳴神学園に来てから、新聞部の活動に振り回され、同じ新聞部の倉田から「坂上くんはマンガのアシスタントに向いてるわ!」と、意味のわからないコトを言われた挙げ句、彼女の同人誌作りに巻き込まれ、新しくできた友人たちも少し個性的で、しかも時々怪異に会うため、落ち着く暇がなかったからだ。

「覚えてもらえてたのは、嬉しいです。ありがとうございます」

 だけど、風間からプレゼントはもらいたくない。
 絶対に、ろくなことにならないからだ。

「気を遣わなくても、風間さんからお祝いしてもらっただけで嬉しいですから。本当にありがとうございます」

 プレゼント、といいつつ、渡されたもの以上の見返りを求められるのは目に見ている。
 相手は風間だ。
 拾った石でも500円を請求するような手合いなのだ。

 だから何ももらわずやり過ごそうとしたのだが。

「いやぁ、せっかく準備したんだから。ほら、受け取ってくれたまえよ」

 風間はさっと、封筒を取り出すと半ば強引に坂上のポケットにねじ込んできた。

「いりません! いりませんって、言葉だけで十分ですから!」
「何をいってるんだい。受け取りたまえよ。僕がわざわざ手作りしたんだから、受け取るのが男ってもんじゃないのかい!」

 受け取るまいと必死に抵抗しても、風間は背がやけに高く、体も坂上より一回り大きい。
 上から押さえつけられたらなすすべなく、封筒はグシャグシャになってポケットの奥に入れられてしまった。

「うう……何ですか、これ」

 ギュウと絞られた封筒を開いてみれば、そこには「風間望に500円をあげる券」とかかれた、切り取り線入りのチケットがある。
 5枚つづりで1セットで、束になっている。軽く見繕っても30枚はあるだろう。
 ぜんぶ、新聞部で試し刷りした印刷物の裏紙で作られているあたり、まさに風間である。

「見ての通り。ボクに500円を奉納する権利を書いたチケットだよ。良かったねェ、これだけあれば、困らないよ」
「困らないのは風間さんだけじゃないですか! 僕には困る要素しかないんですけど!」

 チケットに有効期限は、特に書かれていない。
 いつも、いつでも会った時に500円を渡すことができるのがウリのようだ。
 もちろん、坂上から見たら自分から損をするためのチケットでしかないのだが。

「なんでこんなもの……」
「おや、不服かい?」
「逆に聞きますけど、これで喜べる人っているんですか」

 坂上の言葉に、風間は心底、理解できないといった表情を向ける。
 だが風間は、満面に笑みを浮かべると鷹揚に両手を広げた。

「ボクは嬉しいよ。キミがそれを使い切るまで、ボクはキミの周りに現れても不思議じゃないだろう? キミがそのチケットを全部使い切ったのなら、ボクはそれだけ500円を得るコトができるんだから」

 心底思う。
 何をいっているんだこいつ、と。

「でも、ボクとしては……使い切らずにもっていてくれるほうが、嬉しいかな」

 それでも、ウインクしながら去って行く風間の背中を見ると、悔しいが、こうも思うのだ。

 たとえ、あんな男でも、自分と会うのを楽しみにしてくれている。
 そんな誰かがいてくれるというだけで、自分の学園生活も少しくらいは意味がある。

 自分と会うのを楽しみにしてくれている誰かがいるということは、きっと、喜ばしいことなのだろう。

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