インターネット字書きマンの落書き帳
猫の日なシンドー×アライを今お出ししま~す(BL)
はーい! 平和な世界線で新堂と荒井がつきあってたらいいなーと思っているものです!
だいたい2年くらいそう思ってます! ここまで挨拶だよろしくな!
ところで2月22日って猫の日じゃないですか。
やっぱ推しに猫になってほしいじゃないですか。
ちょっと22日忙しかったので……自分、今やらせていただきます!
自分、できますよ! やらせてください!
というワケで、新堂×荒井の猫の日ネタをかきました。
今日が何日かとか、気にしちゃいけないんだゾ♥
だいたい2年くらいそう思ってます! ここまで挨拶だよろしくな!
ところで2月22日って猫の日じゃないですか。
やっぱ推しに猫になってほしいじゃないですか。
ちょっと22日忙しかったので……自分、今やらせていただきます!
自分、できますよ! やらせてください!
というワケで、新堂×荒井の猫の日ネタをかきました。
今日が何日かとか、気にしちゃいけないんだゾ♥
『あなたになら、見てほしい』
急いで家に来て下さい。
新堂が荒井からそんなメッセージを受け取ったのは早朝のことだった。
2月も末に入り、受験の慌ただしさも一段落した頃だろう。
かわって、引っ越しの手続きや後期試験の駆け込みなど、同年代の友人たちにはまだ慌ただしい雰囲気と、4月から新生活が始まるというどこか浮ついた気持ちが入り交じっている。
だが、在校生である荒井は代わった様子を見せず新堂へメッセージを送る。
それは荒井の周囲がまだ離別とは無縁だというのもあるのだろうが、あえて別れを意識しないよう振る舞っているのもあるのだろう。
新堂は進学のため、4月からは引っ越して遠く離れた土地で暮らす事が決まっている。
卒業してもしばらくは一緒にいられるが、4月からは以前のように会うのは難しくなるだろう。
当然、学校で顔をあわせることはなくなる。
そういった事をあまり考えたくはないのかもしれない。
実際、4月に入り新生活がはじまったら、どうなるのかわからないのだから。
新堂はぼんやりとそんな事を考え、バイクに乗る。
路地に植えられた白梅は散り、僅かに残り香だけを感じさせた。
「よぉ、荒井。いるのか? 勝手にあがるぜ」
インターフォンを鳴らしても返事がなかったので、預かっていた鍵で家にあがる。
荒井が普段と変わらぬよう接するのなら、こちらもあまり意識せず接した方がいいだろう。そう思っていた新堂が見たものは、おおよそ冷静でいられぬ光景だった。
「し、新堂さん……すいません、出迎えもせず……」
ベッドにこしかけ小さく頭を下げる荒井の頭には、ピンと尖った耳がピクピクと動いている。
腰から伸びた黒い尻尾は、行き場もなくふらふらと左右に揺れていた。
荒井の身体が、獣化している。
それに気付いたとき、なぜ荒井が出迎えもしなかったのか合点がいった。
この姿を人目に晒したら、何がおきるかわかったものじゃないからだ。
「いや、別にそりゃいいんだけど……どうしたんだそれ? 耳と尻尾か……?」
新堂は戸惑いつつ、荒井の耳に触れる。僅かに触れただけで荒井の尖った耳はまるで指を払うようにピクピクと動いた。この動きや、耳の厚みから犬の耳というより猫の耳に近い気がする。毛色は荒井の髪色に似た、艶のある深い黒だった。
「は、はい。朝起きた時にはこうなっていて……僕もいったいどうしたものか……」
「心当たりはないのか? 猫っぽい何か、ヤベェ怪異を踏んじまったとか」
「ありませんよ……それに、いくら鳴神学園だってこんな、人間の身体が獣のようになる現象、おこるはずないじゃないですか……」
「おい、お前の通ってる学校は鳴神学園だぞ? それくらい充分あり得るんだよ。しかし、どうすんだこれ……」
新堂は伸びた尻尾を撫でる。くすぐったいのか、荒井は目を閉じて小さく震えていた。
見た限り、獣化(猫化?)しているのは耳と、尻尾がはえてきているだけ。手足は普通の人間のようだ。だが、よく見ると瞳孔はアーモンドの形になっている。今の荒井は、視界が以前とは違うのかもしれない。
「一体どうなってしまうんでしょうか、僕は……」
一見した限り、一部だけの一時的な変化に思えたが、これからさらに獣化しない保証はどこにもなかい。ひょっとしたら、このまま巨大な猫になるのかもしれない。
表情にはあまり出てないが、荒井も心配なのだろう。尻尾がどこか不安そうに左右に揺れていた。
「し、心配すんじゃねぇよ。もしお前がデカい猫になったとしても、俺が責任もって飼うから!」
新堂はとっさに、そう口走る。何があっても一人にしないから大丈夫だ、というつもりで言ったのだが、荒井はしばらくきょとんとした顔で新堂を見ると、クスクスと笑い出した。
「な、何だよ。心配するな、って言いたかっただけだっての」
「わかってます……新堂さん、ありがとうございます」
荒井はまだ笑いながら、そっと新堂の手を引く。
「新堂さんに会えて、少し冷静になれましたよ。やはり鳴神学園が元凶に思えますから、放課後になったら元木さんに見てもらいます。原因さえわかれば対処方法もあるでしょうし……それに、僕が多少変わった姿になっても、新堂さんが責任とってくれるみたいですからね」
「い、いや。責任って……ま、俺はお前がどういう姿してても別にいいってだけだけどよ……おまえが元に戻れなくて困るってんなら、俺だって何とかするっての。悪魔案件の可能性もあるから、綾小路にも連絡しておくな」
「はい……ですが、その前に……」
と、そこで荒井は少し強く新堂の身体を引き寄せ、唇を重ねる。
僅かなキスの後、うっすら頬を赤らめて荒井は笑った。
「……その前に、僕の身体がどこまで獣化しているか、新堂さんが確かめてくれませんか。自分の見えないところが変貌しているかもしれませんし……こんな姿、新堂さんにしか見せられませんから」
そう言って笑う荒井の瞳に、新堂の姿だけがうつる。
時が経てば変わることもある。姿も、立場も、様々なものが移り変わるのだろう。だがきっと、この瞬間は永遠だ。
そんな思いを密かに抱きながら、新堂もまた笑う。
どこかから僅かに、白梅の匂いがした。
急いで家に来て下さい。
新堂が荒井からそんなメッセージを受け取ったのは早朝のことだった。
2月も末に入り、受験の慌ただしさも一段落した頃だろう。
かわって、引っ越しの手続きや後期試験の駆け込みなど、同年代の友人たちにはまだ慌ただしい雰囲気と、4月から新生活が始まるというどこか浮ついた気持ちが入り交じっている。
だが、在校生である荒井は代わった様子を見せず新堂へメッセージを送る。
それは荒井の周囲がまだ離別とは無縁だというのもあるのだろうが、あえて別れを意識しないよう振る舞っているのもあるのだろう。
新堂は進学のため、4月からは引っ越して遠く離れた土地で暮らす事が決まっている。
卒業してもしばらくは一緒にいられるが、4月からは以前のように会うのは難しくなるだろう。
当然、学校で顔をあわせることはなくなる。
そういった事をあまり考えたくはないのかもしれない。
実際、4月に入り新生活がはじまったら、どうなるのかわからないのだから。
新堂はぼんやりとそんな事を考え、バイクに乗る。
路地に植えられた白梅は散り、僅かに残り香だけを感じさせた。
「よぉ、荒井。いるのか? 勝手にあがるぜ」
インターフォンを鳴らしても返事がなかったので、預かっていた鍵で家にあがる。
荒井が普段と変わらぬよう接するのなら、こちらもあまり意識せず接した方がいいだろう。そう思っていた新堂が見たものは、おおよそ冷静でいられぬ光景だった。
「し、新堂さん……すいません、出迎えもせず……」
ベッドにこしかけ小さく頭を下げる荒井の頭には、ピンと尖った耳がピクピクと動いている。
腰から伸びた黒い尻尾は、行き場もなくふらふらと左右に揺れていた。
荒井の身体が、獣化している。
それに気付いたとき、なぜ荒井が出迎えもしなかったのか合点がいった。
この姿を人目に晒したら、何がおきるかわかったものじゃないからだ。
「いや、別にそりゃいいんだけど……どうしたんだそれ? 耳と尻尾か……?」
新堂は戸惑いつつ、荒井の耳に触れる。僅かに触れただけで荒井の尖った耳はまるで指を払うようにピクピクと動いた。この動きや、耳の厚みから犬の耳というより猫の耳に近い気がする。毛色は荒井の髪色に似た、艶のある深い黒だった。
「は、はい。朝起きた時にはこうなっていて……僕もいったいどうしたものか……」
「心当たりはないのか? 猫っぽい何か、ヤベェ怪異を踏んじまったとか」
「ありませんよ……それに、いくら鳴神学園だってこんな、人間の身体が獣のようになる現象、おこるはずないじゃないですか……」
「おい、お前の通ってる学校は鳴神学園だぞ? それくらい充分あり得るんだよ。しかし、どうすんだこれ……」
新堂は伸びた尻尾を撫でる。くすぐったいのか、荒井は目を閉じて小さく震えていた。
見た限り、獣化(猫化?)しているのは耳と、尻尾がはえてきているだけ。手足は普通の人間のようだ。だが、よく見ると瞳孔はアーモンドの形になっている。今の荒井は、視界が以前とは違うのかもしれない。
「一体どうなってしまうんでしょうか、僕は……」
一見した限り、一部だけの一時的な変化に思えたが、これからさらに獣化しない保証はどこにもなかい。ひょっとしたら、このまま巨大な猫になるのかもしれない。
表情にはあまり出てないが、荒井も心配なのだろう。尻尾がどこか不安そうに左右に揺れていた。
「し、心配すんじゃねぇよ。もしお前がデカい猫になったとしても、俺が責任もって飼うから!」
新堂はとっさに、そう口走る。何があっても一人にしないから大丈夫だ、というつもりで言ったのだが、荒井はしばらくきょとんとした顔で新堂を見ると、クスクスと笑い出した。
「な、何だよ。心配するな、って言いたかっただけだっての」
「わかってます……新堂さん、ありがとうございます」
荒井はまだ笑いながら、そっと新堂の手を引く。
「新堂さんに会えて、少し冷静になれましたよ。やはり鳴神学園が元凶に思えますから、放課後になったら元木さんに見てもらいます。原因さえわかれば対処方法もあるでしょうし……それに、僕が多少変わった姿になっても、新堂さんが責任とってくれるみたいですからね」
「い、いや。責任って……ま、俺はお前がどういう姿してても別にいいってだけだけどよ……おまえが元に戻れなくて困るってんなら、俺だって何とかするっての。悪魔案件の可能性もあるから、綾小路にも連絡しておくな」
「はい……ですが、その前に……」
と、そこで荒井は少し強く新堂の身体を引き寄せ、唇を重ねる。
僅かなキスの後、うっすら頬を赤らめて荒井は笑った。
「……その前に、僕の身体がどこまで獣化しているか、新堂さんが確かめてくれませんか。自分の見えないところが変貌しているかもしれませんし……こんな姿、新堂さんにしか見せられませんから」
そう言って笑う荒井の瞳に、新堂の姿だけがうつる。
時が経てば変わることもある。姿も、立場も、様々なものが移り変わるのだろう。だがきっと、この瞬間は永遠だ。
そんな思いを密かに抱きながら、新堂もまた笑う。
どこかから僅かに、白梅の匂いがした。
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