インターネット字書きマンの落書き帳
山ガスと松田と野村と、赤い靴と。(ややBL)
最近全然、小説を書いてないんだよォーッ!
(※ちいかわのモモンガ風に)
なので、久しぶりに書きました。
いろいろあってしでかしたけど、松田と会ってそれなりに社会復帰を果たそうとしている山ガスが、なんか怪異か異世界かで、あり得ない世界に迷い込んでしまう話です。
冒頭はアンデルセンの赤い靴をイメージしてます。(引用ではないです)
ウェイウェイ。
地獄を書こうズェ……。
(※ちいかわのモモンガ風に)
なので、久しぶりに書きました。
いろいろあってしでかしたけど、松田と会ってそれなりに社会復帰を果たそうとしている山ガスが、なんか怪異か異世界かで、あり得ない世界に迷い込んでしまう話です。
冒頭はアンデルセンの赤い靴をイメージしてます。(引用ではないです)
ウェイウェイ。
地獄を書こうズェ……。
『赤い靴でダンスを』
戒律に背いて、赤い靴でやってきたのは、だぁれ?
果たすべき約束を果たさなかったから、赤い靴はずっと踊り続ける。
だけどほら、ずっと踊ってはいられないでしょう。
踊り続けるのに疲れたのなら、足ごと切ってしまうといいわ。
足ごと切って、赤い靴とさよならをすれば、もう踊らなくて済むのだから。
切った足はずっと踊り続けるけど、それはきっと仕方の無いことだわ。
もうあなたは踊り続けなくてもいい、それだけで十分じゃない。
それなのに――。
――ずっと赤い靴のことを思い続けているのは、だぁれ?
※※※
エレベーターを降りた時から、やけに薄暗いと思っていた。
「おかしいなぁ、間違えて降りちゃったのかな」
山田は一度、戻ってここが何階なのか確認する。
7階。間違いない、松田が住んでいる場所。見慣れた階層だ。
普段より薄暗く、あたり全体が灰色がかって見えるのはきっと錯覚だろう。
もう、松田さん家に帰ってるかな。
今日はスーパーで買い物したから、僕が何か作ろう。
料理なんてあんまり好きじゃないし、普段しないからカレーくらいしか作れないけど、松田さん優しいからきっとできあがるまで待ってくれる。
もし、夕食が終わってたら明日のために作ればいい。
カレーだったらとっておけるし、一晩寝かせた方がおいしいから。
そんなことを思いながら、ドアに鍵を入れるが、開かない。
鍵が合わないのだ。
鍵を変えたとは聞いてないが、間違えて別の鍵をもってきてしまったのだろうか。
いや、そんなはずはない。
松田がくれた埴輪のキーホルダーがついている鍵だ。こんなキーホルダー、二つも持ってはいない。
おかしいな、と思いしばらくガチャガチャ動かして、それでも開かないのでインターフォンを押す。
中に松田がいれば、開けてくれるはずだ。
そうしてほんの少し待っていると――。
「はい、どなたでしょうか?」
扉を開けたのは、見慣れない男だった。
松田より体型は細く、柔和な顔立ちをした青年だ。
歳はきっと山田より上だろう。
その顔には、見覚えがあった。
山田はずっと、その人物のことを松田から聞かされていたからだ。
名前も、人柄も、趣味も。
カメラをもって撮影するのが好きで、発掘した遺跡の出土品などもこの人が撮影していた。
周囲からは優しく人なつっこい人物だと評されていたが、松田にとっては世話焼きで面倒な男だったという。
野村健吾。
山田が、殺してしまった男だ。
どうして。
言葉が、出ない。
どうして、野村さんが生きているの。
どうして、松田さんの家にいるの。
どうして――。
「おう、どうした野村」
後ろから、松田が顔をのぞかせる。
キッチンから漂うのはカレーの匂い。わずかに見えるテーブルには、サラダやスープまで準備されている。
「松田さん。あの、お客さんみたいなんですけど。松田さんの知り合いですか?」
松田さん。僕だよ。
山田だよ、知っているでしょ。僕は、松田さんの部屋の鍵、もってるんだ。
松田さんから預かったんだ。
松田さんには迷惑ばかりかけてるし、素直になれないところもあるから、嫌われても仕方ないと思っているけど――。
こんな冗談やめて。
嘘だっていって。
呆然とする山田を一瞥すると、松田は
「知らん奴やな。部屋、間違えてるんとちゃうか」
吐き捨てるようにそういって、野村にかわってドアを閉じた。
分厚い鉄の扉に阻まれ、山田は鍵を取り落とす。
なんで、野村さんが生きてるの。
あぁ、でも野村さんが生きているなら、僕はもう人殺しなんかじゃない。
山田ガスマスクなんてふざけた名前を名乗る必要もない。
あれからずっと自粛していたゲームの配信もしていいんだ。
ひょっとしたら、まだ5Sも活動しているのかもしれない。
やり直せる。
もう後ろめたいことはなにもないのだ。
じわじわと、その実感がわいてくる。
それなのに――。
「どうして生きてるんだよ。何で死んでないんだ――」
当然のように、そんな言葉がもれる。
死んでないなら、今度はしっかり殺しておかなければいけない。
今度こそ、しっかり殺して。また、出会い直せばいい。
今度の僕は、きっと、前よりずっと上手くやれるから――。
※※※
一度見た赤い靴のこと、ずっと思い続けているのは、だぁれ?
ずっと踊り続けている赤い靴が、そんなに愛しいものなのかしら。
違うよ、思い続けているんじゃない。
きっとあの子が、赤い靴さ。
だからこれからもずっと、ずっと、踊り続けることでしか、救われないんだ。
あの靴は、そういうふうに出来ている。
戒律に背いて、赤い靴でやってきたのは、だぁれ?
果たすべき約束を果たさなかったから、赤い靴はずっと踊り続ける。
だけどほら、ずっと踊ってはいられないでしょう。
踊り続けるのに疲れたのなら、足ごと切ってしまうといいわ。
足ごと切って、赤い靴とさよならをすれば、もう踊らなくて済むのだから。
切った足はずっと踊り続けるけど、それはきっと仕方の無いことだわ。
もうあなたは踊り続けなくてもいい、それだけで十分じゃない。
それなのに――。
――ずっと赤い靴のことを思い続けているのは、だぁれ?
※※※
エレベーターを降りた時から、やけに薄暗いと思っていた。
「おかしいなぁ、間違えて降りちゃったのかな」
山田は一度、戻ってここが何階なのか確認する。
7階。間違いない、松田が住んでいる場所。見慣れた階層だ。
普段より薄暗く、あたり全体が灰色がかって見えるのはきっと錯覚だろう。
もう、松田さん家に帰ってるかな。
今日はスーパーで買い物したから、僕が何か作ろう。
料理なんてあんまり好きじゃないし、普段しないからカレーくらいしか作れないけど、松田さん優しいからきっとできあがるまで待ってくれる。
もし、夕食が終わってたら明日のために作ればいい。
カレーだったらとっておけるし、一晩寝かせた方がおいしいから。
そんなことを思いながら、ドアに鍵を入れるが、開かない。
鍵が合わないのだ。
鍵を変えたとは聞いてないが、間違えて別の鍵をもってきてしまったのだろうか。
いや、そんなはずはない。
松田がくれた埴輪のキーホルダーがついている鍵だ。こんなキーホルダー、二つも持ってはいない。
おかしいな、と思いしばらくガチャガチャ動かして、それでも開かないのでインターフォンを押す。
中に松田がいれば、開けてくれるはずだ。
そうしてほんの少し待っていると――。
「はい、どなたでしょうか?」
扉を開けたのは、見慣れない男だった。
松田より体型は細く、柔和な顔立ちをした青年だ。
歳はきっと山田より上だろう。
その顔には、見覚えがあった。
山田はずっと、その人物のことを松田から聞かされていたからだ。
名前も、人柄も、趣味も。
カメラをもって撮影するのが好きで、発掘した遺跡の出土品などもこの人が撮影していた。
周囲からは優しく人なつっこい人物だと評されていたが、松田にとっては世話焼きで面倒な男だったという。
野村健吾。
山田が、殺してしまった男だ。
どうして。
言葉が、出ない。
どうして、野村さんが生きているの。
どうして、松田さんの家にいるの。
どうして――。
「おう、どうした野村」
後ろから、松田が顔をのぞかせる。
キッチンから漂うのはカレーの匂い。わずかに見えるテーブルには、サラダやスープまで準備されている。
「松田さん。あの、お客さんみたいなんですけど。松田さんの知り合いですか?」
松田さん。僕だよ。
山田だよ、知っているでしょ。僕は、松田さんの部屋の鍵、もってるんだ。
松田さんから預かったんだ。
松田さんには迷惑ばかりかけてるし、素直になれないところもあるから、嫌われても仕方ないと思っているけど――。
こんな冗談やめて。
嘘だっていって。
呆然とする山田を一瞥すると、松田は
「知らん奴やな。部屋、間違えてるんとちゃうか」
吐き捨てるようにそういって、野村にかわってドアを閉じた。
分厚い鉄の扉に阻まれ、山田は鍵を取り落とす。
なんで、野村さんが生きてるの。
あぁ、でも野村さんが生きているなら、僕はもう人殺しなんかじゃない。
山田ガスマスクなんてふざけた名前を名乗る必要もない。
あれからずっと自粛していたゲームの配信もしていいんだ。
ひょっとしたら、まだ5Sも活動しているのかもしれない。
やり直せる。
もう後ろめたいことはなにもないのだ。
じわじわと、その実感がわいてくる。
それなのに――。
「どうして生きてるんだよ。何で死んでないんだ――」
当然のように、そんな言葉がもれる。
死んでないなら、今度はしっかり殺しておかなければいけない。
今度こそ、しっかり殺して。また、出会い直せばいい。
今度の僕は、きっと、前よりずっと上手くやれるから――。
※※※
一度見た赤い靴のこと、ずっと思い続けているのは、だぁれ?
ずっと踊り続けている赤い靴が、そんなに愛しいものなのかしら。
違うよ、思い続けているんじゃない。
きっとあの子が、赤い靴さ。
だからこれからもずっと、ずっと、踊り続けることでしか、救われないんだ。
あの靴は、そういうふうに出来ている。
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