インターネット字書きマンの落書き帳
ダーマツの誕生日を祝います。(野村と山ガスが)
松田さんお誕生日おめでとうございます。
建国記念日か~。国を作るか~?
お誕生日を記念して、松田の誕生日ネタを書きました。
野村と山ガスが出てます。
野村と山ガスがでているので……全然幸せな誕生日じゃありませんよ!
やったね!
ビターな誕生日をお楽しみくだしぁ。
建国記念日か~。国を作るか~?
お誕生日を記念して、松田の誕生日ネタを書きました。
野村と山ガスが出てます。
野村と山ガスがでているので……全然幸せな誕生日じゃありませんよ!
やったね!
ビターな誕生日をお楽しみくだしぁ。
「複製」
オドオドして。うつむいて。上目遣いでこちらを見る。
「あ、あの……松田さん……」
か細い声。男にしてはなで肩なうえ、いつも首を引っ込めているから実際の背丈より小さく見える。
男は、叱られないかおびえる子供のように、おずおずと口を開いた。
「すみません、あの。時間、あったら。ちょっといいですか。あ、すぐに終わりますから……」
本当に、まどろっこしい。
ダメだと断っても「そこを何とか」「すぐに」「一瞬ですから」なんて、すがりついてくるほど強情なくせに、表面だけはしおらしい。
そんなに怯えなくても、意味もなく怒鳴るほどかんしゃく持ちではない。
それに、最初から嫌がる言葉なんて言うつもりもないのだが――。
「伝わらないもんやな」
ぽつり、つぶやく松田を、男は不思議そうに見つめていた。
「あ、あの。松田さん?」
「……なんや。用があるんなら、さっさと言うてくれへんか?」
男の顔が一瞬、ぱっと明るくなる。
そして、それまで怯えていたのが嘘のように元気になると、わたわたと鞄から小さな箱を取り出した。
「松田さん、あの……きょ、今日、誕生日ですよね。だから……プレゼントです。受け取ってください。き、気に入らなかったら、捨ててもいいですから!」
綺麗にラッピングされた袋を押しつけると、男は慌てて去って行く。
待て。
せめて礼の一つでも言うつもりだったのだが……。
「ほんま、しゃぁない奴やな……」
どうせ同じ職場だ。
次に会うことになったら、礼を言えばいい。
松田は、袋を潰さないよう丁寧に鞄に入れる。
中身は何だろう。
奇をてらうような真似はしないから、ネクタイか、万年筆か……松田が普段使いしている小物あたりに違いない。
どうせあるなら、使っているところを見せて礼をいったほうがいいだろう。
そのほうが、きっと喜ぶはずだ。
あれこれ思案する間、自然に頬がほころぶ。
――それが、野村を見た最後の日だった。
・
・
・
オドオドして、うつむいて、上目遣いでこちらを見る。
既視感のある仕草に、松田の記憶がちりちりと焼ける。
口元を隠しているが、口角が上がっているのは普段から人を茶化し、冷笑する癖が顔ににじみ出ている気がした。
「ねぇねぇ、松田サン。ちょっと、いいかな」
山田は今日もオーバーサイズのパーカーの、指先だけ出して近寄ってくる。
ひどい猫背なうえ、いつもこちらを見上げるように見る癖のせいで、背丈は本来の身長より小さく見えた。
「何やねん。別に暇とちゃうぞ?」
少し、突き放した言い方をしても、山田は落ち込んだりしない。
「嘘ばっか。休みだといつもゴロゴロして暇してるでしょ。それよりさぁ、ほら。これ。受け取ってよ」
山田はそう言い、指先でつまんでプレゼントを取り出す。
綺麗にラッピングされた紙袋は――。
「今日、誕生日だったよね。これ、プレゼント。どうせ誰からも祝ってもらえないんでしょ。だから、特別」
そう語る山田は、言葉こそ普段通りだが、声に勢いがない。
少し震え、普段よりか細く、虚勢を張っているのは一目瞭然だ。
それに、山田が事前に準備していたのも知っている。
松田の好みを聞いたり、好きな服の系統を調べたり、今ほしいものを探ったりと、ここ最近はあれこれ聞かれることが多かった。
必死にリサーチして、選んで、あれこれ考え決めたのだろう。
松田のために。松田のことを思って――。
「ありがとな、山田。でもなぁ……まだ、受け取れん」
断られるとは思ってなかったのだろう。
目を丸くし、ぽかんと口を開ける山田。
だが松田は、そんな山田に視線を向けず、部屋の片隅を見ていた。
「俺はな、まだもらってから開けられてへんプレゼントがある。それを、開けられるようになるまでは、おまえのプレゼントは受け取れへん」
そうしなければ、裏切りだ。
部屋の隅に置かれた紙袋は、あの時のまま。野村が殺された時から、開けることなく部屋に置かれていた。
「……すまん」
静かに。だがはっきりと断る松田を見て、山田はしばらくうつむく。
だがやがて、顔をゆっくりと上げると
「受け取ってくれなくてもいいよ。でも、ここに置かせて。松田サンが、いつかそのプレゼントを開けることができたら……そのあとでいい。僕のプレゼントも開けて。そうしてくれないと、僕は……」
声をつまらせる山田の目に、うっすらと涙がにじむ。
こんな顔、見られたいと思わなかったのだろう。ぐっと目元をこすると、山田はすぐに奥の部屋へとひっこんだ。
誰もいない部屋で、二つの紙袋を並べる。
「……俺は、結局……どうしたかったんやろなぁ……」
そう独りごちると、松田は並べた紙袋をなでる。
二つの紙袋は、皮肉なほどよく似ていた。
オドオドして。うつむいて。上目遣いでこちらを見る。
「あ、あの……松田さん……」
か細い声。男にしてはなで肩なうえ、いつも首を引っ込めているから実際の背丈より小さく見える。
男は、叱られないかおびえる子供のように、おずおずと口を開いた。
「すみません、あの。時間、あったら。ちょっといいですか。あ、すぐに終わりますから……」
本当に、まどろっこしい。
ダメだと断っても「そこを何とか」「すぐに」「一瞬ですから」なんて、すがりついてくるほど強情なくせに、表面だけはしおらしい。
そんなに怯えなくても、意味もなく怒鳴るほどかんしゃく持ちではない。
それに、最初から嫌がる言葉なんて言うつもりもないのだが――。
「伝わらないもんやな」
ぽつり、つぶやく松田を、男は不思議そうに見つめていた。
「あ、あの。松田さん?」
「……なんや。用があるんなら、さっさと言うてくれへんか?」
男の顔が一瞬、ぱっと明るくなる。
そして、それまで怯えていたのが嘘のように元気になると、わたわたと鞄から小さな箱を取り出した。
「松田さん、あの……きょ、今日、誕生日ですよね。だから……プレゼントです。受け取ってください。き、気に入らなかったら、捨ててもいいですから!」
綺麗にラッピングされた袋を押しつけると、男は慌てて去って行く。
待て。
せめて礼の一つでも言うつもりだったのだが……。
「ほんま、しゃぁない奴やな……」
どうせ同じ職場だ。
次に会うことになったら、礼を言えばいい。
松田は、袋を潰さないよう丁寧に鞄に入れる。
中身は何だろう。
奇をてらうような真似はしないから、ネクタイか、万年筆か……松田が普段使いしている小物あたりに違いない。
どうせあるなら、使っているところを見せて礼をいったほうがいいだろう。
そのほうが、きっと喜ぶはずだ。
あれこれ思案する間、自然に頬がほころぶ。
――それが、野村を見た最後の日だった。
・
・
・
オドオドして、うつむいて、上目遣いでこちらを見る。
既視感のある仕草に、松田の記憶がちりちりと焼ける。
口元を隠しているが、口角が上がっているのは普段から人を茶化し、冷笑する癖が顔ににじみ出ている気がした。
「ねぇねぇ、松田サン。ちょっと、いいかな」
山田は今日もオーバーサイズのパーカーの、指先だけ出して近寄ってくる。
ひどい猫背なうえ、いつもこちらを見上げるように見る癖のせいで、背丈は本来の身長より小さく見えた。
「何やねん。別に暇とちゃうぞ?」
少し、突き放した言い方をしても、山田は落ち込んだりしない。
「嘘ばっか。休みだといつもゴロゴロして暇してるでしょ。それよりさぁ、ほら。これ。受け取ってよ」
山田はそう言い、指先でつまんでプレゼントを取り出す。
綺麗にラッピングされた紙袋は――。
「今日、誕生日だったよね。これ、プレゼント。どうせ誰からも祝ってもらえないんでしょ。だから、特別」
そう語る山田は、言葉こそ普段通りだが、声に勢いがない。
少し震え、普段よりか細く、虚勢を張っているのは一目瞭然だ。
それに、山田が事前に準備していたのも知っている。
松田の好みを聞いたり、好きな服の系統を調べたり、今ほしいものを探ったりと、ここ最近はあれこれ聞かれることが多かった。
必死にリサーチして、選んで、あれこれ考え決めたのだろう。
松田のために。松田のことを思って――。
「ありがとな、山田。でもなぁ……まだ、受け取れん」
断られるとは思ってなかったのだろう。
目を丸くし、ぽかんと口を開ける山田。
だが松田は、そんな山田に視線を向けず、部屋の片隅を見ていた。
「俺はな、まだもらってから開けられてへんプレゼントがある。それを、開けられるようになるまでは、おまえのプレゼントは受け取れへん」
そうしなければ、裏切りだ。
部屋の隅に置かれた紙袋は、あの時のまま。野村が殺された時から、開けることなく部屋に置かれていた。
「……すまん」
静かに。だがはっきりと断る松田を見て、山田はしばらくうつむく。
だがやがて、顔をゆっくりと上げると
「受け取ってくれなくてもいいよ。でも、ここに置かせて。松田サンが、いつかそのプレゼントを開けることができたら……そのあとでいい。僕のプレゼントも開けて。そうしてくれないと、僕は……」
声をつまらせる山田の目に、うっすらと涙がにじむ。
こんな顔、見られたいと思わなかったのだろう。ぐっと目元をこすると、山田はすぐに奥の部屋へとひっこんだ。
誰もいない部屋で、二つの紙袋を並べる。
「……俺は、結局……どうしたかったんやろなぁ……」
そう独りごちると、松田は並べた紙袋をなでる。
二つの紙袋は、皮肉なほどよく似ていた。
PR
COMMENT
