インターネット字書きマンの落書き帳
実在性オキイエショーゴの話
パラノマサイト新作出たよ、おめでとう!
新作発売前に、なんと!
セールで500円で販売していて、これを機会にプレイする人も結構いて嬉しい!
嬉しいついでに、久しぶりに興家彰吾を書きました。
彼ってあのあと、どういう生活をしているんですかね。
高度経済成長から、バブル直線くらいまでの間は普通に会社員やってそうな気もしますが。
裏ではバチバチに、命を狙われて謎の呪術師と対決して、みんな返り討ちにしてやってるといいな。と思って書きました。
返り討ちにしている興家彰吾と、それを目撃した第三者の話です。
新作発売前に、なんと!
セールで500円で販売していて、これを機会にプレイする人も結構いて嬉しい!
嬉しいついでに、久しぶりに興家彰吾を書きました。
彼ってあのあと、どういう生活をしているんですかね。
高度経済成長から、バブル直線くらいまでの間は普通に会社員やってそうな気もしますが。
裏ではバチバチに、命を狙われて謎の呪術師と対決して、みんな返り討ちにしてやってるといいな。と思って書きました。
返り討ちにしている興家彰吾と、それを目撃した第三者の話です。
「ラスト・オーダー」
最後の客を見送り、ラストオーダーの時間も過ぎた。
まだ閉店前だが、もう店を閉めてもいいだろうと思い、外に出してある看板のプラグを抜いた時。
「すいません、一杯だけ。いいかな?」
影のなか、ゆらりと現れたのはまだ年若い男だった。
穏やかに笑っているのに、かすかな血のにおいがする。
平然としているが、シャツには血が滲んでいたし、足も引きずって歩いていた。
喧嘩でもしてきたのか。それとも――。
「店、入ってもいいよね」
小首をかしげて笑う姿は、転んで怪我でもしてきたかのように些末な様子だ。
だが、明らかに傷は深い。
危険だと思った。
店を閉める時間だから、無理だと断ってもよかった。
それでもなぜか断ることができず、一杯だけならと告げれば、男は頷いて店に入る。
「マティーニを、一杯」
マティーニか。
もう店を閉めようとしていたのに、億劫だな。
ウイスキーのロックにしてくれればいいのに。
でも、以前もそうだった。
彼はマティーニが好きなのか――。
――以前。
どうして以前の記憶があるのだろう。
こんな客、知らない顔だが――。
オリーブを入れ、カクテルをステアする。
以前もこんな日があった気がする。
あの時も、怪我をした身体をひきずって。でも笑いながら、彼は――。
曖昧な記憶は泡のように弾けて消える。
以前にも、会っている?
似たような状況で酒を出している?
だが、いったいいつの話だ……。
「マティーニです」
カクテルグラスに注いだマティーニを置けば、ためらうことなく一気に飲む。
そして塗れた唇を拭うと、彼は穏やかに笑うのだ。
「うん、おいしい。消毒できた気がする」
――そんな怪我をしていて、アルコールは悪いですよ。
病院に行った方がいい。
老婆心からつい、そう言えば。
「わかってる。けど、大丈夫かな? そんなに長生きしたいって訳じゃないし」
せめてそんな時くらい、酒はやめたほうがいい。
そう告げたなら。
「これは、酔うためとかじゃなく、そう――禊ぎ、ってやつかな」
彼は、あっけらかんとして笑う。
禊ぎが必要なほど、血なまぐさいことをしてきたのか。
そういえば、前に会った時も――。
公園。変死。事件。殺人。
いくつもの欠片が飛び散るが、すべて形にならない。
「ありがと、お勘定。置いていくね」
マティーニの値段より少し多めの金額を置いて、彼は去っていく。
決して短い時間ではない。
バーのマスターという職業柄、顔を覚えるのも得意なはずだ。
それなのに――。
彼がどんな顔で、どんな髪型をしていて、どんな服を着ていたのか。
すべてが影のようにぼやけてしまって、もう何も覚えていない。
そう、これは――一年ほど前、近くの公園で事件がおこった後のように――。
翌日、近所にあるビルの屋上で、奇妙にねじれた死体が発見された。
事件か事故かも定かではないが、目撃者もなく。
何もかもが曖昧のまま、やがて忘れ去られていった。
最後の客を見送り、ラストオーダーの時間も過ぎた。
まだ閉店前だが、もう店を閉めてもいいだろうと思い、外に出してある看板のプラグを抜いた時。
「すいません、一杯だけ。いいかな?」
影のなか、ゆらりと現れたのはまだ年若い男だった。
穏やかに笑っているのに、かすかな血のにおいがする。
平然としているが、シャツには血が滲んでいたし、足も引きずって歩いていた。
喧嘩でもしてきたのか。それとも――。
「店、入ってもいいよね」
小首をかしげて笑う姿は、転んで怪我でもしてきたかのように些末な様子だ。
だが、明らかに傷は深い。
危険だと思った。
店を閉める時間だから、無理だと断ってもよかった。
それでもなぜか断ることができず、一杯だけならと告げれば、男は頷いて店に入る。
「マティーニを、一杯」
マティーニか。
もう店を閉めようとしていたのに、億劫だな。
ウイスキーのロックにしてくれればいいのに。
でも、以前もそうだった。
彼はマティーニが好きなのか――。
――以前。
どうして以前の記憶があるのだろう。
こんな客、知らない顔だが――。
オリーブを入れ、カクテルをステアする。
以前もこんな日があった気がする。
あの時も、怪我をした身体をひきずって。でも笑いながら、彼は――。
曖昧な記憶は泡のように弾けて消える。
以前にも、会っている?
似たような状況で酒を出している?
だが、いったいいつの話だ……。
「マティーニです」
カクテルグラスに注いだマティーニを置けば、ためらうことなく一気に飲む。
そして塗れた唇を拭うと、彼は穏やかに笑うのだ。
「うん、おいしい。消毒できた気がする」
――そんな怪我をしていて、アルコールは悪いですよ。
病院に行った方がいい。
老婆心からつい、そう言えば。
「わかってる。けど、大丈夫かな? そんなに長生きしたいって訳じゃないし」
せめてそんな時くらい、酒はやめたほうがいい。
そう告げたなら。
「これは、酔うためとかじゃなく、そう――禊ぎ、ってやつかな」
彼は、あっけらかんとして笑う。
禊ぎが必要なほど、血なまぐさいことをしてきたのか。
そういえば、前に会った時も――。
公園。変死。事件。殺人。
いくつもの欠片が飛び散るが、すべて形にならない。
「ありがと、お勘定。置いていくね」
マティーニの値段より少し多めの金額を置いて、彼は去っていく。
決して短い時間ではない。
バーのマスターという職業柄、顔を覚えるのも得意なはずだ。
それなのに――。
彼がどんな顔で、どんな髪型をしていて、どんな服を着ていたのか。
すべてが影のようにぼやけてしまって、もう何も覚えていない。
そう、これは――一年ほど前、近くの公園で事件がおこった後のように――。
翌日、近所にあるビルの屋上で、奇妙にねじれた死体が発見された。
事件か事故かも定かではないが、目撃者もなく。
何もかもが曖昧のまま、やがて忘れ去られていった。
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