インターネット字書きマンの落書き帳
旧友に依頼をしたら情緒がグチャグチャになるビューティの話(ビュ眉と山ガス)
説明させてください!(挨拶)
まず、都市伝説解体センターのネタバレをしています。
最終話まで遊んでから読んでね♥
ビューティ眉崎が、久しぶりにガスマスク山田と会って、山ガスに依頼をする話です。
眉崎が山ガスに対して強い支配欲を抱いてます。
山ガスは眉崎に限らず、自分に対してそういう欲求を抱く相手が一定数いるのを理解しているタイプの人間です。
特に話に関わらないけど、山ガスのオーバーサイズ・パーカーは黒沢からのもらいものになってます。
以上、前提終わり!
何を言いたいのかというと、山ガスをどうこうしたい眉崎を茶化してからかって遊ぶ山ガスの話だってことです♥
やわらかいBLだぞ♥
喜べ、俺♥
ありがとう、俺♥ ちょうど切らしてたから助かる♥
まず、都市伝説解体センターのネタバレをしています。
最終話まで遊んでから読んでね♥
ビューティ眉崎が、久しぶりにガスマスク山田と会って、山ガスに依頼をする話です。
眉崎が山ガスに対して強い支配欲を抱いてます。
山ガスは眉崎に限らず、自分に対してそういう欲求を抱く相手が一定数いるのを理解しているタイプの人間です。
特に話に関わらないけど、山ガスのオーバーサイズ・パーカーは黒沢からのもらいものになってます。
以上、前提終わり!
何を言いたいのかというと、山ガスをどうこうしたい眉崎を茶化してからかって遊ぶ山ガスの話だってことです♥
やわらかいBLだぞ♥
喜べ、俺♥
ありがとう、俺♥ ちょうど切らしてたから助かる♥
『心地よい苛立ち』
久しぶりに会ったその男は、身体に合わぬオーバーサイズのパーカーを着ていた。
「よぉ、今は田中ガスマスクなんだっけ?」
眉崎は軽く手をあげると、待ち合わせ場所でスマホを弄る山田に声をかける。
5S時代、チームとして組んでいた時は頻繁に顔をあわせていたが、チームが解散してからメンバー同士は自然と距離を置くようになっていた。
その日眉崎が山田と会う事になったのも久しぶりに旧友と会いたくなったからなんてセンチメンタルな理由ではなく、自分が売り出す商品PRをWEBライターとして活躍している山田に依頼したかったからだ。ビジネス上の付き合いであり、それ以上の意味などない。
「山田ガスマスクだよ、眉崎さん。久しぶり。そっちは、今はワンダフル潤って呼んだ方がいい?」
上目遣いでこちらの様子を覗いながら、眉間にしわを寄せどこか人を茶化すように話す様は、5S時代に組んでいた山田と寸分も違わない。
相変わらず生意気で、いけ好かない奴のままだ。
ネットで炎上してなければ山田の力なんて借りなかっただろうが、しくじったばかりの今は慎重に発言をしたい。そういう点で山田は冷静だし、ネットに巣くうアンチ勢や気に入らない事にはとりあえず文句を言っておきたいタイプの人間をあしらうのも上手い。何より昔なじみだから、敵の多い眉崎にとって信頼できる手駒の一つなのは事実だから仕方ない。
「誰がワンダフルだよ。昔通り眉崎さんって呼べ。俺のことをビューティ呼びしていいのは、俺のファンの子猫ちゃんたちだけだからな」
「はいはい、わかりましたよ眉崎さん。それで、打ち合わせはどうする? 僕、これでも結構忙しいからちゃっちゃと済ませたいんだけど。近くにファミレスがあるから、そこでいいよね」
「何だよ、せっかく久しぶりに会ったんだからもう少し洒落たレストランにでも行こうぜ。店なら俺が選んでやるよ」
「遠慮しておく。眉崎さんの選ぶ店、肉バルとか創作料理とか個室居酒屋とか、地雷ワード満載で値段以下の料理しか出てこないから。ほんと、昔から顔はいいのにセンスないよね。そういうとこ、どうかと思うよ」
お前こそ、仮にもクライアントに対してその発言はどうなんだ。
そう言いたくなるが、レストラン選びで失敗してしょっちゅう5Sのメンバーに文句を言われていたのは事実だから言い返す事も出来ない。
眉崎はふてくされた顔をしながら、先に歩き出す山田についていった。
山田は、細い身体には似つかわしくないほど大きなパーカーを着ている。
そのパーカーには見覚えがあった。
『買ったんだが、着る機会がなくてな。よかったらもらってくれよ』
5S時代、そういって黒沢がもってきたものだ。
眉崎はパーカーのような服をほとんど着ないのでスルーしたのだが、黒沢より小柄で痩せぎすの山田がもって行ったのを、少し意外に思ったから憶えている。
あの時思った通り、そのパーカーは明らかに山田より一回りサイズが大きくブカブカに見えたが、今でも着ているということは大切に使っているのだろう。
「おまえ、そんなデカいパーカー着てんだな。ガリガリなんだから、もうちょっと身体にあったサイズの服を着ろよ。何なら俺が見立てて、ちょうどいい服買ってやろうか?」
「えぇ? 眉崎さんが選ぶの? 遠慮しとく。眉崎さんも谷原も、服のセンスが独特すぎるんだよね。二人とも似合ってるとは思うけど、僕みたいに地味顔一般人にはちょっと敷居が高いセンス。前衛的すぎるから」
相変わらず、褒めているのかけなしているのかわからない事を言う奴だ。
いや、ギリギリのところで悪口を言ってるのはわかっている。だが、怒ったこちらが大人げないような言い方をするのが、山田の昔からの癖だった。
本当に、この男は何もかわっていない。
せめてもう少しくらい変わっていて、可愛げのある所を見せたりしていれば、こんなに苛立つことはなかったのだ。
5S時代、とうとう自分に屈服することも、なびく事もなかった生意気な姿のまま目の前に現れたのなら、また欲しくなってしまう。
別段本命というワケでもないが、手元に置いて甘い言葉を囁き、ドロドロに溶けるまで可愛がって病的なほど依存させ完全に自分のものにしてやりたいという、悪い欲求が頭にもたげてくる。
おかしい。
眉崎は恋愛対象も女性だし、身体の関係になるのも女性だけのはずだったが、山田だけはモノにしたいと思うのだ。
山田の気質がそうさせるのか、彼のまとう雰囲気に飲まれているのか、そこまではわからないが。
眉崎の視線に気付いているのかいないのか、山田は長すぎる袖を少し上げると、悪戯っぽく笑って見せた。
「それに、このパーカーは気に入ってるんだよね。僕の、大事な人からもらったやつだから。ずっと大切にしたいって思ってるんだ」
その言葉に、胸がつまる。
眉崎は山田にパーカーをプレゼントしたのが誰かを憶えていたからだ。
おまえ、そんなに黒沢のことが好きなのかよ。
どうして俺じゃないんだ。
浮かんできた言葉を喉元で飲み込む。
何を考えているんだ、馬鹿なこと。別にそんなこと思っていない。ただ、この思い通りにならない鼻持ちならぬ男が気に食わないだけだ。
支配欲を愛情と錯覚しているだけなのだ。
自らにそう言い聞かすため、小さく深呼吸をする。
そんな眉崎の顔を、山田はさもおかしそうにのぞき込んでいた。
「なーんて、信じた? そんなわけないでしょ……着心地がいいから着てるだけだよ。これ、結構いい奴だから何度洗濯しても大丈夫なんだよね」
「はぁ? なんでそんなこと信じないといけねーんだよ」
「だって、眉崎さん僕のこと好きでしょ? 僕が他の誰かのこと好きだ、みたいな顔したら、嫉妬するんじゃないかと思って」
見透かされているのかと思ったが、すぐに山田の性格を思い出す。
こいつは、いつでも適当なブラフで相手をからかおうとするのだ。今しているのも、その悪い癖が出ているだけだ。
「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ、この陰キャ猫背野郎。誰がテメーみたいな陰気なツラした痩せぎす男を抱きたいなんて思うかよ」
「そ? ……そのわりには、真剣な顔してたけど」
山田はそういい、肩をふるわせて笑う。
本当に、何も変わってない。憎らしいほど昔のままで、愛しいほど嫌な奴だ。
「さ、ここのファミレスで打ち合わせしようか。炎上インフルエンサーの火消しこみだから、食事代くらいおごってよね、眉崎サン」
蹴倒したくなる態度に苛立つ眉崎の雰囲気に気付いたのか、山田は早足で店に入る。
「くそ、飯食ったらあいつの猫背、思いっきり伸ばしてやる……」
眉崎はそう呟くと、山田の後を追うようにファミレスへ入る。
その胸に広がる苛立ちは、少し懐かしくそしてどこか心地よかった。
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久しぶりに会ったその男は、身体に合わぬオーバーサイズのパーカーを着ていた。
「よぉ、今は田中ガスマスクなんだっけ?」
眉崎は軽く手をあげると、待ち合わせ場所でスマホを弄る山田に声をかける。
5S時代、チームとして組んでいた時は頻繁に顔をあわせていたが、チームが解散してからメンバー同士は自然と距離を置くようになっていた。
その日眉崎が山田と会う事になったのも久しぶりに旧友と会いたくなったからなんてセンチメンタルな理由ではなく、自分が売り出す商品PRをWEBライターとして活躍している山田に依頼したかったからだ。ビジネス上の付き合いであり、それ以上の意味などない。
「山田ガスマスクだよ、眉崎さん。久しぶり。そっちは、今はワンダフル潤って呼んだ方がいい?」
上目遣いでこちらの様子を覗いながら、眉間にしわを寄せどこか人を茶化すように話す様は、5S時代に組んでいた山田と寸分も違わない。
相変わらず生意気で、いけ好かない奴のままだ。
ネットで炎上してなければ山田の力なんて借りなかっただろうが、しくじったばかりの今は慎重に発言をしたい。そういう点で山田は冷静だし、ネットに巣くうアンチ勢や気に入らない事にはとりあえず文句を言っておきたいタイプの人間をあしらうのも上手い。何より昔なじみだから、敵の多い眉崎にとって信頼できる手駒の一つなのは事実だから仕方ない。
「誰がワンダフルだよ。昔通り眉崎さんって呼べ。俺のことをビューティ呼びしていいのは、俺のファンの子猫ちゃんたちだけだからな」
「はいはい、わかりましたよ眉崎さん。それで、打ち合わせはどうする? 僕、これでも結構忙しいからちゃっちゃと済ませたいんだけど。近くにファミレスがあるから、そこでいいよね」
「何だよ、せっかく久しぶりに会ったんだからもう少し洒落たレストランにでも行こうぜ。店なら俺が選んでやるよ」
「遠慮しておく。眉崎さんの選ぶ店、肉バルとか創作料理とか個室居酒屋とか、地雷ワード満載で値段以下の料理しか出てこないから。ほんと、昔から顔はいいのにセンスないよね。そういうとこ、どうかと思うよ」
お前こそ、仮にもクライアントに対してその発言はどうなんだ。
そう言いたくなるが、レストラン選びで失敗してしょっちゅう5Sのメンバーに文句を言われていたのは事実だから言い返す事も出来ない。
眉崎はふてくされた顔をしながら、先に歩き出す山田についていった。
山田は、細い身体には似つかわしくないほど大きなパーカーを着ている。
そのパーカーには見覚えがあった。
『買ったんだが、着る機会がなくてな。よかったらもらってくれよ』
5S時代、そういって黒沢がもってきたものだ。
眉崎はパーカーのような服をほとんど着ないのでスルーしたのだが、黒沢より小柄で痩せぎすの山田がもって行ったのを、少し意外に思ったから憶えている。
あの時思った通り、そのパーカーは明らかに山田より一回りサイズが大きくブカブカに見えたが、今でも着ているということは大切に使っているのだろう。
「おまえ、そんなデカいパーカー着てんだな。ガリガリなんだから、もうちょっと身体にあったサイズの服を着ろよ。何なら俺が見立てて、ちょうどいい服買ってやろうか?」
「えぇ? 眉崎さんが選ぶの? 遠慮しとく。眉崎さんも谷原も、服のセンスが独特すぎるんだよね。二人とも似合ってるとは思うけど、僕みたいに地味顔一般人にはちょっと敷居が高いセンス。前衛的すぎるから」
相変わらず、褒めているのかけなしているのかわからない事を言う奴だ。
いや、ギリギリのところで悪口を言ってるのはわかっている。だが、怒ったこちらが大人げないような言い方をするのが、山田の昔からの癖だった。
本当に、この男は何もかわっていない。
せめてもう少しくらい変わっていて、可愛げのある所を見せたりしていれば、こんなに苛立つことはなかったのだ。
5S時代、とうとう自分に屈服することも、なびく事もなかった生意気な姿のまま目の前に現れたのなら、また欲しくなってしまう。
別段本命というワケでもないが、手元に置いて甘い言葉を囁き、ドロドロに溶けるまで可愛がって病的なほど依存させ完全に自分のものにしてやりたいという、悪い欲求が頭にもたげてくる。
おかしい。
眉崎は恋愛対象も女性だし、身体の関係になるのも女性だけのはずだったが、山田だけはモノにしたいと思うのだ。
山田の気質がそうさせるのか、彼のまとう雰囲気に飲まれているのか、そこまではわからないが。
眉崎の視線に気付いているのかいないのか、山田は長すぎる袖を少し上げると、悪戯っぽく笑って見せた。
「それに、このパーカーは気に入ってるんだよね。僕の、大事な人からもらったやつだから。ずっと大切にしたいって思ってるんだ」
その言葉に、胸がつまる。
眉崎は山田にパーカーをプレゼントしたのが誰かを憶えていたからだ。
おまえ、そんなに黒沢のことが好きなのかよ。
どうして俺じゃないんだ。
浮かんできた言葉を喉元で飲み込む。
何を考えているんだ、馬鹿なこと。別にそんなこと思っていない。ただ、この思い通りにならない鼻持ちならぬ男が気に食わないだけだ。
支配欲を愛情と錯覚しているだけなのだ。
自らにそう言い聞かすため、小さく深呼吸をする。
そんな眉崎の顔を、山田はさもおかしそうにのぞき込んでいた。
「なーんて、信じた? そんなわけないでしょ……着心地がいいから着てるだけだよ。これ、結構いい奴だから何度洗濯しても大丈夫なんだよね」
「はぁ? なんでそんなこと信じないといけねーんだよ」
「だって、眉崎さん僕のこと好きでしょ? 僕が他の誰かのこと好きだ、みたいな顔したら、嫉妬するんじゃないかと思って」
見透かされているのかと思ったが、すぐに山田の性格を思い出す。
こいつは、いつでも適当なブラフで相手をからかおうとするのだ。今しているのも、その悪い癖が出ているだけだ。
「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ、この陰キャ猫背野郎。誰がテメーみたいな陰気なツラした痩せぎす男を抱きたいなんて思うかよ」
「そ? ……そのわりには、真剣な顔してたけど」
山田はそういい、肩をふるわせて笑う。
本当に、何も変わってない。憎らしいほど昔のままで、愛しいほど嫌な奴だ。
「さ、ここのファミレスで打ち合わせしようか。炎上インフルエンサーの火消しこみだから、食事代くらいおごってよね、眉崎サン」
蹴倒したくなる態度に苛立つ眉崎の雰囲気に気付いたのか、山田は早足で店に入る。
「くそ、飯食ったらあいつの猫背、思いっきり伸ばしてやる……」
眉崎はそう呟くと、山田の後を追うようにファミレスへ入る。
その胸に広がる苛立ちは、少し懐かしくそしてどこか心地よかった。
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