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インターネット字書きマンの落書き帳

   
夜に迷わぬ狩人の話(ブラボ小話)
ブボッボボーンが発売日だったみたいですね。
10周年!?

ブラボをやって広がった交遊もある!
ブラボではじめてコミケにも行った!(個人サークルで)

色々思い出深い作品なので、10年の節目を祝いたい!
そう思って書きました。

狩人の夜です。

ブラッドボーン好きかい?
今日から好きになろうぜ!(ガスコイン突破率44%)(また下がってない!?)



『夜に迷わぬ狩人たちへ』

 身体中の血が躍動し、声ではない声が脳髄に響く。

 狩れ。血を浴びろ。
 この青ざめた月を深紅あるいは真紅に染めるため夜を駆けろ。

 内から響く声は己に秘められた本能だろうか、それとも見えざる何かの意志かはわからない。

 狩りを、好きだからやっているのか。
 自分の望みをかなえるためにやむを得ず行っているのか。
 誰かに命じられたからか。何かしら崇高な理由があったのか。願いというにはささやかすぎる思いを抱いていたのか。

 今はもう、それすらもわからない。

 ただ、血が叫ぶ。
 狩り道具を握る手は滾るように疼き、腰に下げた銃が引き金を引く時を待ちわびる。
 獣。あるいは獣の病の罹患者から吹き出る鮮血を浴びた時だけわずかに血が冷めるが、その時すら心地よさを憶える。
 生ぬるい血から温もりが失せれば、新たな獲物を待ちわび、血の混じったワインを傾ける。
 血とアルコールが心地よく脳髄を揺さぶり、酩酊しているのに神経は高ぶってより獣がはっきりと認識できるようになる気がした。

 同時に、街にへばりついた巨躯の化け物が頭をもたげ、こちらの様子を覗うさまもはっきりと見てとれる。

 以前の自分が、この姿を見たのなら「狂っているのだ」と恐れ嘲るのだろう。
 だが、今はどのような嘲りを受けるのもかまわない。

 狩りを続けられるのなら、笑われようがかまわない。
 狂ったと嘆かれても、化け物の罵られても、狩りを失うよりよほどいい。

 今宵もまた、満月だ。
 明日も、明後日も、その先も、この街は記憶に留まる限りずっとあの青白い月が微笑んでいるのだろう。

 尖塔のような屋根が影を映し、石畳の上に乾いた靴音が響く。
 ここはヤーナム。
 永遠の狩りに酔いしれる狩人が導かれる、狂える者たちの救いの地である。

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東吾
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インターネット駄文書き
自己紹介:
ネットの中に浮ぶ脳髄。
紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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