インターネット字書きマンの落書き帳
バレンタインにチョコの受け渡しをする赤袖/BL
平和な世界線で一緒にいる赤川×袖山の話をします。
つきあっているかつきあっていないのか。
でもいずれ絶対つきあう!
みたいな赤袖のHappy・Valentineだよ~。
高校生の純情を浴びている気持ちになる!
とっても気持ちいい~~~~~。
つきあっているかつきあっていないのか。
でもいずれ絶対つきあう!
みたいな赤袖のHappy・Valentineだよ~。
高校生の純情を浴びている気持ちになる!
とっても気持ちいい~~~~~。
『友とよぶには愛しい男』
赤川がいつものように部室へゲームをやりに行くと、部室の前には袖山がしきりに周囲を覗っていた。
「どうしたんだい、袖山くん」
赤川が声をかけると。
「ひ、ひやぁっ!」
袖山はその場でピョンと飛び上がる。その姿を見て、赤川はまるで兎みたいだな、なんて思うのだった。
「ご、ごめん。急に声をかけられて、ビックリしちゃった……ほら、鳴神学園って放課後になると出るでしょ。幽霊。何か、僕の知らない幽霊が出たのかな、と思って」
「あぁ……確かにそうらしいね」
赤川はそう相槌をうつが、実のところ鳴神学園の幽霊に対しては懐疑的だった。
というのも、赤川はゲーム部として部室を陣取り徹夜でゲームした事は何度もあるし、その時は一人で黙々とゲームをしているのだが、一度たりとも幽霊や怪異と出会った事はないからだ。
だが、袖山が言うには合宿などが出来る体育館の二階などは、逆さづりになった女の幽霊や手にした生徒の命を奪う鉛筆など、実に様々な怪異がいるのだという。
袖山自身もそういう怪異で命を落としそうになった事すらあるのだ。
だから袖山は赤川と比べ、黄昏時を恐れていた。
黄昏時は逢魔が時ともいい、昼と夜の狭間の時間なのだという。そして、その狭間の時は、幽霊や怪異がよく現れるのだ。
きっと本当は早く帰りたいに違いない。
そう思いながら袖山を見た。
「それで、どうしたんだい袖山くん。ひょっとして、僕を探してた?」
「あっ! そ、そうなんだよ。赤川くんに、これを渡さないといけないと思って……」
袖山はそう言いながら、赤川へ何かを差し出す。
それは綺麗にラッピングされた有名店のチョコレートだった。
そう、今日はバレンタインデーだ。
「えっ。これ袖山くんから?」
「ち、ちっ……違うんだ。ごめんね。これは、僕の下駄箱に入っていたチョコなんだ。何だろうって開けてみたら、手紙が入っていて……ほら、これ」
と、袖山は赤川に手紙を見せる。
そこには「袖山くんは赤川くんと仲がいいですよね。これ、赤川くんに渡しておいてください」なんて無慈悲な一文が書かれていた。
「わざわざ、知らない誰かのために怖いのに待っていてくれたの?」
「う、うん。僕が頼まれたんだから、ちゃんと渡さないといけないと思って……」
「そんなの、教室で渡してくれれば良かったのに」
「そ、それをしたら、僕が赤川くんにチョコを渡してるところ、ほかのみんなにも見られちゃうでしょ? それは、ぼくもちょっと恥ずかしいから……」
袖山はそう言いながら、顔を真っ赤にする。
自分へのチョコをわざわざ袖山に託した相手が誰だか知らないが、こんなに顔を真っ赤にして恥ずかしがる袖山を見れたのは、何だか得した気分だった。
「そっか……わざわざありがとうね、袖山くん。もらっておくよ」
とにかく、このチョコレートは受け取らないと袖山も帰るに帰れないのだろう。
思う所は色々あったが素直にチョコを受け取ると、袖山はやっと肩の荷が下りたといった様子でふにゃりと笑顔になった。
「よかったー、受け取ってもらえなかったらどうしようって思っていたんだ。宛名もなかったから、相手に返す事もできないし……」
「そんなの、自分で食べちゃえばいいんだよ。本当にお人好しだなぁ袖山くんは」
「そんなわけにはいかないよ。だって、一生懸命選んだチョコだと思うもの。バレンタインデー前の休みは、チョコレート売り場ってすっごく混むんだよ。その中から、好きな人のためにチョコレートを選ぶのって、すっごく大変なんだから……」
やけに実感がこもった言い方だが、誰かに渡すチョコレートを選んだりしたのだろうか。
だとしたら、誰に渡したのだろう。 最近は男でも友達にチョコレートを渡す生徒も増えているという。友チョコという文化もあるようだから、親友の荒井に渡したのだろうか。
ぼんやりとそんな事を考える赤川の前に、かわいいレトロ缶がデザインされたチョコレートが差し出される。
「そ、それと……これは、僕から赤川くんへ。い、いつも……お世話になっているから、お礼」
「えっ!? 僕に……いいのかい? 荒井くんとか、時田くんとかじゃなくて?」
「ほ、他の人にはあげてないよ! ……赤川くんが、いつも僕に好きだとか、可愛いとか、結婚しようとかいっぱいいってくれるでしょ。僕も……そんな赤川くんのことが好きだから。だから、今までいっぱい僕のことを好きだっていってくれたお礼だよ。べ、別に変な意味はないからね!」
袖山は顔を真っ赤にして、必死にそう訴える。
別に変な意味があってもいいし、むしろあってほしいくらいなのだが、今は素直に好きと伝えてくれたことを喜ぼう。
「袖山くん。一緒にゲームやっていかない。チョコ食べながら……」
「えっ、いいの?」
「うん、徹夜になるかもしれないけど。この部室、ちょっと寝る所もあるし、食べ物もある。今夜は二人で一緒にゲーム三昧しようか。きっと二人だと楽しいと思うよ」
赤川はそう言いながら、袖山の肩を抱き寄せる。
その隣で袖山は顔を真っ赤にしたまま、何度も小さく頷くのだった。
赤川がいつものように部室へゲームをやりに行くと、部室の前には袖山がしきりに周囲を覗っていた。
「どうしたんだい、袖山くん」
赤川が声をかけると。
「ひ、ひやぁっ!」
袖山はその場でピョンと飛び上がる。その姿を見て、赤川はまるで兎みたいだな、なんて思うのだった。
「ご、ごめん。急に声をかけられて、ビックリしちゃった……ほら、鳴神学園って放課後になると出るでしょ。幽霊。何か、僕の知らない幽霊が出たのかな、と思って」
「あぁ……確かにそうらしいね」
赤川はそう相槌をうつが、実のところ鳴神学園の幽霊に対しては懐疑的だった。
というのも、赤川はゲーム部として部室を陣取り徹夜でゲームした事は何度もあるし、その時は一人で黙々とゲームをしているのだが、一度たりとも幽霊や怪異と出会った事はないからだ。
だが、袖山が言うには合宿などが出来る体育館の二階などは、逆さづりになった女の幽霊や手にした生徒の命を奪う鉛筆など、実に様々な怪異がいるのだという。
袖山自身もそういう怪異で命を落としそうになった事すらあるのだ。
だから袖山は赤川と比べ、黄昏時を恐れていた。
黄昏時は逢魔が時ともいい、昼と夜の狭間の時間なのだという。そして、その狭間の時は、幽霊や怪異がよく現れるのだ。
きっと本当は早く帰りたいに違いない。
そう思いながら袖山を見た。
「それで、どうしたんだい袖山くん。ひょっとして、僕を探してた?」
「あっ! そ、そうなんだよ。赤川くんに、これを渡さないといけないと思って……」
袖山はそう言いながら、赤川へ何かを差し出す。
それは綺麗にラッピングされた有名店のチョコレートだった。
そう、今日はバレンタインデーだ。
「えっ。これ袖山くんから?」
「ち、ちっ……違うんだ。ごめんね。これは、僕の下駄箱に入っていたチョコなんだ。何だろうって開けてみたら、手紙が入っていて……ほら、これ」
と、袖山は赤川に手紙を見せる。
そこには「袖山くんは赤川くんと仲がいいですよね。これ、赤川くんに渡しておいてください」なんて無慈悲な一文が書かれていた。
「わざわざ、知らない誰かのために怖いのに待っていてくれたの?」
「う、うん。僕が頼まれたんだから、ちゃんと渡さないといけないと思って……」
「そんなの、教室で渡してくれれば良かったのに」
「そ、それをしたら、僕が赤川くんにチョコを渡してるところ、ほかのみんなにも見られちゃうでしょ? それは、ぼくもちょっと恥ずかしいから……」
袖山はそう言いながら、顔を真っ赤にする。
自分へのチョコをわざわざ袖山に託した相手が誰だか知らないが、こんなに顔を真っ赤にして恥ずかしがる袖山を見れたのは、何だか得した気分だった。
「そっか……わざわざありがとうね、袖山くん。もらっておくよ」
とにかく、このチョコレートは受け取らないと袖山も帰るに帰れないのだろう。
思う所は色々あったが素直にチョコを受け取ると、袖山はやっと肩の荷が下りたといった様子でふにゃりと笑顔になった。
「よかったー、受け取ってもらえなかったらどうしようって思っていたんだ。宛名もなかったから、相手に返す事もできないし……」
「そんなの、自分で食べちゃえばいいんだよ。本当にお人好しだなぁ袖山くんは」
「そんなわけにはいかないよ。だって、一生懸命選んだチョコだと思うもの。バレンタインデー前の休みは、チョコレート売り場ってすっごく混むんだよ。その中から、好きな人のためにチョコレートを選ぶのって、すっごく大変なんだから……」
やけに実感がこもった言い方だが、誰かに渡すチョコレートを選んだりしたのだろうか。
だとしたら、誰に渡したのだろう。 最近は男でも友達にチョコレートを渡す生徒も増えているという。友チョコという文化もあるようだから、親友の荒井に渡したのだろうか。
ぼんやりとそんな事を考える赤川の前に、かわいいレトロ缶がデザインされたチョコレートが差し出される。
「そ、それと……これは、僕から赤川くんへ。い、いつも……お世話になっているから、お礼」
「えっ!? 僕に……いいのかい? 荒井くんとか、時田くんとかじゃなくて?」
「ほ、他の人にはあげてないよ! ……赤川くんが、いつも僕に好きだとか、可愛いとか、結婚しようとかいっぱいいってくれるでしょ。僕も……そんな赤川くんのことが好きだから。だから、今までいっぱい僕のことを好きだっていってくれたお礼だよ。べ、別に変な意味はないからね!」
袖山は顔を真っ赤にして、必死にそう訴える。
別に変な意味があってもいいし、むしろあってほしいくらいなのだが、今は素直に好きと伝えてくれたことを喜ぼう。
「袖山くん。一緒にゲームやっていかない。チョコ食べながら……」
「えっ、いいの?」
「うん、徹夜になるかもしれないけど。この部室、ちょっと寝る所もあるし、食べ物もある。今夜は二人で一緒にゲーム三昧しようか。きっと二人だと楽しいと思うよ」
赤川はそう言いながら、袖山の肩を抱き寄せる。
その隣で袖山は顔を真っ赤にしたまま、何度も小さく頷くのだった。
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