インターネット字書きマンの落書き帳
誰がつけたか知らない傷に嫉妬する(シンドー×アライ/BL)
春シティ用の同人誌の原稿をやっています。(挨拶)
すでに原稿の内容は出来ているんですけどね……。
文字数が、なんかとっても多いのでボチボチやっているんですが……な、なんとかなれー!
というワケで、今回はちょっと息抜きの気持ちで書きました。
平和な世界線で普通につきあってる新堂×荒井の話です。
双方、それなりに重い男って好きかい?
俺も~!
今回は、傷痕に嫉妬してしまうタイプの荒井の話します。
すでに原稿の内容は出来ているんですけどね……。
文字数が、なんかとっても多いのでボチボチやっているんですが……な、なんとかなれー!
というワケで、今回はちょっと息抜きの気持ちで書きました。
平和な世界線で普通につきあってる新堂×荒井の話です。
双方、それなりに重い男って好きかい?
俺も~!
今回は、傷痕に嫉妬してしまうタイプの荒井の話します。
『僕は傷痕に嫉妬する』
新堂の身体は、いつも生傷が絶えなかった。
それはボクシングの練習で激しいスパーリングをするのもそうだったが、彼自身が短気で喧嘩っぱやく、いらぬトラブルで暴力沙汰に巻き込まれるというのもあるのだろう。
シャワーを浴びたばかりで濡れた背中には、大きな擦り傷がある。
荒井がまだ濡れた背中の傷痕をそっと撫でると、新堂は少しくすぐったそうに笑った。
「何だ、傷が気になるのか?」
「あ……いえ。その……」
「昔は力任せの喧嘩ばっかりしてたからなぁ。思ったより傷が残っちまって……」
新堂のことだ。 背中の傷は逃げた時に負うものだからかっこ悪いと思っているのかもしれない。
荒井は背中にある傷のなかでも特に大きなものを指でなぞりながら、うっとりするような目を向けた。
「気にならない、といえば嘘になります。僕の知らない傷は、あなたの苦しみと痛みを知っている。そう思うだけで、嫉妬しますから」
「おいおい……マジかよ。おまえ、本当に怖ェ男だな」
「今さら気付いたんですか? 僕は嫉妬深くて、執念深くて、とても……重いですよ」
新堂は濡れた髪をタオルで乱雑に拭くと、荒井の方を向く。
そして、まだ濡れた指先で荒井の柔らかな頬に触れた。
「もう充分わかってるって。それに……俺も、お前の身体に知らない傷があったら、それをつけた奴を許せない、って思うからな」
頬から首筋へ、そして胸元へ指を滑らす。
そこには新堂がつけた引っ掻き傷や噛み傷が随分と残っていた。
新堂は荒井の身体に傷を残すのが好きだった。
それが嗜虐的な性格から来るものなのか、荒井を所有したいという独占欲から来るものなのかはわからなかったが、どちらでもいいし、どうでもいい。
ただ、新堂が自分の身体に傷をつけている間は新堂の心は荒井に向けられているという証明だと思うとそれだけで嬉しかったし、自分と同様、傷に嫉妬をするほど重く深い感情を抱かれているのも嬉しかった。
「そうですか……それなら、僕たちは似た者同士ですね」
「あぁ……似た者同士、これからもよろしくな」
二人の唇が、自然と重なる。
新堂の指先は、荒井につけたばかりの痣をなぞっていた。
新堂の身体は、いつも生傷が絶えなかった。
それはボクシングの練習で激しいスパーリングをするのもそうだったが、彼自身が短気で喧嘩っぱやく、いらぬトラブルで暴力沙汰に巻き込まれるというのもあるのだろう。
シャワーを浴びたばかりで濡れた背中には、大きな擦り傷がある。
荒井がまだ濡れた背中の傷痕をそっと撫でると、新堂は少しくすぐったそうに笑った。
「何だ、傷が気になるのか?」
「あ……いえ。その……」
「昔は力任せの喧嘩ばっかりしてたからなぁ。思ったより傷が残っちまって……」
新堂のことだ。 背中の傷は逃げた時に負うものだからかっこ悪いと思っているのかもしれない。
荒井は背中にある傷のなかでも特に大きなものを指でなぞりながら、うっとりするような目を向けた。
「気にならない、といえば嘘になります。僕の知らない傷は、あなたの苦しみと痛みを知っている。そう思うだけで、嫉妬しますから」
「おいおい……マジかよ。おまえ、本当に怖ェ男だな」
「今さら気付いたんですか? 僕は嫉妬深くて、執念深くて、とても……重いですよ」
新堂は濡れた髪をタオルで乱雑に拭くと、荒井の方を向く。
そして、まだ濡れた指先で荒井の柔らかな頬に触れた。
「もう充分わかってるって。それに……俺も、お前の身体に知らない傷があったら、それをつけた奴を許せない、って思うからな」
頬から首筋へ、そして胸元へ指を滑らす。
そこには新堂がつけた引っ掻き傷や噛み傷が随分と残っていた。
新堂は荒井の身体に傷を残すのが好きだった。
それが嗜虐的な性格から来るものなのか、荒井を所有したいという独占欲から来るものなのかはわからなかったが、どちらでもいいし、どうでもいい。
ただ、新堂が自分の身体に傷をつけている間は新堂の心は荒井に向けられているという証明だと思うとそれだけで嬉しかったし、自分と同様、傷に嫉妬をするほど重く深い感情を抱かれているのも嬉しかった。
「そうですか……それなら、僕たちは似た者同士ですね」
「あぁ……似た者同士、これからもよろしくな」
二人の唇が、自然と重なる。
新堂の指先は、荒井につけたばかりの痣をなぞっていた。
PR
COMMENT