インターネット字書きマンの落書き帳
ヤンデレ後輩に愛されて命の危ないBL(しんあら)
もうすぐアパシーの追加パッチ配信だってのにポケモンSVがぜ~んぜん終わってません!(挨拶)
終わってないなら何か書いてる場合じゃないだろって話なんですけどね。
マグロみたいに「書いてないと死ぬ」くらいの人間なので書きます。
マグロって止まったら死ぬって生き物なのに動かない人間の比喩に使われていて可愛そうですね、冷凍マグロか。
という訳で新堂先輩の事が好きで好きで気が狂いそうになっている限界荒井君の話を書きました。
あまりに好きすぎて感情の制御ができず暴挙に出てしまう荒井くんが見たい人向けコンテンツです。
大型パッチも控え新たな展開がありそうな予感ですがその予感をどんどん狂気で埋め尽くしていきましょう。
終わってないなら何か書いてる場合じゃないだろって話なんですけどね。
マグロみたいに「書いてないと死ぬ」くらいの人間なので書きます。
マグロって止まったら死ぬって生き物なのに動かない人間の比喩に使われていて可愛そうですね、冷凍マグロか。
という訳で新堂先輩の事が好きで好きで気が狂いそうになっている限界荒井君の話を書きました。
あまりに好きすぎて感情の制御ができず暴挙に出てしまう荒井くんが見たい人向けコンテンツです。
大型パッチも控え新たな展開がありそうな予感ですがその予感をどんどん狂気で埋め尽くしていきましょう。
『最適解。あるいは愛情という名の怪物』
僕は以前から色恋沙汰が人生の全てであるかのように語る人間を軽蔑していました。
だってそうでしょう?
愛だの恋だのは所詮いっときの感情にすぎず一生を左右するような材料になり得るはず無いというのに恋をしたら人生そのものが変わった蚊のように振る舞うなんて滑稽じゃないですか。
そもそも恋愛感情というのは脳の異常反応に過ぎないのです。
ある種の熱病のようなもので正常な判断が出来ない愚かな状態になっただであり思いが冷めてしまえば自分がただ冷静でいられなかっただけだと気付く、その程度のものなんですよ。
好きだから付き合って欲しい、愛しているのだから傍にいてほしいなんて愛の囁きは耳障りの良い美しい言葉に思えますが内実は相手を独占したいという事と大差ないものでしょう。
僕も他人から好意を向けられそのような告白を受けた事があります。
告白をしてくる相手というのはある程度自分に自信があるのでしょうか、断られることを考えてはいるもののそれを前提にしている人間は思ったより少ないんですよね。
告白を断れば非道く落ち込みます。それで引き下がってくれれば良い青春の一幕だとは思うのですが時にそして「どうして自分ではダメなのか」なんて下らない質問を投げかけて食い下がってくる人間も少なくはないのです。
どうしても何も、僕が嫌だから嫌だと言ったのに僕の気持ちを尊重せず自分が納得いく答えを僕に求めてくるなんてひどく幼稚だと思いませんか。
ひどい相手になると「恋人がいないのなら何故断るのか」なんて詰め寄ってきたりもするんですよ。まるで恋人がいないなら誰と付き合ってもいいだろうなんて勢いです。そんな価値観の押しつけをされても甚だ迷惑でしかないというのにそんなのお構いなしなんですよ。
誰か恋人がいるのか、恋人がいるなら教えてくれ、納得したら諦める。なんてこちらの内心にまで踏み入ろうとする不躾な人もいました。
そこには恋愛の美しさなんて一欠片もありません。
あるのはデパートで見かけて気に入った玩具を買ってもらえないと駄々をこねて泣く子供そのものですよ。
そんな子供のワガママだって「失恋した」と言えば聞こえが良く周りの友人などは慰めてくれたりするんですから笑ってしまいますよね。
「あなたの告白を断るなんて相手は見る目がない」
「恋人がいない癖に断るなんておかしい」
なんて、勝手に好きになっておいて断られたら手のひらを返したように辛辣な物言いをし散々と相手を詰って満足する光景、見た事あるんじゃないですか。
僕はそういった人間が本当に嫌いでした。
上質な恋愛映画では他人を尊重しつつ価値観の齟齬や立場によりすれ違う心の美しさなど描かれておりそれを見るのは芳醇な香りをもつコニャックを楽しむよう甘やかな酔いをもたらすものですが、現実はそうではありません。
ましてや僕らは未成熟な学生ですからね。
人生経験などさして無い中で狭い価値観に束縛され感情を制御することさえままならぬ判断力の乏しい子供なのですから他人を慮って行動することそのものが難しいのでしょう。
映画のように美しく絵画のように記憶を揺さぶるような恋愛など出来るはずもないのです。
そもそも僕らは学生です、親に学費を支払ってもらっている立場なのですから学業に集中するのがスジじゃないですか。それをおろそかにしてまで他人の目を気にしするなんてどうかしてますよ。
ですが僕は気付いてしまったんです。
いえ、実のところを言うと以前から薄々そうではないかと思っていたのですが、最近になって漠然と抱いていた思いが形となりより深い理解に至ったというべきでしょうか。
僕がその手の人間を蛇蝎の如く嫌っているのは他でもない、僕自身がそのような性分だから。
えぇ、そうなんです。
僕は僕自身が内に秘めた恋に恋して盲目になる性分が本当に嫌だったんですよ。
最初は僕だって誰かを好きになる等とは思ってもいませんでした。
自分は人を好きになれるような性分ではないと心のどこかで思っていたのです。
ですが、先ほども話した通り愛だの恋だのといった感情は熱病のようなものですからね。
いくら予防しても風邪をひいてしまうようにどんなに忌避していても誰かに思いを寄せてしまう自分がいる。
どれだけ認めたくなくとも、熱に浮かされるような醜い姿をさらしてしまうのです。
もうわかりますよね、新堂さん。
僕は貴方の事が好きなんです。愛してます、誰にも渡したくはない。
貴方が誰かに笑顔を向けていると思うと例えそれが単なる友情の延長でしかないと知っても嫉妬で狂いそうになる。
休日にバイクでどこかに出かけたと聞くとそれがただのツーリングであっても一緒に過ごしていた相手と何をしていたのか気になって仕方がなくなる。
貴方の隣を歩いて普通に会話をすることが出来る人間全てを妬みで殺してしまいそうになる程なんです。
貴方はよく福沢さんと連れ立って買い物などに行きますよね?
あなたは福沢さんを異性として意識してないでしょうけど、福沢さんは違いますよ。僕も福沢さんと同じ気持ちだからわかるんです。
彼女は貴方の事が好きですよ。少なからず好意を寄せて貴方と接してます。
そもそも好意を抱いてない相手と一緒に休日を過ごそうなんて普通は思いませんからね。 貴方を誘うのは一緒にいて心地よい相手だからなんですよ。
貴方は鈍感な人ですからそんな事にも気付かないんでしょうけれども。
だから福沢さんと貴方が良く話をしているのを見ると気が気ではありませんでした。
貴方が福沢さんからの好意になんて気付いてない事は一目瞭然でしたけど福沢さんは解りません。
見る限りでは貴方に向ける好意が友人に向けるものなのかそれとも恋に至るものなのか自分でも推し量りかねているようでしたが、もしその気持ちを恋だと認めれば何ら遠慮することなく貴方へ好意を伝えていたでしょうね。
どうです? 福沢さんから好きだと言われたら貴方はその愛を受け入れますか?
貴方の事ですからきっと受け入れるのでしょうね。
これまで色恋沙汰には無縁に生きてきた貴方ですから不意に転がり込んできた告白に浮かれて喜び深く考えずきっとOKをする姿が見てきたように思い描けるというものですよ。
高校生の恋愛なんて恋に恋する恋愛ごっこみたいなものですからそれでもきっと充分なほど楽しい時を過ごすでしょう。
デートだってしますよね。貴方は彼女をどこにつれていきますか?
遊園地にでも行きますか? それとも動物園ですか? 水族館ですか?
この街でしたら映画館が定番でしょうね、毎月のように新しい映画が上映されますから二人で陳腐な恋愛映画でも見にいって感動したとでも言うんですかね。
今まではただの付き添いだった買い物も二人で過ごす楽しい時間に変貌することでしょう。
そして、周囲にそれが知られても何ら気にする事はない。 堂々と二人の濃密な時間を人目も憚らず楽しむ事が出来るのです。
福沢さんは可愛い人です。
恋をすればきっともっと綺麗になるでしょう。
そんな恋人が傍にいれば自慢こそすれ隠す必用なんてないですから、暫くすれば周りの人も祝福するような仲にだってなっているかもしれない。
そんなこと、許せる訳ないじゃないですか。
僕は彼女よりもずっと前から貴方の事が好きだったんですよ。
貴方にとって僕なんて幾人もいる後輩の一人に過ぎないんでしょうけれども、僕にとって貴方はずっと特別な一人だった。
だけどこんな思いを貴方に告げられる訳がないじゃないですか。
貴方は僕がどれだけの愛を囁いても気味の悪い生き物を見るような目を向けて「正気になれ」とか「医者に診てもらえ」なんて言うんでしょう?
わかってますよ、貴方の反応なんて。それくらい貴方の事をずっと見ていましたから。
色恋沙汰なんていっときの熱病、脳の錯覚だ。
時が来れば冷めるだろう。
そう思ってただ気持ちの昂ぶりを抑えようとしていたんですが、体育の時間に上級生がグラウンドを使っていると思うと貴方を探してしまうんです。
誰かから用事を頼まれて三年の教室が並ぶ廊下へ立ち入ればどこかで貴方がいるんじゃないかと考えてしまうんですよ。
あなたの姿を見つけた日は幸福を感じ、あなたがいないと寂しい気持ちが抑えきれないほどになるんです。
身勝手でしょう?
貴方と話した事なんてほとんど無いというのに僕は貴方の姿を追い、貴方を遠くから見つめ、貴方の話す言葉を聞いて勝手に貴方の姿を作り出しそれに憧れを募らせていたんです。
それでも自分の内だけで完結させているのならそれでいいだろうと思っていました。
誰にも迷惑をかける事もないですし、ただ憧れているだけなら貴方に嫌われる事もない。
実際、思いを伝えたら貴方は拒むでしょう?
良く知りもしない下級生の、しかも男の僕から告白されても受け入れろという方が無理です。
僕だってもし同じ境遇で何ら知りもしない相手から告白されればそれが異性だろうと同性だろうと受け入れたりはしませんから。
だから僕は遠くから見つめているだけにしてました。
好きになってもらえなくてもいい、貴方に存在を知られていないなら尚更いい、あなたが僕に対して無関心であれば僕のことを好きにも嫌いにもならないまま貴方はいずれ卒業していく。
僕の恋心だって貴方が卒業してしまえば流石に消えていくだろう、その時までただ待てばいい。
まったく冷める事のない気持ちを持て余しながら僕はどこか楽観的にこの思いと向き合っていたんですよ。
貴方を探す時の胸の高鳴りやくすぐったいような気持ちは嫌いでもありませんでしたからね。
ですが、貴方は僕を知ってしまった。
あの集会で顔を合わせ、それをきっかけに僕と連絡先も交換した。そして貴方はどうしてか僕にも頻繁に連絡をくれるじゃないですか。
貴方にとって挨拶程度の言葉でも僕は貴方から何か聞かれるのが嬉しかった。
通学路で貴方は僕を見つけると挨拶をしてくれるし、僕も貴方を見ると挨拶をする。
以前は遠くで見ていれば良かった貴方が急に傍に来たんです。僕からするとテレビ画面の前で憧れるだけだったアイドルやタレントが同じクラスに転校してきたような衝撃ですよ。
それだというのに貴方は僕の気など知らないで肩や背中に触れるんです。挨拶のあと「元気か」なんて声もかけてくれる。社交辞令だと解っていてもそれが嬉しくて、特別に思えてしまうのです。
以前は無関心でもよかったのに、嫌いにならないで欲しいと願うようになっていました。
貴方が僕のことを嫌っていないのだと思うと、今度は好きになって欲しいと望むようになりはじめていたんです。
人間の欲望というのは醜いですよね、それまで得られなかったものが手に入りそうになるととたんにより多くを求めようとしてしまうんですよ。
気付いた時、僕は貴方からの愛が欲しくなっていました。
それを告げてしまえば嫌われるだろうと、二度と笑顔で話しかけてくる事なんてないだろうとわかっていても貴方の恋人になりたいなんて欲深い事を願うようになっていたんです。
あぁ、それでももし福沢さんと貴方があれほど親しくしていなければ僕は我慢できていたかもしれません。
貴方は自分でも色恋沙汰に縁が無いと思っていますし実際その通りだったと思いますよ。
ボクシング部には女性のマネージャーはいませんし顧問も部員も全員男性です。同級生も後輩も皆貴方を怖れてこそすれ恋心なんて抱いている様子はありませんでしたから、火のない所に煙は立たない、というのは比喩として適切では無いでしょうが出会いがなければ運命が動く事もありませんからね。
だから僕はどこか安心していた、あるいは油断をしていたんです。
少なくともこの鳴神学園に通っている間は貴方が誰かに恋をして愛しい人へ向ける眼差しや笑顔を見る事なんてないだろうと、そう思っていたんですよ。
そういう事が無いのなら僕はこの思いを抱えたまま耐える事が出来ていたでしょうから。
でも、そうじゃなくなってしまった。
福沢さんが貴方への恋心に気付いたのなら僕の思いは終わってしまう。
それで思いが断ち切れれば良いのでしょうが、自分の性分はよくわかってますからね。
もし貴方が福沢さんと付き合うようになったとしても、僕はきっと貴方を目で追うのをやめないでしょう。
そして貴方が福沢さんに特別の笑顔を向ける姿を見て嫉妬で狂いそうになるんです。
そんな事になるくらいなら、もう「好かれなくてもいい、嫌いにさえならなければ」なんて甘い思いに酔いしれている場合なんかじゃない。
いま、貴方を得なければきっと僕は後悔する。
貴方が僕を見てくれないなら、無理矢理にでも僕の方へ双眸を向ければいい。
それで嫌われるなら別にいいんです、好きの反対は嫌いじゃない無関心だとは良く言ったものですよね。今の僕はたとえ憎悪であっても貴方の心に僕があるのなら僕なんて眼中にない時よりずっといいと思えているんですから。
痛いですか、新堂さん。
本当に申し訳ありません、もう少し優しくするつもりでしたが貴方は僕が思っていたよりずっと強い人でした。
あまりに激しく抵抗するものだからこちらも手加減できなかったんです。
ですけどやはり凄いですね、相当量の薬を入れたのにあんなに早く覚醒し確かな殺意をもって僕の喉笛を噛みちぎろうとするんですから貴方の闘争心はきっと生まれついてのものだ。
あれだけ強い殺意に当てられた瞬間、恥ずかしながら僕は勃起していましたよ。
貴方に殺されるかもしれない、そう思った時は歓喜で気が狂いそうになったほどです。
新堂さん、僕はあなたの全てが愛おしい。
その顔も身体も声も、悪意と殺意が入り交じった目もなにもかも、あなたの全てを飲み込んで受け入れたいと思っています。
だからこれからはずっと、貴方を僕がここでお世話しますよ。
腕も足も動かないですよね?
心配しないでください、これからは僕が貴方の手足となって貴方のために何でもします。
新堂さんまだ童貞ですよね?
知ってますよ貴方の交友は全て把握してますし過去の事も全部調べてありますから。恥ずかしい事じゃないです、むしろ僕は貴方がまだ誰にも汚されていなくて嬉しいですよ。貴方の童貞も僕がもらってあげますから安心してくださいね。
キスもまだしたことありませんか?
それなら僕と初めてのキスを交わしましょう。僕は貴方のためなら何だって出来ますし、何だってしてあげられますから。
わかってます、自分の愛情が歪であり独り善がりだということは。
貴方を手に入れたいという気持ちが自分が一番忌み嫌っていた子供の駄々と変わりないということも。
それでもこんな風にしかもう、貴方は手に入らない。
だから僕はもう、こうするしかなかったんです。
これが僕の出した最適解だったんですよ。
どうですか、僕の愛は狂っていると思いますか?
こんなもの愛ではなく醜くそして歪で自己中心的な振る舞いにしか見えませんか?
実際愛なんてそんなものなんですよ。
美しく飾り立て語るものが多いのは内に秘めた本性がおぞましいほど醜いから。
愛とか恋と呼ばれる感情の正体はつまるところ強いエゴと欲望で歪でおぞましい異物なのです。
そう、今の僕のように。
恐ろしいですか、僕が。それとも醜いでしょうか。人間より妖怪や怪異に近い存在にでも見えますか。
そんなことどうでもいいし、今となってはどう思ってくれてもかまいません。
貴方が手に入ったいま、誰にどう思われたってかまわない。
新堂さん、愛しい人。
やっと僕の手に入った、僕だけの愛しいあなた。
これから貴方のために僕は何だってしますから、どうか僕のそばから離れないでください。
貴方の全てを奪った贖いを、僕はこの生涯を賭してしてみせますから。
僕は以前から色恋沙汰が人生の全てであるかのように語る人間を軽蔑していました。
だってそうでしょう?
愛だの恋だのは所詮いっときの感情にすぎず一生を左右するような材料になり得るはず無いというのに恋をしたら人生そのものが変わった蚊のように振る舞うなんて滑稽じゃないですか。
そもそも恋愛感情というのは脳の異常反応に過ぎないのです。
ある種の熱病のようなもので正常な判断が出来ない愚かな状態になっただであり思いが冷めてしまえば自分がただ冷静でいられなかっただけだと気付く、その程度のものなんですよ。
好きだから付き合って欲しい、愛しているのだから傍にいてほしいなんて愛の囁きは耳障りの良い美しい言葉に思えますが内実は相手を独占したいという事と大差ないものでしょう。
僕も他人から好意を向けられそのような告白を受けた事があります。
告白をしてくる相手というのはある程度自分に自信があるのでしょうか、断られることを考えてはいるもののそれを前提にしている人間は思ったより少ないんですよね。
告白を断れば非道く落ち込みます。それで引き下がってくれれば良い青春の一幕だとは思うのですが時にそして「どうして自分ではダメなのか」なんて下らない質問を投げかけて食い下がってくる人間も少なくはないのです。
どうしても何も、僕が嫌だから嫌だと言ったのに僕の気持ちを尊重せず自分が納得いく答えを僕に求めてくるなんてひどく幼稚だと思いませんか。
ひどい相手になると「恋人がいないのなら何故断るのか」なんて詰め寄ってきたりもするんですよ。まるで恋人がいないなら誰と付き合ってもいいだろうなんて勢いです。そんな価値観の押しつけをされても甚だ迷惑でしかないというのにそんなのお構いなしなんですよ。
誰か恋人がいるのか、恋人がいるなら教えてくれ、納得したら諦める。なんてこちらの内心にまで踏み入ろうとする不躾な人もいました。
そこには恋愛の美しさなんて一欠片もありません。
あるのはデパートで見かけて気に入った玩具を買ってもらえないと駄々をこねて泣く子供そのものですよ。
そんな子供のワガママだって「失恋した」と言えば聞こえが良く周りの友人などは慰めてくれたりするんですから笑ってしまいますよね。
「あなたの告白を断るなんて相手は見る目がない」
「恋人がいない癖に断るなんておかしい」
なんて、勝手に好きになっておいて断られたら手のひらを返したように辛辣な物言いをし散々と相手を詰って満足する光景、見た事あるんじゃないですか。
僕はそういった人間が本当に嫌いでした。
上質な恋愛映画では他人を尊重しつつ価値観の齟齬や立場によりすれ違う心の美しさなど描かれておりそれを見るのは芳醇な香りをもつコニャックを楽しむよう甘やかな酔いをもたらすものですが、現実はそうではありません。
ましてや僕らは未成熟な学生ですからね。
人生経験などさして無い中で狭い価値観に束縛され感情を制御することさえままならぬ判断力の乏しい子供なのですから他人を慮って行動することそのものが難しいのでしょう。
映画のように美しく絵画のように記憶を揺さぶるような恋愛など出来るはずもないのです。
そもそも僕らは学生です、親に学費を支払ってもらっている立場なのですから学業に集中するのがスジじゃないですか。それをおろそかにしてまで他人の目を気にしするなんてどうかしてますよ。
ですが僕は気付いてしまったんです。
いえ、実のところを言うと以前から薄々そうではないかと思っていたのですが、最近になって漠然と抱いていた思いが形となりより深い理解に至ったというべきでしょうか。
僕がその手の人間を蛇蝎の如く嫌っているのは他でもない、僕自身がそのような性分だから。
えぇ、そうなんです。
僕は僕自身が内に秘めた恋に恋して盲目になる性分が本当に嫌だったんですよ。
最初は僕だって誰かを好きになる等とは思ってもいませんでした。
自分は人を好きになれるような性分ではないと心のどこかで思っていたのです。
ですが、先ほども話した通り愛だの恋だのといった感情は熱病のようなものですからね。
いくら予防しても風邪をひいてしまうようにどんなに忌避していても誰かに思いを寄せてしまう自分がいる。
どれだけ認めたくなくとも、熱に浮かされるような醜い姿をさらしてしまうのです。
もうわかりますよね、新堂さん。
僕は貴方の事が好きなんです。愛してます、誰にも渡したくはない。
貴方が誰かに笑顔を向けていると思うと例えそれが単なる友情の延長でしかないと知っても嫉妬で狂いそうになる。
休日にバイクでどこかに出かけたと聞くとそれがただのツーリングであっても一緒に過ごしていた相手と何をしていたのか気になって仕方がなくなる。
貴方の隣を歩いて普通に会話をすることが出来る人間全てを妬みで殺してしまいそうになる程なんです。
貴方はよく福沢さんと連れ立って買い物などに行きますよね?
あなたは福沢さんを異性として意識してないでしょうけど、福沢さんは違いますよ。僕も福沢さんと同じ気持ちだからわかるんです。
彼女は貴方の事が好きですよ。少なからず好意を寄せて貴方と接してます。
そもそも好意を抱いてない相手と一緒に休日を過ごそうなんて普通は思いませんからね。 貴方を誘うのは一緒にいて心地よい相手だからなんですよ。
貴方は鈍感な人ですからそんな事にも気付かないんでしょうけれども。
だから福沢さんと貴方が良く話をしているのを見ると気が気ではありませんでした。
貴方が福沢さんからの好意になんて気付いてない事は一目瞭然でしたけど福沢さんは解りません。
見る限りでは貴方に向ける好意が友人に向けるものなのかそれとも恋に至るものなのか自分でも推し量りかねているようでしたが、もしその気持ちを恋だと認めれば何ら遠慮することなく貴方へ好意を伝えていたでしょうね。
どうです? 福沢さんから好きだと言われたら貴方はその愛を受け入れますか?
貴方の事ですからきっと受け入れるのでしょうね。
これまで色恋沙汰には無縁に生きてきた貴方ですから不意に転がり込んできた告白に浮かれて喜び深く考えずきっとOKをする姿が見てきたように思い描けるというものですよ。
高校生の恋愛なんて恋に恋する恋愛ごっこみたいなものですからそれでもきっと充分なほど楽しい時を過ごすでしょう。
デートだってしますよね。貴方は彼女をどこにつれていきますか?
遊園地にでも行きますか? それとも動物園ですか? 水族館ですか?
この街でしたら映画館が定番でしょうね、毎月のように新しい映画が上映されますから二人で陳腐な恋愛映画でも見にいって感動したとでも言うんですかね。
今まではただの付き添いだった買い物も二人で過ごす楽しい時間に変貌することでしょう。
そして、周囲にそれが知られても何ら気にする事はない。 堂々と二人の濃密な時間を人目も憚らず楽しむ事が出来るのです。
福沢さんは可愛い人です。
恋をすればきっともっと綺麗になるでしょう。
そんな恋人が傍にいれば自慢こそすれ隠す必用なんてないですから、暫くすれば周りの人も祝福するような仲にだってなっているかもしれない。
そんなこと、許せる訳ないじゃないですか。
僕は彼女よりもずっと前から貴方の事が好きだったんですよ。
貴方にとって僕なんて幾人もいる後輩の一人に過ぎないんでしょうけれども、僕にとって貴方はずっと特別な一人だった。
だけどこんな思いを貴方に告げられる訳がないじゃないですか。
貴方は僕がどれだけの愛を囁いても気味の悪い生き物を見るような目を向けて「正気になれ」とか「医者に診てもらえ」なんて言うんでしょう?
わかってますよ、貴方の反応なんて。それくらい貴方の事をずっと見ていましたから。
色恋沙汰なんていっときの熱病、脳の錯覚だ。
時が来れば冷めるだろう。
そう思ってただ気持ちの昂ぶりを抑えようとしていたんですが、体育の時間に上級生がグラウンドを使っていると思うと貴方を探してしまうんです。
誰かから用事を頼まれて三年の教室が並ぶ廊下へ立ち入ればどこかで貴方がいるんじゃないかと考えてしまうんですよ。
あなたの姿を見つけた日は幸福を感じ、あなたがいないと寂しい気持ちが抑えきれないほどになるんです。
身勝手でしょう?
貴方と話した事なんてほとんど無いというのに僕は貴方の姿を追い、貴方を遠くから見つめ、貴方の話す言葉を聞いて勝手に貴方の姿を作り出しそれに憧れを募らせていたんです。
それでも自分の内だけで完結させているのならそれでいいだろうと思っていました。
誰にも迷惑をかける事もないですし、ただ憧れているだけなら貴方に嫌われる事もない。
実際、思いを伝えたら貴方は拒むでしょう?
良く知りもしない下級生の、しかも男の僕から告白されても受け入れろという方が無理です。
僕だってもし同じ境遇で何ら知りもしない相手から告白されればそれが異性だろうと同性だろうと受け入れたりはしませんから。
だから僕は遠くから見つめているだけにしてました。
好きになってもらえなくてもいい、貴方に存在を知られていないなら尚更いい、あなたが僕に対して無関心であれば僕のことを好きにも嫌いにもならないまま貴方はいずれ卒業していく。
僕の恋心だって貴方が卒業してしまえば流石に消えていくだろう、その時までただ待てばいい。
まったく冷める事のない気持ちを持て余しながら僕はどこか楽観的にこの思いと向き合っていたんですよ。
貴方を探す時の胸の高鳴りやくすぐったいような気持ちは嫌いでもありませんでしたからね。
ですが、貴方は僕を知ってしまった。
あの集会で顔を合わせ、それをきっかけに僕と連絡先も交換した。そして貴方はどうしてか僕にも頻繁に連絡をくれるじゃないですか。
貴方にとって挨拶程度の言葉でも僕は貴方から何か聞かれるのが嬉しかった。
通学路で貴方は僕を見つけると挨拶をしてくれるし、僕も貴方を見ると挨拶をする。
以前は遠くで見ていれば良かった貴方が急に傍に来たんです。僕からするとテレビ画面の前で憧れるだけだったアイドルやタレントが同じクラスに転校してきたような衝撃ですよ。
それだというのに貴方は僕の気など知らないで肩や背中に触れるんです。挨拶のあと「元気か」なんて声もかけてくれる。社交辞令だと解っていてもそれが嬉しくて、特別に思えてしまうのです。
以前は無関心でもよかったのに、嫌いにならないで欲しいと願うようになっていました。
貴方が僕のことを嫌っていないのだと思うと、今度は好きになって欲しいと望むようになりはじめていたんです。
人間の欲望というのは醜いですよね、それまで得られなかったものが手に入りそうになるととたんにより多くを求めようとしてしまうんですよ。
気付いた時、僕は貴方からの愛が欲しくなっていました。
それを告げてしまえば嫌われるだろうと、二度と笑顔で話しかけてくる事なんてないだろうとわかっていても貴方の恋人になりたいなんて欲深い事を願うようになっていたんです。
あぁ、それでももし福沢さんと貴方があれほど親しくしていなければ僕は我慢できていたかもしれません。
貴方は自分でも色恋沙汰に縁が無いと思っていますし実際その通りだったと思いますよ。
ボクシング部には女性のマネージャーはいませんし顧問も部員も全員男性です。同級生も後輩も皆貴方を怖れてこそすれ恋心なんて抱いている様子はありませんでしたから、火のない所に煙は立たない、というのは比喩として適切では無いでしょうが出会いがなければ運命が動く事もありませんからね。
だから僕はどこか安心していた、あるいは油断をしていたんです。
少なくともこの鳴神学園に通っている間は貴方が誰かに恋をして愛しい人へ向ける眼差しや笑顔を見る事なんてないだろうと、そう思っていたんですよ。
そういう事が無いのなら僕はこの思いを抱えたまま耐える事が出来ていたでしょうから。
でも、そうじゃなくなってしまった。
福沢さんが貴方への恋心に気付いたのなら僕の思いは終わってしまう。
それで思いが断ち切れれば良いのでしょうが、自分の性分はよくわかってますからね。
もし貴方が福沢さんと付き合うようになったとしても、僕はきっと貴方を目で追うのをやめないでしょう。
そして貴方が福沢さんに特別の笑顔を向ける姿を見て嫉妬で狂いそうになるんです。
そんな事になるくらいなら、もう「好かれなくてもいい、嫌いにさえならなければ」なんて甘い思いに酔いしれている場合なんかじゃない。
いま、貴方を得なければきっと僕は後悔する。
貴方が僕を見てくれないなら、無理矢理にでも僕の方へ双眸を向ければいい。
それで嫌われるなら別にいいんです、好きの反対は嫌いじゃない無関心だとは良く言ったものですよね。今の僕はたとえ憎悪であっても貴方の心に僕があるのなら僕なんて眼中にない時よりずっといいと思えているんですから。
痛いですか、新堂さん。
本当に申し訳ありません、もう少し優しくするつもりでしたが貴方は僕が思っていたよりずっと強い人でした。
あまりに激しく抵抗するものだからこちらも手加減できなかったんです。
ですけどやはり凄いですね、相当量の薬を入れたのにあんなに早く覚醒し確かな殺意をもって僕の喉笛を噛みちぎろうとするんですから貴方の闘争心はきっと生まれついてのものだ。
あれだけ強い殺意に当てられた瞬間、恥ずかしながら僕は勃起していましたよ。
貴方に殺されるかもしれない、そう思った時は歓喜で気が狂いそうになったほどです。
新堂さん、僕はあなたの全てが愛おしい。
その顔も身体も声も、悪意と殺意が入り交じった目もなにもかも、あなたの全てを飲み込んで受け入れたいと思っています。
だからこれからはずっと、貴方を僕がここでお世話しますよ。
腕も足も動かないですよね?
心配しないでください、これからは僕が貴方の手足となって貴方のために何でもします。
新堂さんまだ童貞ですよね?
知ってますよ貴方の交友は全て把握してますし過去の事も全部調べてありますから。恥ずかしい事じゃないです、むしろ僕は貴方がまだ誰にも汚されていなくて嬉しいですよ。貴方の童貞も僕がもらってあげますから安心してくださいね。
キスもまだしたことありませんか?
それなら僕と初めてのキスを交わしましょう。僕は貴方のためなら何だって出来ますし、何だってしてあげられますから。
わかってます、自分の愛情が歪であり独り善がりだということは。
貴方を手に入れたいという気持ちが自分が一番忌み嫌っていた子供の駄々と変わりないということも。
それでもこんな風にしかもう、貴方は手に入らない。
だから僕はもう、こうするしかなかったんです。
これが僕の出した最適解だったんですよ。
どうですか、僕の愛は狂っていると思いますか?
こんなもの愛ではなく醜くそして歪で自己中心的な振る舞いにしか見えませんか?
実際愛なんてそんなものなんですよ。
美しく飾り立て語るものが多いのは内に秘めた本性がおぞましいほど醜いから。
愛とか恋と呼ばれる感情の正体はつまるところ強いエゴと欲望で歪でおぞましい異物なのです。
そう、今の僕のように。
恐ろしいですか、僕が。それとも醜いでしょうか。人間より妖怪や怪異に近い存在にでも見えますか。
そんなことどうでもいいし、今となってはどう思ってくれてもかまいません。
貴方が手に入ったいま、誰にどう思われたってかまわない。
新堂さん、愛しい人。
やっと僕の手に入った、僕だけの愛しいあなた。
これから貴方のために僕は何だってしますから、どうか僕のそばから離れないでください。
貴方の全てを奪った贖いを、僕はこの生涯を賭してしてみせますから。
PR
COMMENT