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インターネット字書きマンの落書き帳

   
責任をとらせて欲しい!(アルヤマ・BL)
アルフレートくんとヤマムラさんの話をします!

ブラッドボーンは故郷なので定期的にしますし、以前書いたのではこのネタというのも好きだから何度も書いているのでバグではなく仕様です。
俺ディナーショーに来たら必ず歌われるサビとかそういうのだと思って頂ければ幸いです。

今回の話は、普段獣狩りをしないアルフレートくんが獣狩りをしたら血の昂揚がとまらず、偶然に出会ったヤマムラをそのままの勢いで貪るように抱いてしまうような話ですよ。

ヤマアルでやるかアルヤマでやるか……。
ネタを思いついた時は少し迷ったんですが、「抱かれた方が『責任をとらせてくれ!』と迫る方が面白いよな」と思ったのでアルヤマの話にしました。

僕の煩悩のせいで喰われたクセに「責任をとらせてくれ」というヤマムラさんをお楽しみください。



『何がいちばん貴方のためか』

 正気に戻ったアルフレートが最初に抱いたのは「失敗した」という強い後悔の念であった。
 目の前にはぐったりと動かないヤマムラが静かに目を閉じている。近づけば呼吸にあわせ胸が上下するので殺してはいないようだがそれでも随分負担をかけたのは間違いない。常人なら動けなくなるのが普通なのだ。そう思いながらアルフレートは昨晩自分が彼にした事を思い出し赤面していた。
 長身だが痩躯といっても良いヤマムラの身体を昨夜のアルフレートは無理矢理に押さえつけ貪るように楽しんだ。それはアルフレートが久しぶりに獣の血を浴び己の内にある衝動を制御できなかったのが主たる理由だがヤマムラの身体を一度試してみたいと心のどこかで思っていたのもそのような衝動を呼び覚ます一因と言えただろう。

 血族狩りを名乗るようになってからアルフレートは率先して獣狩りをする事はなくなっており行動範囲も専ら血族が潜みそうな廃屋や捨て置かれた教会といったヤーナム市街の活動が圧倒的に増えていた。それ故に突然獣に襲われるといったアクシデントはほとんど経験してこなかったのだが、その偶然が昨晩あった。調査を終えて帰路につこうとしたアルフレートの眼前に巨躯の獣が現れたのだ。
 いったいどれだけ隠れ潜んでいたのか巨大な獣を前に石鎚をかまえ果敢に打ち据えているうち血が滾りまるで酩酊したかのように世界が歪む感覚へと陥った。すでに獣は絶命し身じろぎ一つしなくなったというのにそれでも石槌を打ち下ろしたのは昂揚が収まらなかったからだ。肉を裂き骨を砕いて絨毯になるほど引き延ばしてやってもまだ衝動は留まることないまま一人で夜の街をさまよっていたのは獣狩りを終えた昂揚を少しでも静めるためだった。
 獣の血肉を蹂躙していく残虐な興奮も冷たい夜風にあたれば幾分か冷めてくれるだろうと期待して宵闇の中をさまよっていたのだが。

「アルフレートかい、一人でどこに行くんだ」

 話しかけてきたのはヤマムラだった。
 人の良さそうな顔をした異邦の狩人とは知らない仲ではないが互い肌を重ねるような関係でもなく、お互い良き隣人として深入りせずかといって離れすぎぬよい距離感を保っていた相手だったろう。
 平時であれば挨拶をし軽く雑談を交わして去るくらいで済ませていただろう。だが生憎とその時のアルフレートは平時と程遠い状態であり突き上げるような衝動をおさえきれない程理性が蝕まれていたのだ。以前からヤマムラの身体を見て「美味しそうだ」と思う気持ちを少なからず抱いていたのだから尚更である。
 気付いた時には力任せに押し倒し貪るように抱いていた。
 ヤマムラが存外と抵抗しなかったのはあまりに激しく抵抗すればアルフレートのことを傷つけてしまうという優しさかららだろうか。 おかげで心置きなくその身体を楽しむ事が出来た訳だがその快楽は冷静さを取り戻したアルフレートにとって深い後悔へと変わっていた。

 アルフレートは自分を決して善人だと思ってはいなかった。ヤーナムで生きるため悪と呼ばれる行為にも手を染めてきたし人に語るのも憚られるような真似もしてきた汚い人間だ。 だからこそ今は清らかに生きたいと思い、処刑隊の装束に身を包んでいる時は師の教えに則って行動するよう心がけていた。ヤマムラに対しても師の教えに従い自らを律して接してきたしヤマムラもまた自分を尊重し大切な隣人として接してくれていた心地よい距離感を壊したくないと思っていたのだが、その苦労も一時の狂気を自制できなかったばかり台無しである。
 ヤマムラも狩人ならば血に飲まれる昂揚や酩酊したような心地よさを知ってはいるだろうが流石にそれを言い訳に全てを無かったように振る舞うのは無理だ。

「すいませんでした、ヤマムラさん。私としたことが獣狩りの熱狂に飲まれ取り返しのつかないことを貴方にしてしまったようです」

 ヤマムラの手をとり跪いて頭を下げながらアルフレートは努めて冷静に振る舞う。内心は自分でも動揺してはいたし後悔の念に苛まれ消え入りそうな気持ちだったが自分がここで逃げ出せばますますヤマムラを傷つけてしまうと思ったからだ。
 ヤマムラはゆっくりと目を開けてアルフレートを見つめる。視線はどこか虚ろであり意識が定まっていないように見えたのは今まで良き友であったアルフレートが突然獣のように襲いかかり散々と身体を弄んだ衝撃があまりに大きかったからに違いない。
 今の彼に何をしていいのかすぐには思いつかなかったが、今後はこの街で見かけてもこちらから話しかけないようにしたほうが懸命だろう。

「許してくれとは言いません。もう二度と、私から貴方に近づいたりもしませんから……」

 アルフレートが最後まで告げるより先にヤマムラの目に光が戻ると彼は徐に起き上がりアルフレートの手を握り悲しそうに表情を歪めるのだった。

「そ、そんな事を言わないでくれアルフレート。こんな風にされて離れるとかあまりにも無責任じゃぁないか」

 確かにその通りだ。このまま自分から会わないと突き放してしまうのはヤマムラから逃げるのと大差ない。かといって今のヤマムラにどう接するのが正しいのかアルフレートにはわからなかった。贖罪をしろと言わればしたいという気持ちはあるがもし「死んでくれ」とでも言われたら償いようがない。清い輝きへと向かうため自分には命を賭したい使命がありそれを成し遂げるまでは誰かを殺しても死ねないのだから。
 はたしてヤマムラは自分に何を望んでいるのだろうか。思案するアルフレートを前にヤマムラはやや緊張した面持ちを向けた。

「こんな事になってしまったのは俺としても意外ではあったし驚いてもいる、けれども……キミをこんな風にしてしまった責任を、どうか俺にとらせてくれないか」

 改まった口調でされた提案は、アルフレートにとって完全に予想外のものであった。 そもそも獣の昂揚に飲まれヤマムラの身体を貪るよう弄んだのはアルフレートの方だ。責任云々があるのはコチラだと思うのだが、組み伏せられ無理矢理に抱かれた方からそんな事を言われるとは思ってもいなかった。

「ちょっとまってくださいヤマムラさん、あのっ、貴方に無理強いをしてしまったのは私ですよね」
「そうだが、獣の血に飲まれていたんだろう? あの時の冷静じゃない状態は俺も良く知っているし、それに気付いてもキミから離れなかったのは俺の落ち度でもあるからね」
「たとそうだとしても、貴方にひどい事をしてしまったのは私ですよ。それだっていうのにそんな事を言い出すなんてヤマムラさん。あなたの考えが私にはわかりませんよ」

 昨日のことはとても褒められるような行為ではなかったし、冷静ではなかった自覚もある。平常時と違ってより非道く激しい振る舞いでヤマムラを伏せ無理矢理に穿った感覚は身体に残って心地よくもし彼の身体をこれからも抱けるというのならやぶさかでもない気持ちだがそんなのあまりに都合が良すぎるというものだ。
 困惑し素直な気持ちを伝えればヤマムラはやや頬を赤らめて俯いた。

「だから、俺は。その、何というんだろうなぁ。き、キミが俺以外の誰かにあのような真似をするのだと思うと嫉妬で狂いそうになるから、もしキミが昂ぶって落ち着かないというのであれば俺のところに来て欲しい。と、キミに抱かれている時、そう思っていたんだ」

 俯いたうなじから耳元まで真っ赤になっているように見える。恥じらいはあるのだろうがそれにしたって随分と大胆なことを言っているだろう。しかしもしもヤマムラが望んで抱かれたというのなら無理矢理に伏せた時も思ったより抵抗がなかった事実にも合点がいく。
 よき隣人であり良い仲間だと思っていたが内心どこかでアルフレートに好意を寄せていたのなら嬉しいような恥ずかしいような気がした。

「何ですかそれ、普通は手を出してしまった私が言わないといけない言葉をどうしてヤマムラさんが言ってるんですか」
「それは、抵抗をあまりしなかった俺にも責任はあるだろうし。あの時少なからずこのまま抱かれてしまえばキミが一夜でも俺のものでいてくれると思ったら悪くないと考えた、ズルい大人がいたんだよ。それで、どうなんだいアルフレート」

 アルフレートの両手を握りヤマムラはぐっと距離をつめる。しでかしてしまったのはアルフレートの方なのだから断りにくい話ではあったしもともとヤマムラに対しては好意を抱いていたのは確かだ。

「逃げ場ないじゃないですかそれ」
「あぁ、そうなるだろうと思ったからこそ俺もこの話をしているんだ。こたえてくれるか」
「わかりましたよ、悪いのは私ですから。これから、よろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしくな、アルフレート」

 ヤマムラは嬉しそうに笑うとアルフレートの手に頬ずりをする。その仕草を見てアルフレートは陥れられたのは自分の方だったのかもしれないといった疑惑をますます深めたが悪い気はしなかったのはきっとアルフレート自身も「ヤマムラが他の誰かに抱かれるところなど考えたくはない」等と思う気持ちがあったからだろう。

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インターネット駄文書き
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