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インターネット字書きマンの落書き帳

   
好きな相手に緊縛してもらうアライショージ概念(シンドー×アライ/BL)
平和な世界線で普通に付き合っている新堂×荒井の話を……します!
(挨拶を兼ねた幻覚の説明)

今回は、新堂のこと好きで甘えたい。
そう思うけど甘え方がわからない荒井の話をします……よ!

生まれた時から「緊縛~調教~」を産声にし、苦痛を薄めたことで快楽と言うお湯が産湯だったので緊縛調教! の世界から抜け出せない人生の俺が書きました。

俺の俺による俺のための俺に都合のいい二次創作、楽しんでくださいね♥



『希望と欲望は等しく』

 荒井は目隠しをされたまま、身動きがとれずにいた。
 後ろ手に縛られた荒縄の結び目は固く、いくら動かしてもほどけそうにない。

 柔らかなベッドの上に寝かされているのはわかる。
 また、ここが荒井自身の部屋であり、家の鍵をもっているのは両親と新堂だけであり、他の誰かが部屋に立ち入ることはあり得ないこともわかっている。
 それらを理解していてもなお、荒井は僅かな物音がひどく恐ろしかった。

 梢が揺れる音が、人の衣擦れの音にきこえる。
 風がサッシを揺らせば、誰かが窓から侵入しようとしているのではないか。そんなあり得ない空想が頭にもたげてくる。
 自分の吐息さえ、他の見知らぬ誰かが部屋に入りじっとこちらを見て笑っているのではと錯覚する。

 恐怖が極限に達する中、誰かが玄関の鍵を開ける音だけが聞こえた。

 ガチャリと鍵の回る音の後、ドアノブが静かに回る。
 蝶番が軋む音とともにドアが開き、外の風が玄関に吹き込む。
 玄関で人が動く気配がした後、その気配は階段をゆっくりと登り始めた。
 足音は真っ直ぐ、迷う事なくギシギシと荒井の部屋へと近づいていく。

 心配ない。きっと新堂が戻ってきたのだ。
 頭ではそう思っているし、実際その通りなのだろう。わざわざ鍵を開けて荒井の部屋まで迷いなく進んでくる人間など他にいないのだから、何も恐れる事はない。
 だがそれでも、ほんの1%にも満たない他の誰かである可能性の恐怖が、荒井の脳髄全てを支配していた。

 やがて部屋の扉が開き、誰かが荒井のベッドに座る。
 その間、ずっと無言だった。

「新堂さん? ……新堂さんですよね?」

 荒井はたまらなくなり、何も言わぬ相手に声をかける。
 隣に座る人影は、相変わらず何も言わぬまま荒井の身体を起こすと優しく、触れるだけのキスをした。

 そのキスで、荒井はようやく安堵する。
 言葉を交わさなくともキスの温もりは紛れもなく新堂のものだったからだ。

「新堂さん……」

 荒井は自然と、新堂の胸元に頭を預けていた。新堂らしい人影は、相変わらず何も言わず黙ってその頭を抱きせ寄せる。
 それからしばらく後、荒井を抱いていた手は静かに目隠しを外した。

「よぉ……悪かったな、荒井」

 目隠しを外してすぐ、ぎこちなく笑う新堂の姿を見て荒井は再度安堵する。
 キスをされた時に確信していたが、やはり姿を見るまで僅かな不安が抑えられなかったからだ。

「謝らないでください。頼んだのは僕なんですから……僕の方こそ、無理を言ってすいませんでした」

 きつく縛られた荒縄をほどけば腕には縄の痕がくっきりと残っている。
 荒井はその痕跡を慈しむように撫でていた。

 縛ってほしい。
 目隠しをして身動きがとれないまま、自分を部屋において新堂の好きなようにしてほしい。  1時間だけでいいし、その間は何をしてもいいし、何をされてもいい。

 そう願い出たのは荒井だった。

 愛しい男に甘えたい。その思いとは裏腹に、荒井は誰かに甘え頼ることを許せないという高い自尊心をもっていた。
 甘えたいと思うのに、甘える事ができない。
 そんな荒井にとって甘えるということは、相手に自分の支配権を全て受け渡すことだった。

 愛している。
 その証明として、自分を好きにしてほしい……。

 加熱する思いと膨張しつづける欲望の行き場に迷い、それでも愛を乞おうとした結果、荒井が求めたのがそれだった。
 荒井は、そういう風にしか甘え方を知らなかったのだ。

 だが、新堂はそれにこたえてくれた。
 最初は戸惑ったし、ひどく困惑もしていた。それが荒井の身体を傷つける事を理解していたからだろう。
 短気で粗暴で、話し合いの最中でも人を殴るような新堂でも、自分から進んで他人の自由を奪い支配するほどの悪人ではないのだ。

 今でも縛られ怯える荒井を見るのが辛いという理由で、1時間の約束で行っている緊縛も別室に行ったり、外に出かけたりして時間を潰している。
 離れている方がかえって危険性は上がるのだが、それでも荒井が怯えて戸惑う姿を見ると焦燥を憶え、約束の時間よりずっと早く解放してしまうからだ。

「本当に……すいません、新堂さん。不本意ですよね。僕に、こんなことをするのは……」

 赤くなった荒縄の痕跡を指でなぞりながら、荒井は言う。

「そりゃぁな。おまえ、自分から縛ってくれと言う癖にずっと怯えた顔をしてるだろ。俺だって一応人間だからな。罪悪感ってのか? 何か悪い気がするんだよ」
「そ、そうですよね……すいません、本当に」
「だけどな……俺は、お前がそういう所を見せてくれるのは、嬉しいんだ。おまえが……おまえの考える、一番弱いところを見せてくれているってのがわかるからな」

 新堂は勉強ができないことで悩んでいるが、別に馬鹿ではない。本質的な人の考えや、理屈を飛び越えた感覚を本能で理解できるタイプの人間だ。
 知識には乏しいが知恵がある、という奴だろう。
 だからこそ、荒井がどうしてその身を差し出そうとするのかも、言葉を尽くさなくても本能的に理解をしていた。

 自分の全てを支配させることが、甘え方を知らない荒井にとっての最大の甘えであり愛の限りを尽くそうとする態度だということも気付いているのかもしれない。

「……ごめんなさい」
「おい、謝ってばかりいるなよ。お前が殊勝な態度とか、何かくすぐったいだろ。いいんだよこういう時は、お互い様だ」
「そうですね……ありがとうございます、新堂さん」

 新堂へ顔を向ければ、新堂は当然のように唇を重ねる。
 縛られている時と比べ、少し乱暴で強引なキスの温もりを感じながら、荒井は僅かに期待するのだ。

 この人は、きっともっと自分を愛してくれる。
 だから、もっとひどいことをしてくれるのだろう、と。

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インターネット駄文書き
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紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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