荒井の夢お兄さんになりてぇなぁ～と思ったオレくんが書いた話です。

今でこそ新堂誠のぱんつに千円札をねじ込みたいお兄さんですけどね。
学怖時代は荒井昭二を籠の中に入れて飼いたい欲が強いお兄さんだったので、その頃に書いた話ですよ。

無理矢理にセクロスしたら翌日、荒井が休んじゃって見舞いにいくオレくん……。
みたいな話ですよ。
別に新堂×荒井の話をしてないんですけど、新堂×荒井が見えてしまったらもうオレが潜在的にそれを求めていたんだ、ってことで一つよろしくどうぞ。

求めていたんだ、魂がなッ……。

『無体を強いる』

　……なんだ、来ていたんですか。
　午後から少しうとうとしていたので貴方が来たのにも気付かず寝ってしまったようですね。
　ですが、出迎えもせず寝ていた事を謝ったりはしませんよ。
　僕はこれでも丈夫なほうなんです、それだというのに熱が出たのは貴方が原因でしょうからね。心当たりはおありでしょう？
　まぁ……お見舞いに来て頂けた事には、感謝しておきましょうか。

　あぁ、差し入れをもってきてくれたんですね。
　ちょうど喉が乾いていた所ですから、ウーロン茶かスポーツドリンクがあったらもらえませんか？

　……ちょっと待ってください。
　どうしてトマトジュースが入ってるんです？
　僕がトマトを苦手としているのは知ってますよね。
　アレルギーじゃないのなら克服出来るとでも言いたいんですか？

　嫌いなものを強要しても良い結果にはなりませんよ。
　栄養があるといわれても、ジュースにしてしまったトマトは殆どが糖分ですよ。
　これなら食感も分からないだろうと思いましたか？
　味も食感も全てが苦手だから嫌いなんですよ、とにかくトマトジュースは持ち帰ってください。家にあっても使いませんから。
　スポーツドリンクは頂きますね。

　……怒ってないのか、って顔してますね。
　えぇ、無理強いされたのは事実ですから、全く気分を害してないといえば嘘になりますよ。
　どうでした？
　あなたより力の劣る僕を屈服させて、嫌がる身体を押さえつけ快楽を貪るというのは、そんなにも楽しいものでしたか？
　申し訳ないと思っている？　本当ですか？
　痛がって身を捩るぼくを見る貴方は、ずいぶんと楽しそうでしたけどね。

　……冗談ですよ。
　僕だって止めようと思えば出来たと思いますし、本気に嫌だったら抵抗していましたよ。
　喧嘩には強い訳ではないですけど、死ぬほど嫌だと思って暴れていれば流石の貴方でも多少は手を緩めていたでしょう？　
　ですから、あの事も……。

　……死ぬよりはずっとマシなことだった、とでも言っておきましょう。
　何です？ 　僕と甘い語らいでも期待していたんですか？
　自分で言うのも何ですが、そういう軽口は得意なほうではないんですよ。
　貴方だってそういう冗談は苦手でしょう？
　あいにく今日の僕は体調がすぐれませんから、気の利いた会話を交わす程元気でもありませんよ。

　……正直に言うと、恥ずかしいんです。
　こういう時はどんな風に貴方と接していいのかよくわからないんですよ。
　それに、今は熱で浮かされたような身体が疼く痛みもありますからね。
　顔をあわせていつものように話せという方が無理というものですよ。

　だから……もう少し離れてください、もう少しゆっくり、考える時間を下さい。
　大丈夫ですよ、貴方が落ち込むような返答はしないつもりでいますから。
　だからそんな顔しないでください。 今生の別れという訳でもないでしょう。
　それでは……。

　ん……。
　……今のは、ぼくなりの「感謝」の示し方です。

　言葉では安っぽくなってしまいますからね。
　風邪がうつってしまったらすいません。 でも、元々貴方が原因ですから別にかまいませんよね。
　では、また明日お会いしましょう。
　えぇ、また明日……学校で。