インターネット字書きマンの落書き帳
運命に生かされている(四谷パパ・BL)
フォロワーがいつもすけべな四谷パパを描くので、俺もすけべな四谷パパを書きました!
少しでもスケベに書けているといいな!
⁽⁽ฅ₍₍⁽⁽ฅ^•ω•^ฅ₎₎⁾⁾ฅ₎₎
少しでもすけべを感じてくれたら嬉しいです。
へへ……すけべしようや……。
名もなきモブがやり捨てファックをうっすらしていますが、このモブが実在するのか、イマジナリーモブなのかは……きみたちの想像の……自由だ!
あと、いたってどうでもいいんですが「ハムレット」です。
少しでもスケベに書けているといいな!
⁽⁽ฅ₍₍⁽⁽ฅ^•ω•^ฅ₎₎⁾⁾ฅ₎₎
少しでもすけべを感じてくれたら嬉しいです。
へへ……すけべしようや……。
名もなきモブがやり捨てファックをうっすらしていますが、このモブが実在するのか、イマジナリーモブなのかは……きみたちの想像の……自由だ!
あと、いたってどうでもいいんですが「ハムレット」です。
『死に患い』
あまやかな香りが、スーツから微かににおう。
それは、香水でも花の香りでもない、線香のにおいだった。
先々月、先月、そして今日。
四谷次男は毎月のように葬儀に出席している。
職場の上司や同僚。遠縁の親戚。もう関わる事もないと思っていた、妻の親族――。
まるで、自分の周りに「死」がつきまとっているかのように、次々と命が喪われていた。
しかも、ほとんどの人物が自分よりずっと若いのだ。
四谷も、もう50をすぎていた。
結婚式に呼ばれることより葬儀に出ることがずっと増えるのは、歳を考えれば当然だろう。
だが、それにしても「死にすぎ」ている。
まるで自分に関わったから、死に至ったかのように……。
「そうですよ」
柔らかな笑みで、男は向ける。
いつから部屋にいたのだろう。全く気配を感じなかった。
椅子の上に膝を抱え、黒いパーカーにジーンズ。手には黒手袋をした、無表情の若い男だ。
名前は知らない。
男は名乗った事はないからだ。
だが、男は四谷のことをよく知っていた。
「俺が殺していますから」
言葉とは裏腹に優しく包み込むような声を前に、四谷はただ呆然と男を見る。
どうしてそんな事をするんだ。
どうして私じゃないんだ。
疑問が、頭の中を通り過ぎていく。
妻を失い、娘を失い、ただ生きているだけ。
これから人を愛し、新たに家族を迎えるような喜びはないし、そのような喜びが自分にあってはいけない。
私は、娘を救えなかったのだ。
妻に寄り添えなかったのだ。
「わかってるじゃないですか」
優しい笑顔のまま、男は手を差し出す。
黒い革手袋はやけに磨かれ、ピカピカに輝いている。
娘が苦しんでいる兆候なんて、いくらでもあっただろう――。
「大丈夫だから」
「心配しないで」
「ちゃんとしてるから」
娘が笑顔でそういったことは、一度だってない。
一人暮らしをはじめた娘の家に妻が出かけた時、余りに荒れていて驚いたというのも聞いていたはずだ。
部屋を片付ける余裕すらなくなっていたのだろう。
子供の頃から何でも上手くできていた。自慢の娘だった。
自分があれこれいわずとも、きっと乗り越えるだろう。
私はいつも楽観的で、無責任だった。
何一つ、見ていなかったのだ。
その癖、失った時にまるで自分が悲劇の主人公のように振る舞うなど――。
「生きるべきか、死ぬべきか。それが問題だ」
男は悠然と語り、四谷のそばに立つ。
この台詞は、ハムレットだったか。それともマクベスか。
どっちでもいいし、どうだっていい。
「……死ぬべきだろう」
自分だけが生き残っていても、仕方が無い。
この男がこれからも、自分の周囲にある若きものや生きるべきものを殺して回るというのなら、なおさらだ。
「わかりました」
男は優しく笑うと、容赦なく四谷の首を締め上げる。
屈強な腕が、喉を抑える。
呼吸がつまり、意識が遠のく。
望んだはずの死だというのに、男の手を、自分の喉を掻きむしり、必死に抵抗する。
――何ひとつ、この世界にいる理由などないというのに。
――悲しみだけを重ねて、生きてきたというのに。
――どうして、生きたいと思ってしまうのだ。
なぜ、どうして――。
「あなたは結局、死に損ないの生き患いなんですよ」
温い吐息と肌の感触が、頬の上に残る。
男は最後まで、うっすらと笑っていた。
気付いた時、冷えた床に横たわる。
ほとんど裸同然の格好で、体には白濁した液体がべったりとこびりつく。
首にははっきり、喉を絞めた痕跡が残っていた。
気を失っている時、何かされたのだろう。
体の奥底がじくじくと痛む。
この痛みも屈辱も、死んでいった者たちはもう味わえないのだ。
そう思うだけで、自分にふさわしい罪だと思う。
「私は……」
汚れた体をそのままに、四谷は髪を掻き上げる。
私はこうして、穢れたまま生きていく。
そうすることしか、許されないのだろう。
あまやかな香りが、スーツから微かににおう。
それは、香水でも花の香りでもない、線香のにおいだった。
先々月、先月、そして今日。
四谷次男は毎月のように葬儀に出席している。
職場の上司や同僚。遠縁の親戚。もう関わる事もないと思っていた、妻の親族――。
まるで、自分の周りに「死」がつきまとっているかのように、次々と命が喪われていた。
しかも、ほとんどの人物が自分よりずっと若いのだ。
四谷も、もう50をすぎていた。
結婚式に呼ばれることより葬儀に出ることがずっと増えるのは、歳を考えれば当然だろう。
だが、それにしても「死にすぎ」ている。
まるで自分に関わったから、死に至ったかのように……。
「そうですよ」
柔らかな笑みで、男は向ける。
いつから部屋にいたのだろう。全く気配を感じなかった。
椅子の上に膝を抱え、黒いパーカーにジーンズ。手には黒手袋をした、無表情の若い男だ。
名前は知らない。
男は名乗った事はないからだ。
だが、男は四谷のことをよく知っていた。
「俺が殺していますから」
言葉とは裏腹に優しく包み込むような声を前に、四谷はただ呆然と男を見る。
どうしてそんな事をするんだ。
どうして私じゃないんだ。
疑問が、頭の中を通り過ぎていく。
妻を失い、娘を失い、ただ生きているだけ。
これから人を愛し、新たに家族を迎えるような喜びはないし、そのような喜びが自分にあってはいけない。
私は、娘を救えなかったのだ。
妻に寄り添えなかったのだ。
「わかってるじゃないですか」
優しい笑顔のまま、男は手を差し出す。
黒い革手袋はやけに磨かれ、ピカピカに輝いている。
娘が苦しんでいる兆候なんて、いくらでもあっただろう――。
「大丈夫だから」
「心配しないで」
「ちゃんとしてるから」
娘が笑顔でそういったことは、一度だってない。
一人暮らしをはじめた娘の家に妻が出かけた時、余りに荒れていて驚いたというのも聞いていたはずだ。
部屋を片付ける余裕すらなくなっていたのだろう。
子供の頃から何でも上手くできていた。自慢の娘だった。
自分があれこれいわずとも、きっと乗り越えるだろう。
私はいつも楽観的で、無責任だった。
何一つ、見ていなかったのだ。
その癖、失った時にまるで自分が悲劇の主人公のように振る舞うなど――。
「生きるべきか、死ぬべきか。それが問題だ」
男は悠然と語り、四谷のそばに立つ。
この台詞は、ハムレットだったか。それともマクベスか。
どっちでもいいし、どうだっていい。
「……死ぬべきだろう」
自分だけが生き残っていても、仕方が無い。
この男がこれからも、自分の周囲にある若きものや生きるべきものを殺して回るというのなら、なおさらだ。
「わかりました」
男は優しく笑うと、容赦なく四谷の首を締め上げる。
屈強な腕が、喉を抑える。
呼吸がつまり、意識が遠のく。
望んだはずの死だというのに、男の手を、自分の喉を掻きむしり、必死に抵抗する。
――何ひとつ、この世界にいる理由などないというのに。
――悲しみだけを重ねて、生きてきたというのに。
――どうして、生きたいと思ってしまうのだ。
なぜ、どうして――。
「あなたは結局、死に損ないの生き患いなんですよ」
温い吐息と肌の感触が、頬の上に残る。
男は最後まで、うっすらと笑っていた。
気付いた時、冷えた床に横たわる。
ほとんど裸同然の格好で、体には白濁した液体がべったりとこびりつく。
首にははっきり、喉を絞めた痕跡が残っていた。
気を失っている時、何かされたのだろう。
体の奥底がじくじくと痛む。
この痛みも屈辱も、死んでいった者たちはもう味わえないのだ。
そう思うだけで、自分にふさわしい罪だと思う。
「私は……」
汚れた体をそのままに、四谷は髪を掻き上げる。
私はこうして、穢れたまま生きていく。
そうすることしか、許されないのだろう。
PR
COMMENT
