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インターネット字書きマンの落書き帳

   
その下着は何色だ言ってみろ!(みゆしば)
平和な世界で普通に付き合ってる手塚と芝浦の概念です。
(今日も1行で説明する強めの幻覚という概念)

今回は、酔った勢いでえっちな下着を購入したみゆみゆが、それを着けてくださいなんて言えないな、と思ってしまっておいたらそのえっちな下着がしばじゅんちゃんに見つかってしまう話ですよ。

えっちな下着がどういうえっちな下着かは、皆さんの想像力に委ねたいと思います。
えっちな下着! えっちな下着!



『秘匿されていた匣』

 手塚が家に戻った時、先に部屋に来ていた芝浦はすでに湯上がりの様子でソファーに寝転がっていた。

「あ、おかえり手塚ぁ。いーいもの見せてあげよっか?」

 寝間着姿のまま起き上がり笑う芝浦の顔は悪戯をする時の笑顔そのものだ。きっと「いいもの」もロクでもない事だというのは分っていた。
 だがそれでも付き合わないと不機嫌になるから適当にあしらう訳にはいかない。
 何よりその笑顔を見て、手塚は何ともいえず「嫌な予感」がした。
 これは間違いなく自分の失態から来たものだと直感したのだ。

 だから手塚は直近の記憶を慌てて掘り返す。
 今朝の芝浦は普段とかわりない様子で億劫そうに大学に出かけていた。つまり、今朝までは普通だったのだ。
 変化があったとしたらその後……手塚が仕事を終え帰ってくるまでの間になる。

(何かあったか……芝浦をつけあがらせるような事……)

 荷物を置きながら口元に手を当て暫し考える。そしてやけにスッキリした室内を見渡した。
 最近は芝浦が部屋にくると細々とした片付けをやってくれる事が多い。
 お坊ちゃん育ちの芝浦は家事などあまりしないのだろうと思っていたが、掃除に関しては潔癖に思えるほど丁重にする傾向があった。

 特に整理整頓に関してはかなり手慣れており、芝浦が出入りする前は絡まったままのコード類は全て区別できるよう分けられ、脱ぎっぱなしだった衣類には洗濯籠が。出しっ放しになりがちだった服も全てクローゼットに入れられるようになっていた。

 芝浦曰く、自分の家では多くのモノを置かないので収納出来るものはきちんとしまっておかないと落ち着かないのだそうだ。

 おかげで室内は以前よりずっと綺麗になりあらゆる物の置き場所が分りやすくなった。
 反面、あまり見られたくないものや見つかりたくないものを芝浦はよく見つける。
 今日の部屋も随分と片付いていたからあるいは……と、考えた時手塚には一つ思い当たるふしがあった。

「まさか、おまえッ……見つけたのか?」

 思わずそう口走る手塚を前に、芝浦は少々意外そうな顔をした。

「あれッ、気付いたんだ。相変わらず目聡いねぇ」
「……部屋を片付けてくれるのは嬉しいが、あまり俺の私物を漁るのは感心しないな」
「でもさぁ、これいかにも『とりあえず見つからないように雑に隠しておいた』って感じでベッドの下に入ってたんだもん。気にするなって方が無理だって……あんな所に隠すなんて、えっちな本見られたくない中学生みたいで可愛いところあるよね」

 さも楽しそうに笑う芝浦を横に、手塚はつい先日の自分を振り返っていた。

 最近は殆ど手塚の家に入り浸りであるといっても、芝浦はいつも泊まっていく訳ではない。
 久しぶりに一人の夜、酒を飲みながら暇つぶしにwebサイトを眺めていた時、通販サイトで目にとまった下着は自分では絶対に着けないタイプのものだった。
 だがその日はしたたかに酔っており、隣に芝浦がいない寂しさも持て余していたものだから。

(芝浦なら……似合うかもしれないな……)

 ふとそう思ったら何とはなしに「あってもいいかもしれない」と感じ、簡単クリックで購入できるのもあり軽率に買ってしまったのだが届いた時、酔いが覚めて冷静になるとどんな顔で渡していいか分らずそのままベッドの下に隠すようにしまい込んだものだった。

 『お前なら似合うと思って』と下着を渡すのも、『これを着けてくれないか』と下着を渡すのもどっちも手塚にとってはあまりに敷居の高い行為だったからだ。
 芝浦の口ぶりから、隠していたそれを見つけたのはもはや疑う余地などなかった。

「へへ……見る? 今、パジャマの下に着てるけど」

 芝浦はソファーに仰向けになると、つま先をピンと伸ばす。胸もとのボタンが外れているのは意図的か、それとも無意識か。
 自らの唇を舌で舐める姿は幼い顔立ちからは思えぬほどに扇情的であったが、だからこそ手塚は冷静になれた。
 子供のように無邪気に笑う芝浦は気まぐれで御しがたい考えや言動をするから手塚の手に余る事が多かったが、夜の所作をする芝浦はまだ大人になりきれてない甘さがあるので手塚が手綱を握る余地があるからだ。

「いや、まだいい」
「えー、何だよノリ悪いなー。手塚、自分で買ったんだろこれ? ……俺に着させるためだよね。まさか手塚自分で着る用だった?」
「お前に着て欲しいと思ったのは否定しないし、今お前がそれを着てるという事は寝間着の下がどうなってるのか分ってるからな……」

 と、そこで手塚はソファーで横になる芝浦と唇を重ねる。
 突然のキスに驚く芝浦は、まさかこのタイミングで仕掛けてくるとは思っていなかったといった様子だった。
 何かと挑発してくるくせに、いざ事がおこると動揺するアドリブに弱いといった所が芝浦には多少見られたが、これはまだ彼が年若いからというのもあるのだろう。 だからこそ手塚が制しきれる理由でもあるのだが。

「ちょ、な……急に何してんの!? ビックリするじゃん……」
「……自分から誘っておいてか? 先にシャワーを浴びてくるから待っててくれ。お前は準備出来てるんだろう?」
「えっ? えっ、えっと……う、うん、まぁ……」
「それを着てるなら、そういう事だろう? ……どうせならベッドでゆっくり見せてくれ」

 キスから後は全て芝浦にとって想定してなかった反応だったのだろう。ただただ顔を赤くすると俯いて。

「う、うん。わ、わかった……お、俺どうしたらいい? 先に横になってた方がいいかな?」

 急に落ち着かないようソワソワと身体を動かしはじめたのは、芝浦も意識し始めたからだろう。 自分が思ったより恥ずかしい下着をつけてる事と、これから舐めるようにその姿を見せなければいけないという事に気付いたらとたんに羞恥心が出て来たといった所か。
 茶化してからかっているうちは見せるのに抵抗がなくとも、いざ求められると羞恥心が先だってしまうのはまだ子供っぽく可愛らしいと思う。
 手塚は微かに笑って再び唇を重ねた。

「……好きな場所で待ってろ。なに、すぐに戻る。あんまり待たせたらお前が可愛そうだもんな」

 芝浦はすっかり赤くなり、近くにあったクッションを抱きしめ悔しそうに声をあげる。

「あー……もう何!? 何だよホント、からかってやろうと思ってたのにさ。手塚、いつも予想を超えてカッコイイんだけど!? もう何、俺の事どうしたいの!? ……これ以上好きになる事なんてないと思ってるのに、どんどん好きになっちゃうんだけど!?」
「どんどん好きになってくれ、俺はそれしか望まないし、そのためなら何だってするからな」

 そう告げれば芝浦はクッションに顔を押し当てて、辛うじて 「……ほんと、ズルいって」 と一言だけ漏らす。手塚はそんな彼の頭を撫でてから額に軽いキスをした。
 可愛くて愛しい恋人に愛していると伝えるために。

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インターネット駄文書き
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