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インターネット字書きマンの落書き帳

   
自慢の恋人(みゆしば)
どうも、18年前にいたジャンルが突然ぶりかえしたものです。
(自己紹介)
今日は、平和な世界線で普通に恋人同士として過す手塚と芝浦をかこうと思います。
(挨拶兼強めの幻覚)

サイトが20周年を過ぎましたが、変わらずに自分の描きたいものをかく。
これが「くれちき連盟」クオリティ……。

まぁそれはさておき。
今回は、普段は恋人がいるという事を隠しているしばじゅんちゃんが、大学の知人にうっかりキスマークバレをして、ついモニョモニョと誤魔化してしまった事で、恋人のみゆみゆに罪悪感を覚えてニャーンしちゃう話ですよ。

ニャーンしちゃう。
ニャーン!




『いつか誰にでも自慢できるように』

 手塚がソファーにこしかけるのを確認すると、芝浦は手塚の膝に乗るようににしてソファーに寝そべるった。
 最近は手塚がソファーに座ると芝浦がその膝に乗り一緒にテレビを見たりゲームで遊んだりする、すっかり定位置になっていた。
 暫くは二人で同じテレビ番組を見ながら他愛もない話をしていたが、特に興味のない番組ばかりになり会話も途切れてきた頃に芝浦はおもむろにゲーム機のスイッチを入れる。手塚はその様子を見ると読みかけの本を広げ、時々芝浦のプレイするゲームを眺めるのだ。
 芝浦が遊ぶゲームは大概にBMGが良いものが多いのと、興味をそそる展開のものが多いので何とはなしに見るのも苦では無かったし、何より楽しそうにゲームをする芝浦を見るのは楽しかった。
 そうして何気ないが静かで暖かい日常(いつも)の時間を過していると、ふと思い出したように芝浦は突然声をあげた。

「あーあ、俺どうして日和っちゃったんだろうな……」

 どこか芝居がかった風の口調でため息交じりに語る。芝浦がこういった仕草で話し出す時はきまって何か聞いて欲しい事がある時だ。手塚は黙って芝浦の頭を撫でると「どうした?」と水を向けてやる。
 すると芝浦は申し訳なさそうな様子で目を伏せながら、自分の首をさすって見せた。

「俺さ、ここに痕ある? ……キスマーク」

 言われた所を見れば、確かに手塚がつけた痕が残っている。
 大学では『恋人なんていないし作るつもりもない』といった体裁をとっている芝浦を気づかい普段は目立つ所に痕を残さないようにしているのだが、昂ぶっている時にまで自制できるほど手塚も冷静ではいられない時がある。
 それに手塚にとって芝浦は誰よりも可愛い恋人であり誰にも渡したくないただ一人の存在なのだ。時にはその欲求が頭をもたげ、自分の証を残しておきたいと思ってしまう事もある。

「あぁ、悪かったな……見えない所にだけ残すように気をつけてたつもりだったんだが……」 「んー……ま、それは別にいいんだけどね。手塚だってミスくらいするだろうし。手塚が俺の事独り占めしたいってくらい可愛いと思ってるの、わかってるしねー」

 芝浦はそう言いながら白い歯を見せ笑う。それが冗談のつもりなのか手塚の意図に気付いていたのかは判断できなかったが、まんざらでもないといった様子はうかがえた。

「でもさ、今日はわりと首もと開いた服だったから……他の奴から見えてたみたいでさ。大学の奴に言われちゃったんだよ、『お前恋人いるの』って。ほら、大学では俺って恋人いない事にしてるだろ? だから適当に誤魔化したんだけど、首にキスマークついてるって言われてさぁ」

 そこで一端言葉を切ると、恥ずかしそうな顔をして口元を手で隠す。

「それで何か俺テンパっちゃってさ……自分で掻いた痕か何かかなーなんてあり得ない誤魔化し方しちゃったんたけど、絶対向こうはセックスした後だって思ってるだろうなーと思うと、どうせバレるなら堂々と恋人いるって言った方がよかったなーとか思っちゃったんだよねー……ホント、こういう時にビビって堂々と言えないの、カッコ悪いなーって」

 そして芝浦はコントローラを置いて起き上がり、手塚の体を強く抱きしめた。

「手塚は自慢の彼氏なのにさー……こういう時堂々と紹介できないのってやっぱもどかしいよなーって思うんだよねー」
「仕方ないだろう? お前だって立場があるだろうし、言いたくない相手だっている……無理して言う必用はないさ。俺はお前がそう思ってくれているだけで充分だからな」
「うん、それは分ってるんだけどねー……あーあ、いつか堂々と『俺の彼氏です』って紹介出来ればいいんだけど。あ、そうだ……就職したら絶対に最初から言っておこ。恋人います、彼氏ですって。最初から言っておけばこっちも気が楽だし、そういうのイヤだって奴は近づいてこないだろうし、隠す事なく堂々と手塚の事自慢できるもんねー」

 芝浦はそれを言い終わると同時に手塚に軽くキスをする。
 そして屈託なく笑うとまた横になりゲームを始めるのだった。

 一人で考えていたらあれこれと悩んでいた時は胸がつかえたような気持ちだったが、話してみたら楽になったのだろう。
 そんな芝浦を眺めながら、手塚はぼんやりと思うのだった。

(その時は、俺ももっと芝浦にとって自慢出来る男にならないとな……芝浦が就職して普通に仕事をしはじめたら、俺なんてすぐ収入では追い抜かれるだろうから……せいぜい『芝浦はヒモを飼ってる』なんて言われないようにしなければいけないな)

 芝浦が「自慢の彼氏」と思ってくれているように、自分も自慢の恋人に恥ずかしくないような男になろうと。
 そして今より深く強く彼を愛し、愛されるようになっていこうと。

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東吾
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インターネット駄文書き
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ネットの中に浮ぶ脳髄。
紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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