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インターネット字書きマンの落書き帳

   
抱いたから責任とろうとしてるのにメチャクチャ断られる話(新堂×荒井/BL)
虚空に向かって「新堂と荒井はつきあってるんだよ、それは信じていいことなんだ」とつぶやき続ける人が幻覚を書きましたので読んでください!(元気な挨拶)

何となくの流れで荒井のこと抱いちゃって朝を迎えちゃう新堂の話を……書きたくなって書きました。
荒井の家が鳴神学園に近いから、という理由で疲れた時に荒井の両親不在なら泊まって行くのが日常になっていた新堂が、ふとしたきっかけで抱いちゃって起きてから「うわーやってしまった、これは責任をとらないとな……」と思うような……話ッスよ!

付き合ってくれ!
いや、無理です。
みたいな距離感だけど、いずれ付き合うので大丈夫です。
オレの中でそうなっているから大丈夫なんですよ。


『思っていたのと違う朝』

 窓から漏れた朝日が肌に触れ、新堂は夜が明けたのだというのを実感する。
 いつもより遅い時間に寝たというのに身体の調子はすこぶる良い。心地よい倦怠感に包まれたまま身体を起こせば、隣には背を丸めてシーツに包まれる荒井が横たわっていた。
 白い肌は朝日を浴びガラスのように透き通って見える。今は眠っているのか、目を閉じているのもあって長い睫毛がピンと上向いているように見えた。艶やかで柔らかそうな黒髪は思わず手触りを確かめたくなるほどだ。均整の取れた肉体と人形のような顔立ちから一瞬彼が人間ではない別の何かなのではと錯覚するが、それはすべて思い過ごしだというのは昨晩、身体の隅々まで探求し堪能した記憶と経験とが否定する。それと同時に昂揚と羞恥心とが新堂の脳内を波打つように襲ってきた。
 柔らかな肌の感触も、ふれ合う唇の熱も、指先に絡まる吐息も、夢ではなく現実だ。昨日、新堂は荒井を抱いた。それが愛からなのか、ただの好奇心なのかそれとも友情か、同情か、それらの感情を全て混ぜ合わせた結果なのか、新堂にもよくわかっていなかった。身体を重ねるのにどのような言葉や感情が必用なのかを推し量るには経験があまりにも不足していたからだ。
 だが、抱いてしまったという事実だけはある。
 きっかけが何だったのか、どちらの言葉が誘いとなったのかは今になれば曖昧だが、荒井の身体をベッドに押し沈め、熱に浮かされたように彼の身体を貪ったのははっきりと覚えていた。
 取り返しのつかない事をしてしまったという思いはあるが、荒井の身体が悪かったという訳ではない。むしろ、思い出すだけで身体が疼く程には心地よさが勝っていた。これからも何度か肌を重ねる事ができるのだと思うとまんざら悪くないというのが本音だ。
 そうするためにも、とにかく今、自分たちの関係をハッキリさせておく必用があるだろう。新堂はまだ眠る荒井の頬に触れると、その身体を揺さぶった。

「おい、荒井。起きろ……起きろって」
「ん……新堂さ……ん」

 寝起きはあまりよくないのだろう、荒井は身体を起こしてからしばらく焦点のあわない目でぼぅっと虚空を向いていたが、新堂と目があうととたんに顔を赤らめた。

「お、おう。起きたか?」
「は、はい……おはようございます……」

 言葉を交わすが、どうにも先が続かない。荒井も昨晩の事を思い出しているのか、顔を真っ赤にしてシーツを引き寄せていた。
 昨日までは何も思わなかったのに、今はその仕草まで可愛く思えてくるから仕方ない。間違いなく、昨晩抱いた事が引き金となり新堂のなかに荒井の存在が大きくなり、可愛く愛しい存在として強く深い認識を与えたのだろう。

「あ、あのな。荒井……」

 だからこそ、言わなければいけないと思っていた。
 恋人というのは告白をし、きちんとお付き合いをした上でキスやセックスに至るものだという古い考えをもつ新堂にとって、順番を飛ばしてセックスから始まってしまった関係を軌道修正するには荒井に告白し、正式に自分の恋人になってもらうしかないと思ったからだ。
 だが荒井から出た言葉は、新堂が予想だにしていないものであった。

「心配しなくてもいいですよ、新堂さん。一回抱かれたくらいで、恋人ヅラするつもりはありませんから」

 先手をうつように放たれた言葉を前に、新堂の思考は完全にストップする。
 一回抱かれたくらいと荒井は言ったが、もう何度もこういう経験があるのだろうか? 相手は男なのか、それとも女なのだろうか? 昨日はたまたま自分が隣にいたから抱かれただけで、他の誰が相手でも同じ事をしたというのか。
 渦巻く思考とやり場のない感情を持て余している間に荒井は慌てて身支度を調えると、新堂へ振り返り。

「朝ご飯を作ってきますから、その間に着替えておいてくださいね」

 ニコリともせず淡々と告げ部屋から出ていくものだから。

「何だよあいつッ。いいのかよそれで。俺じゃなくても誰でも、どうでも良かったのかよ畜生ッ……」

 新堂はただ、やり場のない怒りと憤りをどこにもぶつけられないまま、声を張り上げるのだった。

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インターネット駄文書き
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