インターネット字書きマンの落書き帳
山ガス監禁夢小説BLです
山田ガスマスクの夢小説を書きました。
夢主人公が山田ガスマスクを誘拐・監禁し、一方的に愛を押し付ける話です。
夢主人公の概念?
しらねーよ! 俺がやりたかったんだからいいだろ!
俺が! 山田ガスマスクを! 監禁したかったの!
二次創作はすべて、「俺がしたかったの!」でいいの!
常にそんなエゴで生きています。
エゴを抱き、未来を生きろ!
夢主人公が山田ガスマスクを誘拐・監禁し、一方的に愛を押し付ける話です。
夢主人公の概念?
しらねーよ! 俺がやりたかったんだからいいだろ!
俺が! 山田ガスマスクを! 監禁したかったの!
二次創作はすべて、「俺がしたかったの!」でいいの!
常にそんなエゴで生きています。
エゴを抱き、未来を生きろ!
『例え人形であったとしても』
身体中に鈍い痛みが走る。
薄暗い周囲を見渡そうとしても、首が思うように動かず、仕方なく目の動きだけでわかる範囲で当たりを覗えば、窓が随分と高い所にあるからか、わずかな明かりが床に差し込んでいた。
青白い光はか細くも頼りなく、恐らく今は夜で、あれは月明かりなのだろう。
周囲に置かれているのは、段ボールに積み上げられたハードカバーの本。
ちょっとした棚くらいの大きさのドールハウスまである。
海外の映画で見る屋根裏部屋のようだな、と山田ガスマスクは思っていた。
だが、本当のところ、ここがどこだかまではわからない。
自分が壁を背にして床に座らせられているというのはわかるのだが、一体どうしてこの場所にいるのかは思い出せなかった。
断片的に思い出すのは、一人で夜の道を歩く記憶。
普段より混んでいた馴染みのバー。
注文したショットグラスの結露。
黙々と飲む客たち……。
バーに行くのは久しぶりだが、自分が飲める量くらいは知っている。
注文した酒も、特別にアルコール度数が高い訳ではない。
それなのに、あの日は酷く酔い、そして眠くなっていた。
流石にこのままでは帰れなくなると思い、普段より早めに店を出たが、どんどん記憶が曖昧になる。
薬でも盛られていたのだろうか。
だとしたら、一体誰が。なんのために……。
手も足も痺れたように動かず、声すらも出ない。
山田の隣には、柔らかく大きなぬいぐるみやトルソー、マネキンなどが置かれている。
人間や動物をかたどったモノがそばにあるというのに、驚くほど静かな異質感が、青白い月のフイルターを通しますます不気味に思えた。
それに、ひどく黴臭い。
元々あまり体が丈夫ではない山田にとって、黴と埃の臭いが充満するこの部屋は、自分の置かれている状況も相まって恐ろしく、同時に不愉快だった。
――何だよ、一体誰なんだ。
僕はたしかにロクデナシだ。そのくせにのうのうと生き延びている、傲慢であるのも理解している。
だからって、何ら意味もなく壊れた玩具のようにうち捨てられる筋合いはない。
せめて、どうしてこんな目にあっているのかくらい、説明してくれないか……。
目が覚めてから、体は動かないが頭はやけに冴えている。
月明かりに照らされ、普段より青白く見える動かない手足を眺めて、山田はぼんやりそんな事を考えていた。
それからどれくらい時が過ぎたのだろう。
ぎしりと床の軋む音がした後、淀んだ室内に風が吹き付ける。
「やぁ、山田くん。そろそろ起きたかな? 起きてるよね。起きているはずだ。理論上、もう目は冷めているはずだからね。瞼が上がるかどうかはわからないけど。うん、まぁ別にいい。大事なのは今の君が、私の言葉を聞こえていて、理解しているということだからね」
この場に似つかわしくない程、明るいよく通る声だ。
自信に満ち、得意気な声色は、うち捨てられた子供部屋で聞けば、さながら騒ぎ立てるピエロ人形のように思えた。
床を軋ませながら足音は近づくと、誰かが山田の頬に触れ強引に顔をあげさせる。
まったく見覚えのない男だ。
だが男は、どこか陶酔したように頬を赤らめ、目を輝かせている。
「あぁ……やっと手に入った。山田ガスマスクと呼んだ方がいい? それとも、以前の配信者としての名前のほうが馴染みがあるかな? それとも――」
見知らぬ男は、山田の本名を告げる。
――なんで、この男は僕の本名まで知っているんだ。
いや、事件の時、報道で本名が出てはいるだろう。だから本名を知られるというのに驚きはない。
しかし、殺人の罪が暴かれ、その上でGRを引き起こした大罪人の名前を覚えているというのは、異質な執着だろう。
しかも男は、山田のことを十年来の親友でもあるかのように親しげに語るのだ。
――誰なんだ。どうしてこんな事をするんだ。何が目的なんだ……。
様々な疑問が頭の中に渦巻く中、男はその答えを提示するかのよう、鞄から何かを取り出す。
それは、赤黒く光る革の首輪だった。
「あはは、喋れないよね? 動けないよね? でも驚いているよね? ふふ……キミの事はひとまず山田くんって呼ばせてもらおうかな。私にとって一番馴染みのいい呼び方だから。それで……これ、つけさせてもらうよ。山田くん。今日からずーっと、私が可愛がってあげる。毎日お風呂にいれて、体にいいにおいのクリームを全部塗って、髪を綺麗に整えて……」
カチャカチャと金属音の後、首に重苦しい首輪がつけられる。
首輪の内側に逆立つ細かな毛が山田の首をチクチクと締め付け、ひどく痒いというのに指一本動かせず、思い切り掻き毟ることすらできない。
その様子を、男は満足そうに眺めていた。
「やっぱり、視線は動いてるね。うん、意識はやっぱりちゃんとある……計算通り。今まで色々な薬を調合して、市販薬でもベストな状態で効くようにしたんだ。山田くんは身長のわりに体が細いから、効き過ぎないか心配だったけど……ちゃんと、生きたまま人形になってくれて嬉しいよ」
男があまりに饒舌だったから、山田は自分のされたことを何とはなしに理解する。
今日はバーが客が多かった。
隣人が誰かは気にしてなかったが、隣にいたのはこの男だったのだろう。
席を立った時、睡眠薬か何かを入れられていたのだ。
山田は甘い酒も飲むし、ロングドリンクを置いたまま席を立つ事もあったからすっかり油断していた。
眠気で意識がもうろうとした時に、無理矢理に連れ込まれたのか……。
落ち着け、大丈夫だ。
こいつのしていることは誘拐、監禁……犯罪だ。
山田はかつて罪を犯したが、今は刑期を終えている。現実として罪の意識全てが消えた訳ではないが、社会的な制裁は十分に受けただろう。
だから、法が守ってくれるはず。誰かが助けてくれるはずだ。
――いや、誰が気付いてくれる。
5S時代、一番仲が良かった谷原は、刑期を終えた後、実家に戻ったとは聞くがもう連絡はつかない。眉崎も同様だ。水商売のなかでもより、裏に近い仕事で食いつないでいるとは聞いたが、元々あまり気軽に話す間柄でもなかったから行き先はわからない。
黒沢や清水は、まだ出所もしてない。
逮捕された時点で、知り合いや顧客はほとんど関係が切れているのだ。ここに山田が囚われていることなど、きっと誰も気にしない。
「そうだよ、山田くんはもう、せかいでひとりぼっちなんだ」
男は首輪から伸びた鎖を、指で弄ぶ。
「でも、もう大丈夫さ。心配しなくても、これからずぅっと、この私が可愛がってあげる。だから安心してね……ほら、笑って。ふふ……私のかわいいお姫様」
男は山田の前に座ると、手元の鎖を手繰りながら山田の体を抱き、強引に唇を重ねる。
ねっとりとした舌が不快に口をかき回し、嫌悪ばかりが肥大する最中、水っぽい音がやけにエロティックに響き渡る。
こんなに不快なのに。こんなに穢らわしいと思っているのに――。
こんな人間でも、自分を赦し受け入れて、必要としてくれる。
その事実に僅かでも喜びを覚え、安堵し、不愉快な空間にさえ安寧を覚えている。
それが、この上なく惨めだった。
身体中に鈍い痛みが走る。
薄暗い周囲を見渡そうとしても、首が思うように動かず、仕方なく目の動きだけでわかる範囲で当たりを覗えば、窓が随分と高い所にあるからか、わずかな明かりが床に差し込んでいた。
青白い光はか細くも頼りなく、恐らく今は夜で、あれは月明かりなのだろう。
周囲に置かれているのは、段ボールに積み上げられたハードカバーの本。
ちょっとした棚くらいの大きさのドールハウスまである。
海外の映画で見る屋根裏部屋のようだな、と山田ガスマスクは思っていた。
だが、本当のところ、ここがどこだかまではわからない。
自分が壁を背にして床に座らせられているというのはわかるのだが、一体どうしてこの場所にいるのかは思い出せなかった。
断片的に思い出すのは、一人で夜の道を歩く記憶。
普段より混んでいた馴染みのバー。
注文したショットグラスの結露。
黙々と飲む客たち……。
バーに行くのは久しぶりだが、自分が飲める量くらいは知っている。
注文した酒も、特別にアルコール度数が高い訳ではない。
それなのに、あの日は酷く酔い、そして眠くなっていた。
流石にこのままでは帰れなくなると思い、普段より早めに店を出たが、どんどん記憶が曖昧になる。
薬でも盛られていたのだろうか。
だとしたら、一体誰が。なんのために……。
手も足も痺れたように動かず、声すらも出ない。
山田の隣には、柔らかく大きなぬいぐるみやトルソー、マネキンなどが置かれている。
人間や動物をかたどったモノがそばにあるというのに、驚くほど静かな異質感が、青白い月のフイルターを通しますます不気味に思えた。
それに、ひどく黴臭い。
元々あまり体が丈夫ではない山田にとって、黴と埃の臭いが充満するこの部屋は、自分の置かれている状況も相まって恐ろしく、同時に不愉快だった。
――何だよ、一体誰なんだ。
僕はたしかにロクデナシだ。そのくせにのうのうと生き延びている、傲慢であるのも理解している。
だからって、何ら意味もなく壊れた玩具のようにうち捨てられる筋合いはない。
せめて、どうしてこんな目にあっているのかくらい、説明してくれないか……。
目が覚めてから、体は動かないが頭はやけに冴えている。
月明かりに照らされ、普段より青白く見える動かない手足を眺めて、山田はぼんやりそんな事を考えていた。
それからどれくらい時が過ぎたのだろう。
ぎしりと床の軋む音がした後、淀んだ室内に風が吹き付ける。
「やぁ、山田くん。そろそろ起きたかな? 起きてるよね。起きているはずだ。理論上、もう目は冷めているはずだからね。瞼が上がるかどうかはわからないけど。うん、まぁ別にいい。大事なのは今の君が、私の言葉を聞こえていて、理解しているということだからね」
この場に似つかわしくない程、明るいよく通る声だ。
自信に満ち、得意気な声色は、うち捨てられた子供部屋で聞けば、さながら騒ぎ立てるピエロ人形のように思えた。
床を軋ませながら足音は近づくと、誰かが山田の頬に触れ強引に顔をあげさせる。
まったく見覚えのない男だ。
だが男は、どこか陶酔したように頬を赤らめ、目を輝かせている。
「あぁ……やっと手に入った。山田ガスマスクと呼んだ方がいい? それとも、以前の配信者としての名前のほうが馴染みがあるかな? それとも――」
見知らぬ男は、山田の本名を告げる。
――なんで、この男は僕の本名まで知っているんだ。
いや、事件の時、報道で本名が出てはいるだろう。だから本名を知られるというのに驚きはない。
しかし、殺人の罪が暴かれ、その上でGRを引き起こした大罪人の名前を覚えているというのは、異質な執着だろう。
しかも男は、山田のことを十年来の親友でもあるかのように親しげに語るのだ。
――誰なんだ。どうしてこんな事をするんだ。何が目的なんだ……。
様々な疑問が頭の中に渦巻く中、男はその答えを提示するかのよう、鞄から何かを取り出す。
それは、赤黒く光る革の首輪だった。
「あはは、喋れないよね? 動けないよね? でも驚いているよね? ふふ……キミの事はひとまず山田くんって呼ばせてもらおうかな。私にとって一番馴染みのいい呼び方だから。それで……これ、つけさせてもらうよ。山田くん。今日からずーっと、私が可愛がってあげる。毎日お風呂にいれて、体にいいにおいのクリームを全部塗って、髪を綺麗に整えて……」
カチャカチャと金属音の後、首に重苦しい首輪がつけられる。
首輪の内側に逆立つ細かな毛が山田の首をチクチクと締め付け、ひどく痒いというのに指一本動かせず、思い切り掻き毟ることすらできない。
その様子を、男は満足そうに眺めていた。
「やっぱり、視線は動いてるね。うん、意識はやっぱりちゃんとある……計算通り。今まで色々な薬を調合して、市販薬でもベストな状態で効くようにしたんだ。山田くんは身長のわりに体が細いから、効き過ぎないか心配だったけど……ちゃんと、生きたまま人形になってくれて嬉しいよ」
男があまりに饒舌だったから、山田は自分のされたことを何とはなしに理解する。
今日はバーが客が多かった。
隣人が誰かは気にしてなかったが、隣にいたのはこの男だったのだろう。
席を立った時、睡眠薬か何かを入れられていたのだ。
山田は甘い酒も飲むし、ロングドリンクを置いたまま席を立つ事もあったからすっかり油断していた。
眠気で意識がもうろうとした時に、無理矢理に連れ込まれたのか……。
落ち着け、大丈夫だ。
こいつのしていることは誘拐、監禁……犯罪だ。
山田はかつて罪を犯したが、今は刑期を終えている。現実として罪の意識全てが消えた訳ではないが、社会的な制裁は十分に受けただろう。
だから、法が守ってくれるはず。誰かが助けてくれるはずだ。
――いや、誰が気付いてくれる。
5S時代、一番仲が良かった谷原は、刑期を終えた後、実家に戻ったとは聞くがもう連絡はつかない。眉崎も同様だ。水商売のなかでもより、裏に近い仕事で食いつないでいるとは聞いたが、元々あまり気軽に話す間柄でもなかったから行き先はわからない。
黒沢や清水は、まだ出所もしてない。
逮捕された時点で、知り合いや顧客はほとんど関係が切れているのだ。ここに山田が囚われていることなど、きっと誰も気にしない。
「そうだよ、山田くんはもう、せかいでひとりぼっちなんだ」
男は首輪から伸びた鎖を、指で弄ぶ。
「でも、もう大丈夫さ。心配しなくても、これからずぅっと、この私が可愛がってあげる。だから安心してね……ほら、笑って。ふふ……私のかわいいお姫様」
男は山田の前に座ると、手元の鎖を手繰りながら山田の体を抱き、強引に唇を重ねる。
ねっとりとした舌が不快に口をかき回し、嫌悪ばかりが肥大する最中、水っぽい音がやけにエロティックに響き渡る。
こんなに不快なのに。こんなに穢らわしいと思っているのに――。
こんな人間でも、自分を赦し受け入れて、必要としてくれる。
その事実に僅かでも喜びを覚え、安堵し、不愉快な空間にさえ安寧を覚えている。
それが、この上なく惨めだった。
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