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インターネット字書きマンの落書き帳

   
寝たふりしている間に出ていかないでくれ(グ・ラハくんが出る話)
ヒカセンのことが大好きなグ・ラハくんの話です。
今回は都合により(俺が書きやすいので)自ヒカセンが出ておりますれば~。
でも自ヒカセンはミコッテ男子なので、ミコッテ男子がキャッキャする感じになるから楽しいと思います!

暁月のフィナーレまで終わっているとよりhappyに楽しめるので、是非フィナーレをしてから読んでください!

今回のお話は、急にヒカセンが来てすごくテンパってしまい寝たふりをして様子を見よう。
そんなことを考えるグ・ラハくんの話ですよ。

自ヒカセンが出るので自ヒカセンの設定もおいておきますね。


<自ヒカセン設定>

なまえ:シェヴァ(ヴァ・セバ・ティア)
しゅぞく:ミコッテ(サンシーカー)
ねんれい:21さい
がいけん:褐色白髪右目やや目隠れ
せいかく:あほのこ


グ・ラハくんが可愛いくなるよう書きました!
可愛いグ・ラハくんを楽しんでください!




『並んで歩く幸せをかみしめて泡沫の夢を見る』

 シェヴァさんが来ましたよ。
 バルデシオン分館の受付であるオジカ・ツンジカの明るい声とは裏腹にグ・ラハ・ティアの情緒は嵐の中へと投げ込まれた。
 光の戦士としてガレマール帝国を避けた事を皮切りに、イシュガルドでは竜詩戦争を終結させアラミゴを解放を実現。 とうとう世界に迫る終末まで避けた憧れの英雄が自分に会いに来てくれたからだ。

「何だよぉ、来るなら来る前に一声かけてくれっていつも言ってるのにどうしていつも突然来るんだよッ」

 抑えようとしても勝手に耳がピクピク動き出す。
 ミコッテ族は嬉しい時や驚いた時など感情が動くと気持ちを抑える事が出来ても耳や尻尾が勝手に動き出してしまうのだ。
 シェヴァも自分と同じサンシーカー族だから見ただけで嬉しいのはきっとバレてしまうだろう。 別段隠す必用もないのだが一緒に旅をして冒険をしてともに過ごす時間が増えてきているというのに未だ会うだけでも気持ちが浮ついてしまうのは何だか恥ずかしい気がした。
 それに、ここ数日は寝食を忘れる程に忙しくお世辞にも綺麗な格好をしているとは言いがたい。
 別にシェヴァは服が汚れているなどといった些細な事を気にする性分でもなかったし、むしろ忙しくて寝る間もなかったのだと言えば心配しねぎらってくれるというのもわかっていたのだが、以前自分が「無理をするな」とか「身体を大事にしろ」と散々小言を告げた立場だから自分が言われる立場になるとどうにも気まずくなるのだ。
 足音は迫ってきている。きっと程なくしてシェヴァはこの部屋のドアを開けるのだろう。 そしてこちらを見て不健康な生活を見破られ「ちゃんとご飯食べてる?」などと言われたらばつが悪いったらありゃしない。
 しかもシェヴァは料理人としても名の知れた存在だ。「何も食べてないならちょっと作るね」とか言われて食事でも出されたらありがたさと申し訳なさで空気が抜けたボールのようにしわしわにしぼんでしまうだろう。
 あれこれ考えた末にグ・ラハがたどり着いた打開策は。

「よし、ソファーで寝たふりをしよう!」

 そう、寝たふりだった。
 どんなに服がヨレヨレでもソファーで横になっていたのなら寝ていたからだと言い訳できるはずだ。 多少疲れた顔をしていても睡眠をとっているアピールにはなるだろう。
 まるで宿題を忘れたのを家族に隠す子供のような思考であるのはわかっていたが、それでも憧れである「光の戦士」に心配されるのだけは避けたかったグ・ラハは勢いよくソファーに転がると毛布をひっ捕まえてそれをかぶった。

「こんちゃー! ラハくんいるー!」

 グ・ラハが毛布にくるまるのとほとんど同時に扉が開き、シェヴァの明るい声が響く。
 間一髪だったと思いつつもグ・ラハは目を閉じなるべく自然に寝息をたてた。

「あれ、ラハくん寝てるのかな?」

 そう、自分は寝ているのだ。ここ最近は忙しくて寝る暇がなかったからついソファーでうたた寝してしまったのだ。 起こして声をかけてくれればありがたい。そうしたら自分は今起きましたといった顔をして目を擦りながらシェヴァの方を見るのだから。
 そして何食わぬ顔で「来てたのか、最近寝てなくてうたた寝してたみたいだ」等と言う。それで納得して、要件を聞かせて欲しい。

「ラハくん? ラハく~ん?」

 シェヴァはソファーの傍に近づき、毛布の上からグ・ラハの身体をつつく。触っているか触っていないか絶妙なタッチだ。この程度で触れられた事に気付いては寝たふりがバレてしまいそうだからここは我慢をしておこう。 下手に寝たふりをしたのに気付かれたら「何で?」「どうして?」の質問攻めにあうのは目に見えているし、「あんたに心配されたくなかったから」なんて理由は恥ずかしくてとても口には出来ない。
 自分も忙しい日々を過ごしているがシェヴァはもっと多忙だったはず。そんな彼が直々に会いに来るのだからきっとよほどの用に違いない。 早く起こしてその用事を聞かせて欲しい。高鳴る鼓動を隠すよう息を潜めていたグ・ラハだった。

「あーあー、すごく寝入ってるみたいだ~。このままゆっくりお休みさせておこっと。残念だけど、今回は他の人に声をかけようかな……」

 シェヴァは肩を落としながら部屋から出て行こうとする。そんな気配がする。
 いや、寝たふりなんだ。ちゃんと起こしてくれればすぐ飛び起きるしどんな所にでもついていって見せる。 だからそんなに早く諦めないでくれ。少し身体をゆすればすぐに目を覚ますのだから。
 そんなグ・ラハの思いとは裏腹に足音は遠ざかっていく。そしてとうとう扉の前に立ちドアノブが回された。

「あぁっ、まてよ! 帰らないでくれよ! 起きてる、起きてるからさ!」

 ついにたまらなくなってグ・ラハは起き上がると叫ぶような声を出す。
 そんなグ・ラハを前にシェヴァは悪戯っぽく笑って見せた。白いしっぽがふわふわと左右に揺れている。

「あははは、そんな顔しないでよラハくーん。帰るつもりなんかないし、ちょっとからかってみただけだって」

 無邪気に笑うシェヴァの白いしっぽは落ち着きなくふわふわ揺れ続けていた。

「わ、笑うなよ! 本当に帰っちゃうんじゃないかと思って心配したんだからな。ひどいだろ!」

 つい口を尖らせるグ・ラハを前に、シェヴァは屈託のない笑顔を向ける。

「えー、だったらおれが来るって分かっていたくせに寝たふりをしてやり過ごそうっていうラハくんはひどくないの?」

 その言葉を聞いて、ラハは思わず固まってしまった。
 確かにシェヴァが来る前に毛布をかぶって寝たふりをしたはずなのにシェヴァはグ・ラハが狸寝入りをしていた事などお見通しだったのだ。
 だが何故気付かれてしまったのだろう。寝たふりがあまりにわざとらしかったからか。それとも実は起きている所を見られていたのか。 その疑問を口にするより先にシェヴァは言葉を続けた。

「おれたちミコッテてさ、感情がすぐ耳とかしっぽに出ちゃうんだよね。寝てるとそこまで反応してないと、起きてる時って知らないうちに結構反応してるんだよ~。だからさ……部屋に入って、ラハくんの名前を呼ぶたびにラハくんてばしっぽぶんぶん振ってるし、耳もずーっとピコピコして、おれの方に耳が倒れてしっかりこっちの話しを聞こうって感じになってるんだもん。あれだと起きてるのバレバレだよー」

 あぁ、知らないうちに耳や尻尾が勝手に動いていたのだ。 確かに完全に眠ってしまったミコッテならそんな動きはしないだろう。
 もしシェヴァがミコッテではない別の種族ならだませたかもしれないが、自分自身もそういった経験があるのならバレてしまうのも仕方ない。

「だから、ちょっとだけ意地悪しちゃった。ごめんね」

 口ではそう言うがさして悪びれた様子は見せず頭を下げるシェヴァを前に、グ・ラハも照れながら頭を下げる。

「俺の方こそ、ごめん。何ていうかさ……久しぶりに会うから緊張して、それで、恥ずかしくて……」
「あはは、ラハくんはずーっと照れ屋さんだよね。でも、おれそういうラハくんのこと好きー」

 シェヴァはグ・ラハの胸に飛びつくと頬をぎゅうっと押しつける。
 年齢こそグ・ラハの方が年上だがあまり大柄でもなければどちらかというと華奢なグ・ラハはシェヴァの身体を落としそうになるがよろけながらも何とか支えた。

「お、おい! いきなり飛びついてくるなよ、落としたらどうするんだよっ」
「でもラハくんは落とさないでしょ~? だから好きー」

 胸元にしっかりと抱きついて、シェヴァは嬉しそうに尻尾を振る。
 まったく、自由奔放で気まぐれでマイペースなくせに妙に勘がいいシェヴァにはどうにも振り回されてばかりな気がする。
 だけどそれでもやはりシェヴァはグ・ラハにとっての憧れであり、この賑やかすぎる冒険も自分が望み焦がれてようやく手にした世界なのだ。

「はいはい、俺もあんたのことがす……大事だよ。うん、さ、今日は何の用だ? どこかに行くなら手も開いてるしついていくぜ」
「やったー! えーっと、えぇっとね……」

 だからグ・ラハは並んで歩く。
 過去から英雄を眺めるのではなく、英雄とともに前を見て進む。
 その世界に生きている今の喜びをかみしめながら。

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東吾
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インターネット駄文書き
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ネットの中に浮ぶ脳髄。
紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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