インターネット字書きマンの落書き帳
いずれ付き合う赤川と袖山のお泊まりの話(赤袖/BL)
どうも、時々に赤川×袖山を書きたい人です。(挨拶)
赤川くんも袖山くんもお互いのこと結構好きだけど、まだ友情だよね。
これって愛じゃないよね、だからダメだよねそういうのは……。
なんて感情を抱きつつも、気楽に袖山くんの家に泊まっていく赤川くんの話をしています。
この二人はまだ付き合ってない。
だけどいずれ付き合う、絶対に……強くそう、思ってます。
赤川くんも袖山くんもお互いのこと結構好きだけど、まだ友情だよね。
これって愛じゃないよね、だからダメだよねそういうのは……。
なんて感情を抱きつつも、気楽に袖山くんの家に泊まっていく赤川くんの話をしています。
この二人はまだ付き合ってない。
だけどいずれ付き合う、絶対に……強くそう、思ってます。
『赤川くんが退屈だと困るから』
赤川が袖山の家に泊まる事が増えたのは、もともとゲーム研究会の部活という名目で部室に泊まりそのまま学校に来るという生活をしていた赤川のことを袖山が心配するようになったからだ。
「僕の家なら鳴神学園から歩いて来れるし、お風呂にも入れるし、お布団でも寝られるから、遅くなったらうちにおいでよ。連絡してくれれば、迎えに行くから」
最初は袖山の好意に甘える形で、遅くなった時には泊まらせてもらうことにしていた。
だが今の赤川は、袖山に対し肥大する好意をおさえきれず、袖山の家に意図して転がり混むようになっていた。
ほとんどゲームで遊んだ経験のない袖山が初見でゲームを遊ぶ新鮮かつ初々しい反応を見るのは楽しかったというのもあるが、いつでも赤川の体を気遣い、心配して接してくれる袖山の優しさにすっかり絆されてしまったのだ。
だからつい、遅くなったという名目で袖山の家に泊まるようになっていた。
袖山は誰に対しても優しいのは分かっているし、別段赤川のことを特別視してもいないはずだ。だが、それでも袖山の家で二人きりになる時間があるというの密かに嬉しかった。その時だけ自分だけの袖山であり、彼を独占できるような気がしたからだ。寝間着姿でウトウトし、顔立ちが普段よりぽやぽやしている袖山を見ることが出来るのも嬉しい。
そんな訳で、特に理由はなく袖山の家に泊まるよう打診した時でも、袖山はいつも快く迎え入れてくれていた。
「お風呂入る? シャワーだけにする? あっ、寝間着がわりに少し大きめのトレーナー買ったよ。赤川くんは僕より少し大きいから、僕の服だと窮屈だもんね」
いつ行っても、袖山は少しお節介なくらい赤川のことを気にしてくれる。
「わざわざ買ったの? そんな、いつも鳴神のジャージもってくるから気にしなくていいのに」
「うちに着替えがあると安心かなぁと思って……それに、この服は僕より赤川くんの方が似合うかな、と思ったから。赤川くんに着て欲しいんだ。赤川くんは格好いいから、きっと似合うと思うよ」
トレーナーのような普段着で格好良さが左右されるとは思わなかったが、袖山が自分の事を思ってくれるのは嬉しい。
だが、袖山から格好いいなどと言われると、袖山も自分に好意を抱いているのではと期待してしまう。
自分のことを好きになってくれればいいのに。そうしたらもっと袖山をそばで感じることが出来るだろうし、抱きしめることも出来るのだろう。だが、今は友人でしかない。距離感を間違えて接して友情を壊したら、二度とこうして家に泊まることもなければ、二人きりで話す事もないのだろう。
だから、ここは我慢だ。
そう思いながら、袖山が準備した冷凍食品の焼きおにぎりを頬張る。
夜遅くまでゲームをしているため食事をおろそかにしがちな赤川のことを知っているのだろう、袖山は赤川がくるとまず、夕食を出してくれていた。
世話になりっぱなしで申し訳ないとは思うのだが、袖山からすると「新作のゲームとか珍しいゲームで遊ばせてもらっているんだから、お礼はいい」ということだったし、実際に何かお礼をしようとすると袖山は必用以上に恐縮してしまう性格だったから、礼だけ言って甘えている。
だけど、流石に世話になりすぎだ。
今度、袖山が好きなものお土産にもってこよう。ずっと与えられ続けて甘えてしまうのはきっと良くない。
あれこれ考える赤川の頬に、袖山は手を伸ばす。
「赤川くん、ご飯粒ついてるよ……はい、とれた」
指先でゴシゴシと拭くその姿を見ているだけで、心臓が張り裂けそうになるほど高鳴る。
関係が壊れてもいい、もういっそ嫌われてもいいから抱いてしまおうか。
そんな欲望が鎌首をもたげて現れたその時。
「あ、そうだ! 赤川くんちょっとまってて」
袖山は机の上に置かれた箱のようなものを、赤川に差し出す。
それは小学生が作ったような稚拙な迷路だった。箱の中に板を組み込み、ビー玉を入れてゴールまで導くといったタイプの工作だ。
「……迷路かい? これどうしたの。袖山くんが作ったの」
「うん、僕が小学校の頃作った夏休みの工作。ちょっと上手に作れたから、学校で褒めてもらえて、嬉しいからずっととっておいたんだけど、押し入れにしまいっぱなしにしていて……ほら、赤川くんってゲーム好きだよね。僕の家、赤川くんが遊べるゲームなんて全然ないから、いつも赤川くんが来ても、退屈なんじゃないかな、と思って。それで、僕の作ったゲーム。拙いけど、赤川くんが暇つぶしに遊んでくれればいいなって……あっ、もちろん、こんなゲームに興味ないなら、遊ばなくてもいいよ! ただ、退屈させたら悪いと思っただけだから……」
袖山は真っ赤になりながら、そんなことを言う。
大好きな袖山に会いに来ているのだから、他に何もいらないというのにこちらを必死に気遣ってくれるのだから、愛おしい。
やはり彼を汚してしまうなんて出来ない。
嫌われたくはないし、もどかしいと思っても、思いが伝わらなくてもそばにいる時間が少しでも長く欲しい。
「手作りのゲームかぁ……普段はあんまりテレビゲーム以外はやらないんだけど、挑戦してみようかな」
赤川はその迷路を受け取ると、カラカラとビー玉を転がす。
そばには、安心したような笑みを浮かべる袖山が寄り添っていた。
赤川が袖山の家に泊まる事が増えたのは、もともとゲーム研究会の部活という名目で部室に泊まりそのまま学校に来るという生活をしていた赤川のことを袖山が心配するようになったからだ。
「僕の家なら鳴神学園から歩いて来れるし、お風呂にも入れるし、お布団でも寝られるから、遅くなったらうちにおいでよ。連絡してくれれば、迎えに行くから」
最初は袖山の好意に甘える形で、遅くなった時には泊まらせてもらうことにしていた。
だが今の赤川は、袖山に対し肥大する好意をおさえきれず、袖山の家に意図して転がり混むようになっていた。
ほとんどゲームで遊んだ経験のない袖山が初見でゲームを遊ぶ新鮮かつ初々しい反応を見るのは楽しかったというのもあるが、いつでも赤川の体を気遣い、心配して接してくれる袖山の優しさにすっかり絆されてしまったのだ。
だからつい、遅くなったという名目で袖山の家に泊まるようになっていた。
袖山は誰に対しても優しいのは分かっているし、別段赤川のことを特別視してもいないはずだ。だが、それでも袖山の家で二人きりになる時間があるというの密かに嬉しかった。その時だけ自分だけの袖山であり、彼を独占できるような気がしたからだ。寝間着姿でウトウトし、顔立ちが普段よりぽやぽやしている袖山を見ることが出来るのも嬉しい。
そんな訳で、特に理由はなく袖山の家に泊まるよう打診した時でも、袖山はいつも快く迎え入れてくれていた。
「お風呂入る? シャワーだけにする? あっ、寝間着がわりに少し大きめのトレーナー買ったよ。赤川くんは僕より少し大きいから、僕の服だと窮屈だもんね」
いつ行っても、袖山は少しお節介なくらい赤川のことを気にしてくれる。
「わざわざ買ったの? そんな、いつも鳴神のジャージもってくるから気にしなくていいのに」
「うちに着替えがあると安心かなぁと思って……それに、この服は僕より赤川くんの方が似合うかな、と思ったから。赤川くんに着て欲しいんだ。赤川くんは格好いいから、きっと似合うと思うよ」
トレーナーのような普段着で格好良さが左右されるとは思わなかったが、袖山が自分の事を思ってくれるのは嬉しい。
だが、袖山から格好いいなどと言われると、袖山も自分に好意を抱いているのではと期待してしまう。
自分のことを好きになってくれればいいのに。そうしたらもっと袖山をそばで感じることが出来るだろうし、抱きしめることも出来るのだろう。だが、今は友人でしかない。距離感を間違えて接して友情を壊したら、二度とこうして家に泊まることもなければ、二人きりで話す事もないのだろう。
だから、ここは我慢だ。
そう思いながら、袖山が準備した冷凍食品の焼きおにぎりを頬張る。
夜遅くまでゲームをしているため食事をおろそかにしがちな赤川のことを知っているのだろう、袖山は赤川がくるとまず、夕食を出してくれていた。
世話になりっぱなしで申し訳ないとは思うのだが、袖山からすると「新作のゲームとか珍しいゲームで遊ばせてもらっているんだから、お礼はいい」ということだったし、実際に何かお礼をしようとすると袖山は必用以上に恐縮してしまう性格だったから、礼だけ言って甘えている。
だけど、流石に世話になりすぎだ。
今度、袖山が好きなものお土産にもってこよう。ずっと与えられ続けて甘えてしまうのはきっと良くない。
あれこれ考える赤川の頬に、袖山は手を伸ばす。
「赤川くん、ご飯粒ついてるよ……はい、とれた」
指先でゴシゴシと拭くその姿を見ているだけで、心臓が張り裂けそうになるほど高鳴る。
関係が壊れてもいい、もういっそ嫌われてもいいから抱いてしまおうか。
そんな欲望が鎌首をもたげて現れたその時。
「あ、そうだ! 赤川くんちょっとまってて」
袖山は机の上に置かれた箱のようなものを、赤川に差し出す。
それは小学生が作ったような稚拙な迷路だった。箱の中に板を組み込み、ビー玉を入れてゴールまで導くといったタイプの工作だ。
「……迷路かい? これどうしたの。袖山くんが作ったの」
「うん、僕が小学校の頃作った夏休みの工作。ちょっと上手に作れたから、学校で褒めてもらえて、嬉しいからずっととっておいたんだけど、押し入れにしまいっぱなしにしていて……ほら、赤川くんってゲーム好きだよね。僕の家、赤川くんが遊べるゲームなんて全然ないから、いつも赤川くんが来ても、退屈なんじゃないかな、と思って。それで、僕の作ったゲーム。拙いけど、赤川くんが暇つぶしに遊んでくれればいいなって……あっ、もちろん、こんなゲームに興味ないなら、遊ばなくてもいいよ! ただ、退屈させたら悪いと思っただけだから……」
袖山は真っ赤になりながら、そんなことを言う。
大好きな袖山に会いに来ているのだから、他に何もいらないというのにこちらを必死に気遣ってくれるのだから、愛おしい。
やはり彼を汚してしまうなんて出来ない。
嫌われたくはないし、もどかしいと思っても、思いが伝わらなくてもそばにいる時間が少しでも長く欲しい。
「手作りのゲームかぁ……普段はあんまりテレビゲーム以外はやらないんだけど、挑戦してみようかな」
赤川はその迷路を受け取ると、カラカラとビー玉を転がす。
そばには、安心したような笑みを浮かべる袖山が寄り添っていた。
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