インターネット字書きマンの落書き帳
荒井の家に入り浸る新堂の話(新堂×荒井/BL)
平和な世界線でいずれ付き合う新堂×荒井の話をします。
(挨拶を兼ねた幻覚の説明)
僕は、新堂が荒井のお家に入り浸って半同棲みたいな状態になるのが……。
だいだい大好きなんですよねッ!
という訳で、特に理由がなくても荒井の家に入り浸る新堂と、そんな新堂のことがそれほど嫌じゃない自分にちょっと驚いている荒井の話をします。
新堂誠、男たらしたれ……!
(挨拶を兼ねた幻覚の説明)
僕は、新堂が荒井のお家に入り浸って半同棲みたいな状態になるのが……。
だいだい大好きなんですよねッ!
という訳で、特に理由がなくても荒井の家に入り浸る新堂と、そんな新堂のことがそれほど嫌じゃない自分にちょっと驚いている荒井の話をします。
新堂誠、男たらしたれ……!
『好きだから楽しい』
荒井の家は鳴神学園の徒歩圏内にあり、普段家に両親がいる事は少ない。
出向の多い荒井の両親は、一ヶ月以上家をあけるのもざらにあるからだ。
それを知ってから、新堂は何かと理由をつけて荒井の家に転がり混むようになっていた。
電車で1時間以上もかけて通学している新堂にとって、徒歩圏内で通える荒井の家は魅力的なのだろう。
ボクシング部の主将として、夏に最後の大会を控えている新堂は少しでも多く練習時間を確保したいところだが、通学に1時間以上かかるため睡眠時間がまともにとれず授業中に居眠りする事も多いと聞く。
だが、いくら鳴神学園がスポーツに力をいれているとはいえ、学校である以上学生の本分は勉強だ。学生である以上、授業態度が悪ければ処罰の対象にもなるし、テストで赤点でもとれば補習を受ける事になる。
練習時間を確保しつつ、生活の質を保ちたいと考えた新堂が、徒歩圏内にある荒井の家に目を付けるようになるのは、必然だったろう。
その日も新堂は練習が終わった後、当然のように荒井の家へと訪れた。
「おー、荒井。俺だよ、土産にたこ焼き買ってきたから食おうぜー」
インターフォンごしに新堂はそう言い、エコバッグをカメラに向ける。
新堂は他人の家に転がり混み泊まり慣れているのだろう。自分の着替えも持ってきていたし、お礼代わりに手土産を持ってくるのも欠かさない。食事はだいたいコンビニで買ってくるが、荒井の家のキッチンを借りるときは食器を丁寧に洗うし、洗濯をする時などは荒井の分もしっかり干してくれるなど、意外と細かい所まで気付いてくれるので、新堂が家に来ることはそこまで不快ではなかった。
その事実に、荒井自身が驚いていた。
自他とも認める引きこもりで、学校にも気が向いた時にしか行かないタイプだと思っていたし、家には自分の興味を満たすものしか置いていない。
時田や赤川、曽我のように趣味を同じくする者であれば荒井の家にいても退屈せず過ごせるだろうが、新堂は荒井の趣味を全く理解していなければ興味も抱いていない、別世界の住人だ。
だが新堂はいつも荒井の前で楽しそうに過ごしているのだ。
荒井が映画を見ている時も、ゲームをしている時も、本を読んでいる時も殆ど新堂の相手などしていないのに、特に文句を言う事もない。
時々荒井の頭をくしゃくしゃに撫でたり、頬に触れて伸ばしたりしてちょっかいをかけてくる事があるが、他には特に何もしていない。
それなのに、飽きる事もなく荒井の家に来て、まるで自分の家にいるかのようにくつろげる事が不思議で仕方なかった。
そんな新堂を見ている自分が、不愉快でなければ苛立ちもしない。むしろ、楽しいと思えていることも含めてだ。
「今日も泊まっていくんですか。全然飽きないですよね」
新堂からたこ焼きを受け取ると、荒井はリビングへと向かう。
「僕の家に来ても、新堂さんにとって面白いものなんて何もないですよね。新堂さんはゲームもしませんし、本だって読まないじゃないですか」
「いや、そんな事ねぇけど。俺だって漫画くらいは読むし」
「ですが、新堂さんの興味を惹くような作品を僕はあまりもっていないでしょう。新堂さんが好むものなんて、何もないと思いますが……」
すると新堂は、荒井の頭をくしゃくしゃに撫でて笑って見せた。
「何いってんだよ、俺、荒井のこと好きだぜ。好きな相手に会えるんだからこんなに楽しい事ねぇだろ。なッ?」
そして「早くたこ焼き食おうぜ」なんていいながら、先にリビングへと進む。
荒井はその後ろ姿を、呆然と見送る。
「……まったく、新堂さん。本当、そういう所ですよ」
そして誰に向けるともなく、小さく呟くのだった。
荒井の家は鳴神学園の徒歩圏内にあり、普段家に両親がいる事は少ない。
出向の多い荒井の両親は、一ヶ月以上家をあけるのもざらにあるからだ。
それを知ってから、新堂は何かと理由をつけて荒井の家に転がり混むようになっていた。
電車で1時間以上もかけて通学している新堂にとって、徒歩圏内で通える荒井の家は魅力的なのだろう。
ボクシング部の主将として、夏に最後の大会を控えている新堂は少しでも多く練習時間を確保したいところだが、通学に1時間以上かかるため睡眠時間がまともにとれず授業中に居眠りする事も多いと聞く。
だが、いくら鳴神学園がスポーツに力をいれているとはいえ、学校である以上学生の本分は勉強だ。学生である以上、授業態度が悪ければ処罰の対象にもなるし、テストで赤点でもとれば補習を受ける事になる。
練習時間を確保しつつ、生活の質を保ちたいと考えた新堂が、徒歩圏内にある荒井の家に目を付けるようになるのは、必然だったろう。
その日も新堂は練習が終わった後、当然のように荒井の家へと訪れた。
「おー、荒井。俺だよ、土産にたこ焼き買ってきたから食おうぜー」
インターフォンごしに新堂はそう言い、エコバッグをカメラに向ける。
新堂は他人の家に転がり混み泊まり慣れているのだろう。自分の着替えも持ってきていたし、お礼代わりに手土産を持ってくるのも欠かさない。食事はだいたいコンビニで買ってくるが、荒井の家のキッチンを借りるときは食器を丁寧に洗うし、洗濯をする時などは荒井の分もしっかり干してくれるなど、意外と細かい所まで気付いてくれるので、新堂が家に来ることはそこまで不快ではなかった。
その事実に、荒井自身が驚いていた。
自他とも認める引きこもりで、学校にも気が向いた時にしか行かないタイプだと思っていたし、家には自分の興味を満たすものしか置いていない。
時田や赤川、曽我のように趣味を同じくする者であれば荒井の家にいても退屈せず過ごせるだろうが、新堂は荒井の趣味を全く理解していなければ興味も抱いていない、別世界の住人だ。
だが新堂はいつも荒井の前で楽しそうに過ごしているのだ。
荒井が映画を見ている時も、ゲームをしている時も、本を読んでいる時も殆ど新堂の相手などしていないのに、特に文句を言う事もない。
時々荒井の頭をくしゃくしゃに撫でたり、頬に触れて伸ばしたりしてちょっかいをかけてくる事があるが、他には特に何もしていない。
それなのに、飽きる事もなく荒井の家に来て、まるで自分の家にいるかのようにくつろげる事が不思議で仕方なかった。
そんな新堂を見ている自分が、不愉快でなければ苛立ちもしない。むしろ、楽しいと思えていることも含めてだ。
「今日も泊まっていくんですか。全然飽きないですよね」
新堂からたこ焼きを受け取ると、荒井はリビングへと向かう。
「僕の家に来ても、新堂さんにとって面白いものなんて何もないですよね。新堂さんはゲームもしませんし、本だって読まないじゃないですか」
「いや、そんな事ねぇけど。俺だって漫画くらいは読むし」
「ですが、新堂さんの興味を惹くような作品を僕はあまりもっていないでしょう。新堂さんが好むものなんて、何もないと思いますが……」
すると新堂は、荒井の頭をくしゃくしゃに撫でて笑って見せた。
「何いってんだよ、俺、荒井のこと好きだぜ。好きな相手に会えるんだからこんなに楽しい事ねぇだろ。なッ?」
そして「早くたこ焼き食おうぜ」なんていいながら、先にリビングへと進む。
荒井はその後ろ姿を、呆然と見送る。
「……まったく、新堂さん。本当、そういう所ですよ」
そして誰に向けるともなく、小さく呟くのだった。
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