インターネット字書きマンの落書き帳
すれ違うキスの話(新堂×荒井・BL)
平和な世界線で普通に付き合っている新堂と荒井の話をします。
新堂×荒井のはなしをしますよ。
今回の話は、朝早く起きて挨拶のキスをする新堂と、寝る前に挨拶のキスをする荒井。
二人とも毎日のようにそうやってキスをしているけど、お互いが起きている時にはキスしてないなぁ……もっと起きている時にキスしないとなぁ……なんて思う話ですよ。
キスしろ。
おまえらは付き合っているんだからキスしろ。
……いっけなーい、強い思想が漏れちゃった!
という訳で、新堂×荒井のこと好きかい? 今日から好きになろうぜ!
新堂×荒井のはなしをしますよ。
今回の話は、朝早く起きて挨拶のキスをする新堂と、寝る前に挨拶のキスをする荒井。
二人とも毎日のようにそうやってキスをしているけど、お互いが起きている時にはキスしてないなぁ……もっと起きている時にキスしないとなぁ……なんて思う話ですよ。
キスしろ。
おまえらは付き合っているんだからキスしろ。
……いっけなーい、強い思想が漏れちゃった!
という訳で、新堂×荒井のこと好きかい? 今日から好きになろうぜ!
『すれちがいのキス』
まだ日が昇らないうちに目覚めると新堂は髪をかき上げ億劫そうに起き上がる。
ベッドでは荒井が静かな寝息をたてていた。
普段、荒井が起きる時間より2時間は早いのだから起こしたら悪いだろう。新堂は静かにベッドから出ると音を立てないようにランニングウェアへ着替えた。
軽い朝食をとった後、一時間ほど走り込みをするのが今の日課だ。自分でもらしくないと思うほど真面目に練習しているのは荒井がそばで支えてくれているからだろう。
感謝と愛情を込め、眠る荒井にキスをする。そしてキスをしてから、そういえばしばらく目を覚ましている時にはキスをしてない事に気付くのだ。
自分は毎朝出かける前、こうして荒井とキスをしているからすっかり失念していた。
「たまには起きてる時にキスしてやるか……そうしねぇと、全然キスしてないって文句言われそうだもんな」
新堂は荒井の髪を撫でるとやさしく微笑む。
そしてフードをかぶると音を立てぬよう部屋から出ていった。
※※※
荒井が部屋に戻った時、新堂はベッドに転がりすでに寝息をたてていた。
ハードな練習をこなしているのだ。家に帰り食事をすればもう起きていられないのだろう。
寝相の悪い新堂をベッドの中に包み込むよう戻すと荒井は彼の髪を撫でた。
新堂が本当はこんなに努力するタイプではないのを、荒井はよく知っている。
自意識過剰の自信家で、練習せずとも自分は天才肌だから何だって出来ると思い上がっている所が新堂にはあるのだ。
実際、スポーツに関してはセンスがあると言ってもいいだろう。少し練習しただけでバレーだろうがバスケだろうが大概のスポーツも人並み以上にこなせてしまうのは事実だし、運動部に助っ人として出向くのはメンバーが足りない時、練習量の少ない補欠が入るよりも新堂が入った方が連携にせよ個人技にせよずっと高いレベルの試合が出来るからだ。
だがそれでも、県大会で楽々勝ち進める程の練習量には到ってない。今の実力なら全国大会で戦うのがやっとという事は、察しの悪い新堂でも自覚しているのだろう。
自覚していても、今までの彼は激しい練習をしてこなかった。
それは彼も人並みの高校生で友達と遊んだり趣味に時間を使う時間が練習で割かれるのを良しとしなかったのもあるし、本気で取り組んだボクシングで負けるということがどれだけの挫折になるか恐怖心もあったのだろう。
しかし今は、本気で練習をしている。
荒井がそばで支え、サポートをするようになってからはそれに応えるよう練習と向き合うようになったのだ。
今の新堂ならどのような結果になっても、誰も責める人間はいないだろう。
努力家とは言い難い新堂を自分が少しでも変える事ができたのなら、それは少しだけ誇らしい。そして単純すぎるくらい素直な新堂を何より愛しく思うのだ。
嬉しさと喜びと少しの気恥ずかしさが入り交じりながら荒井は新堂を起こさぬよう口づけをする。 そしてキスをしてから、最近は起きている時にキスをしていないのに気付いた。
いつも眠っている時の彼に挨拶代わりのキスをしていたからすっかり忘れていたのだ。
「今度は起きている時にキスをしますね、新堂さん。最近、ずっとしてませんもんね……」
荒井はそう独りごちると新堂の眠るベッドへと入る。
眠っているはずなのに新堂は、自然と荒井の身体を抱きしめていた。
まだ日が昇らないうちに目覚めると新堂は髪をかき上げ億劫そうに起き上がる。
ベッドでは荒井が静かな寝息をたてていた。
普段、荒井が起きる時間より2時間は早いのだから起こしたら悪いだろう。新堂は静かにベッドから出ると音を立てないようにランニングウェアへ着替えた。
軽い朝食をとった後、一時間ほど走り込みをするのが今の日課だ。自分でもらしくないと思うほど真面目に練習しているのは荒井がそばで支えてくれているからだろう。
感謝と愛情を込め、眠る荒井にキスをする。そしてキスをしてから、そういえばしばらく目を覚ましている時にはキスをしてない事に気付くのだ。
自分は毎朝出かける前、こうして荒井とキスをしているからすっかり失念していた。
「たまには起きてる時にキスしてやるか……そうしねぇと、全然キスしてないって文句言われそうだもんな」
新堂は荒井の髪を撫でるとやさしく微笑む。
そしてフードをかぶると音を立てぬよう部屋から出ていった。
※※※
荒井が部屋に戻った時、新堂はベッドに転がりすでに寝息をたてていた。
ハードな練習をこなしているのだ。家に帰り食事をすればもう起きていられないのだろう。
寝相の悪い新堂をベッドの中に包み込むよう戻すと荒井は彼の髪を撫でた。
新堂が本当はこんなに努力するタイプではないのを、荒井はよく知っている。
自意識過剰の自信家で、練習せずとも自分は天才肌だから何だって出来ると思い上がっている所が新堂にはあるのだ。
実際、スポーツに関してはセンスがあると言ってもいいだろう。少し練習しただけでバレーだろうがバスケだろうが大概のスポーツも人並み以上にこなせてしまうのは事実だし、運動部に助っ人として出向くのはメンバーが足りない時、練習量の少ない補欠が入るよりも新堂が入った方が連携にせよ個人技にせよずっと高いレベルの試合が出来るからだ。
だがそれでも、県大会で楽々勝ち進める程の練習量には到ってない。今の実力なら全国大会で戦うのがやっとという事は、察しの悪い新堂でも自覚しているのだろう。
自覚していても、今までの彼は激しい練習をしてこなかった。
それは彼も人並みの高校生で友達と遊んだり趣味に時間を使う時間が練習で割かれるのを良しとしなかったのもあるし、本気で取り組んだボクシングで負けるということがどれだけの挫折になるか恐怖心もあったのだろう。
しかし今は、本気で練習をしている。
荒井がそばで支え、サポートをするようになってからはそれに応えるよう練習と向き合うようになったのだ。
今の新堂ならどのような結果になっても、誰も責める人間はいないだろう。
努力家とは言い難い新堂を自分が少しでも変える事ができたのなら、それは少しだけ誇らしい。そして単純すぎるくらい素直な新堂を何より愛しく思うのだ。
嬉しさと喜びと少しの気恥ずかしさが入り交じりながら荒井は新堂を起こさぬよう口づけをする。 そしてキスをしてから、最近は起きている時にキスをしていないのに気付いた。
いつも眠っている時の彼に挨拶代わりのキスをしていたからすっかり忘れていたのだ。
「今度は起きている時にキスをしますね、新堂さん。最近、ずっとしてませんもんね……」
荒井はそう独りごちると新堂の眠るベッドへと入る。
眠っているはずなのに新堂は、自然と荒井の身体を抱きしめていた。
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