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インターネット字書きマンの落書き帳

   
ただしい玩具のこわしかた(新荒)
新堂さんと荒井くんの話しを書きました。(作品に誰が出るかの説明)
抑えがたい程の加虐性欲をもつ新堂さんが、誰かに支配され束縛され羞恥を煽られる事で安心できる被虐性欲の塊である荒井くんと同意の上でプレイ関係にある世界の話です。(二行目からいきなり露呈する作者の性的倒錯)

ウダウダ言わずいきなりプレイから入るのでせっかちの人でも安心です。
良かったですね!

特にえっちな話ではないのでたぶん大丈夫です。
全年齢対応です。
誰でもいつでも摂取できる性的倒錯、素敵ですね!

今回は、同意の上でプレイだけする関係で割り切っておりお互いそれ以上は立ち入らない。
そんな流れで行為だけを続けていたけど、どうしても荒井くんの事を手に入れたくなってしまった新堂さんのお話だよ!

プレイとか行為とか、本当に全年齢対応なのか疑わしい言語が飛び交ってるね!
だいじょうぶ! きっと大丈夫だよ!

設定上、荒井くんの身体に傷痕が残っているよ!
どうして傷痕があるんだ……? という部分は、配信OKラインでは出てこないシナリオを参照してください案件だから、みんな鳴神学園を買ってね!


『正しい玩具の壊し方』

 後ろ手を荒縄できつく縛り上げられた荒井の身体を新堂は無造作にベッドへと押し沈め枕へ頭を押しつける。そんな新堂の姿を荒井は恐怖と苦痛の入り交じった目で見つめていた。

 「や、めてください……新堂さっ、ん……これ以上は……」

 涙目になり唇を噛むのは痛みに耐えているのだろう。幾度も打ち据えた荒井の身体はあちこち痣になっており彼の病的なまでに蒼白の肌はまるで紫の花弁でもまき散らしたような斑紋を描いていた。
 新堂はそんな荒井の身体を眺め、密かな悦に浸る。白い身体に残った無数の痣はそれだけ荒井が従順に耐え抜いた証であり荒井の身体が自分の所有物である印でもあるのだ。これが増えて花開くのを喜ばぬ「主人」はいないだろう。新堂は満足げに笑うと荒井の頭をより深く枕へと押しつけた。

「やめてくださいだぁ? ……この程度で音を上げるようなタマじゃ無ぇだろテメェはよ。もっと素直にイジめて欲しいって言えよな」

 荒井は暫く抵抗するように身体をねじらせていたが一分ほどで抵抗する力もないように脱力してく。窒息する寸前なのだろう、あまりやりすぎれば本当に壊れてしまう。
 新堂は仕方ないといった表情を露骨に浮かべながら荒井の髪をつかみ顔を持ち上げれば荒井は口を大きく開きやっとの様子で息をした。
 口からはだらしなく涎が滴っている。無理矢理に頭を押さえつけていたのだから仕方ないだろうが、こんな粗相を見逃しては良き主人とはいえまい。
 新堂は大仰にため息をつくと荒井の背中を平手で打つ。痛みに耐える荒井の目からは大粒の涙がこぼれだしていた。
 平手で叩いたから音のわりに痛みは少ないだろうが激しい音は恐怖を与え精神を摩耗させる。 
 恐怖で支配しようと思った時は強い口調でなじり激しい音をたてることで些細な恐怖心を存分に肥大させ、こちらには絶対逆うことは出来ないのだというのを頭と身体に理解させる。
 それは新堂が中学時代は格闘技で、高校に入ってからは部の先輩らの指導により教えられた暴君としての知識と経験であった。

「もっと泣いて見せろよ。助けを乞うて祈って見せろ。テメェみてぇなガリヒョロのガキは情けなく助けを求め命乞いして地面にキスする姿がお似合いだぜ。ほら、泣いて命乞いをしろ。助けてください新堂さん……丁寧にそうお願いするんだ、いいな?」
「ぁっ……ぅ、ぅ……」

 新堂の言葉は届いているだろうが、まだ呼吸が整っていないのだろう。声を漏らし微かに指を動かすだけの荒井に新堂はまた平手を浴びせた。

「すぐに返事出来ないとはどういう了見だ? 今のテメェは俺の気分で簡単に縊り殺す事だってできンだぞ……それをわかってンだろうな?」

 うつ伏せになり枕へ頭を預けたままでいる荒井の頬を片手でつかむとその顔を強引に自分の方へと向ければ荒井はやっとの思いで声を出す。

「た、すけ……もう、助けてください、新堂さん……もう、やめて……やめて、ください……これ以上は、もう……」

 もともと声を張る方ではない荒井の声がいっそうか細く聞こえるのは溢れた涙が止まらず話す事が億劫になる程度には冷静さを欠いているからだろう。
 どんな状況でも思考を放棄する事はなく自分の状況を至極冷静に観察しているようなきらいがある荒井だが頭で理屈をこねる事が出来ても身体の痛みや内から這い上がってくる恐怖心には抗えず生理現象として出る涙は容赦なく体力を奪っていた。
 それともこの冷静な荒井でも本当に殺されるかもしれないといった恐怖を前に泣き喚いたりするのだろうか。

 どちらでもいいし、どちらにも興味はない。
 大事なのは荒井が畏怖を抱いた目で自分を見ているということと、自分を主人として認め従っているという事だ。
 自分に殴られ攻め立てられて怯え震えながらも支配を求める人間を見るのはすこぶる気分がいい。
 とどのつまり新堂誠という人間は他人を罵倒と暴力で縛り上げる事でしか心地よいと感じる事が出来ない性的倒錯者だったのだ。

 だが、あまり身体ばかり痛め付けてばかりいるのもまずい。
 手加減をしているとはいえ新堂は人より鍛えた身体をしているのだ。油断すれば思いがけぬ大けがをさせて本当に壊してしまう。それに、長くゲームを楽しむためにはインターバルも必用だろう。
 新堂は荒井の頭を抱き寄せるとその耳元で囁いた。

「……助けて欲しいか、荒井? 本当にそう思っているのか? お前は俺に殴られ罵られると身体が反応する性分じゃないのか、なぁ」
「ち、がっ……本当に、もう……」
「そう言うが身体の方はどうだ? 随分と物欲しげじゃないか……認めろよ、荒井。自分は縛られ引っ叩かれる事で興奮するド淫乱な身体だってな。そうしたら、もっと可愛がってやるぜ」

 急に包み込まれるように抱きしめられ困惑する荒井を仰向けに寝かせる。容易には逃げられないよう両膝で腰をしっかりロックしておいたが荒井はすでに抵抗する気力もないようだった。

「ぼ、くは……僕は、新堂さん。あなたに縛られ、殴られ、罵られて……興奮する、変態です……淫乱で始末の悪い身体の……だから、もう。もう、許して……許してください、許して……くだ、さい……」

 抑揚のない声でそう告げる荒井の声色はたっぷりの怯えと恐れ、そして僅かに高まっていく期待の色が見えた。
 これだけ非道い暴力を受け、身体の自由も奪われた挙げ句言葉で詰られていてもなお内にある興奮を抑えられない。
 荒井昭二という男もまたそのような倒錯した性にとりつかれていたのだ。

「よし、良く言えたな……ずいぶんいい子になってきたじゃ無ぇか、なぁ?」

 新堂は満足げに頷くと荒井の唇を指先で撫でる。
 唇に触れられるのが心地よいのだろう、僅かに撫でただけで身体が跳ね上がる程に震えるのが肌の上からも感じられた。

「……だが俺はまだ物足りねぇな。まだ少しお前の身体で遊ばせろ。いいよな? ……最も、お前に返事する権利は無ぇけどな」

 少し休みを入れて言葉で羞恥を煽るつもりだったがあまりに荒井が恐怖の顔を向けるから暴力的に振る舞いたいという欲求がムクムクと膨れ上がっていく。
 それは新堂がもともと言葉で追い詰めるより暴力で屈服させる方が好きだという出やすい性分なのも大きかったが荒井の顔が加虐欲を煽る表情が巧みであった事も大きかっただろう。
 彼の顔が中性的で整っているからこんなにも傷つけたいと思うのだろうか。
 それとも普段は他人を見下しどこか軽んじるような態度を見せる荒井が泣き喚いて命乞いをするという事実が悦びを引き出すのか。
 その理由はわからなかったが、これまで痛め付けてきた人間のなかで一等に昂ぶる相手は間違いなく荒井だったろう。

 新堂は伸縮式の短鞭を口でくわえ伸ばすと荒井の服をたくし上げる。
 普通は鞭のような道具を使う方がより強く相手に痛みを与える事が多いのだが、新堂の場合人に向けて使われるよう手心の加えられた道具を扱った方が肉体のダメージを抑える事が出来るので焦らしてやりたい時はこの短鞭を好んで使っていた。

 とはいえ、胸に直接鞭を打つのが痛くないはずはない。
 どうやって痛みを抑え苦痛を与えるか考えながらめくった服の下から現れたのは深々と刻まれた知らない名前であった。

 ちょうど一年ほど前、荒井がストーカーのような相手に付け狙われていた事は以前の集会で聞いている。
 何としても荒井を自分のモノにしたい。手元において自分だけが愛でる事の出来る玩具として欲しいと渇望した相手に捕らわれ、無理矢理名前を刻まれたのだ。
 名前はすべて刻み終える前に助けられたものの、傷痕は今でも残っている。一年たった今でもまだ傷が残っているという事は今後もまだ暫くは残るのだろう。
 ひょっとしたら一生消える事はないのかもしれない。

 その傷に触れ手を止める新堂に、荒井はどこか悲しそうな目を向けた。

「やっぱり、胸に知らない男の名前があるのは気持ち悪いですよね……」

 顔は涙に濡れたままだが声のトーンは幾分か冷静さを取り戻している。一瞬の戸惑いから新堂の興がそがれた事に気付いたのだろう。
 荒井は良く気の回る極めて上質のマゾヒストであったが、上質すぎる故に主人である新堂のわずかな変化も見逃すことはなかった。

「いいですよ、無理にしなくても……乗り気じゃないプレイは楽しくもないですから」

 そういいながら顔を背ける。
 もし腕が自由になってたら涙を拭いていつも通りの無表情な荒井の顔に戻っていたに違いない。

 新堂と荒井は互いにプレイとしてのSMを楽しむ関係だった。
 新堂は元々加虐欲求が強くそのため衝動的な暴力に走る傾向があり、荒井は被虐欲求が強く攻め立てられ苦しめられる先にある歓喜に浸ることでしか欲求を満たせない性分だったのだ。
 お互いの性的嗜好が一致しているからという理由で一緒にいるだけであり、行為もあくまで同意の上のプレイであり愛だの恋だの語らうような感情はない。

 新堂は自分の抑えがたい破壊欲求を満たすため。
 荒井は極限の緊張状態で訪れるスリルと興奮を味わうためお互いの身体を預けているだけであり、プレイ中の行為は罵声と緊縛、そして大けがをしない程度の暴力まで。キスやセックスに至らないというルールの上で行為を続けていた。
 最もこのルールは自分は男相手に恋愛感情など抱くことはないと思っていた新堂が提案したものなのだが。

 割り切った関係であり、ゲームとしてのプレイである以上は荒井がもう止めて欲しいと望んだのならすぐに止めるのが正しいのだろう。
 倒錯した性に正しさを求めるのも奇妙な話なのだろうが、行為はスポーツと同じで一定のルールをもうけていなければ悪い方へ向かいやすいものだから。

 だが新堂は止めようという気分になれなかったのは、荒井が一つ勘違いをしているのを何としても分からせたかったからだ。
 新堂は鞭を手にしたまま、荒井の肌を撫でていた。 傷口は他の皮膚より敏感だからか、途中まで書かれた他人の名前をなぞると荒井の身体は小さく震える。それが恐怖や嫌悪からくる震えでなく快楽に耐えている仕草だというのは容易に見てとれた。

 傷を見た時、確かに新堂の手は止まった。
 だがそれは興が削がれたというよりも嫉妬と悔しさが入り交じった感情が吹き出た自分に戸惑っていたからだ。
 もっと早く荒井という男に気付いていればこんな傷をつける前に自分のモノにしていたし、もっと綺麗な痣をこの身体いっぱいに咲かせてやる事だってできたのにこの傷を見ると手が止まる。
 見知らぬ相手の一方的な愛情で自分のモノである荒井昭二が思い通りに動かないのが彼の主人である新堂に怒り似た激しい感情を抱かせたのだ。

 新堂は荒井の姿を見る。
 プレイを止めて欲しいと口では語っていたが、荒井はまだセーフワードを口にしてはいない。

 セーフワードとは、お互いに何かあった時のため、この言葉を口にしたら何があってもプレイを中断しなければならないと取り決めた言葉だ。
 本当の限界が来た時や絶対にされたくない行為に立ち入らないため、必ずセーフワードを決めていた。この言葉を言ったらどんな状態でもプレイを中断するという契約の言葉は、逆に言えばその言葉を伝えてない限り続けていいという事だろう。
 新堂は荒井の口へ親指を突っ込むと半ば強引に口を開けさせた

「ぁっ、がっ、ぁ……」

 苦しそうに顔をゆがめ身をよじる荒井の姿は相変わらず愛おしく、普段は心の奥底で身じろぎせずじっとうずくまっている支配欲を身体の隅々まで満たしてくれる。
 この身体も声も表情も全部自分が育てて作ったというのに、過去の傷がどうしてそれを止めるのだ。
 身体に名前を刻んでも心までは縛れないと荒井は言っていたのに、この傷が荒井の今を縛っているのが許せない。

「俺は止めるつもりはねぇよ、荒井」

 口に入れた指を、荒井は賢明に舐る。
 骨の髄まで染みついた被虐欲求は蛮行に反応しサディストの悦ぶ行為を自然ととるようになっていたのだろう。

 あくまで同意の上で、ゲームをするような感覚で始めた遊びだ。
 だが今の新堂にとって荒井の存在は決して手放したくないほど大きく膨れ上がっていた。

 まだ誰も荒井の心を縛っていないのなら、自分が得る事は出来ないのだろうか。
 求めたら荒井はこたえてくれるのだろうか。

 その思いを口にすれば今までのような関係をには戻れないのはわかっていた。
 肉体関係のないプレイを楽しむに留めようと伝えたのも新堂の方だ。それを自分から反故にするのはらしくないとも思う。
 だがそれでも今、言うべきだと思った。
 本当の意味で荒井という人間を自分のモノにするためには、いつか必ずこの時が来るのだろうと薄々感じていたのだから。

「……キスしていいか?」

 留めようという理性よりも伝えて楽になりたいという欲求が勝っていた。
 同時にそれは覚悟を終えたのも意味している。

 荒井の身体だけではなくその心も自分の鎖でつなぎ止めていたい。
 苦痛に歪む顔も愛するという心もすべて手に入れたいと思うし、髪の毛一本、爪の一欠片でさえ他人に渡したくはないとも思う。
 新堂の支配欲はすでに執着や独占の域に入ろうとしていた。

「嫌ならセーフワードを言え。言わないなら……もらうぜ」

 荒井の口から指を引き抜き、自由に話せるようにする。
 セーフワードは「恥の多い生涯」だ。指を入れていても言えるくらいの単語だがわざと言葉を伝えにくい状況で迫るのはフェアじゃないと思ったし、本心からそれを望む言葉を得なければ意味などないとも思ったからだ。

「いいか、もう一回だけ言ってやる。嫌なら言え。言わないなら続けるからな」

 吐息がかかる程近くに迫りもう一度声をかければ、荒井は何も言わずただ黙って目を閉じる。
 受け入れたのか、それともまだ迷っているのか。どちらにせよこれ以上我慢は出来ない。新堂は欲望の赴くままに唇を重ね思う存分貪った。

「んっ……新堂さ、苦し……」
「嫌ならセーフワードを言えと言ってるだろう? ……言わない限り続ける。お前の口を犯し尽くしてお前の過去も全部もらってやる……ははッ、女にだってこんなに優しくしてやらねぇんだぜ? ありがたく思えよな」

 息をつかせぬほどのキスを続ければ荒井の表情は苦しさに快楽と歓喜が混ざっていく。半ば蕩けるようなこの顔は荒井が苦痛も快楽も曖昧になりどんな責め苦でも笑っていられる理性がすり切れた時だけに見せる顔だった。
 キスを終えた後も荒井は視点の定まらぬまま、甘い吐息を漏らす。

「……新堂さ、ん……もっとお願いします。もっと僕をイジめてください……僕は、あなたになら壊されても、殺されてもいい……」

 好きだとも愛しているとも互いに伝えてはいない。
 だがその視線と仕草とは言葉よりも明確に荒井の思いを伝えていた。

 新堂は伸縮式の鞭を持ち直すと、その先を舐る。

「殺してやるかよ。テメェみてぇな上等なオモチャ。すり切れてガタがきてボロボロになるまで散々使い潰してやる。せいぜい覚悟しておくんだな」

 そしてはだけた胸元へ鞭を振り下ろすのだ。
 自分の激しい暴力衝動も支配欲もすべて、荒井のためにあるのだと。ただそれを伝えるために。
 二人だけの室内で、倒錯した行為が続いていた。

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プロフィール
HN:
東吾
性別:
男性
職業:
インターネット駄文書き
自己紹介:
ネットの中に浮ぶ脳髄。
紳士をこじらせているので若干のショタコンです。
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