インターネット字書きマンの落書き帳
呼び捨てされたい坂上くん(風坂/BL)
ラブラブカップルの かざま と さかがみ が勝負をしかけてきた!
みたいなノリの、バカップルっぽくなってる風間×坂上の話を書きたくなったので……書きましたッ!
X(旧姓Twitter)でもチョロっと書いた、坂上くんを「修一」と呼び捨てにしてみるも、上手くいかなくて声が上ずっちゃうような風間の話を……しています。
何かイチャイチャしているほのぼの男子高校生なふたりを書きたくなったので……。
良かったら読んでいってください♥
みたいなノリの、バカップルっぽくなってる風間×坂上の話を書きたくなったので……書きましたッ!
X(旧姓Twitter)でもチョロっと書いた、坂上くんを「修一」と呼び捨てにしてみるも、上手くいかなくて声が上ずっちゃうような風間の話を……しています。
何かイチャイチャしているほのぼの男子高校生なふたりを書きたくなったので……。
良かったら読んでいってください♥
『名前で呼んで狼狽えて』
二人きりの時なら名前で呼んでもいいですよ。
先輩であり最上級生でもある風間から「坂上くん」と呼ばれ続けるのがくすぐったく思えた坂上が風間にそう提案したところ。
「修一くん、修一くん、修一くーん」
「修一くん、何しているんだい、ボクの事ももっと見てくれたまえよ」
「修一くん、修一くーん……はは、呼んでみただけだよ」
といった具合で、二人きりになったとたんに風間は特に用がなくても坂上の名を連呼するようになっていた。しかも、二人きりになるチャンスが来るとキラキラ顔を輝かせ期待の目で坂上をじぃっと見つめるようにもなっている。その姿はまるでリードを見せたとたん散歩を期待し尻尾を振って期待の眼差しで見る飼い犬のポヘのようだ。
自分より年上なのに随分と無邪気で子供っぽく思えるが、そこが可愛く愛おしいと思うのが惚れた弱みというものだろう。
「まってください風間さん、記事の下書きが終わったらかまってあげますから」
「やめたまえよ、それじゃぁまるでボクがキミに構って欲しいみたいだろう? ボクがキミのこと大好きみたいじゃないか。いいかい修一くん、よーくわきまえておくんだ。ボクがキミの事を好きになったんじゃなく、格好良くてスタイルもいいボクに、キミがメロメロになったんだからそこのところ忘れないでおくれよ」
そう語る風間はどこか誇らしげだ。
風間にとって自分のことを坂上が大好きであるという事実が何よりも嬉しいのだろう。
坂上からするとお互いが好きならどちらが先に好きになったのかなんて関係ないと思うのだが、風間が幸せでいられるのなら惚れた男になるのも悪くない。新聞部の活動で、人より記事を書くのが遅いため倉田のようにインタビューや取材、写真撮影と飛び回る程機動力がないため一人部室に残り試行錯誤していた頃は置いて行かれて寂しい気持ちしかなかったが、一人になったタイミングを伺って風間が様子を見に来てくれるようになってからは空虚な時間に色彩を得たような気分になっていた。
倉田に見られたらきっと根掘り葉掘り聞かれるだろうと思うと億劫だし、記事を書いてる最中、風間は邪魔しかしないのだがそれも別にいいと思えている今はきっと幸せなのだろう。
「修一くーん、聞いてる? ほら、好きになったのはボクが先ですって言いなよ。認めなって、恥ずかしい事じゃぁないよ。ボクみたいなカッコマンを前にしたら老若男女、誰しも恋に落ちるのは仕方ない事だからね」
それにしても、風間の事は少し甘やかしすぎている気がする。
坂上が何でも「いいですよ」と最終的に折れていたから助長しすぎたかもしれない。
たまには風間を困らせたり戸惑わせたりしたいが、何か出来る事はないだろうか。
坂上はシャープペンシルで眉間を掻き、少し思案する。そしてふと、思いついたような顔をし風間へと向いた。
「望さん、二人の時はお互い名前で呼びましょうって言いましたよね」
「うん、言ったけど……な、何だい? 急に嫌になったのかい。いいじゃないか修一くん、二人だけの時にしか呼んでない、約束は守っているんだよボク。ボクだって二人だけの特別な時間は大切にしたいし……」
「僕もそうですよ。ですけど、望さんは僕の先輩ですから、わざわざ修一くん、なんて呼ばなくてもいいと思うんです。別に呼び捨てでも……いえ、ぜひ呼び捨てで呼んでください。そのほうが、僕も特別を感じられると思いますから」
思い切って告げれば、風間は驚いたように目を白黒させる。
「えぇ、修一くんのことを呼び捨てに? う、うん、まぁ、確かにキミは年下だし。後輩だから……呼び捨てにしたほうがいいのかな……?」
「そうですよ、なんだか他人行儀に思えるじゃないですか。たぶん、日野さんとか新堂さんは僕のこと呼び捨てにすると思うんですよね」
「ちょっと、日野や新堂とボクを比べないでおくれよ。ボクのほうが断然いい男だし、キミのこと大好きだし、キミに愛されているんだからね。でも、そうか……たしかに日野だったら、呼び捨てにしてるだろうしなぁ……」
そしてしばらく一人で呟いてから、坂上へと向き直った。
「わかった、二人の時は特別だからね。特別に呼び捨てにしてみるよ、しゅ、しっ、修一……くぅん……」
呼び捨てにしてみる、そう言った癖にまるで落ち込んでいる犬のような声で「くん」を付けている。
予想もしてなかった可愛い声と困惑した表情を前に坂上はつい笑ってしまう。すると風間は露骨に気分を害したように唇を尖らせた。
「な、何笑っているんだ失礼だろうキミは。だいたい、急に呼び捨てとか、慣れてないんだから無理に決まってるだろ」
「そうですか、望。僕はそこまで抵抗ないんんだけどな」
「っ……きゅ、急に呼び捨てにしないでくれるかな! い、いま、なんだろう。すごく……は、恥ずかしいじゃないか。キミは本当に時々、恥ずかしいことをするねぇ。まったく……」
真っ赤になった顔を見られたくないのだろう、風間は坂上を後ろから抱きしめ、表情を見せないようにする。
これでしばらくは静かにしてくれるだろう。坂上は安堵の息を吐くと記事に集中する。記事を書きながらも背中に温もりを感じるのは、存外に悪くない。密かにそんな思いを抱く坂上の背中を、風間の長い髪がくすぐっていた。
二人きりの時なら名前で呼んでもいいですよ。
先輩であり最上級生でもある風間から「坂上くん」と呼ばれ続けるのがくすぐったく思えた坂上が風間にそう提案したところ。
「修一くん、修一くん、修一くーん」
「修一くん、何しているんだい、ボクの事ももっと見てくれたまえよ」
「修一くん、修一くーん……はは、呼んでみただけだよ」
といった具合で、二人きりになったとたんに風間は特に用がなくても坂上の名を連呼するようになっていた。しかも、二人きりになるチャンスが来るとキラキラ顔を輝かせ期待の目で坂上をじぃっと見つめるようにもなっている。その姿はまるでリードを見せたとたん散歩を期待し尻尾を振って期待の眼差しで見る飼い犬のポヘのようだ。
自分より年上なのに随分と無邪気で子供っぽく思えるが、そこが可愛く愛おしいと思うのが惚れた弱みというものだろう。
「まってください風間さん、記事の下書きが終わったらかまってあげますから」
「やめたまえよ、それじゃぁまるでボクがキミに構って欲しいみたいだろう? ボクがキミのこと大好きみたいじゃないか。いいかい修一くん、よーくわきまえておくんだ。ボクがキミの事を好きになったんじゃなく、格好良くてスタイルもいいボクに、キミがメロメロになったんだからそこのところ忘れないでおくれよ」
そう語る風間はどこか誇らしげだ。
風間にとって自分のことを坂上が大好きであるという事実が何よりも嬉しいのだろう。
坂上からするとお互いが好きならどちらが先に好きになったのかなんて関係ないと思うのだが、風間が幸せでいられるのなら惚れた男になるのも悪くない。新聞部の活動で、人より記事を書くのが遅いため倉田のようにインタビューや取材、写真撮影と飛び回る程機動力がないため一人部室に残り試行錯誤していた頃は置いて行かれて寂しい気持ちしかなかったが、一人になったタイミングを伺って風間が様子を見に来てくれるようになってからは空虚な時間に色彩を得たような気分になっていた。
倉田に見られたらきっと根掘り葉掘り聞かれるだろうと思うと億劫だし、記事を書いてる最中、風間は邪魔しかしないのだがそれも別にいいと思えている今はきっと幸せなのだろう。
「修一くーん、聞いてる? ほら、好きになったのはボクが先ですって言いなよ。認めなって、恥ずかしい事じゃぁないよ。ボクみたいなカッコマンを前にしたら老若男女、誰しも恋に落ちるのは仕方ない事だからね」
それにしても、風間の事は少し甘やかしすぎている気がする。
坂上が何でも「いいですよ」と最終的に折れていたから助長しすぎたかもしれない。
たまには風間を困らせたり戸惑わせたりしたいが、何か出来る事はないだろうか。
坂上はシャープペンシルで眉間を掻き、少し思案する。そしてふと、思いついたような顔をし風間へと向いた。
「望さん、二人の時はお互い名前で呼びましょうって言いましたよね」
「うん、言ったけど……な、何だい? 急に嫌になったのかい。いいじゃないか修一くん、二人だけの時にしか呼んでない、約束は守っているんだよボク。ボクだって二人だけの特別な時間は大切にしたいし……」
「僕もそうですよ。ですけど、望さんは僕の先輩ですから、わざわざ修一くん、なんて呼ばなくてもいいと思うんです。別に呼び捨てでも……いえ、ぜひ呼び捨てで呼んでください。そのほうが、僕も特別を感じられると思いますから」
思い切って告げれば、風間は驚いたように目を白黒させる。
「えぇ、修一くんのことを呼び捨てに? う、うん、まぁ、確かにキミは年下だし。後輩だから……呼び捨てにしたほうがいいのかな……?」
「そうですよ、なんだか他人行儀に思えるじゃないですか。たぶん、日野さんとか新堂さんは僕のこと呼び捨てにすると思うんですよね」
「ちょっと、日野や新堂とボクを比べないでおくれよ。ボクのほうが断然いい男だし、キミのこと大好きだし、キミに愛されているんだからね。でも、そうか……たしかに日野だったら、呼び捨てにしてるだろうしなぁ……」
そしてしばらく一人で呟いてから、坂上へと向き直った。
「わかった、二人の時は特別だからね。特別に呼び捨てにしてみるよ、しゅ、しっ、修一……くぅん……」
呼び捨てにしてみる、そう言った癖にまるで落ち込んでいる犬のような声で「くん」を付けている。
予想もしてなかった可愛い声と困惑した表情を前に坂上はつい笑ってしまう。すると風間は露骨に気分を害したように唇を尖らせた。
「な、何笑っているんだ失礼だろうキミは。だいたい、急に呼び捨てとか、慣れてないんだから無理に決まってるだろ」
「そうですか、望。僕はそこまで抵抗ないんんだけどな」
「っ……きゅ、急に呼び捨てにしないでくれるかな! い、いま、なんだろう。すごく……は、恥ずかしいじゃないか。キミは本当に時々、恥ずかしいことをするねぇ。まったく……」
真っ赤になった顔を見られたくないのだろう、風間は坂上を後ろから抱きしめ、表情を見せないようにする。
これでしばらくは静かにしてくれるだろう。坂上は安堵の息を吐くと記事に集中する。記事を書きながらも背中に温もりを感じるのは、存外に悪くない。密かにそんな思いを抱く坂上の背中を、風間の長い髪がくすぐっていた。
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