インターネット字書きマンの落書き帳
大晦日に新堂の家で泊まってる荒井の話(BL)
2024年になりましたが、大晦日の話をします!
何故なら、もう書いてしまったから!
という訳で、年越しを新堂の家で過ごす荒井の話です。
新堂×荒井を書く人なので当然、2023年大晦日の話も、2024年正月にする話も……新堂×荒井ですよ!
すでに新堂の家では「うちの息子がつれてくる子のなかで一番大人しいし一番かわいい子」「うちの息子と違って細いからいっぱい食べさせなきゃいけない子」と、両親に認識されている荒井がいます。
平和な日常 is happy……。
新堂×荒井のこと好きかい? 今日から好きになろうぜ!
何故なら、もう書いてしまったから!
という訳で、年越しを新堂の家で過ごす荒井の話です。
新堂×荒井を書く人なので当然、2023年大晦日の話も、2024年正月にする話も……新堂×荒井ですよ!
すでに新堂の家では「うちの息子がつれてくる子のなかで一番大人しいし一番かわいい子」「うちの息子と違って細いからいっぱい食べさせなきゃいけない子」と、両親に認識されている荒井がいます。
平和な日常 is happy……。
新堂×荒井のこと好きかい? 今日から好きになろうぜ!
『12月31日のキス』
「今年の大晦日は日付が変わるまで起きててやる! 11時半頃には家に出て、今年最後のお参りと初詣を同時に済ますなんて名案だろ」
そう息巻いていた新堂誠はコタツの中で寝息をたてている。時計を見れば午後10時を少しまわった頃だった。
元々健康優良児の新堂は朝方の生活サイクルで夜は日付が変わる前に寝てしまうのが日常だ。最近では受験も一段落しているから早朝ジョギングなどを再開しているらしい。
大学はスポーツ推薦でボクシングを続ける事が決まっているので今から身体作りをしなければいけなかったし、年末に向けてクリスマスだ何だと友達と集まって徹夜で騒いだりしたツケが大晦日に疲れとして現れたのだろう。
荒井昭二は新堂の肩にタオルケットをかけると静かに本を読み始めた。荒井が泊まりにきて、新堂が疲れて先に寝てしまうのはよくある事だったからだ。
しばらくそうしていると、新堂の両親が部屋へと様子を見に来る。きっとあまりに静かになったからまた新堂が荒井の事を放っておいて寝落ちしてしまったのだろうと思って様子を見に来たようだった。新堂の両親からしても、荒井が来る時新堂は荒井を放っておいて先に寝て困らせているという認識があるようだった。
「あらあら、やっぱり誠寝ちゃってるわ。荒井くんが来てるってのに仕方ない子ねぇ……」
「昔から大晦日になると明日まで起きてるぞ、って息巻いてるくせに一番最初に寝ちまうもんなぁ」
新堂の両親は毎年恒例といった様子を見せながら、コタツの中にいる新堂を引きずり出してベッドへ転がす。 最近、荒井が新堂の家に泊まる時は先に寝た新堂を両親がベッドに放り込むというのが恒例行事となりつつあった。
「すいません、おじさん。おばさん。お手伝いもしないで……」
本来なら自分も手伝うべきなのだろうが、いつも新堂を引きずり出す手際が良すぎて間に入る隙が無い。恐縮しながら声をかければ、新堂の両親は荒井へと微笑みかけた。
「いいのよ、荒井くんはお客様なんですから。こんな馬鹿でかいでくの坊を荒井くんみたいに華奢な子に担がせる訳にはいきませんからね」
「そうだそうだ、だいたい自分が友達を呼んでおいて先に寝るなんて誠の方が悪いんだ。後でちゃーんと言い聞かせておくから、荒井くんはゆっくりしてくれよ」
言葉は優しく、荒井のことを気遣ってくれているのがよくわかる。
新堂が言うには、荒井は新堂が普段家につれてくる友人とはタイプが違い大人しそうで真面目そうだということから両親の受けがいいのだそうだ。
それに、受験勉強に手こずる新堂に勉強を教えたのは他でもない荒井なのだ。そのおかげでスポーツは万能だが学力はからっきしの新堂でもスポーツ推薦で大学進学の道が開けたのだから、荒井への感謝は大きいのだろう。
「荒井くん、まだ起きているなら暖かいお茶でもいれてこようか?」
特に新堂の母は、荒井の事を実の息子のように可愛がってくれていた。 新堂とはタイプが違い華奢で小柄な荒井のことを小動物か何かだと思っているのかもしれないが。
「いえ、大丈夫です。誠さんも寝てしまいましたから、僕もそろそろ寝る事にしますよ。大晦日に起きていられなかったのですからきっと、初日の出前には起きると思いますからね」
その言葉に、新堂の両親は静かに頷き部屋から出ていった。
新堂の両親は、荒井が新堂の家に泊まるのを随分と歓迎しており年末は荒井の両親が忙しく一人で過ごすのを聞いて「是非家に遊びに来るといい」と迎えてくれたのだ。
新堂と荒井の関係が恋仲である、という事まで察しているかはわからないが家族の一員のように扱ってくれるのは少しくすぐったいが心地よかった。
一人になってから、荒井はあらかじめ準備された自分用の布団を敷いて電気を消し寝る前に新堂の顔をのぞき込む。寝付きの良い上眠りの深い新堂だから、きっと両親に手足をもたれベッドに転がされたなんて気付いてもいないだろう。
「おやすみなさい、新堂さん。来年も……僕だけを見て、僕だけを愛してくださいね」
囁いてから唇を重ねれば、それを待っていたかのように強い力で引き寄せられる。起きていて待ち構えられてたのだろうかと思い顔をのぞき込むが、やっぱり寝ているようだ。そういえば新堂は寝相が悪い上に寒がりだからそばに寄った荒井の事を抱き枕だと勘違いしたのかもしれない。
逃れようにも寝ていてもやけに抱きしめる力は強いし、一人で寝るのも寒いものだ。もし寝坊をして新堂の両親が起こしに来たら一緒のベッドで寝ているのを見て何と思うかわからないが、それでもこの温もりからは離れがたい。
荒井は新堂の身体を抱きしめると、その胸に顔を埋める。身体の中に愛しい男の香りが満ちていき、静かな年の瀬の夜は過ぎていくのだった。
「今年の大晦日は日付が変わるまで起きててやる! 11時半頃には家に出て、今年最後のお参りと初詣を同時に済ますなんて名案だろ」
そう息巻いていた新堂誠はコタツの中で寝息をたてている。時計を見れば午後10時を少しまわった頃だった。
元々健康優良児の新堂は朝方の生活サイクルで夜は日付が変わる前に寝てしまうのが日常だ。最近では受験も一段落しているから早朝ジョギングなどを再開しているらしい。
大学はスポーツ推薦でボクシングを続ける事が決まっているので今から身体作りをしなければいけなかったし、年末に向けてクリスマスだ何だと友達と集まって徹夜で騒いだりしたツケが大晦日に疲れとして現れたのだろう。
荒井昭二は新堂の肩にタオルケットをかけると静かに本を読み始めた。荒井が泊まりにきて、新堂が疲れて先に寝てしまうのはよくある事だったからだ。
しばらくそうしていると、新堂の両親が部屋へと様子を見に来る。きっとあまりに静かになったからまた新堂が荒井の事を放っておいて寝落ちしてしまったのだろうと思って様子を見に来たようだった。新堂の両親からしても、荒井が来る時新堂は荒井を放っておいて先に寝て困らせているという認識があるようだった。
「あらあら、やっぱり誠寝ちゃってるわ。荒井くんが来てるってのに仕方ない子ねぇ……」
「昔から大晦日になると明日まで起きてるぞ、って息巻いてるくせに一番最初に寝ちまうもんなぁ」
新堂の両親は毎年恒例といった様子を見せながら、コタツの中にいる新堂を引きずり出してベッドへ転がす。 最近、荒井が新堂の家に泊まる時は先に寝た新堂を両親がベッドに放り込むというのが恒例行事となりつつあった。
「すいません、おじさん。おばさん。お手伝いもしないで……」
本来なら自分も手伝うべきなのだろうが、いつも新堂を引きずり出す手際が良すぎて間に入る隙が無い。恐縮しながら声をかければ、新堂の両親は荒井へと微笑みかけた。
「いいのよ、荒井くんはお客様なんですから。こんな馬鹿でかいでくの坊を荒井くんみたいに華奢な子に担がせる訳にはいきませんからね」
「そうだそうだ、だいたい自分が友達を呼んでおいて先に寝るなんて誠の方が悪いんだ。後でちゃーんと言い聞かせておくから、荒井くんはゆっくりしてくれよ」
言葉は優しく、荒井のことを気遣ってくれているのがよくわかる。
新堂が言うには、荒井は新堂が普段家につれてくる友人とはタイプが違い大人しそうで真面目そうだということから両親の受けがいいのだそうだ。
それに、受験勉強に手こずる新堂に勉強を教えたのは他でもない荒井なのだ。そのおかげでスポーツは万能だが学力はからっきしの新堂でもスポーツ推薦で大学進学の道が開けたのだから、荒井への感謝は大きいのだろう。
「荒井くん、まだ起きているなら暖かいお茶でもいれてこようか?」
特に新堂の母は、荒井の事を実の息子のように可愛がってくれていた。 新堂とはタイプが違い華奢で小柄な荒井のことを小動物か何かだと思っているのかもしれないが。
「いえ、大丈夫です。誠さんも寝てしまいましたから、僕もそろそろ寝る事にしますよ。大晦日に起きていられなかったのですからきっと、初日の出前には起きると思いますからね」
その言葉に、新堂の両親は静かに頷き部屋から出ていった。
新堂の両親は、荒井が新堂の家に泊まるのを随分と歓迎しており年末は荒井の両親が忙しく一人で過ごすのを聞いて「是非家に遊びに来るといい」と迎えてくれたのだ。
新堂と荒井の関係が恋仲である、という事まで察しているかはわからないが家族の一員のように扱ってくれるのは少しくすぐったいが心地よかった。
一人になってから、荒井はあらかじめ準備された自分用の布団を敷いて電気を消し寝る前に新堂の顔をのぞき込む。寝付きの良い上眠りの深い新堂だから、きっと両親に手足をもたれベッドに転がされたなんて気付いてもいないだろう。
「おやすみなさい、新堂さん。来年も……僕だけを見て、僕だけを愛してくださいね」
囁いてから唇を重ねれば、それを待っていたかのように強い力で引き寄せられる。起きていて待ち構えられてたのだろうかと思い顔をのぞき込むが、やっぱり寝ているようだ。そういえば新堂は寝相が悪い上に寒がりだからそばに寄った荒井の事を抱き枕だと勘違いしたのかもしれない。
逃れようにも寝ていてもやけに抱きしめる力は強いし、一人で寝るのも寒いものだ。もし寝坊をして新堂の両親が起こしに来たら一緒のベッドで寝ているのを見て何と思うかわからないが、それでもこの温もりからは離れがたい。
荒井は新堂の身体を抱きしめると、その胸に顔を埋める。身体の中に愛しい男の香りが満ちていき、静かな年の瀬の夜は過ぎていくのだった。
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