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インターネット字書きマンの落書き帳

   
普段と違うように見える彼氏の家みたいなの(新堂×荒井・BL)
平和な世界線で普通に付き合っている新堂×荒井の話をしています。(挨拶を兼ねた幻覚の説明)

今回は、新堂から「家に両親いないから遊びに来いよ」と誘われてソワソワしながらもお誘いにのった荒井が無事に家について、普段と違うような心持ちになりどうも浮ついてしまう。
そんな青春っぽいくすぐったい話を書きたくて……書いたよ!

男子高校生がお泊まりでドキドキしたりイチャイチャしたりするの好きかい?
今日から好きになろうぜ!



『普段と違う彼の家』

「今は俺とオマエしかいないからよ、あんま気を遣わなくてもいいぜ」

 新堂誠にそう言われ、荒井昭二は久しぶりに彼の家へと上がった。
 初めて彼の家に行ったのはいつ頃だったろうか。その時は両親が居て、色々と賑やかに話しかけられたのをぼんやりと覚えている。特に母親が興味深そうに色々聞いていたか。
 新堂の友人は大柄だったり強面だったりといかにも不良っぽさを漂わせた男が多かったから荒井のように内気で大人しそうに見える少年が来たのはよっぽど珍しかったのだろう。

「荷物とかは俺の部屋に置けよ。着替えは置いてあるから、それと……」

 歩きながら新堂は色々と話をしてきたが、荒井の耳にはほとんど入っていなかった。
 自分たち以外に誰もいないということで、はじめて新堂の家をじっくり眺めていたからである。
 新堂の家は荒井の家とは違い随分雑然とした様子であった。
 玄関のそばに置かれたプッシュ電話がおかれており、その電話は新堂の母が作ったとおぼしきパッチワークが下に敷かれている。壁には誰かのスケジュールがかかれたカレンダーがかけられ、雑誌ラックには新聞や少年誌がぎゅうぎゅうに詰まっていた。
 どれも荒井の家では見ないものだが、新堂の家はそれだけ生活感があるということだろう。荒井は何となく、時田の家や袖山の家に通された時のことを思い出す。どちらの家も家族の私物や趣味の品が色々と置かれていたのを考えれば世間的には荒井の家のようにモノがほとんど無く生活感を微塵も感じさせない家のほうが異質なのだろう。

「ま、細かいことはどうだっていいか。入れよ」

 程なくして二階の階段正面にある新堂の部屋につく。
 扉を開ければ以前来た時より随分とさっぱりした部屋が目に入った。荒井が来るからと気を遣い掃除したのだろうが、いかにも邪魔そうな大きい荷物を隅に避けただけの部分があるのは新堂らしい片付け方だと思った。
 一方の新堂は荒井の様子には気付かぬまま、置いてあったシャツなどを荒井へ差し出した。

「ほら、これおまえの部屋着。一応用意しておいたから、これ使えよ」
「えっ、いいんですか。自分でも準備してきましたけど……」
「オマエの服を汚すといけねェだろ? 汚れた服をオマエにもって帰らすのも悪いしな」

 新堂はさして気にする様子もなくそう言うと制服から普段着へと着替えるが、荒井はその背中を眺めながら何とも言えずむず痒い気持ちになる。
 汚すことを心配されるというのは、身体を汚されるようなこともしたいと思っているのだろう。その思いは荒井も同じではあるが、改めて言葉にされると自分が抱かれる実感が沸いてきて疼くような気持ちになるのだ。
 それに、新堂は自分の前で特に気にする様子もなく服を脱ぐが鍛え抜かれた背中は同年代の生徒たちと比べても広く逞しいだろう。 その身体が全て自分のものになり、自分のために尽くされるのだと思うのも嬉しいがひどく気恥ずかしくもあった。

「ん? 何ボーっとしてんだおまえ……早く着替えろって。あ、着替えたら飯にするけどいいよな」

 新堂は荒井の視線に気付いたのか振り返りまだ着替えていない荒井を急かす。 その言葉で自分が思いのほか新堂に気を取られていたことに気付き、荒井は慌てて服を着替え始めた。

「はい、そうします……ん……上着、新堂さんのですよね? やっぱり少し大きいような……」
「あー、だよなァ。でもズボンはそこまでデカくねぇだろ、俺が中学の頃使ってた奴だからよ。ズボンは古いのが見つかったけど、上着はどうしても見つからなかったんだよ、悪ィな」

 オーバーサイズのシャツの袖から指を出し、荒井は自分の髪を直す。
 新堂の言う通り、上着は大きいがズボンはそれほどダボついた印象はない。だが中学時代の新堂が着ていたズボンが今の自分にあうというのは少しばかり屈辱だった。

「中学の頃ですか? 新堂さんも僕と同じくらいの背丈だった頃があるんですね……」
「当たり前だろ、生まれた時からこんな可愛げのない大きさしてねぇよ。ま、いいんじゃねぇの? オマエはそれくらいの大きさでもカワイイと思うぜ」

 荒井の言葉に、新堂は笑いながら頭を撫でてくる。
 いかにも小さい子供を扱うような新堂の態度に、荒井はつい冷たい視線を向けていた。

「何で勝手に僕の身長をフォローしようとしてるんです? 僕は別に……今のままでも気にしてない、と言えば嘘にはなりますが、新堂さんに言われるとちょっと腹が立ちますよね」

 荒井は口をとがらせ前髪を弄る。
 自分の身長がクラスメイトと比べても小柄な方であるのも体系が華奢だというのも自覚していた。これ以上背は伸びないだろうと諦めてはいるし他人に言われてもあまり気に病んでやいないのだが、もう少し伸びて欲しかったというのが本音でもある。
 もちろん、こんな本音を漏らせるのは新堂前だからだ。他の連中に茶化されたりからかわれるのは殺してやりたい程度に面倒だが新堂だから許せるのだ。

「あぁ、悪ィ悪ィ。でもオマエが今くらいでも俺は全然気にしてねぇからオマエも気にするなって」
「そう言いますけど、僕はもう少し背が高ければと思うことはありますよ……それとも、新堂さんは僕が小柄だから好き……みたいな所もあったりしますか? もし僕が新堂さんと同じくらいまで背が高くなったらどうします? ……僕のこと、嫌いになるんですか?」

 荒井はふと、そんなことを訪ねてみる。
 荒井の体格は小柄で華奢で、顔立ちも中性的な部類に入るだろう。身体は男の体格だが、それでも女性に間違われることがある。自分がそういう体系だから新堂は受け入れてくれているのではないかと、ふとそんな風に思ったからだ。
 荒井の問いかけに新堂は少し考えたあと不意に笑うと荒井の身体を抱き寄せて、少しかがんで口づけをする。

「……ん、オマエがもう少し背が伸びて俺と同じくらいになるなら、別にいいんじゃねぇか。ほら、キスが今よりしやすくなるだろ」

 そうして当然のように笑うのだから、荒井は自然と赤くなる。
 自分の見た目などすでに気にしてはいない新堂の言葉も嬉しかったし、以前新堂の家に来た時は家族もいて人目があるからとキスをするのも隠れてだったが今は誰の目も憚らず彼の家でキスが出来るのも非道く荒井を昂ぶらせるものだから、あぁ、やはり来て良かったと、しみじみそう思うのだった。

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インターネット駄文書き
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