インターネット字書きマンの落書き帳
【死にたがりの荒井と死ぬ気はない新堂(新堂×荒井・BL)】
平和な世界線で普通に付き合っている新堂×荒井の話をするBlogです。
一行に凝縮された説明という名の執念、受け取れェ~!
荒井は何だか死にたがりが似合うよね……。
と思い、死にたがりで屋上に行って飛び降りようとしていたけど止められてしまった荒井と、荒井を助けようとしたら自分が落ちちゃう新堂みたいな話です。
二次創作はいつでも俺の書きたいものを趣味で書いてるよ!
一行に凝縮された説明という名の執念、受け取れェ~!
荒井は何だか死にたがりが似合うよね……。
と思い、死にたがりで屋上に行って飛び降りようとしていたけど止められてしまった荒井と、荒井を助けようとしたら自分が落ちちゃう新堂みたいな話です。
二次創作はいつでも俺の書きたいものを趣味で書いてるよ!
『死にたがりの死に甲斐』
荒井が振り返った時、すでに新堂の身体は大きく傾いていた。
学校の屋上、フェンスの向かい側だ。
いつもの死にたがりが出て屋上に向かい、飛び降りようとしていた荒井を留めたのが新堂だった。
彼がどうやって荒井を止めたのかはよく覚えていない。ただ強引に抱き寄せられ引きずるように安全なフェンスの向こう側に連れ出されたことだけはぼんやりと覚えている。
どうしていつも助けるのだろう。その口惜しさと今日も彼の腕が生へ引き寄せてくれた安堵。二つの相反する思いを持て余し新堂の方を見た時、彼の身体は地上へ落下しようとしていたのだ。
「新堂さんっ、新堂さ……」
声をあげ、手を伸ばす。だがフェンスが隔たり手は届かない。
必死に駆け寄ったのも空しく、冷たいフェンスごしに新堂は落ちていった。
「あ、あぁ……」
新堂が自分から飛び降りるとは思えない。身体も不自然に傾いていたから、フェンスを越えようと思ってバランスを崩したのだろう。
彼が死にたがる訳がない。死にたがりでない彼が死ぬはずがない。
そんな幻想を打ち破るよう、土に石でも打ち付けるような鈍い音がした。
下では新堂の身体が潰れ骨が折れ吹き出した血で濡れているのだろうか。まだ言葉を紡ぐだけの余裕があるのか、それとも首の骨が折れそれさえままならないのか。
怖かった。
元より退屈な人生から新堂が失われるのだと思うと恐ろしくて下を見る事すら出来なかった。
同時に自分が何て身勝手なのだろうとも思った。
目の前から新堂が失われる事など今まで一度も考えなかったのだろうか。死に到る程の危険を浴びせる自分を助けるのだからいつもそのリスクを新堂に負わせている自覚はあったはずだ。
新堂の前から自分が消えてしまうのは良いのに、自分の前から新堂が消えてしまうのを良しとしないのもひどいエゴだ。新堂が生きているうちに自分の生を終わらせたいと心のどこかで思っていたのではないか。
どうしようもない怖れと無力感から膝をつく荒井の耳に、微かだが人の声が入ったのはその時だった。
「お……い、いるんだろ、荒井ッ……いるなら手を貸してくれ……」
新堂の声だ。まだ生きているのだ。
それに気付いた時いてもたってもいられなくなった荒井は転げ落ちるように階段を下って外に出る。
グラウンドに出れば植え込みの中で身動きがとれなくなっている新堂の姿がすぐさま目に入った。運良くグラウンドに落ちなかったから大きな怪我をせずに済んだのだろう。それでなくとも、鳴神学園の屋上は飛び降りるにしては微妙な高さなのだから。
そんな死にきれないような高さを飛び降りてみようとする荒井も大概なのだろうが。
「新堂さん……新堂さん、大丈夫なんですか……」
植え込みの中に手を伸ばせば、新堂はその手をとり何とか身体を起こした。
「大丈夫な訳ねぇだろ、あの高さから落ちたんだぞ……くそッ、身体中が痛ェ……」
荒井の肩をかり何とか立ち上がる。 見た目に大きな怪我はないが落ちたのには違いない、油断は出来ないだろう。
「病院に……」
「当たり前だろ、行くよ。テメェみたいに死にたがりじゃ無ェんだ俺は……俺は、おまえと今日も明日も生きて生きて生き抜いてやるんだからな。お前が死にたくても死なせてやらねー、嫌がらせをずっと続けてな……ほら、手ぇ貸せ。病院まで一緒に行くぞ」
「……はい」
新堂に肩を貸し寄り添いながら歩き出す。
彼には生きていてもらわなければいけない。これからも自分の邪魔をしてもらわなければいけない。
新堂がいない世界では、生きがいは勿論、死にがいもないのだから。
荒井が振り返った時、すでに新堂の身体は大きく傾いていた。
学校の屋上、フェンスの向かい側だ。
いつもの死にたがりが出て屋上に向かい、飛び降りようとしていた荒井を留めたのが新堂だった。
彼がどうやって荒井を止めたのかはよく覚えていない。ただ強引に抱き寄せられ引きずるように安全なフェンスの向こう側に連れ出されたことだけはぼんやりと覚えている。
どうしていつも助けるのだろう。その口惜しさと今日も彼の腕が生へ引き寄せてくれた安堵。二つの相反する思いを持て余し新堂の方を見た時、彼の身体は地上へ落下しようとしていたのだ。
「新堂さんっ、新堂さ……」
声をあげ、手を伸ばす。だがフェンスが隔たり手は届かない。
必死に駆け寄ったのも空しく、冷たいフェンスごしに新堂は落ちていった。
「あ、あぁ……」
新堂が自分から飛び降りるとは思えない。身体も不自然に傾いていたから、フェンスを越えようと思ってバランスを崩したのだろう。
彼が死にたがる訳がない。死にたがりでない彼が死ぬはずがない。
そんな幻想を打ち破るよう、土に石でも打ち付けるような鈍い音がした。
下では新堂の身体が潰れ骨が折れ吹き出した血で濡れているのだろうか。まだ言葉を紡ぐだけの余裕があるのか、それとも首の骨が折れそれさえままならないのか。
怖かった。
元より退屈な人生から新堂が失われるのだと思うと恐ろしくて下を見る事すら出来なかった。
同時に自分が何て身勝手なのだろうとも思った。
目の前から新堂が失われる事など今まで一度も考えなかったのだろうか。死に到る程の危険を浴びせる自分を助けるのだからいつもそのリスクを新堂に負わせている自覚はあったはずだ。
新堂の前から自分が消えてしまうのは良いのに、自分の前から新堂が消えてしまうのを良しとしないのもひどいエゴだ。新堂が生きているうちに自分の生を終わらせたいと心のどこかで思っていたのではないか。
どうしようもない怖れと無力感から膝をつく荒井の耳に、微かだが人の声が入ったのはその時だった。
「お……い、いるんだろ、荒井ッ……いるなら手を貸してくれ……」
新堂の声だ。まだ生きているのだ。
それに気付いた時いてもたってもいられなくなった荒井は転げ落ちるように階段を下って外に出る。
グラウンドに出れば植え込みの中で身動きがとれなくなっている新堂の姿がすぐさま目に入った。運良くグラウンドに落ちなかったから大きな怪我をせずに済んだのだろう。それでなくとも、鳴神学園の屋上は飛び降りるにしては微妙な高さなのだから。
そんな死にきれないような高さを飛び降りてみようとする荒井も大概なのだろうが。
「新堂さん……新堂さん、大丈夫なんですか……」
植え込みの中に手を伸ばせば、新堂はその手をとり何とか身体を起こした。
「大丈夫な訳ねぇだろ、あの高さから落ちたんだぞ……くそッ、身体中が痛ェ……」
荒井の肩をかり何とか立ち上がる。 見た目に大きな怪我はないが落ちたのには違いない、油断は出来ないだろう。
「病院に……」
「当たり前だろ、行くよ。テメェみたいに死にたがりじゃ無ェんだ俺は……俺は、おまえと今日も明日も生きて生きて生き抜いてやるんだからな。お前が死にたくても死なせてやらねー、嫌がらせをずっと続けてな……ほら、手ぇ貸せ。病院まで一緒に行くぞ」
「……はい」
新堂に肩を貸し寄り添いながら歩き出す。
彼には生きていてもらわなければいけない。これからも自分の邪魔をしてもらわなければいけない。
新堂がいない世界では、生きがいは勿論、死にがいもないのだから。
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