インターネット字書きマンの落書き帳
ハロウィンのヤマとアル。(ヤマアル・BL)
ハロウィンにゃんにゃんするヤマムラとアルフレートの話ですよ。
まだ全然、ハロウィンの時期まで間があるんですけどね!
いつも当日になって「ギリギリだァ~!」って出したり、当日を過ぎて「俺がハロウィンと思う日までハロウィンだ!」になりがちなので今回は早めに出しておきたいと思います!
作品そのものは、以前「ぷらいべったー」に置いてあったものなんですけどね。
せっかくなので蔵出ししました。
その関係で「これ見た事ある!」「以前も同じ話が載っているよ!」という事態になるかもしれませんが…………。
最新の俺がいつも最高の俺だぜ!
という事で見逃してくれれば幸いです!
まだ全然、ハロウィンの時期まで間があるんですけどね!
いつも当日になって「ギリギリだァ~!」って出したり、当日を過ぎて「俺がハロウィンと思う日までハロウィンだ!」になりがちなので今回は早めに出しておきたいと思います!
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せっかくなので蔵出ししました。
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最新の俺がいつも最高の俺だぜ!
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『異国のものと異国の祝祭』
ハロウィンは、元々ヤーナムにはない祭である。
収穫を祝い、黄泉から戻る先祖代々の霊にまぎれて仮装をし、収穫により得た恵みで菓子などを焼いて一年の息災を祈願するものだ、とヤマムラは聞いていた。
例えヤーナムには存在しなくても、息災を願い恵みに感謝するという心は清らかなものだと思ったから、ヤマムラはアルフレートのためにいくつかの菓子を袋詰めにするとそれをアルフレートへと差し出した。
「今の時期は、異国ではハロウィンなんて祝祭があるんだ。ヤーナムにはないが、子供たちにお菓子を配って賑やかにすごすとても楽しいモノなんだよ。だから、ほら、アルフレートもお菓子を受け取ってくれるかい?」
差し出された紙袋には一つずつ丁重に包まれた焼き菓子や、煌びやかに彩られたオレンジのキャンディー、ぎっしり詰まった変わった色のマシュマロなんかが詰まっている。見るからに美味しそうな菓子ではあるが子供だましのお菓子を押しつけられているようで、アルフレートは少し不服そうに唇を尖らせた。
「あの、ヤマムラさん。私子供じゃないのでお菓子ばかり頂くのは困るのですけれども……」
確かにアルフレートはヤマムラと一回りは歳が離れている。
だがお菓子をもらって喜ぶような子供ではないし、体格だけでいえばヤマムラより随分と背も高いだろう。
だから今さら子供扱いをされるのは極めて不服なのだが、ヤマムラはそんな事お構いなしといった様子で笑うとお菓子がいっぱい入った紙袋を半ば強引に押しつけてきた。
「キミが子供じゃない事くらいわかっているさ。だが、キミがこのお菓子を食べてくれたら喜んでくれるんじゃないか、とか、こんなお菓子をキミがどんな顔をして食べるんだろうなんて想像しながら買ってたらつい楽しくなってしまってね。こんなに買い込んできてしまったんだが……受け取ってはくれないか?」
流石に、そこまで言われたら受け取らないこちらの方が駄々っ子のように思える。
それにしても「ずっとアルフレートの事を思ってお菓子を選んでいた」だなんてさらりと言ってのけるヤマムラを見ると、東洋人というのは誰でもこんな事を普通にする人間なのか、それともヤマムラが特別なのか気になってしまうものだ。
アルフレートはそう思いながら紙袋を受け取ると、瓶に詰め込まれたキャンディを一つ頬張るのだった。
大人からしても大きな棒付きキャンディーだ。ヤマムラに見られるのは別にいいが、外で誰かに見られたらどうなることだろう。それでもアルフレートは同年代の青年と比べてみても若く見える所があり、他の狩人たちと比べれば明らかに若いのだからもし見られたらやれ子供だ、坊やだと茶化されるのは間違いなさそうだ。
それだというのにヤマムラは嬉しそうに頬杖をつくとキャンディをなめる彼の顔を静かに見つめていた。
「……私の、こういう姿を見て、楽しいですか、ヤマムラさん」
茶化す訳でもない真っ直ぐなヤマムラの瞳はかえって気恥ずかしく、つい視線を逸らせばヤマムラは頭を撫でると、彼の耳元で囁いた。
「うん、楽しいよ。それに、とてもかわいいじゃないか」
ヤマムラは随分と満足そうだが、可愛いなんて、子猫や女の子に似合う言葉だろう。
とっくに成人したアルフレートが言われるのはおかしな事のはずなのだが、ヤマムラからそう言われるのが嬉しいというのも事実だった。
可愛いだとか、大切な存在だとか、特別だからだといった言葉は普通なら子供が親に与えるものだろうが、アルフレートはヤマムラからそんな言葉をもらう事でくすぐったくもひどく安心する自分に気付いていた。
それが幼い頃両親からあたえられなかった言葉だから喜びを抱いているのかもしれないし、ヤマムラに少なからず好意を抱いているからこそ彼のくれる言葉は何でも嬉しく思えるのかもしれない。
何にせよかれからもらえる言葉はいつも暖かくもくすぐったく思えて、やけに嬉しく感じるのだ。
「ふふ、可愛いついでにこれも買ってみたんだが、流石に子供すぎるか?」
ヤマムラはそう言いながら、黒猫の耳がついたカチューシャと大きめのネコの手袋を取り出す。ネコの手袋は肉球がついており、子供がつけるにしてもやや大きめに作られていた。
ハロウィンでは大人も仮装をする事が多いという。そのほうが霊に紛れられるから、という大義名分はあるようだが、ようは皆でこの祭りの浮かれた気分を楽しみたいのだろう。
「どうするアルフレート、ためしに黒猫にでもなってみるかい?」
ヤマムラはそれをかざしてどこか悪戯っぽく笑う。
普段のアルフレートだったら顔を真っ赤にして「そんなの、子供じゃないですからイヤです」 というだろう。実際にヤマムラも無理強いするつもりはない様子で、すぐに片付けられるよう傍らには開けっぱなしの箱が置かれている。
「は、い……あの、つけさせてくれませんか?」
だからこそ、アルフレートの返事には随分と驚いた様子を見せた。
舐めていたあめ玉をかみ砕くと、アルフレートはベッドに座り「早くつけてください」と言わんばかりに目を閉じる。想像していなかったアルフレートの言葉にヤマムラは一瞬戸惑う様子を見せたが、彼がそれほど嫌がっているわけでもなく祭りを楽しんでくれているのだと思い直すとベッドの上にいるアルフレートにネコ耳のカチューシャをつけてやった。
「どう、です。あの、わたし……かわいい、ですか?」
ネコの手袋で口元を隠し、上目遣いで問いかけるその姿は可愛いを通り越してあざといほどだ。
「可愛い……いや、出来すぎてるな。君に誂えたみたいによく似合っているよ」
ヤマムラはベッドにこしかけアルフレートの腰へと手を回せば、アルフレートはキスを期待するよう静かに目を閉じる。これは誘惑であり罠だとはすぐに気付いたが、これほど美味しい毒なら飲み干してやるのが礼儀だろう。その誘惑に誘われるまま、ヤマムラは彼と唇を重ねた。
今さっきかみ砕いたキャンディのやたらと甘ったるい味が違いの口の中に広がり、甘さののこる舌とキャンディの強い香料がまるで媚薬のように溶け合って混ざり合い、お互いの唾液となって身体に注がれる事で知らぬうちに昂ぶっていった。
「はぁっ……ヤマムラ、さんっ……」
気付いた時、アルフレートはベッドへ仰向けにされていた。高まる期待を胸に、自分の身体を押さえ見据えるヤマムラへと目線を向ける。
「あぁそうだ」
ヤマムラは彼の視線を受けるとやっと思い出したように、アルフレートの首に赤い鈴のついた首輪をつけた。
「今の君なら似合うと思って、はは……どうだろうな、こういうのは」
ヤマムラがアルフレートの服の上から身体をなぞれば痺れるような心地よさに包まれ、アルフレートの身体は打ち震える。すると、それにあわせるかのようにアルフレートの首についた鈴はちりん、ちりんと涼しい音を鳴らした。
「よく、似合ってる……アルフレート」
「んっ、ヤマムラさん……あの、お願いで、す……私を、このまま……」
震える声でヤマムラを見るアルフレートの唇を人差し指で押さえると、ヤマムラは妖しく笑った。
「ダメだよ、アルフレート。君はいつも性急すぎる……こういうのは、お互いの心が整うよう……ゆっくりと、ゆっくり……育むようにしていこう。大丈夫、君との夜はまだ、長いんだからね」
そうしてヤマムラは再び激しく口づけをする。
アルフレートは言葉なくその唇に酔いしれるかわりに、その首の鈴が幾度もちりん、ちりんと鳴り響いていた。
ハロウィンは、元々ヤーナムにはない祭である。
収穫を祝い、黄泉から戻る先祖代々の霊にまぎれて仮装をし、収穫により得た恵みで菓子などを焼いて一年の息災を祈願するものだ、とヤマムラは聞いていた。
例えヤーナムには存在しなくても、息災を願い恵みに感謝するという心は清らかなものだと思ったから、ヤマムラはアルフレートのためにいくつかの菓子を袋詰めにするとそれをアルフレートへと差し出した。
「今の時期は、異国ではハロウィンなんて祝祭があるんだ。ヤーナムにはないが、子供たちにお菓子を配って賑やかにすごすとても楽しいモノなんだよ。だから、ほら、アルフレートもお菓子を受け取ってくれるかい?」
差し出された紙袋には一つずつ丁重に包まれた焼き菓子や、煌びやかに彩られたオレンジのキャンディー、ぎっしり詰まった変わった色のマシュマロなんかが詰まっている。見るからに美味しそうな菓子ではあるが子供だましのお菓子を押しつけられているようで、アルフレートは少し不服そうに唇を尖らせた。
「あの、ヤマムラさん。私子供じゃないのでお菓子ばかり頂くのは困るのですけれども……」
確かにアルフレートはヤマムラと一回りは歳が離れている。
だがお菓子をもらって喜ぶような子供ではないし、体格だけでいえばヤマムラより随分と背も高いだろう。
だから今さら子供扱いをされるのは極めて不服なのだが、ヤマムラはそんな事お構いなしといった様子で笑うとお菓子がいっぱい入った紙袋を半ば強引に押しつけてきた。
「キミが子供じゃない事くらいわかっているさ。だが、キミがこのお菓子を食べてくれたら喜んでくれるんじゃないか、とか、こんなお菓子をキミがどんな顔をして食べるんだろうなんて想像しながら買ってたらつい楽しくなってしまってね。こんなに買い込んできてしまったんだが……受け取ってはくれないか?」
流石に、そこまで言われたら受け取らないこちらの方が駄々っ子のように思える。
それにしても「ずっとアルフレートの事を思ってお菓子を選んでいた」だなんてさらりと言ってのけるヤマムラを見ると、東洋人というのは誰でもこんな事を普通にする人間なのか、それともヤマムラが特別なのか気になってしまうものだ。
アルフレートはそう思いながら紙袋を受け取ると、瓶に詰め込まれたキャンディを一つ頬張るのだった。
大人からしても大きな棒付きキャンディーだ。ヤマムラに見られるのは別にいいが、外で誰かに見られたらどうなることだろう。それでもアルフレートは同年代の青年と比べてみても若く見える所があり、他の狩人たちと比べれば明らかに若いのだからもし見られたらやれ子供だ、坊やだと茶化されるのは間違いなさそうだ。
それだというのにヤマムラは嬉しそうに頬杖をつくとキャンディをなめる彼の顔を静かに見つめていた。
「……私の、こういう姿を見て、楽しいですか、ヤマムラさん」
茶化す訳でもない真っ直ぐなヤマムラの瞳はかえって気恥ずかしく、つい視線を逸らせばヤマムラは頭を撫でると、彼の耳元で囁いた。
「うん、楽しいよ。それに、とてもかわいいじゃないか」
ヤマムラは随分と満足そうだが、可愛いなんて、子猫や女の子に似合う言葉だろう。
とっくに成人したアルフレートが言われるのはおかしな事のはずなのだが、ヤマムラからそう言われるのが嬉しいというのも事実だった。
可愛いだとか、大切な存在だとか、特別だからだといった言葉は普通なら子供が親に与えるものだろうが、アルフレートはヤマムラからそんな言葉をもらう事でくすぐったくもひどく安心する自分に気付いていた。
それが幼い頃両親からあたえられなかった言葉だから喜びを抱いているのかもしれないし、ヤマムラに少なからず好意を抱いているからこそ彼のくれる言葉は何でも嬉しく思えるのかもしれない。
何にせよかれからもらえる言葉はいつも暖かくもくすぐったく思えて、やけに嬉しく感じるのだ。
「ふふ、可愛いついでにこれも買ってみたんだが、流石に子供すぎるか?」
ヤマムラはそう言いながら、黒猫の耳がついたカチューシャと大きめのネコの手袋を取り出す。ネコの手袋は肉球がついており、子供がつけるにしてもやや大きめに作られていた。
ハロウィンでは大人も仮装をする事が多いという。そのほうが霊に紛れられるから、という大義名分はあるようだが、ようは皆でこの祭りの浮かれた気分を楽しみたいのだろう。
「どうするアルフレート、ためしに黒猫にでもなってみるかい?」
ヤマムラはそれをかざしてどこか悪戯っぽく笑う。
普段のアルフレートだったら顔を真っ赤にして「そんなの、子供じゃないですからイヤです」 というだろう。実際にヤマムラも無理強いするつもりはない様子で、すぐに片付けられるよう傍らには開けっぱなしの箱が置かれている。
「は、い……あの、つけさせてくれませんか?」
だからこそ、アルフレートの返事には随分と驚いた様子を見せた。
舐めていたあめ玉をかみ砕くと、アルフレートはベッドに座り「早くつけてください」と言わんばかりに目を閉じる。想像していなかったアルフレートの言葉にヤマムラは一瞬戸惑う様子を見せたが、彼がそれほど嫌がっているわけでもなく祭りを楽しんでくれているのだと思い直すとベッドの上にいるアルフレートにネコ耳のカチューシャをつけてやった。
「どう、です。あの、わたし……かわいい、ですか?」
ネコの手袋で口元を隠し、上目遣いで問いかけるその姿は可愛いを通り越してあざといほどだ。
「可愛い……いや、出来すぎてるな。君に誂えたみたいによく似合っているよ」
ヤマムラはベッドにこしかけアルフレートの腰へと手を回せば、アルフレートはキスを期待するよう静かに目を閉じる。これは誘惑であり罠だとはすぐに気付いたが、これほど美味しい毒なら飲み干してやるのが礼儀だろう。その誘惑に誘われるまま、ヤマムラは彼と唇を重ねた。
今さっきかみ砕いたキャンディのやたらと甘ったるい味が違いの口の中に広がり、甘さののこる舌とキャンディの強い香料がまるで媚薬のように溶け合って混ざり合い、お互いの唾液となって身体に注がれる事で知らぬうちに昂ぶっていった。
「はぁっ……ヤマムラ、さんっ……」
気付いた時、アルフレートはベッドへ仰向けにされていた。高まる期待を胸に、自分の身体を押さえ見据えるヤマムラへと目線を向ける。
「あぁそうだ」
ヤマムラは彼の視線を受けるとやっと思い出したように、アルフレートの首に赤い鈴のついた首輪をつけた。
「今の君なら似合うと思って、はは……どうだろうな、こういうのは」
ヤマムラがアルフレートの服の上から身体をなぞれば痺れるような心地よさに包まれ、アルフレートの身体は打ち震える。すると、それにあわせるかのようにアルフレートの首についた鈴はちりん、ちりんと涼しい音を鳴らした。
「よく、似合ってる……アルフレート」
「んっ、ヤマムラさん……あの、お願いで、す……私を、このまま……」
震える声でヤマムラを見るアルフレートの唇を人差し指で押さえると、ヤマムラは妖しく笑った。
「ダメだよ、アルフレート。君はいつも性急すぎる……こういうのは、お互いの心が整うよう……ゆっくりと、ゆっくり……育むようにしていこう。大丈夫、君との夜はまだ、長いんだからね」
そうしてヤマムラは再び激しく口づけをする。
アルフレートは言葉なくその唇に酔いしれるかわりに、その首の鈴が幾度もちりん、ちりんと鳴り響いていた。
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