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インターネット字書きマンの落書き帳

   
猫の日は猫っぽいことをさせて良いと聞いた
平和な世界線で普通に付き合っている新堂×荒井の話してます。(挨拶)

猫の日なんでね。
何か推しCPの猫っぽい話とか書きたいなと思って急遽ひねり出しました。

急遽ひねり出したので普段は下書きしてからブログにupするんですが今日は久しぶりにブログに直書きしてます。
やったね俺の原液そのままだよ!

内容は「お、今日猫の日じゃん。荒井猫になれよ」と思いつきで言う新堂パイセンと「何でだよ」っていいつつ新堂パイセンに押されてにゃんにゃんになる荒井の話です。

急に手癖を出すとこうなっちまうんだよなァ~。


『猫の日』

 新堂誠が部屋で寝転びスマホを眺めた時、時刻は2月22日の22時12分を指していた。
 あと10分ほどすれば2月22日で22時22分のぞろ目だ。だからといって何だという訳ではないが少しばかり楽しい心持ちになる。

「おい荒井、あと10分で2月の22日、22時22分だぞ」
「はぁ、だから何だっていうんですか。僕は忙しいんです」

 新堂が嬉々としながら荒井昭二に報告すれば荒井昭二はにべもなく切り返しゲーム画面を見つめた。指先はせわしなく動きコントローラーがカチャカチャと音をたてている。今日は随分と忙しいゲームをやっているようだ。

「何だよ、2がイッパイ並んでるとちょっと楽しいだろ? オメェに楽しい気持ち分けてやろうと思った俺の優しさがわかんねぇかな」
「わかりませんよ。だいたい、ぞろ目の日なんて次は3月3日もありますし、4月にも5月にもあります。11月11日なら今日よりもっと数字が並ぶじゃないですか」

 荒井はこちらへ目を向ける事もなく黙々と目の前に現れる敵を処理している。アクション要素のあるRPGで遊んでいるらしい。
 最も新堂は荒井だったらこの程度の反応だろうとは思っていた。逆に言えば荒井が『そうなんですか、凄いですね。じゃあ一緒にあと10分待ちましょうか』なんて甘い事を言うタイプでは決してないからだ。
 承知していたとしても実際にひどく淡泊にあしらわれると悲しいものである。新堂は仕方ないと思いつつも可愛げない男だと内心舌打ちをしSNSを開いて見る。
 するとそこには「今日は猫の日」といいながら猫の写真や絵などが無数にアップロードされている。新堂は犬好きであり飼うなら柴犬と思っていたのだが猫が嫌いという訳でもなかったので何とはなしに皆がupした猫を眺めていた。

「あー、そうか。猫の日かー……飼うなら絶対に犬だけど猫ってのも可愛いよなァー」

 ごろりと寝転びながら眠そうにベッドへ顔を突っ込む猫や風呂の水を恐る恐る触る猫の動画などを流す。

「なぁ、荒井。俺猫触りたい気分だからおまえ猫になってくれねぇ?」

 そしてそんな事を口にした。これは特に何か深い考えがあった訳ではなく、写真や動画を見ているうちに完全なる思いつきで言った言葉なのだが荒井は恐ろしいほど不機嫌か顔を向けると氷のように凍てつく視線を向けた。

「はぁ? 何を言ってるんですか新堂さん。本気で言ってますか」

 だが新堂は荒井の視線も声色の変化なども一切意に介さない。動画に夢中で彼を見ていないのだ。

「おい猫が喋んな。にゃーって言えにゃーって」
「新堂さん……僕は」
「にゃーだろ? にゃー」

 新堂は荒井を見ていなかったので鬼気迫る表情で自分を見る荒井にはとうとう気付かなかった。荒井はただ深くため息を一度つくと半ば諦めた顔をしていた。

「にゃー ……これでいいんですね」
「お、可愛いかわいい。あらぽよ、ほらあらぽよ、撫でてやるぞ来いよ」
「誰があらぽよですか。そのあだ名は嫌いじゃないですが……」
「にゃーって言えよ。猫なんだよテメェは」
「……にゃー」

 荒井は露骨に不服そうな顔をし不服そうな声で返事をするが新堂は一切気付く様子もないまま荒井の頭を撫でていた。

「よしよし、あらぽよ可愛いなァ。毛並みつやっつやじゃ無ェか」
「あの、新堂さん。僕はこういったおふざけはあまり好きではないんですが」
「にゃーだろ、にゃー」
「おぁぁ、にゃぁ、にゃぁ」
「よーしよし、あらぽよは本当にいい子だなァ」

 新堂はそこでようやくスマホを置くと荒井の身体を後ろから抱きしめた。当然後ろからなので荒井が激しく不愉快な顔をしている事には気付いていない。猫の声を出している荒井の声がひどく威圧的だったのも元々鈍感な新堂は気にしていないだろう。
 そうして抱きしめた身体全体をまるで猫を撫でるように触れると新堂は荒井の肩へ顔を押しつけた。

「ちょ、ちょっと新堂さっ……」

 荒井は慌ててコントローラーを置く最中でも新堂は身体を撫でるのをやめようとはしない。新堂は無意識に、ただ普段通りに身体に触れているつもりかあるいは猫を撫でる気持ちで触れているのだろうがその指先は自然と荒井の心地よいところに触れるのだ。

「新堂さっ……待ってください、あのっ……」
「にゃーって言えよ。猫ちゃんなんだからおめーは」
「そんな触り方をするなら……ちゃんとやりましょう……僕は……」

 荒井はすっかり顔を赤くして新堂の身体へと寄りかかってくる。その表情を見て新堂は自分が荒井をその気にさせてしまった事にようやく気付いた。

「いいぜ。あ、でもお前今日は猫なんだからにゃーって言わないとダメな。ずーっとにゃーにゃー言ってるなら続きしてやってもいいぜ」

 新堂は少し意地悪く笑うと閃いたといった顔を向ける。荒井は唇を噛み少し思案した。これだけ嫌がっているというのに新堂はどうして頑なに猫の真似をさせるのだ。どうせふれ合うならもっと情欲を煽るような言葉でやりとりしたいというのに。
 それともあえて少ない言葉で従わせるのが新堂の狙いだろうか。新堂がそこまで考えているとは思いがたいがそのようなプレイであれば期待に応えるのが自分の役割だろうか。

「……にゃぁ」

 考えた後、荒井は甘い声で鳴くとすべて委ねるよう新堂へと身を預ける。
 新堂が考えてやっていようがいまいが、この際どうでもいい。普段しない行為や行動で新堂や自分がどうなるかは興味があったからだ。

「よし、あらぽよ。本当に素直で可愛いな……ずぅっと俺が飼っててやるからな」

 それに自分を猫として支配し悦に浸る新堂の笑顔と声の裏に秘められた強い独占欲と衝動のような嗜虐性を浴びる機会があるのならそれに乗らない理由はない。
 キスをしながら爪を立て不敵に笑う新堂を前に、荒井は発情した猫のように甘く狂おしい声で長く長く鳴くのだった。

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