インターネット字書きマンの落書き帳
幸せにしたい男と怖い男(ヤマアル)
pixivに置いてあったヤマムラ×アルフレートの話をTwitterに移動しました。(報告)
pixivにあった作品を個人サイトかこのブログにどんどんぶち込んでいこうと思っていますので過去の作品を突然あたかも新作のように置く俺が爆誕しますがどうかお許しを。
いや、神に許しなど乞うものか。
このままインターネットの藻屑になるまで放流しつづけてやろうじゃぁないか……。
この話は「自分は幸せになってはいけない」とどこか思っているアルフレートくんがヤマムラさんに「いるだけで幸せだよ」って言ってもらって嬉しい話です。
基本は「幸せにしたいと思っているヤマムラさん」と「幸せになるのが怖いアルフレートくん」って話ですが、実のところ「本を読んでる時なんか髪をアップにしているアルフレートくんがいたら可愛いよね」という思いで書いたこと、今でも昨日のように思い出されます。
俺は一瞬のシーンでリビドーが高まっちゃうんだよなァ~
pixivにあった作品を個人サイトかこのブログにどんどんぶち込んでいこうと思っていますので過去の作品を突然あたかも新作のように置く俺が爆誕しますがどうかお許しを。
いや、神に許しなど乞うものか。
このままインターネットの藻屑になるまで放流しつづけてやろうじゃぁないか……。
この話は「自分は幸せになってはいけない」とどこか思っているアルフレートくんがヤマムラさんに「いるだけで幸せだよ」って言ってもらって嬉しい話です。
基本は「幸せにしたいと思っているヤマムラさん」と「幸せになるのが怖いアルフレートくん」って話ですが、実のところ「本を読んでる時なんか髪をアップにしているアルフレートくんがいたら可愛いよね」という思いで書いたこと、今でも昨日のように思い出されます。
俺は一瞬のシーンでリビドーが高まっちゃうんだよなァ~
『永遠という瞬間』
アルフレートが隣のベッドに腰掛けるヤマムラに気付くのが遅くなったのは、本の内容に夢中で周囲に対し無頓着だったからだろう。ここなヤーナムの町中ならもう少し気を張っていただろうが安全な宿内だから気が緩むのも仕方が無い。
医療教会から出されている本など退屈な内容に決まっていると高をくくって読み始めた本は主に獣の病とその症状について詳細に書かれおり語り口が巧妙なのもあってすっかり引き込まれてしまっていたのだ。
アルフレートは本を枕元に置くとヤマムラの方を見た。
「あれ、いつから見てたんですかヤマムラさん。部屋に戻ったんなら言ってくださいよ」
「はは、そう思ったんだけど真剣に読んでたから悪いと思ってね」
ずっとこっちを見ていたのだろうか。だとすると独り言を呟いていたのも聞かれていたかもしれない。アルフレートは恥ずかしくなり鼻の頭を掻く。
「ヤマムラさんは気配を消すのがお上手ですよね。部屋に入っている事にも気付きませんでしたよ。もしヤマムラさんが獣だったら、私狩られてしまいますね」
照れ隠しに少しおどけた様子で言えば、ヤマムラは彼に手を伸ばして頬を撫でる。そして戯れのお返しにと言わんばかりに悪戯っぽく笑ってみせた。
「随分と面白いことを言うな、アルフレート……今夜は狩って欲しいのかい」
僅かに首を傾げるその仕草が妙に妖艶でアルフレートはますます気恥ずかしくなり俯いていた。
「いつでも狩って欲しいですよ、貴方になら私は何されてもいいんですから……」
自然と顔が火照り、胸の鼓動が高まっていく。 ヤマムラもアルフレートの変化に気付いたのか、アルフレートの隣へと腰掛け指先でアルフレートの額を撫でて見せた。
「実はね……アル、君は今日、本を読むために髪を上げているだろう?」
「えっ……あ、あぁ……本当だ、忘れてました」
ヤマムラに言われ、アルフレートは自分が前髪をピンで止めていたのを思い出した。本を読むのに邪魔だから、横から出る髪などは全てピンで止めておいたのだ。
慌ててピンを外そうとするアルフレートの手を止めるとヤマムラは再びアルフレートの額を撫でる。獣狩りにより傷ついた指先のざらりとした感触がアルフレートの肌をくすぐった。
「キミは滅多に額なんて見せないだろう。だからその珍しい姿が普段と違って見えて、可愛くて……真剣に本を読む君の横顔を見ているだけでとても幸せな気分になるんだ。何というんだろうな、この気持ちをうまく表現する言葉が見つからないんだが……あぁ、大切な君がここにいるんだと思うだけで幸せで、話かけるタイミングがなかなか見つからなくなってしまったんだよ」
ヤマムラはしどろもどろになってそう語ると、不意にアルフレートを抱き寄せてその額に口づけをした。
「急にすまん、この気持ちを表現する言葉がみつからないから……これで……伝わるか?」
ただ額に触れるだけの優しいキスはアルフレートがこれまでしてきたキスの中では生ぬるいキスとも呼べないような挨拶程度のふれ合いだったが、ただ触れられただけでもどうしようもない程アルフレートの心を強くそして深く揺さぶるのだ。
それは恋心や情欲をなるべく秘めるものとする東洋人のヤマムラが口づけを許す意味をアルフレートも理解しはじめたからというのもあるだろうがそれ以上にアルフレートがヤマムラにただ触れられるだけで喜ばしいと思えるほど恋慕の感情を募らせているのも大きいだろう。
「ど、どうしたアルフレート……やはり、キスは嫌だったか?」
アルフレートを見つめるヤマムラは、唐突に狼狽える。
その声で、アルフレートは自分が泣きそうになっている事に気付いた。
嬉しかった。
そして、とても幸せだった。
自分は穢れているのだと長くそう思っていたし、教会でも「汚れた子」と嘲られ罵られるのが当然となっていた。
当たり前のように夜の相手を多くつとめ日銭を稼いでいた自分は穢れているのだから、普通の人間にはなれない。だからこそ善い事をし、この街を浄化をする事でやっと人間らしくなれるのだと思っていた。
今はまだ人間と呼ばれることもない穢れた存在だという認識は深くアルフレートに刻み込まれていたし、だからこそ善い事を教えてくれた師の言葉に殉じ、善い事をして穢れを浄化し続けない限りは自分は人並みのスタートラインにすら立てないと思っていたから、自分が汚れて傷つき不幸であるのは当然だと受け入れてきた。
だが、今の自分は間違いなく幸福だった。
穢れすら飲み込んで慈しみ包み込んでくれる、最愛のパートナーが傍らにいてくれるからだ。
善きことをまだ多くしてない未熟な自分が人並みに幸福になれる。それを噛みしめるだけで自然と涙がこぼれていた。
「嫌な事なんてありませんよ」
こぼれた涙を前に驚いて目を見開くヤマムラへと笑い、アルフレートは涙を拭う。
「ただ、涙が勝手に出てきてしまうんです。理由は私にもわかりません……どうしてでしょう、悲しいワケじゃないんですよ。それなのに不思議ですよね」
溢れた涙をどうしていいか解らぬまま拭い続けるアルフレートをヤマムラは抱き寄せた。
「よかった、悲しいワケじゃないのか」
「嬉しいです。とても幸せなのに、涙がとまらない……私、どうしてしまったんでしょうか。血に酔いすぎておかしくなってしまったのかもしれませんね……」
袖で涙を留めようとするアルフレートにかわりヤマムラがその涙を拭う。 そして強く彼を抱きしめるとその耳元で囁いた。
「不思議な事じゃない。人間は幸せな時も涙が出るものだよ」
「そうなんですか。私は……」
「アルフレート、キミは幸せになっていい人なんだ。せめて俺といる時だけでも、そう思ってくれないか? 幸せになるのは誰だって普通に求めていいことだ。幸せを怖れ怯えなくとも君は幸せになっていいんだ。そう思えるように、俺も尽力するから」
二人は自然に寄り添うとまるでそこにあるのが当然のように唇を重ねる。
溶けるような幸福を前にしても、アルフレートはまだどこか怖れていた。
「ヤマムラさん……私は……」
本当に幸せになってもいいのか疑念が渦巻く。
たくさん、ひどい事をしてきた。
沢山汚れてきたし、沢山の血を浴びてきた。
そんな自分が幸福になっていいのだろうか。
生まれながらに穢れている自分のような人間はもっと沢山の善い事をし、浄化をしなければいけないのではないか。何も成し遂げてないというのにこんなに幸福でいいのだろうか。
素直に子薄くを見据える事が出来ずにいるアルフレートを前に、ヤマムラは淡い笑顔を向けた。
「アルフレート、今は素直に幸せを受け取る事が出来なくともこれだけは覚えておいてくれ。この世界で君が生きている、それだけで幸福に思える人間がいるんだって事をだ。俺は、ただ君がそこにいてくれるだけで嬉しいし幸福なんだ。君はそれほどに価値のある人間だからね」
優しい言葉が、アルフレートの心にゆっくりと染み入る。柔らかで暖かい言葉を抱えヤマムラの胸へと縋り付いた。
「ありがとうございます。ヤマムラさん。私にとってのあなたのそうです。ヤマムラさんが私のしあわせですから……おそばに置いてください。どうか、私を……」
「あぁ……傍にいる。ずっと、傍にな」
本当は、それが叶わないのはわかっていた。
二人は立場が違いすぎるし、狩人というのは永遠を望むのにはあまりに危険な生業であったからだ。
だがそれでもこの瞬間、二人は本心からそれを願っていた。
いずれくる別れを一時忘れ、今の幸福が永遠になるように
アルフレートが隣のベッドに腰掛けるヤマムラに気付くのが遅くなったのは、本の内容に夢中で周囲に対し無頓着だったからだろう。ここなヤーナムの町中ならもう少し気を張っていただろうが安全な宿内だから気が緩むのも仕方が無い。
医療教会から出されている本など退屈な内容に決まっていると高をくくって読み始めた本は主に獣の病とその症状について詳細に書かれおり語り口が巧妙なのもあってすっかり引き込まれてしまっていたのだ。
アルフレートは本を枕元に置くとヤマムラの方を見た。
「あれ、いつから見てたんですかヤマムラさん。部屋に戻ったんなら言ってくださいよ」
「はは、そう思ったんだけど真剣に読んでたから悪いと思ってね」
ずっとこっちを見ていたのだろうか。だとすると独り言を呟いていたのも聞かれていたかもしれない。アルフレートは恥ずかしくなり鼻の頭を掻く。
「ヤマムラさんは気配を消すのがお上手ですよね。部屋に入っている事にも気付きませんでしたよ。もしヤマムラさんが獣だったら、私狩られてしまいますね」
照れ隠しに少しおどけた様子で言えば、ヤマムラは彼に手を伸ばして頬を撫でる。そして戯れのお返しにと言わんばかりに悪戯っぽく笑ってみせた。
「随分と面白いことを言うな、アルフレート……今夜は狩って欲しいのかい」
僅かに首を傾げるその仕草が妙に妖艶でアルフレートはますます気恥ずかしくなり俯いていた。
「いつでも狩って欲しいですよ、貴方になら私は何されてもいいんですから……」
自然と顔が火照り、胸の鼓動が高まっていく。 ヤマムラもアルフレートの変化に気付いたのか、アルフレートの隣へと腰掛け指先でアルフレートの額を撫でて見せた。
「実はね……アル、君は今日、本を読むために髪を上げているだろう?」
「えっ……あ、あぁ……本当だ、忘れてました」
ヤマムラに言われ、アルフレートは自分が前髪をピンで止めていたのを思い出した。本を読むのに邪魔だから、横から出る髪などは全てピンで止めておいたのだ。
慌ててピンを外そうとするアルフレートの手を止めるとヤマムラは再びアルフレートの額を撫でる。獣狩りにより傷ついた指先のざらりとした感触がアルフレートの肌をくすぐった。
「キミは滅多に額なんて見せないだろう。だからその珍しい姿が普段と違って見えて、可愛くて……真剣に本を読む君の横顔を見ているだけでとても幸せな気分になるんだ。何というんだろうな、この気持ちをうまく表現する言葉が見つからないんだが……あぁ、大切な君がここにいるんだと思うだけで幸せで、話かけるタイミングがなかなか見つからなくなってしまったんだよ」
ヤマムラはしどろもどろになってそう語ると、不意にアルフレートを抱き寄せてその額に口づけをした。
「急にすまん、この気持ちを表現する言葉がみつからないから……これで……伝わるか?」
ただ額に触れるだけの優しいキスはアルフレートがこれまでしてきたキスの中では生ぬるいキスとも呼べないような挨拶程度のふれ合いだったが、ただ触れられただけでもどうしようもない程アルフレートの心を強くそして深く揺さぶるのだ。
それは恋心や情欲をなるべく秘めるものとする東洋人のヤマムラが口づけを許す意味をアルフレートも理解しはじめたからというのもあるだろうがそれ以上にアルフレートがヤマムラにただ触れられるだけで喜ばしいと思えるほど恋慕の感情を募らせているのも大きいだろう。
「ど、どうしたアルフレート……やはり、キスは嫌だったか?」
アルフレートを見つめるヤマムラは、唐突に狼狽える。
その声で、アルフレートは自分が泣きそうになっている事に気付いた。
嬉しかった。
そして、とても幸せだった。
自分は穢れているのだと長くそう思っていたし、教会でも「汚れた子」と嘲られ罵られるのが当然となっていた。
当たり前のように夜の相手を多くつとめ日銭を稼いでいた自分は穢れているのだから、普通の人間にはなれない。だからこそ善い事をし、この街を浄化をする事でやっと人間らしくなれるのだと思っていた。
今はまだ人間と呼ばれることもない穢れた存在だという認識は深くアルフレートに刻み込まれていたし、だからこそ善い事を教えてくれた師の言葉に殉じ、善い事をして穢れを浄化し続けない限りは自分は人並みのスタートラインにすら立てないと思っていたから、自分が汚れて傷つき不幸であるのは当然だと受け入れてきた。
だが、今の自分は間違いなく幸福だった。
穢れすら飲み込んで慈しみ包み込んでくれる、最愛のパートナーが傍らにいてくれるからだ。
善きことをまだ多くしてない未熟な自分が人並みに幸福になれる。それを噛みしめるだけで自然と涙がこぼれていた。
「嫌な事なんてありませんよ」
こぼれた涙を前に驚いて目を見開くヤマムラへと笑い、アルフレートは涙を拭う。
「ただ、涙が勝手に出てきてしまうんです。理由は私にもわかりません……どうしてでしょう、悲しいワケじゃないんですよ。それなのに不思議ですよね」
溢れた涙をどうしていいか解らぬまま拭い続けるアルフレートをヤマムラは抱き寄せた。
「よかった、悲しいワケじゃないのか」
「嬉しいです。とても幸せなのに、涙がとまらない……私、どうしてしまったんでしょうか。血に酔いすぎておかしくなってしまったのかもしれませんね……」
袖で涙を留めようとするアルフレートにかわりヤマムラがその涙を拭う。 そして強く彼を抱きしめるとその耳元で囁いた。
「不思議な事じゃない。人間は幸せな時も涙が出るものだよ」
「そうなんですか。私は……」
「アルフレート、キミは幸せになっていい人なんだ。せめて俺といる時だけでも、そう思ってくれないか? 幸せになるのは誰だって普通に求めていいことだ。幸せを怖れ怯えなくとも君は幸せになっていいんだ。そう思えるように、俺も尽力するから」
二人は自然に寄り添うとまるでそこにあるのが当然のように唇を重ねる。
溶けるような幸福を前にしても、アルフレートはまだどこか怖れていた。
「ヤマムラさん……私は……」
本当に幸せになってもいいのか疑念が渦巻く。
たくさん、ひどい事をしてきた。
沢山汚れてきたし、沢山の血を浴びてきた。
そんな自分が幸福になっていいのだろうか。
生まれながらに穢れている自分のような人間はもっと沢山の善い事をし、浄化をしなければいけないのではないか。何も成し遂げてないというのにこんなに幸福でいいのだろうか。
素直に子薄くを見据える事が出来ずにいるアルフレートを前に、ヤマムラは淡い笑顔を向けた。
「アルフレート、今は素直に幸せを受け取る事が出来なくともこれだけは覚えておいてくれ。この世界で君が生きている、それだけで幸福に思える人間がいるんだって事をだ。俺は、ただ君がそこにいてくれるだけで嬉しいし幸福なんだ。君はそれほどに価値のある人間だからね」
優しい言葉が、アルフレートの心にゆっくりと染み入る。柔らかで暖かい言葉を抱えヤマムラの胸へと縋り付いた。
「ありがとうございます。ヤマムラさん。私にとってのあなたのそうです。ヤマムラさんが私のしあわせですから……おそばに置いてください。どうか、私を……」
「あぁ……傍にいる。ずっと、傍にな」
本当は、それが叶わないのはわかっていた。
二人は立場が違いすぎるし、狩人というのは永遠を望むのにはあまりに危険な生業であったからだ。
だがそれでもこの瞬間、二人は本心からそれを願っていた。
いずれくる別れを一時忘れ、今の幸福が永遠になるように
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